ウラジーミル・リトヴィンツェフ

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ウラジーミル・リトヴィンツェフ
Vladimir Litvintsev
フィギュアスケート選手
Vladimir_Litvintsev_at_the_World_Championships_2019
生誕 (2001-02-18) 2001年2月18日(23歳)
ロシアの旗 ロシアコミ共和国ウフタ
居住地 モスクワ
身長 167 cm
選手情報
代表国 アゼルバイジャンの旗 アゼルバイジャン
コーチ ヴィクトリア・ヴォルチコワ
所属クラブ Koniok Tchaikovskoi
練習拠点 モスクワ
開始 2004
ISUパーソナルベストスコア
総合251.762023 世界選手権
SP85.832022 世界選手権
FS169.052023 世界選手権

ウラジーミル・アンドレイェヴィチ・リトヴィンツェフロシア語: Владимир Андреевич Литвинцев, ラテン Vladimir Andreyevich Litvintsev2001年2月18日 - )あるいはウラジミール・リトヴィンツェフは、ロシアモスクワ出身のアゼルバイジャン代表フィギュアスケート選手(男子シングル)。2022年北京オリンピック出場。

人物[編集]

3歳の時にフィギュアスケートを始め、コーチとアゼルバイジャン連盟に繋がりがあったことから[1]2018-2019シーズンよりアゼルバイジャン代表。 兄弟がおり、兄アンドレイは元フィギュアスケーター[2]で現在はコーチ、弟のゲオルグもフィギュアスケーターである[3]。愛称はVolodia[3]

憧れのスケーターはパトリック・チャン[1]ネイサン・チェンスコット・モイアギヨーム・シゼロン[3]

趣味は楽曲制作、ピアノ、読書。「フィギュアスケートをやっていなかったら音楽活動をしたかった」と語っている[3]

経歴 [編集]

2017-2018シーズン以前[編集]

2011年1月までCSKAモスクワに所属、その後Sambo 70ロシア語版に移籍[4]。ロシア国内大会に出場していた[2]

2018-2019シーズン、国際大会デビュー[編集]

アゼルバイジャンに国籍変更し、ジュニアシニアの両カテゴリーに競技会に出場する。

ISUジュニアグランプリシリーズ第6戦リュブリャナ杯に初出場し、国際大会デビュー。同大会から3戦目となる2018年11月6-11日開催のボルボオープンカップまでは3回転アクセルが最高難度ジャンプだったが、2018年11月26-29日開催のタリントロフィーよりショートプログラム (SP) 、フリースケーティング (FS) 共に[注 1]4回転トウループをプログラムに組み込んだ。2019年1月の欧州選手権に出場し、ISUチャンピオンシップスデビューも飾る。3月の世界選手権では、演技後のインタビューにて体調不良だったと語った[5]が、SP、FS共にシーズンベストの成績を残した。

2019-2020シーズン[編集]

足の怪我の影響で、ネペラ記念アイススターの出場を断念。11月にはISUグランプリシリーズ ロステレコム杯に出場し、シニアグランプリシリーズデビューを果たした。12月に行われたISUチャレンジャーシリーズ ゴールデンスピンでは16位。2020年1月にポーランドで開催されたトルン杯ではマルク・コンドラチュクブレンダン・ケリーなどを抑え優勝した。欧州選手権ではSP17位と出遅れたがFSで巻き返し総合9位。出場予定であった世界選手権は、同年の1月ごろから急速に世界に拡大した新型コロナウイルス流行の影響により、3月11日にISUより中止が発表された。

2020-2021シーズン[編集]

ISUグランプリシリーズ ロステレコム杯で10位。

2021年1月、プルシェンコアカデミーに移った。

同年の世界選手権では、冒頭の4回転トウループを着氷したものの、後半にジャンプの転倒がありSP27位と出遅れ、FS進出を逃した。

2021-2022シーズン:北京オリンピック出場[編集]

