ハウス・オブ・ザ・ドラゴン

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ハウス・オブ・ザ・ドラゴン
House of the Dragon
ジャンル
  • ファンタジー
  • ドラマ
原作 ジョージ・R・R・マーティン
炎と血
原案
出演者
作曲 ラミン・ジャヴァディ[1]
国・地域 アメリカ合衆国
言語 英語
シーズン数 1
話数 10(各話リスト)
各話の長さ 53-67分
製作
製作総指揮
  • Ryan J. Condal
  • ジョージ・R・R・マーティン
  • ミゲル・サポチニク
  • Vince Gerardis
  • Sara Lee Hess
  • Ron Schmidt
  • Jocelyn Diaz
プロデューサー
  • Karen Wacker
  • Angus More Gordon
  • Alexis Raben
  • Kevin Lau
撮影地
撮影監督
  • Fabian Wagner
  • Pepe Avila del Pino
  • Alejandro Martínez
  • Catherine Goldschmidt
編集
  • Tim Porter
  • Selina MacArthur
  • Crispin Green
  • Chris Hunter
製作
  • GRRM
  • Bastard Sword
  • 1:26 Pictures Inc.
  • HBO Entertainment
配給 ワーナー・ブラザース・テレビジョン
放送
放送チャンネルHBO
映像形式
音声形式ドルビーアトモス
放送期間2022年8月21日 (2022-08-21) - 現在
公式ウェブサイト
番組年表
関連番組ゲーム・オブ・スローンズ
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ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』(House of the Dragon)は、HBOのファンタジー・ドラマシリーズ。『ゲーム・オブ・スローンズ』の前日譚である。

概要[編集]

本シリーズはジョージ・R・R・マーティンの小説『炎と血』に基づく。『ゲーム・オブ・スローンズ』の約200年前を舞台とし、ターガリエン家の衰退を招いた内戦〈双竜の舞踏〉を描く。『ゲーム・オブ・スローンズ』がイングランドの薔薇戦争をモチーフにしているのに対し、本作は後継に指名された女性と親族の男性が王位を争った無政府時代をモチーフとしている。

本シリーズは2019年10月に発注され、2021年4月からイギリスで撮影が始まった。10話からなるシーズン1は、2022年8月21日より放送されている。シーズン2は2024年6月16日に放送開始予定である[2][3][4]

登場人物[編集]

メイン[編集]

黒装派[編集]

翠装派[編集]

その他[編集]

リカーリング[編集]

  • レーナー・ヴェラリオン[9]
    • 演 - John Macmilan(成年時代)
    • 演 - Theo Nate[9] (少年時代)
    • レイニス・ターガリエン王女とコアリーズ・ヴェラリオンの息子。レイニラ・ターガリエン王女の最初の夫。ドラゴン"シースモーク"に騎乗する。
  • レーナ・ヴェラリオン
    • 演 - Nanna Blondel (成年時代)
    • 演 - Savannah Steyn (少女時代)、日本語吹替 - 逢田梨香子
    • レイニス・ターガリエン王女とコアリーズ・ヴェラリオンの娘。デイモン・ターガリエン王子の二番目の妻。初代エイゴン征服王の姉にして妻のヴィセーニアが騎乗していた、存命する最大のドラゴンの"ヴァーガー"に騎乗する。
  • ルケアリーズ・ヴェラリオン
    • 演 - Elliot Grihault (成年時代)
    • 演 - Harvey Sadler (少年時代)
    • レイニラ・ターガリエン王女とレーナー・ヴェラリオンの次男[7]。ドラゴン"アラックス"に騎乗する。
  • ヴェイモンド・ヴェラリオン
    • 演 - Wil Johnson
    • コアリーズ・ヴェラリオンの弟でヴェラリオン海軍の指揮官[9]
  • ライオネル・ストロング
    • 演 - Gavin Spokes[6]
    • ヴィセーリス王の小評議会の法相にして〈ハレンの巨城〉の領主。
  • ハーウィン・ストロング
    • 演 - Ryan Corr
    • 法相ライオネル・ストロングの長男にして〈ハレンの巨城〉の後継ぎ、七王国で最強の男と詠われる[6]。〈王都の守人〉の総帥。
  • グランド・メイスター・メロス
    • 演 - David Horovitch、日本語吹替 - 麦人
    • ヴィセーリス王の助言者[6]
  • ライマン・ビーズベリー
    • 演 - Bill Paterson[6]
    • 小評議会の蔵相。
  • ボアマンド・バラシオン
  • ボロス・バラシオン
    • 演 - Roger Evans
    • ボアマンドの後継ぎ。バラシオン家の当主。
  • ホーバート・ハイタワー
  • エリック・カーギル
    • 演 - Elliott Tittensor
    • 王の盾の騎士。アリックの双子の片割れ。
  • アリック・カーギル
    • 演 - Elliott Tittensor
    • 王の盾の騎士。エリックの双子の片割れ。
  • ターリャ
    • 演 - Alexis Raben
    • アリセントの侍女。

