パラサイト・イヴ2

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パラサイト・イヴ2
PARASITE EVE2
ジャンル シネマティックアドベンチャーRPG
対応機種 プレイステーション
ゲームアーカイブス[GA]
開発元 スクウェア
発売元 スクウェア
人数 1人用
メディア CD-ROM2枚
発売日 通常版:1999年12月16日
ミレニアム版:2000年11月30日
PS one Books:2002年3月20日
ゲームアーカイブス:2010年11月18日
対象年齢 ゲームアーカイブス CEROB(12才以上対象)
売上本数 日本:約34万本
日本国外:約27万本
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パラサイト・イヴ2』(PARASITE EVE2)は、1999年にスクウェア(後のスクウェア・エニックス)より発売されたコンピュータゲーム。略称はPE2。

概要[編集]

瀬名秀明の小説を原作としたゲーム『パラサイト・イヴ』の続編。TVコマーシャルにおける美麗なCG(とくにヒロインのシャワーシーン)が各方面で話題となった。

ゲームシステム面における前作からの共通点が少なく、中でも特筆すべき点は、キャラクターから見て前進・後退・右折・左折である通称「ラジコン操作」に変更された。

モデルチェンジした本作に戸惑いを覚えるユーザーもいたものの、同様のアクションゲームスタイルに慣れた新しい層のファンを開拓したとも言え、この操作方法が一つのジャンル操作として定着してからは概ね好評を得ている。

特徴的なのはR1ボタンで武器を構え□ボタンで射撃という『バイオハザードシリーズ』に対し、本作は□ボタンで武器を構えR1ボタンで射撃をするというものになっている。これは実際の拳銃の「親指を握りこむ」「人差し指で引き金を引く」というイメージに近い操作であることから、向上したグラフィック性と相まって現実的な雰囲気がよく出ていると評価する見方もあった。同様のコンセプトは『ガングリフォンシリーズ』やフライトシミュレーションの専用コントローラーなどにも見られる。

また、前作から引き継いだ武器のチューンナップ要素も、努めて現実的な範疇に留められた[1]。シナリオ面では、2周目以降の特別なゲームマップが廃止されたものの、後述する様々なゲームクリア後の特典が用意され、引き続き何度も遊べるという点を引き継いだ。

主なスタッフ[編集]

  • 瀬名秀明(原作)
  • 坂口博信(エグゼクティブプロデューサー)
  • 岩尾賢一(ディレクター&シナリオ)
  • 松浪保之(アートディレクター)
  • 藤原浩(CGムービーディレクター)
  • 野村哲也[2](キャラクターデザイン)
  • 水田直志(音楽)
  • 平田裕介(プロデューサー)

舞台設定[編集]

マンハッタン島封鎖事件から3年――。事件後も全米各地では散発的にN.M.C.発生事件が相次ぎ、しかし確実に減少、縮小傾向へと向かっていた。

事件後、アヤはカウンターN.M.C.専門機関「M.I.S.T.」に所属するN.M.C.ハンターとしてスカウトされ、警官を辞職。残存するN.M.C.の追跡を続けていた。

平穏な日常を取り戻しつつあった彼女は、しかしある事件をきっかけに、再びあの惨劇の記憶に苛まれることになる。

深く静かに息づく巨大な危機は、誰も知らぬ地の底から、けれど確実に、この愚かな世界を蝕もうとしていた……。

ゲームの概要[編集]

FBI捜査官の主人公・アヤを操作し、多くは現地調達となるアイテム(銃器防護服弾薬等)を用いて障害となる敵を排除しながら、クリーチャー関連事案についての捜査を進めていく。

本作はアドベンチャー色の濃いものとなっており、より深くアヤの心情を掘り下げる試みがなされ、プレイヤーのアヤに対する没入感を増幅させている(主人公の操作方法が能動的なものへ変更されたのは、この演出意図を明確化するための措置であるとも考えられる)。前作では、加速度的に規模が拡大していく“戦い”が描かれたが、対して本作では、アヤの心象を辿り“”をクローズアップすることで、彼女の抱える葛藤と精神の救済が深く描かれており、シリーズを総括した際の大きな違いとなっている。

