エリ級フリゲート

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エリ級フリゲート
Themistocles F465.jpg
「テミストクレス」
艦級概観
艦種 フリゲート
就役期間 1980年 - 現在
性能諸元
排水量 基準:3,050 t
満載:3,630 t
全長 130.5 m
全幅 14.6 m
喫水 6.2m
機関 COGOG方式
RM1Cガスタービンエンジン(3.7 MW/5,000 hp) 2基
TM3Bガスタービンエンジン(19.2 MW/25,700 hp) 2基
推進器 (可変ピッチ) 2軸
速力 30.0 kt
航続距離 18kt /4,700nmi
乗員 176名
兵装 76mm 単装両用砲 2基
20mm ファランクスCIWS 2基
シースパロー短SAM 8連装発射機 1基
ハープーンSSM 4連装発射筒 2基
Mk.32 mod.9 短魚雷連装発射管 2基
艦載機 AB-212 ASW 哨戒ヘリコプター 2機
C4I 海軍戦術情報システム
SEWACO-IIリンク 10/11
レーダー LW-08 2次元対空捜索 1基
ZW08 対水上捜索 1基
WM-25 低空警戒/砲/PDMS射撃指揮 1基
STIR 砲/PDMS射撃指揮 1基
ソナー SQS-505 船底装備式
電子戦
対抗手段
SLQ-01 ECMシステム
SPHINX ESMシステム
Mk 36 SRBOC チャフフレア発射機
SLQ-25 ニクシー 対魚雷囮装置

エリ級フリゲート: φρεγάτες τύπου Έλλη, : Elli class frigate)は、ギリシャ海軍の汎用フリゲート

概要[編集]

本級の開発は、1970年代のNATOの標準フリゲート計画に端を発する。これは、イギリスオランダドイツギリシャの4カ国が共同でフリゲートを開発し、採用することで、調達コストを削減するとともに、相互運用性を向上させるというものであった。しかしその後、イギリスが運用要求の相違より脱退したのに続いて、ギリシャも経済上の理由から参加を縮小せざるを得なくなり、計画はドイツとオランダが主体となって進められることとなった。

これらのフリゲートは、NATOの標準フリゲートを企図した当初の計画から、Standard Frigateと総称されており、まず、1975年より、オランダ版のコルテノール級フリゲートが建造されはじめた。ギリシャ海軍は、これらオランダ海軍向けの艦をもとに、独自の運用要求による改正を加えた艦を調達することとして、オランダ海軍が1976年に発注した2隻を、仕様変更の上で取得した。これがオリジナルのエリ級フリゲートである。

本級は、

などといった要素を3000トン級の船体に具備しており、この時代の汎用フリゲートに求められる要件を具現化したものと言える。これらの要素はその他のStandard Frigate、同時期に就役した他の欧州諸国のフリゲート、さらには日本の汎用護衛艦などにも共通したものである。

オリジナルのコルテノール級との差異は、

などがある。また、ギリシャ海軍は、後にオランダ海軍を退役したコルテノール級フリゲート8隻を購入しているが、これらもオリジナルのエリ級にほぼ準じた改修を受けており、エリ級の一部として扱われることが多いが、76mm単装両用砲・ファランクスCIWSがそれぞれ1基のみである、などの差異がある。

当時のギリシャ海軍は、第二次世界大戦後に供与された各国の中古艦で構成されており、本級が初の新造艦となる。本級は、オリジナルと旧オランダ海軍艦あわせて10隻が整備され、これに続いて調達されたイドラ級フリゲートMEKO 200型フリゲート)とともに、ギリシャ海軍の洋上兵力の中核として活躍している。

同型艦[編集]

# 艦名 由来 就役 脚注
F-450 エリ
Elli:Έλλη
エリの海戦 1981年10月10日 オリジナル。
F-451 リムノス
Limnos:Λήμνος
リムノスの海戦 1982年9月18日 オリジナル。
F-459 アドリアス
Adrias;Αδρίας
アドリア 1994年 旧蘭海軍 F808「カレンブルク」。
F-460 アイガイオーン
Aegeon: Αιγαίον
エーゲ海 1993年 旧蘭海軍 F810「バンケルト」。
F-461 ナヴァリノン
Navarinon;Ναυαρίνον
ナヴァリノの海戦 1995年 旧蘭海軍 F809「ヴァン・キンスベルケン」。
F-462 コンドゥリオティス
Kountouriotis;Κουντουριώτης
パブロ・コンドゥリオティス 1997年 旧蘭海軍 F807「コルテノール」。
F-463 ブブリナ
Bouboulina;Μπουμπουλίνα
ラスカリナ・ブブリ 2001年 旧蘭海軍 F826「ピーテル・フローリス」。
F-464 カナリス
Kanaris;Κανάρης
コンスタンティン・カナリス 2001年 旧蘭海軍 F825「ヤン・ヴァン・ブラケル」。
F-465 テミストクレス
Themistoklis;Θεμιστοκλής
テミストクレス 2002年 旧蘭海軍 F823「フィリップス・ヴァン・アルモンド」。
F-466 ニケフォロス・フォカス
Nikiforos Fokas; Νικηφόρος Φωκάς
ニケフォロス2世フォカス 2003年 旧蘭海軍 F824「ブロイス・ヴァン・トレスロン」。

準同型艦[編集]

エリ級の基になったフリゲート。76mm単装砲が1基とされており、またCIWSの種類と装備数、ヘリコプター格納庫の長さと搭載機に相違がある。
機関がCODOG方式のガスタービンエンジン2基とディーゼルエンジン2基で51,600HP、CIWSがゴールキーパー1基からMk 49 RAM 近接防御SAM 21連装発射機 2基、艦橋上のレドームの架台形状、煙突前部にラティス・マストの追加などの相違がある。

参考文献[編集]

関連項目[編集]