ゲスト[編集]

  • エイマ・アリン
  • ジェヘアリーズ1世
    • 演 - マイケル・カーター
    • ターガリエン王朝第4世王、ヴィセーリス1世の祖父。息子たちが早死にしたために、大評議会に世継ぎの決定をゆだねる。
  1. ^ 初代征服王エイゴンの姉にして妻のヴィセーニアから伝わる

登場人物家系図[編集]

   は翠装派。   は黒装派。ターガリエン家は苗字略。メインのキャラクターは太字。⑤など〇で囲んだ数字は王の代を表す。ターガリエン家には兄弟姉妹婚など近親婚が多い。

 
 
 
 
 
 
エイニス1世②
 
アリッサ・ヴェラリオン
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ジェヘアリーズ1世④
 
アリサンヌ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
エイモン
 
 
ロドリック・アリン
 
デイラ
 
ベイロン
 
アリッサ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
レイニス
 
コアリーズ・ヴェラリオン
 
エイマ・アリン
 
ヴィセーリス1世⑤
 
アリセント・ハイタワー
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
レーナー・ヴェラリオン
 
 
 
レイニラ
 
 
 
 
 
 
 
デイモン
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
レーナ・ヴェラリオン
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ジャセアリーズ・ヴェラリオン
 
 
 
 
 
エイゴン2世⑥
 
 
エイゴン3世⑦
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ベイラ
 
 
 
 
ルケアリーズ・ヴェラリオン
 
 
 
 
 
ヘレイナ
 
 
ヴィセーリス⑩
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
レイナ
 
 
 
 
ジョフリー・ヴェラリオン
 
 
 
 
 
エイモンド
 
 
ヴィセーニア
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
デイロン
 

あらすじ[編集]

『ゲーム・オブ・スローンズ』の時代の約200年前、ターガリエン王朝の第四代のジェヘアリーズ王は世継ぎを大評議会に委ね、男子優先原則により年長のレイニス王女を差し置いてヴィセーリス王子が選ばれる。

王位についたヴィセーリスは、男子優先原則を無視して不仲の弟デイモン王子ではなく娘のレイニラ王女を世継ぎに選ぶ。国を統一して北からの脅威と戦う予言「氷と炎の歌」をレイニラに伝える。だが周囲は男性の王を求め、王は〈王の手〉オットー・ハイタワーの娘でレイニラの親友のアリセントを後室とする。アリセント王妃には男子エイゴンが生まれ、周囲は王位争いを予期するようになる。オットーは孫エイゴンの次王後継をあからさまに謀って〈王の手〉から解任される。王はレイニラの立場を強めるため、有力者コアリーズ・ヴェラリオンとレイニス王女の子、レーナ―と結婚させる。レイニラを愛する〈王の盾〉の騎士クリストン・コールは絶望する。アリセント王妃は、いずれ王位争いで我が子の生命を脅かすであろうレイニラとの戦いに備える。

10年がたち、アリセント王妃の派閥は"翠装派"、レイニラの派閥は"黒装派"と呼ばれるようになり対立を深める。レイニラへの愛が憎しみに転じたクリストン・コールは"翠装派"の一員となる。レイニラには三人の息子が生まれ、男色家の夫レーナ―ではなく、〈王の手〉ライオネル・ストロングの息子ハーウィンが父親であるとの噂が立つ。アリセントとの確執を嫌ったレイニラはドラゴンストーンに移る。アリセントに取り入るラリス・ストロングは火事を仕組んで父と兄を殺し、オットーが〈王の手〉に返り咲く。デイモンの妻レーナ・ヴェラリオンは出産で死ぬ。アリセントの次男エイモンドは、レーナの遺した存命最大のドラゴン"ヴァーガー"を手に入れるも、レイニラの次男ルケアリーズを"落とし子"と呼んで喧嘩となり片目を失う。レイニラとデイモンはレーナ―の暗殺を偽装したのちに結婚して立場を強める。