進行の要領[編集]

ゲームを進行する上で発生するイベントシーンやNPCとの会話で捜査が進展し、次にすべきこと(または、できること)がクエストとして新たに発生するが、逐次これらを遂行していくことで、最終的なクリアを目指す。

本作はアドベンチャーゲームではあるが、多くの場合、シナリオを進行する道程で敵が障害として立ちふさがり、一部は不可避にこれらを排除することが求められるため、プレイヤーにはそれらの脅威に対抗しうる装備を整えることが求められる。この際、プレイヤーは後述するBPPEといった要素を用いて主人公の能力を向上させることができるが、この点で、前作から引き続きRPGの要素を含んでいる。

なお、エンドロール後にクリアデータの保存ができ、プレイヤーはこれを使って、2周目以降の特別な『パラサイト・イヴ2』をプレイすることができる。

  • BP(バウンティ・ポイント)
    • ゲーム内で使用される通貨で、クリーチャー等の脅威を排除すると一定量加算され、逆に逃走すると減算される。これを用いて、必要な装備品等を購入・強化することができる。アヤが所属する対NMC機関が、隷下のオフィサーに対して給与とは別に発行する、装備の購入資金という設定でコンタクトレンズのような使い方をする機械に記録される[3]
  • PE(パラサイト・エナジー)
    • 主人公・アヤが持つ超能力の一種で、前作パラサイト・イヴで獲得した、細胞内のネオ・ミトコンドリアの能力に由来する。敵を攻撃するのに使用するほか、傷の治癒や戦闘の補助など効果は多岐にわたる。敵を排除して得られるEXPを用いて強化・獲得が可能で、本作の特徴的なゲームシステムのひとつでもある。前作で獲得したPEが序盤に使えない理由は能力の暴走を恐れたアヤがそれらをほとんど封印してしまったからだとされている。
  • マルチエンディング、2周目以降
    • 前作同様、本作にも2周目以降にマルチエンド、ゲームモードが難易度別に複数用意されており、繰り返しプレイを楽しむことができる。
    • エンディングは3種類用意されているが、これは難易度には左右されず、ゲームを進行する過程でとった主人公の行動により、そのパターンが変化する。
    • 2周目以降に用意されるゲームモードは、1周目と比較して簡単なものから難しいものまで計4種が用意され、それぞれ敵の配置やキャラクターの能力が変化するが、ゲーム内容に差異は無い。

用語[編集]

マンハッタン島封鎖事件
1997年クリスマス・イヴから六日間にわたって起きた、ニューヨーク州マンハッタン島を舞台とする、最初にして最大のネオ・ミトコンドリア関連事件。幼くして亡くなったアヤの姉―マヤ-にまつわるストーリーで、ネオ・ミトコンドリアの覚醒と反乱が描かれた。
M.I.S.T. (Mitchondrion Investigation and Suppression Team)
正式名称はミトコンドリア調査・鎮圧班。F.B.I.に設置されたカウンターN.M.C.機関。マンハッタン島封鎖事件以後、全米に散ったN.M.C.を駆除するため、各主要都市に設置されている。
N.M.C. (Neo Mitchondrion Creature)
ネオ・ミトコンドリアと呼ばれる、特別に進化し意志を持ったミトコンドリアに肉体を支配され、その基本的構造から大きく変異した生物。
A.N.M.C. (Artificial Neo Mitchondrion Creature)
本作から登場した概念。アンミックと読む。新しい人類の形態を模索すべく、人工的に作り出されたN.M.C.。その実態は人間を改造したものであるが、いまだ技術が確立されておらず失敗したものも少なくない。

物語の舞台[編集]