かつて所属していたコニオク・チャイコフスコイクラブへ戻った。

ロンバルディア杯ではショートプログラム1位、総合では4位となった。北京オリンピック出場枠の最終予選会であるネーベルホルン杯では6位に入賞し、オリンピックの出場枠を獲得した。2022年の欧州選手権はSP、FSともに自己ベストを更新して8位入賞。同年の北京オリンピックにはアゼルバイジャン代表として出場し、選手団の旗手も務めた。同大会のSPではジャンプすべて着氷、スピンもすべて最高評価のレベル4を得るなど欧州選手権で出した自己ベストを更新する84.15のスコアで18位につけた。FSでも4回転トウループを2本着氷し総合18位の結果を残した。3月に行われた世界選手権ではSPでオリンピックで出した自己ベストを更新し14位につけた。FSではジャンプのミスが重なり順位を落とすも自己最高の16位で世界選手権を終えた。

2022-2023シーズン[編集]

シーズン初戦となるISUチャレンジャーシリーズ デニステンメモリアルで銅メダル獲得。

3月に行われた世界選手権に出場した。SPでは冒頭の4回転トウループを含む3つのジャンプ要素をすべて成功させる演技で10位につけた。つづくFSでもジャンプすべて成功、演技後にはガッツポーズを見せる会心の演技で、FS、総合の自己ベストを更新し、自己最高となる11位であった。

主な戦績[編集]

マークが付いている大会はISU公認の国際大会。

大会/年 2018
-19
2019
-20
2020
-21
2021
-22
2022
-23
2023
-24
冬季オリンピック 18
世界選手権 17 中止 27 16 11 25
欧州選手権 16 9 8 WD 16
アゼルバイジャン選手権 1
GPスケートアメリカ 5
GPエスポー WD
GPロステレコム杯 11 10
CSデニステンメモリアル 3
CSネーベルホルン杯 6
CSロンバルディア杯 4
CSゴールデンスピン 16
CSタリントロフィー 9
メラーノ杯 2
ボスポラス杯 1 1
ネスレ杯 1
ボルボオープンカップ 1 4 WD
オープンアイスモールカップ英語版 1J
アイススター 2
世界ジュニア選手権 13
JGPリュブリャナ杯 8

詳細[編集]

パーソナルベストは太字で表示
Sr=シニアクラス、Jr=ジュニアクラス

2023-2024 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2024年3月18日 - 24日 2024年世界フィギュアスケート選手権モントリオール 25
72.16
- 25
72.16
2024年1月10日 - 14日 2024年ヨーロッパフィギュアスケート選手権カウナス 20
69.72
15
139.49
16
209.21
2023年11月17日 - 19日 ISUグランプリシリーズ エスポーグランプリエスポー  
 
 
 
WD
2023年10月20日 - 22日 ISUグランプリシリーズ スケートアメリカアレン 8
74.61
3
162.83
5
237.44
2022-2023 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2023年3月20日 - 26日 2023年世界フィギュアスケート選手権さいたま 10
82.71
10
169.05
11
251.76
2022年10月26日 - 29日 ISUチャレンジャーシリーズ デニステンメモリアルチャレンジアルマトイ 3
64.00
3
124.77
3
188.77
2021-2022 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2022年3月21日 - 27日 2022年世界フィギュアスケート選手権モンペリエ 14
85.83
15
147.79
16
233.62
2022年2月8日 - 10日 2022年北京オリンピック北京 18
84.15
19
155.04
18
239.19
2022年1月10日 - 16日 2022年ヨーロッパフィギュアスケート選手権タリン 7
83.46
7
161.24
8
244.70
2021年9月22日 - 25日 ISUチャレンジャーシリーズ ネーベルホルン杯オーベルストドルフ 6
80.54
5
148.11
6
228.65
2021年9月10日 - 12日 ISUチャレンジャーシリーズ ロンバルディア杯ベルガモ 1
80.83
5
137.97
4
218.80
2020-2021 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2021年3月22日 - 28日 2021年世界フィギュアスケート選手権ストックホルム 27
68.43
- 27
68.43
2020年11月20日 - 22日 ISUグランプリシリーズ ロステレコム杯モスクワ 9
81.55
10
158.24
10
239.79
2019-2020 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2020年3月16日 - 22日 2020年世界フィギュアスケート選手権モントリオール  
 