さらに6年以上がたち、コアリーズが遠征先で重傷を負った報せでヴェラリオン家の跡目争いが起きる。跡目を望むコアリーズの弟のヴェイモンドは、王の面前でレイニラの不貞を責めてデイモンに首をはねられる。レイニラは息子二人とレイニスの孫二人の婚約を提案し次男ルケアリーズが跡目となる裁可を得て、ドラゴンストーンに帰る。その夜に王は崩御し、アリセントは最後の言葉で放埓な長男エイゴンを次王に選んだと信じる。〈王の手〉オットーは計画通りに孫エイゴンへの支持を固める。禍となるレイニラとデイモンの抹殺を謀るも、アリセントはかつての親友を殺すことに反対する。エイゴンは戴冠される。城で監禁されていたレイニスは脱出してドラゴンストーンに飛び、王の崩御とエイゴンの戴冠をレイニラに伝える。レイニラは女王戴冠を宣言するも、予言の成就のために戦争回避を考える。だがデイモンら男たちは戦いを求め、諸侯の支持を得ようとする。回復したコアリーズもレイニラを支持する。バラシオン家の支持を得るために送ったルケアリーズを、先回りしていたエイモンドのドラゴンが殺してしまう。

エピソード[編集]

通算
話数
タイトル監督脚本放送日U.S.視聴者数
(百万人)
1"ドラゴンの後継者"
"The Heirs of the Dragon"
ミゲル・サポチニクRyan Condal2022年8月21日 (2022-08-21)2.17[10] [注釈 2]
息子たちを早死にさせたジェヘアリーズ王は、大評議会を招集して世継ぎを選択させる。男子優先原則により年長のレイニス王女を差し置いて従弟のヴィセーリス王子が選ばれる。年月が経ち、王妃を亡くしたヴィセーリス王は、男子優先の原則を無視し、不仲の弟デイモン王子を差し置いて娘レイニラ王女を世継ぎとし、初代王から伝わる秘密の予言を教える。
2"王弟"
"The Rogue Prince"
グレッグ・ヤイタネスRyan Condal2022年8月28日 (2022-08-28)2.264[12] [注釈 3]
〈踏み石諸島〉を支配した三頭市が海相ヴェラリオン公の船を襲う。デイモン王子はドラゴンストーンを占領し、真の世継ぎを名乗る。男子の世継ぎを望まれ再婚を迫られたヴィセーリス王は、ヴェラリオン公とレイニス王女の娘ではなく〈王の手〉オットー・ハイタワーの娘アリセントを選ぶ。
3"名を継ぐ者"
"Second of His Name"
グレッグ・ヤイタネスRyan Condal & Gabe Fonseca2022年9月4日 (2022-09-04)1.75[14]
3年がたつ。デイモンとヴェラリオン家は〈踏み石諸島〉で苦戦するも、兄王からの援軍の知らせに怒り奮起したデイモンが自らを囮にして勝利を勝ち取る。王とアリセントには初代王の名を継ぐエイゴン王子が生まれ、男性の王を望む声が高まる。妙齢となったレイニラには名家からの縁談が持ち上がるも、世継ぎの座を奪われる代償だと反発する。
4"狭い海の王"
"King of the Narrow Sea"
Clare KilnerIra Parker2022年9月11日 (2022-09-11)1.81[15]
レイニラは求婚者の諸侯と謁見する旅行に倦み、王都に戻る。周囲に〈狭い海の王〉と呼ばれたデイモンは4年ぶりに〈赤の宮殿〉に戻り、兄王に王冠と〈踏み石諸島〉を捧げる。デイモンはレイニラを街に連れ出し、結婚とは別に快楽を楽しむよう教える。レイニラはサー・クリストン・コールを誘惑して愛を交わす。オットーはデイモンとレイニラが同衾したと王に報告するも、アリセントはレイニラの純潔を信じ、王に対し親友を弁護する。王はコアリーズの息子レーナ―との結婚をレイニラに命じ、野心が過ぎるとしてオットーを〈王の手〉から解任する。
5"われらは道を照らす"
"We Light the Way"
Clare KilnerCharmaine DeGraté2022年9月18日 (2022-09-18)1.83[16]
