「京阪600形電車 (3代)」の版間の差分
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=== 現在運行中のラッピング電車 === |
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* 603-604編成([[京阪特急|京阪本線旧特急]]色、ラッピングではなく塗装) |
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* 609-610編成([[中二病でも恋がしたい!]]、2014年3月18日から2015年7月下旬まで) |
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* 611-612編成([[比叡山坂本ケーブル]]塗装) |
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* 617-618編成([[ちはやふる]](「ちはやふる・大津」キャンペーン実行委員会)、2012年7月24日から2015年3月31日まで) |
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* 619-620編成([[響け! ユーフォニアム]]、2015年7月25日から2016年3月31日まで) |
* 619-620編成([[響け! ユーフォニアム]]、2015年7月25日から2016年3月31日まで) |
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2015年12月3日 (木) 00:38時点における版
京阪600形電車[1](けいはん600がたでんしゃ)は、1984年(昭和59年)に登場した京阪電気鉄道の石山坂本線用の電車(路面電車車両)。
300型・260形の車体を流用して製造された。当初は大津線(京津線・石山坂本線)全区間で運用されていたが、京津線の京都市営地下鉄東西線乗り入れ開始以降は、石山坂本線のみでの運用となっている[2]。
投入の経緯
大津線車両のサービス改善を図るために[3]、1984年から1988年にかけて導入された。大津線初の冷房車である。製造順に以下のように分類される。
- 1次車: 4本(601・602 - 607・608)
- 2次車: 2本(609・610、611・612)
- 3次車: 2本(613・614、615・616)
- 4次車: 2本(617・618、619・620)
1次車は300型、2 - 4次車は260形の車体を流用して製造されているが、書類上は新製扱いとなっている。
車体・機器
同時期に登場した京阪線用の6000系の設計も取り入れており、車体は流用されているものの丁寧に改修されている。
前面の形状は2種類あり、1次車は平面ガラス2枚窓、2次車以降は曲面ガラスを採用したパノラミックウインドウである。
連結面は、1次車は300型のものをそのまま継承した雨樋が通った丸妻となっている。片運転台の260型3次車の車体を流用した2次車と3次車613・614は張り上げ屋根の丸妻となっている。両運転台の260型2次車の車体を流用した3次車615・616と4次車は、運転台跡の客室化も併せて施工したので切妻となっている。
登場時、1次車は下段上昇・上段上昇の2段窓で下部には桟(保護棒)が取り付けられていたが、3次車が下段固定・上段上昇の保護棒なしで登場し、1・2次車も1990年から1991年にかけて[4]下段窓の固定化と保護棒の撤去が行われた。これらは後に登場した700形にも引き継がれている。
制御方式は6000系と同じ界磁位相制御で、15 - 70km/hの範囲5km/hごとで定速走行が可能である。ブレーキは当初はSME-DR(発電・回生制動併用非常管付き三管式直通空気制動)だった。冷房用電源には京阪初の静止型インバータ(SIV)が採用された[5]。
内装
車内の座席はロングシートである[6]。1993年から1994年にかけて行われた後述の昇圧改造工事の際に車椅子スペースの設置が行われた[7]。座席のモケットは、緑色であったが、順次赤色のものに交換されている[8]。
昇圧対応改造工事
1993年から1994年にかけて、架線電圧の1500V昇圧対応改造が行われ、SIVが複電圧仕様のものに交換された。制御装置をACRF-M853-788A(直並列各7段、弱め界磁無段階)から700形と同じ「ACRF-H870-793A」へ、モーターも同じくTDK8565-A(端子電圧150V、定格電流410A、分巻界磁電流65A、出力53kW、定格回転数1,150rpm)[9]から「TDK8760-A」に換装され、53kWから70kW(端子電圧375V時)へパワーアップされた。空気ブレーキも電気指令式に変更され、700形と運転取り扱いを共通化された。同時に標識灯のLED化や車椅子スペースの設置などが行われた。なお、回生・発電制動はマスコン操作で行われる。冷房装置は京津線からの撤退に伴って80形の廃車発生品に交換されている[10]。
ワンマン化改造
2003年10月4日からの同線でのワンマン運転を実施するにあたり、運転台のマスコンの近くに進行方向左側の扉を開閉するドアスイッチが新設されるとともに、ドアチャイム・自動放送装置も導入された。
運用
登場時から1997年10月11日までは、大津線全区間で運用されて、京津線の準急にも使われていたが、京都市営地下鉄東西線開業後は京津線の列車が原則として800系によって運転されることになり、それ以来本形式は700形とともに石山坂本線で運用されている。準急運用が消滅したことにより、方向幕から列車種別の表示がなくなって、行先のみの表示となった。
東西線開業後は定期運用で京津線に入線することはないが、夏のビール電車や冬のおでん電車などの臨時列車として同線の四宮まで入線することがある。
車体ラッピング・塗装