 
 
中止
2020年1月20日 - 26日 2020年ヨーロッパフィギュアスケート選手権グラーツ 17
70.04
8
151.05
9
221.09
2019年12月5日 - 7日 ISUチャレンジャーシリーズ ゴールデンスピンザグレブ 14
68.47
19
116.65
16
185.12
2019年11月15日 - 17日 ISUグランプリシリーズ ロステレコム杯モスクワ 12
54.42
9
154.65
11
209.07
2019年11月6日 - 10日 ボルボオープンカップリガ 8
65.48
3
141.94
4
207.42
2018-2019 シーズン
開催日 大会名 SP FS 結果
2019年3月18日 - 24日 2019年世界フィギュアスケート選手権 (Sr)(さいたま 16
81.46
19
149.38
17
230.84
2019年3月4日 - 10日 2019年世界ジュニアフィギュアスケート選手権 (Jr)(ザグレブ 16
68.94
14
127.99
13
196.93
2019年2月20日 - 23日 Open Ice Mall Cup英語版 (Jr)(エイラート 1
71.03
1
132.26
1
203.29
2019年1月21日 - 27日 2019年ヨーロッパフィギュアスケート選手権 (Sr)(ミンスク 14
73.60
15
1130.68
16
204.28
2018年11月26日 - 29日 2018年タリントロフィー英語版 (Sr)(タリン 6
66.41
10
121.80
9
188.21
2018年11月6日 - 11日 ボルボオープンカップ(Sr)(リガ 2
74.10
1
135.87
1
209.97
2018年10月18日 - 21日 アイススター (Sr)(ミンスク 3
72.78
2
134.74
2
207.52
2018年10月3日 - 10日 ISUジュニアグランプリシリーズ (Jr)(リュブリャナ 7
67.96
8
113.35
8
181.31

プログラム使用曲[編集]

シーズン SP FS
2023-2024 映画『ライオンキング』より
Circle of Life
作詞:ティム・ライス
作曲:エルトン・ジョン
バレエ『くるみ割り人形』より
金平糖の精の踊り
作曲:ピョートル・チャイコフスキー
2022-2023 映画『ラ・カリファ』より
作曲:エンリオ・モリコーネ
映画『ジョーカー』サウンドトラックより
スマイル
歌:ジミー・デュランテ
バスルームダンス
曲:ヒドゥル・グドナッドティル
ロックン・ロール
曲:ゲイリー・グリッター
2021-2022 幻想的小品集 作品3」より
前奏曲嬰ハ短調『鐘』
作曲:セルゲイ・ラフマニノフ
2020-2021 Concerto de Espana
曲:Benise
ハレルヤ
歌:ジェフ・バックリィ
2019-2020 ブルース・フォー・クルック
作曲:エディ・ルイス
2018-2019 Abbey Road Blues
曲:eRa
くるみ割り人形
作曲:ピョートル・チャイコフスキー
2017-2018 The Great Gig in the Sky英語版
曲:ピンク・フロイド

注釈[編集]

  1. ^ Jr競技はSPは除く。

脚注[編集]

  1. ^ a b 『ワールド・フィギュアスケート 85』新書館、2019年4月26日。ISBN 4403311318 
  2. ^ a b Владимир Андреевич Литвинцев - Vladimir Litvintsev - Личности”. www.fskate.ru. 2019年5月11日閲覧。
  3. ^ a b c d 北京オリンピックの選手プロフィール”. 2022年3月3日閲覧。
  4. ^ Владимир Андреевич Литвинцев - Vladimir Litvintsev - Личности”. www.fskate.ru. 2019年5月11日閲覧。
  5. ^ J SPORTS 4『ISU世界フィギュアスケート選手権2019男子シングルフリースケーティング』放送内インタビューにて。(2019年4月6日初回放送)


参考文献[編集]

外部リンク[編集]