デイモンは密かに谷間に行き、疎遠な妻レイア・ロイスの死を仕組む。王とレイニラはドリフトマークに行き、レーナー・ヴェラリオンとレイニラを婚約させる。レイニラはレーナ―の男色を知った上で形だけの結婚を提案する。オットーは王の死後の王位争いを予測し、レイニラから子供たちを守るようアリセントに説いて王都を去る。レイニラがクリストンとの情事を自分に隠していたことを知り、アリセントはレイニラの敵になることを決意する。婚儀で、レイニラを愛するクリストンはレーナ―の同性の恋人を殴り殺す。王は弱り倒れる。
6"王女と王妃"
"The Princess and the Queen"
ミゲル・サポチニクSara Hess2022年9月25日 (2022-09-25)1.86[17]
10年がたち、王は老いて弱る。レイニラの子供たちは男色家の夫レーナ―に似ず、〈王都の守人〉の総帥ハーウィン・ストロングの子だとの噂が立つ。アリセントとその味方となった〈王の盾〉のサー・クリストン・コールは王位争いを予期しレイニラを敵視する。レイニラとレーナ―は王都を離れドラゴンストーンに発つ。〈王の手〉ライオネル・ストロングとハーウィンはアリセントに通じる次男ラリスの謀った火事で死ぬ。ペントスでは、デイモン王子と妻レーナが、再び〈踏み石諸島〉を支配した三頭市とドーンに対抗する同盟を提案される。レーナは難産で死ぬ。
7"ドリフトマーク"
"Driftmark"
ミゲル・サポチニクKevin Lau2022年10月2日 (2022-10-02)1.88[18]
レーナの葬儀のために人々がドリフトマークに集まる。オットーが〈王の手〉に返り咲く。アリセントの次男エイモンドが、レーナの遺した存命最大のドラゴン"ヴァーガー"と絆を結ぶも、レイニラの息子ルケアリーズを"落とし子"と呼び、喧嘩で片目を失う。アリセントは報復を求めレイニラを負傷させる。レイニラとデイモンはレイニラの夫レーナ―の暗殺を偽装した後、結婚して後継ぎの地位を強化する。
8"潮の主"
"The Lord of the Tides"
Geeta Vasant PatelEillen Shim2022年10月9日 (2022-10-09)1.73[19]
6年以上が経ち、コアリーズは遠征先で重傷を負いドリフトマークの「潮の主」の後継問題が持ち上がる。弟ヴェイモンドは後継を狙い、妻レイニスは息子レーナ―の死をレイニラに帰して実の孫ベイラを推し、レイニラはコアリーズの意思の通り次男ルケアリーズを推して、それぞれ王の裁可を得るためにキングズランディングに来る。レイニラは息子たちをレイニスの孫たちと結婚させることでレイニスの支持を得て、衰弱した王がこれを認める。激怒したヴェイモンドは、ルケアリーズを"落とし子"と呼びレイニラを侮辱するも、デイモンに首を落とされる。
9"翠の評議会"
"The Green Council"
Clare KlinerSara Hess2022年10月16日 (2022-10-16)1.56[20]
ヴィセーリス平安王は崩御する。アリセントは王が最後にエイゴンを次王に望んだと信じる。オットーは計画通りにエイゴンの支持を固め、禍となるレイニラとデイモンの抹殺を謀る。エイゴンは嫌々戴冠される。城内にいたレイニスはドラゴンに乗って飛び去る。
10"黒装の女王"
"The Black Queen"
グレッグ・ヤイタネスRyan Condal2022年10月23日 (2022-10-23)1.85[21]
レイニス王女がドラゴンストーンのレイニラとデイモンに、王の死とエイゴンの戴冠を知らせる。レイニラは女王として戴冠を宣言する。兄が殺されたと信じるデイモンは戦いを求め、諸侯の支持を得ようとする。バラシオン家説得に送ったルケアリーズはエイモンドのドラゴンに殺される。
  1. ^ 配信を含まず放送視聴者のみ
  2. ^ HBOは放送およびHBO Maxによる配信での同時視聴者が9.986百万人であったと発表している[11]
  3. ^ HBOは放送およびHBO Maxによる配信での同時視聴者が10.2百万人であったと発表している[13]

