アンネシュ・ベーリング・ブレイビク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
アンネシュ・ベーリン・ブレイヴィーク
Anders Behring Breivik
生誕 1979年2月13日(35歳)[1]
ノルウェーの旗 ノルウェー オスロ[2]
国籍 ノルウェーの旗 ノルウェー
別名 Andrew Berwick[3]
Sigurd Jorsalfare (ノルウェー防衛同盟英語版[4]
Andersnordic (WoW)[5]
出身校 オスロ商業高校ノルウェー語(ブークモール)版
宗教 キリスト教(ノルウェー国教会[6].[7]
罪名 テロ、及び殺人の容疑(ノルウェー連続テロ事件

アンネシュ・ベーリン・ブレイヴィーク (Anders Behring Breivik, [ˈɑnːəʃ ˈbeːɾɪŋ ˈbɾæɪʋiːk], 1979年2月13日[1] - ) とは、2011年7月22日ノルウェー連続テロ事件を起こした容疑で2014年現在勾留中。単独犯では現在世界最大の大量殺人犯とされてる[8]オスロ生まれ[2]

生い立ち[編集]

1979年2月13日オスロ生まれ。母親看護師ヴェンケ・ベーリン (Wenche Behring) 、父親はイェンス・ダーヴィド・ブレイヴィーク (Jens David Breivik) 。父親は経済学者外交官ロンドンパリに駐在した。両親は1才の時離婚、母親が親権を得た。母親、異父姉と共にオスロで暮らす。再婚したフランス駐在中の父親には定期的に会いに行った。父親はブレイヴィークが12歳の時に再度離婚。母親はノルウェー陸軍の将校と再婚。

ブレイヴィークはノルウェー労働党(中道左派)支持である両親の政治姿勢を批判、母親を「穏健フェミニスト」としている。 Smestad 小学校、 Ris 中学校、 Hartvig Nissen 高校、オスロ商業高校と進む。クラスメートの話では成績が良く、いじめの被害者をよく手助けしていたという。大学は中退している。

やがて非行グループに入り、夜中に町中をうろついたり、スプレーで落書きなどをするようになる。16歳の時、落書きで逮捕され、この時以来、父親とは1度も会っていない。逮捕時に仲間を裏切り、グループから離脱、親友とも別れた。

19才の時、200万クローネ株式投資の失敗で失う(約3000-4000万円程度)。

21才の時、顧客サービスの仕事に就き、移民労働者と共に働く。同僚の話では「誰にも親切」で「良い同僚」だったという。ただ、中東南アジア出身者に対して苛立ちを見せることも多かった。ウエイトトレーニングに時間を費やすようになり、ステロイド剤を使い始めた。20代前半で顎・鼻・額に整形手術を受けた。徴兵検査の時、「軍務に適さない」と判定されたため、軍には入隊しなかった。

1999年から2004年まで移民政策に反対的な進歩党新保守主義)党員として所属し[9]、進歩党も生ぬるいと不満を述べていた[10]。2009年にスウェーデン極右のサイトの会員になるが、実世界では一般的なノルウェー人として振る舞い、特別目立つこともなく、反移民、反イスラーム主義の思想を知り合いに漏らすことはなかった。

2009年の秋から移民の受け入れを推進している労働党へのテロ計画を練り、2011年7月22日にノルウェー連続テロ事件を起こした。直後に身柄を拘束され、2012年3月7日にテロ及び殺人容疑で起訴された[11]4月16日に開かれた法廷裁判官から職業を問われると「作家です」と答えた[12]。同年8月21日裁判所禁錮最低10年、最高21年の判決を言い渡した。

思想[編集]

ブレイヴィークはクリスチャン・シオニズムを支持し[13]イスラム教移民多文化主義マルクス主義を憎悪し、移民を受け入れ援助するノルウェーの在り方を否定していた。インターネットで発表した文書内でも移民受け入れの拡大をすすめる左派を非難していた。動画サイトでは同趣旨の『テンプル騎士団 2083年』という12分の動画も投稿していた。

日本韓国多文化主義に否定的な国家として挙げ、そのような国家を賛美賞賛するなどの行為をインターネット上の投稿で行っていたと報道されている[14]。また、「今、最も会ってみたい人々」としてローマ教皇のベネディクト16世とロシア首相のウラジーミル・プーチンの2人を挙げた。また、「次に会ってみたい人々」として日本国首相の麻生太郎、韓国大統領の李明博、オランダ極右政党「自由党」党首のヘルト・ウィルダースボスニア・ヘルツェゴビナ紛争でイスラム系住民の大量虐殺を指揮したとされるラドヴァン・カラジッチの4人を挙げている[15]