M.I.S.T.センター (M.I.S.T. Center)
ロサンゼルスにある、F.B.Iの秘密部署M.I.S.T.の支部。L.A.支部には、12名の捜査官が勤務している。カウンターN.M.C.機関ではあるものの、駆除のための戦術は確立されておらず、豊富な装備を以って各捜査官に自由な裁量での対応を求めている。ゲームを進める過程で、M.I.S.T.の存在自体を揺るがすスキャンダルが明るみに出る。
アクロポリス・タワー (Akropolice Tower)
ロサンゼルス市街、ダウンタウンにあるショッピングセンター。ここで起きるN.M.C.事案で、アヤたち捜査員に初めてA.N.M.C.の存在が明らかになる。
ドライフィールド (Dryfield)
ネバダ州モハーヴェ砂漠の中にある集落。元々数人しか住んでいなかったがN.M.C.、A.N.M.C.の出現によりダグラスを除く住人は死亡、または退去している。A.N.M.C.を追うアヤたちが、最初に訪れる場所。
ネヴァダ地下実験場 (NEVADA test site)
ドライフィールドの裏手にある、廃鉱山を利用して作られた、核シェルターを改造した施設。地下にはシャンバラと呼ばれる実験設備がある。冷戦時に民兵組織により作られた後、複数の所有者のもとを巡ったが、アクロポリス・タワー事件の数年前にとある企業に買い取られて改修され、先進的で非合法な生命科学のための大規模な臨床実験施設となっていた。なんらかの事故により職員の全てが失踪し、一部施設は破損している。
シャンバラ (Shambala)
アーク(箱舟)」とも呼ばれる、人工日照システムを備えた地下大規模温室。改造されたA.N.M.C.被験者達は全てここで飼育されていたが、上層階の事故に伴い一部が逃亡し、ドライフィールドにその被害が及んだことから、M.I.S.T.の調査が入るきっかけとなった。

登場人物[編集]

メインキャラクター[編集]

アヤ・ブレア (Aya Brea) 年齢:27歳
主人公。髪型はショートヘアに変わった。前作(3年前)の時点で勤めていたN.Y.P.D.(ニューヨーク市警)を同僚への配慮から辞め、現在はM.I.S.T.のN.M.C.ハンターとしてFBIに勤務している。活性化しているミトコンドリアの影響で、その美貌は全く衰えを見せていないが、本人はそのことに虚しさを憶えている[4]。マンハッタン島封鎖事件において我が身に降りかかった宿命にショックを受け、それ以来その傷を引きずって生きている。前作では勝気な性格だったが、ミトコンドリアの暴走を恐れ感情を抑えつけているため、周りからは物静かな女性と思われている。
カイル・マディガン (Kyle Madigan) 年齢:29歳
自称・ロサンゼルスの私立探偵。本作のキーパーソンの一人。ドライフィールド付近にあるシェルターを調べに来たと言い、アヤと協力することになる。M.I.S.T.本部の調査ではテキサス州生まれでアーバイン在住、合衆国空軍で4年間、兵士として勤務していた経歴を持つ。行動や目的など、色々と怪しい側面もあるがそれはゲームを進めるうちに明らかになってくる。
ピアース・D・キャラダイン (Pierce D.Carradine) 年齢:31歳
M.I.S.T.所属の情報処理担当捜査官。凄腕のハッカーだったがFBIに逮捕され、司法取引でM.I.S.T.に協力している。年齢のわりに子供っぽく一途で、アヤへの好意から時折無鉄砲な行動に出るが、それが事件解決の大きな手助けとなることも。インドア系の外見や特技とは裏腹にアウトドアを趣味としているが、銃は苦手[5]

サブキャラクター[編集]