製作[編集]

準備[編集]

2018年11月、ジョージ・R・R・マーティンは小説『炎と血』に基づくスピンオフ・ドラマシリーズの可能性に言及した[22]。2019年9月までには、マーティンとライアン・J・コンダルが、ターガリエン家の終わりの始まりを描くパイロット・エピソードのHBOによる発注が近いと語った[23]。 翌月、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』はシリーズ全体が発注された。コンダルと、『落とし子の戦い』を監督したミゲル・サポチニクがショーランナーを務めることになった。サポチニクは第一話を含む複数話の監督も務める[24]。シリーズは、〈『ゲーム・オブ・スローンズ』の200年前のヴィセーリス1世王の治世、そして〈双竜の舞踏〉として知られる内戦を描く[25][26] 。このシリーズは、『ゲーム・オブ・スローンズ』の脚本家であったBryan Cogmanが構想したもののHBOが採用しなかった案を発展させたものでもある[27]

2022年8月、ミゲル・サポチニクは監督およびショーランナーの職を去るが、製作総指揮にはとどまると発表された。シーズン2では、『ゲーム・オブ・スローンズ』の複数エピソードを監督したアラン・テイラーが製作総指揮に加わり複数話を監督する[28]

脚本[編集]

2020年1月、HBOの番組担当重役のCasey Bloysは、脚本が進行中であり2022年に放送開始予定であると述べた[29]

キャスティング[編集]

キャスティングは2020年7月に始まった[30]。2020年10月、パディ・コンシダインがヴィセーリス・ターガリエン1世王に決まった[8]。その年の12月までには、オリヴィア・クックマット・スミスエマ・ダーシー英語版がそれぞれアリセント・ハイタワー、デイモン・ターガリエン王子、レイニラ・ターガリエン王女の役に決まり、Danny Sapaniが何らかの役の交渉に入った[31]。2021年2月には、スティーヴ・トゥーサント英語版イヴ・ベスト英語版ソノヤ・ミズノリス・エヴァンスがメイン・キャストに加わった[32]。その年4月には、Fabien Frankelがサー・クリストン・コール役に決まった[33]。5月には、 グレアム・マクタヴィッシュ が衣装姿で目撃された[34]。2021年7月には Emily CareyとMilly Alcockが加わった[35]

撮影[編集]

撮影は2021年4月に始まった[36]。シリーズの撮影は主にイギリスで行われた[37]。2021年4月最終週、イギリスのコーンウォールで撮影が行われた[38] 。さらに、一部の撮影はスペインカリフォルニアで行われた[39]。本シリーズは、ワーナー・ブラザース・スタジオ・リーブスデンの新設のバーチャル・ステージを使用した最初の作品となった[40]。2021年7月18日、COVID-19陽性者により、撮影は2日間中止された[41]

スペインの新聞である「HOY」紙は、撮影がスペイン西部のカセレス県で2021年10月11日から21日まで行われると報道した[42]。10月26日から31日までは、ポルトガルのMonsanto城で撮影が行われた[43]。2022年2月、撮影が終了した[44]

原作との違い[編集]

ヴェラリオン家の外見・人種[編集]

原作小説では、ヴェラリオン家は青白い肌、銀の髪、そして紫の瞳を持つと描かれている。本作では、家長のコアリーズ・ヴェラリオンを黒人俳優のスティーヴ・トゥーサント英語版が演じている。ヴェラリオン家は古代ヴァリリア人の一族でターガリエン家の姻戚であるため、コーリスとターガリエン家の大きな人種的差異をめぐり、トゥーサントは様々なハラスメントにさらされた[45]。しかし本作のショーランナーであるコンダルとサポチニクは、キャスティングの人種的多様性を広げるべきだと考えた。コンダルは、「『ゲーム・オブ・スローンズ』が開始された10年前、「ロード・オブ・ザ・リング』が開始された20年前と比べ、世界は変わった。この種の物語にも多様性がなければならない。遠慮せずに言えば、白人しか出ないような映像を作らないことが重要だ」。コンダルによれば、原作者マーティン自身が原作執筆時にヴェラリオン家を黒人貴族の家にすることを一度は考慮している[46]