600形のラッピングトレインは、1997年11月大津市エリアの市外局番が3ケタ化(0775-××-××××→077-5××-××××)されるのに伴い、現在のNTT西日本大津支店との共同企画で同年4月から617編成に施されたのが発端となった。
現在では700形と共にひらかたパークでのイベントトーマスとゆかいななかまたち、ハロウィンやクリスマスなどの季節イベント、沿線の市民団体に協力しての「石坂線文化財号」、初恋や青春のメッセージの公募入選作が車内展示される「石坂青春号」など、恒例となっている感がある。
2008年4月から車体に順次京阪グループのCIロゴを貼付している。また、611編成の坂本ケーブルの車両を模した塗装から徐々に車番がステッカー化されつつある。
2013年からは大津線100周年を記念し、603編成を京阪旧特急色に改めた[11]。これは、かつて260型や300型がまとっていたものの再現で、旧3000系が引退して以降は、男山ケーブルの搬器を除けば、京阪の路線を走行する車両のうち旧特急色で塗られた唯一の編成となっている[12]。
現在運行中のラッピング電車
2015年12月3日現在。
- 603-604編成(京阪本線旧特急色、ラッピングではなく塗装)
- 609-610編成(中二病でも恋がしたい!、2014年3月18日から2015年7月下旬まで)
- 611-612編成(比叡山坂本ケーブル塗装)
- 619-620編成(響け! ユーフォニアム、2015年7月25日から2016年3月31日まで)
年表
この節の加筆が望まれています。 |
- 2005年10月7日から12月4日まで、601編成・619編成が「ひらかた大菊人形『義経』PR電車としてラッピングされた。
- 2006年
- 1月11日から2月14日まで603編成が「春待ち灯りとれいん」のラッピング。
- 2月6日から3月5日まで611編成が「リクルート」PR電車ラッピング。
- 4月18日から5月7日まで607編成・617編成「浜大津フェスタ」PR電車ラッピング
- 7月29日から2007年1月21日まで、615編成が「トーマスとゆかいななかまたち」のラッピング。
- 8月1日から9月3日まで605編成「夏真っ盛り号」のラッピング。
- 10月16日から10月30日まで607編成「ハロウィントレイン」のラッピング。
- 10月28日から11月5日まで601編成「石坂文化祭号」のラッピング。
- 11月27日から12月25日まで601編成「クリスマストレイン」のラッピング。
- 2007年
- 2008年
- 2009年
- 3月8日から3月29日まで613編成「石坂青春号」
- 10月下旬から601編成「がん検診の受診率アップを目指すけんしん号」
- 10月下旬から603編成「こども虐待防止のオレンジリボン電車」
- 10月下旬から2010年7月まで605編成「湖都古都御都n石坂線号Ⅱ」
- 10月下旬から617編成「大津市社会福祉協議会のふれあい号」
- 2010年
- 7月下旬から615編成「湖都古都御都n石坂線文化財号Ⅲ」
- 2011年
- 6月6日から2013年3月31日まで605編成が「まんが日本昔ばなし」のラッピング電車として運行されていた。
- 607編成が「大津ジャズフェスティバル」2011年10月16日まで運行されていた。
- 609編成が「ちま吉トレイン」2011年10月9日まで運行されていた。
- 603編成が「戦国大津物語号」2011年11月23日まで運行されていた。
- 613編成が映画「けいおん!」ラッピング電車として8月22日から2012年1月10日まで運行された。
- 10月17日から1年間、619編成が機動戦士ガンダムAGEラッピング電車として運行中
- 2012年
- 3月20日〜12月31日まで601編成が「湖上遊覧125周年」ラッピング電車として運行中。
- 4月29日から約1年間、615編成が「パトロールカー」ラッピング電車として運行中。
- 7月24日から2013年8月31日まで617編成が「ちはやふる」ラッピング電車として運行中。
- 9月25日から、大津線開業100周年を記念して603編成が京阪本線旧特急塗装に変更[11]。
脚注
- ^ 本形式が製造された当時、京阪は正式な形式称号に「型」を使用しており、竣工時は「600型」であった。その後、鉄道事業法の施行に際して形式称号を「形」に変更した。本記事では現在の「形」で記載する。
- ^ 『私鉄車両年鑑2013』、イカロス出版、2013年、68頁
- ^ 京阪電気鉄道(株)鉄道事業部技術課「車両総説」、『鉄道ピクトリアル2009年8月臨時増刊号』第822巻、電気車研究会、2009年 53頁
- ^ 「京阪電気鉄道 現有車両車歴表」、『鉄道ピクトリアル2009年8月臨時増刊号』第822巻、電気車研究会、2009年 290頁
- ^ なお、京阪線では1988年から2400系の改修工事が開始されるまでSIV装備車は存在しなかった。
- ^ 『私鉄車両年鑑2013』、イカロス出版、2013年、68頁
- ^ 「京阪電気鉄道 現有車両車歴表」、『鉄道ピクトリアル2009年8月臨時増刊号』第822巻、電気車研究会、2009年 290 - 291頁
- ^ 福島温也「京阪電気鉄道 現有車両プロフィール 2009」、『鉄道ピクトリアル2009年8月臨時増刊号』第822巻、電気車研究会、2009年 270頁
- ^ 交換工事の際に発生した余剰品の一部は、叡山電鉄900系に小改造のうえで流用されている。
- ^ 第1回: 石山坂本線 600形電車(1) keihan-02.com(Internet Archive)
- ^ a b 石山坂本線で「京阪本線特急色600形車両」を運行します! (PDF) - 京阪電気鉄道 2012年9月18日 報道発表資料
- ^ 他社線では、富山地方鉄道の10030形(旧3000系を譲渡したもの)が旧特急色を再現している。
- ^ 最終日の1月25日はさよならイベントが行われ、臨時列車が運転された他、坂本駅での展示も行われた。