キリスト教との関係[編集]

15歳の時に堅信礼を受ける。犯行の二年前、インターネット上で現代プロテスタント教会への不満を漏らし、カトリック教会への集団改宗を 呼びかける書き込みをしていた[16]

ネット上に投稿したマニフェスト文書ではイエス・キリストと神と個人的な関係を結べる人は宗教的なキリスト教徒であるが、自分や多くの人は文化的・社会的な意味でのキリスト教徒と呼ばれている、としている[17]

服役中の状況[編集]

2014年現在、オスロ近郊の刑務所に服役しており、所内の待遇改善を求めてハンガーストライキを計画しているとの連絡が、手紙によりフランス通信社にもたらされている。ただし、この待遇改善とは、刑務所内で利用できるテレビゲーム機を「PlayStation 2からPlayStation 3へ変更し、面白いゲームソフトを与えよ。」といった趣旨の異質な内容となっている[18]

[編集]

  1. ^ a b Rayment, Sean (2011年7月25日). “Modest boy who became a mass murderer”. Sydney Morning Herald. http://www.smh.com.au/national/modest-boy-who-became-a-mass-murderer-20110724-1hvh0.html 2011年7月25日閲覧。 
  2. ^ a b “Dagens navn [Today's names]”. Aftenposten, morgen: p. 10. (1979年2月15日). "Aker hospital, Oslo, 13. February 1979. A boy. Name of parents. In Norwegian: (Aker sykehus, 13. ds.: En gutt. Wenche og Jens Breivik)" 
  3. ^ Erlanger, Steven; Shane, Scott (2011年7月23日). “Christian Extremist Charged in Norway”. New York Times. http://www.nytimes.com/2011/07/24/world/europe/24oslo.html?_r=1&hp 2011年7月23日閲覧。 
  4. ^ Meyer, Catherine (2011年7月29日). “After Eden: Norway's Tragedy Spotlights Europe's Far Right”. TIME. http://www.time.com/time/world/article/0,8599,2085688,00.html 2011年8月13日閲覧。 
  5. ^ Brustad, Line (2011年8月29日). “Slik var massedrapsmannens liv på nett”. Dagbladet. http://www.dagbladet.no/2011/08/29/nyheter/anders_behring_breivik/innenriks/terrorangrepet/world_of_warcraft/17848758/ 2011年8月29日閲覧。 
  6. ^ "Anders Breivik Manifesto: Shooter/Bomber Downplayed Religion, Secular Influence Key". International Business Times. (25 July 2011). Accessed 26 July 2011.
  7. ^ Gibson, David (2011年7月28日). “Is Anders Breivik a 'Christian' terrorist?”. Times Union. 2011年7月28日閲覧。
  8. ^ 【閲覧注意】連続テロの現場写真と映像 死者は現在までに87人(デジタルマガジン)
  9. ^ 目立たぬ存在、ネットでは極右の顔…テロ容疑者
  10. ^ ノルウェー連続テロの容疑者、アンネシュ・ブレイビクとは?
  11. ^ “連続テロ容疑者起訴=ノルウェー”. 時事通信. (2012年3月7日). http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012030701047 2012年3月7日閲覧。 
  12. ^ “ノルウェーテロ初公判、ネット掲載文に涙…職業は「作家です」落ち着いた表情一転”. 産経新聞. (2012年4月16日). http://sankei.jp.msn.com/world/news/120416/erp12041622380006-n1.htm 2012年5月7日閲覧。 
  13. ^ Norway attack suspect had anti-Muslim, pro-Israel views
  14. ^ “ノルウェーテロ:「寛容な社会」憎悪か”. 毎日新聞. (2011年7月24日). オリジナル2011年7月27日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/20110727132627/mainichi.jp/select/world/europe/news/20110724k0000m030131000c.html 2011年7月24日閲覧。 
  15. ^ “ノルウェーテロ容疑者、「理想の国」日本や韓国”. 読売新聞. (2011年7月25日) 
  16. ^ ブレイビク被告、テンプル騎士団名乗る ノルウェー連続テロ(産経新聞)
  17. ^ ノルウェー爆発・乱射事件容疑者、「キリスト教右派」報道に懸念(クリスチャントゥデイ)
  18. ^ “77人殺害の受刑者、面白いゲームなど求めハンストの構え ノルウェー”. AFP (フランス通信社). (2014年2月15日). http://www.afpbb.com/articles/-/3008556?pid=0 2014年2月15日閲覧。 

関連項目[編集]