アリセント・ハイタワーとレイニラ・ターガリエンの関係[編集]

原作では、アリセント・ハイタワーレイニラ・ターガリエンの9才年長の継母であり、当初から親密な関係ではない。ドラマでは少女時代の二人を同年代の親友とし、その後の関係悪化の悲劇を強調している。

「氷と炎の歌」の予言[編集]

エイゴン初代王が見たとされ代々王の世継ぎに伝えられてきた、約束された王子が統一された国の軍を率いて北方からの敵と戦い人類を救うと言う予知夢「氷と炎の歌」は、原作「炎と血」では言及されない。

公開[編集]

シーズン1は、2022年8月21日より放送された[47]。日本でも、U-NEXTによって2022年8月22日から、同時配信された[48]

評価[編集]

受賞[編集]

2023年1月10日、第80回ゴールデングローブ賞でテレビ部門作品賞ドラマ部門を受賞した[49]。2024年1月6-7日、第75回プライムタイム・エミー賞クリエイティブ・アーツ部門ではファンタジー/Sci-Fi衣装賞を受賞した。

出典[編集]

  1. ^ Ramin Djawadi to Score HBO's 'Game of Thrones' Prequel 'House of the Dragon'”. Film Music Reporter (2021年2月2日). 2021年2月2日閲覧。
  2. ^ Stebbins, Jack. “HBO renews 'House of the Dragon' after more than 20 million watch first episode” (英語). CNBC. 2022年8月28日閲覧。
  3. ^ Maas, Jennifer (2024年3月4日). “‘House of the Dragon’ Season 2 to Premiere in June”. Variety. 2024年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月4日閲覧。
  4. ^ 'House of the Dragon' Season 2 Sizzles With 'Dueling' Trailers” (2024年3月21日). Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  5. ^ a b c d e f g h “早見沙織、津田健次郎、堀内賢雄ら「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」吹替版に参加”. 映画ナタリー. (2022年8月19日). https://natalie.mu/eiga/news/490150 2022年8月20日閲覧。 
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q House of the Dragon: Cast & Characters”. HBO. 2022年3月30日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g House of the Dragon – Character Descriptions”. WarnerMedia. 2022年3月30日閲覧。
  8. ^ a b 'House Of the Dragon': Paddy Considine To Star As King Viserys Targaryen In HBO's 'Game Of Thrones' Prequel”. Deadline Hollywood. Penske Media Corporation (2020年10月5日). 2020年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月6日閲覧。
  9. ^ a b c HBO Releases First Official Teaser For HOUSE OF THE DRAGON” (英語). WarnerMedia. 2021年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月11日閲覧。
  10. ^ Salem, Mitch (2022年8月23日). “ShowBuzzDaily's Sunday 8.21.2022 Top 150 Cable Originals & Network Finals”. ShowBuzzDaily. 2022年8月23日閲覧。
  11. ^ ‘House of the Dragon’ premiere sets HBO record with nearly 10 million viewers”. MarketWatch (2022年8月22日). 2022年8月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月22日閲覧。
  12. ^ Salem, Mitch (2022年8月30日). “ShowBuzzDaily's Sunday 8.28.2022 Top 150 Cable Originals & Network Finals”. ShowBuzzDaily. 2022年8月30日閲覧。
  13. ^ House of the Dragon Episode 2 Viewership Rises Above Series Premiere”. gamerant. 2022年8月31日閲覧。
  14. ^ Metcalf, Mitch (2022年9月6日). “ShowBuzzDaily's Sunday 9.4.2022 Top 150 Cable Originals & Network Finals”. ShowBuzzDaily. 2022年9月9日閲覧。
  15. ^ Metcalf, Mitch (2022年9月13日). “ShowBuzzDaily's Sunday 9.11.2022 Top 150 Cable Originals & Network Finals”. ShowBuzzDaily. 2022年9月13日閲覧。
  16. ^ Metcalf, Mitch (2022年9月20日). “ShowBuzzDaily's Sunday 9.18.2022 Top 150 Cable Originals & Network Finals”. ShowBuzzDaily. 2022年9月20日閲覧。
  17. ^ Salem, Mitch (2022年9月27日). “ShowBuzzDaily's Sunday 9.25.2022 Top 150 Cable Originals & Network Finals”. ShowBuzzDaily. 2022年9月27日閲覧。
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外部リンク[編集]