ルパート・ブロデリック (Rupert Broderick) 年齢:37歳
M.I.S.T.所属の捜査官。元々FBIの捜査官であったが、妻と娘をN.M.C.に殺されたことから、志願してM.I.S.T.へ転属してきた。N.M.C.を目にすると、普段の温厚な人格から一転、残忍な顔を覗かせるようになる。そのため同僚からは避けられており、同じように周囲からは浮いているアヤとは任務を超えて助け合うことも多い。
ジョディ・ブーケ (Jodie Bouquet) 年齢:24歳
M.I.S.T.所属の火器管制担当官。アヤを慕っている。言動は少々子供っぽいが腕は確かなようだ。
エリック・ボールドウィン (Eric Baldwin) 年齢:50歳
M.I.S.T.を指揮する上級捜査官。非常に厳格な人物で、部下達からはその性格を揶揄され「HAL」と渾名される。
“No.9”
アクロポリス・タワー事件以後、何度もアヤの前に立ちはだかる謎の巨漢。異常なまでの身体能力を持ち、マチェットやガンブレードを武器にA.N.M.C.を狩る。アヤと同じくN.M.C.ハンターであると称する。素性を含め一切が謎の人物。
ギャリー・ダグラス (Gary Douglas) 年齢:56歳
ドライフィールドで廃車解体業を営む隻脚の老人。愛犬フリントと共に、たった一人でN.M.C.から町を守っている。大変な銃器蒐集家であり[6]、そしてアヤを助ける数少ない人間の一人。
フリント
ダグラスの愛犬。人懐こい気性で非常に賢く、アヤやピアースを助けるために奔走する。シリアスなストーリーの中にあって、唯一安息を齎してくれる貴重な癒しの存在。
“EVE”(イヴ)
アクロポリス・タワー事件後からアヤを度々襲う白昼夢に登場する、金髪碧眼の少女。容姿が幼い頃のアヤと瓜二つ。本作で描かれる事件の中心であり、キーパーソン
ナギダ(Nagida.M)
SWATに変装し、アクロポリス・タワーに潜入、および大量の爆弾を仕掛けた人物。
ボーマン
ネヴァダ地下研究所の幹部研究員。今作の事件が明るみに出る発端となった人物で、所謂マッドサイエンティスト。アヤ曰く、研究の過程で目的と手段が入れ替わってしまった最悪のケース。
グラント
合衆国大統領直属部隊所属の少尉。ネヴァダ研究所を制圧するために送り込まれた部隊の指揮官。任務一辺倒というわけではなく、アヤにも協力的な人物。なお、階級は少尉だが、大統領直属の部隊を指揮する立場から、四軍における少佐と同程度の権限を与えられている。

他の作品との関連[編集]

前作とのリンク[編集]

ダニエル
彼の料理が不味いという趣旨の、アヤの回想メッセージで登場。
前田
彼の書いた論文についてのアヤのメッセージ、そしてエピローグに登場。また、彼の名前を冠した、ピストル用の特殊な弾薬が登場。
合衆国特殊部隊隊員
隊員の一部は、マンハッタン島封鎖事件の時にEve及びN.M.C.攻撃のために出動していた部隊の生き残りであったため、アヤのことを知っていた。そのため極秘作戦であるにもかかわらず、部外者のアヤに協力的な態度で接する。

ファイナルファンタジーシリーズへのオマージュ[編集]

クラウド・アンチウィルス
作中に登場する、架空のコンピュータ・ウィルスの名称。
雑誌「エアリス」9月号
作中に登場する、架空の科学専門誌の名称。
ガンブレード
ファイナルファンタジーVIII』に登場する架空の武器。ただし、同作品に登場するものとはデザインや機能が異なる。本作においては、“No.9”が愛用する武器として、あるいは2周目以降に獲得できる特別な武器として登場する。

2001年宇宙の旅シリーズへのオマージュ[編集]

  • HAL」というボールドウィンの渾名。
  • フロイド、チャンドラ、ボーマンなど、研究員の名前。

脚注[編集]

  1. ^ 全ての銃器が共通の弾丸を使用するシステムから銃器ごとに別々の弾丸を使用するようになり、「ショットガンで20連射」や「ハンドガンでバースト(散弾)効果」と言った無茶な改造ができなくなった。
  2. ^ 実際は本作のキャラクターデザインは野村ではなく別のスタッフが担当しており、ゲーム中のキャラクターモデルはそちらを元に作られているという。『ザ・サード バースデイ』開発者インタビュー【その3】――衝撃のラスト。キーワードは…… - ファミ通.com
  3. ^ 意外な場所でこれが使用可能だが、ご都合主義ではなく実はストーリーと関係した展開だったりする。
  4. ^ 本人曰く未だに20歳前後に見えるらしい。「女性としては嬉しい事もあるけれど・・・」とは言いつつも、体内のミトコンドリアが「母体は若く健康な方が良い」と言う理由で若さを保たせている事が分かっている。
  5. ^ 口径に合わない弾を銃に詰めようとするほどである。
  6. ^ 一部は違法に収集した物のようだが、連邦捜査官のアヤにその事を指摘されても開き直っている。

外部リンク[編集]