「ヒール (プロレス)」の版間の差分

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基本的にはどの国でも自国レスラーがベビーフェイス、外国人レスラーがヒールというのが通例。ただし1970〜1980年代の日本のプロレス界では、アメリカ人の[[ドリー・ファンク・ジュニア]]と[[テリー・ファンク]]の兄弟がベビーフェイスとして人気を得るなど(対するヒールはザ・シークと[[アブドーラ・ザ・ブッチャー]])、複雑なアングルも生み出されるようになった。[[スタン・ハンセン]]や[[ブルーザー・ブロディ]]などが、本来はヒール的な役回りでありながら、その爽快な強さで日本人ベビーフェイス以上の人気を得るという事例もあった。
基本的にはどの国でも自国レスラーがベビーフェイス、外国人レスラーがヒールというのが通例。ただし1970〜1980年代の日本のプロレス界では、アメリカ人の[[ドリー・ファンク・ジュニア]]と[[テリー・ファンク]]の兄弟がベビーフェイスとして人気を得るなど(対するヒールはザ・シークと[[アブドーラ・ザ・ブッチャー]])、複雑なアングルも生み出されるようになった。[[スタン・ハンセン]]や[[ブルーザー・ブロディ]]などが、本来はヒール的な役回りでありながら、その爽快な強さで日本人ベビーフェイス以上の人気を得るという事例もあった。


日本では[[上田馬之助 (プロレスラー)上田馬之助]]や[[極悪同盟]]が純粋なヒールキャラとして有名。
日本では[[上田馬之助 (プロレスラー)|上田馬之助]]や[[極悪同盟]]が純粋なヒールキャラとして有名。


現代プロレスでは「勧善懲悪」の時代も終わり、[[ストーン・コールド・スティーブ・オースチン]]や[[ジ・アンダーテイカー]]、[[カート・アングル]]、また[[ニュー・ワールド・オーダー|nWo]]に代表されるような、かっこいいヒール=[[ダークヒーロー]]が人気を博している。日本では[[鈴木みのる]]、[[藤田和之]]、また[[プロレスリング・ノア]]の[[ノーフィアー]]が人気を得ている。
現代プロレスでは「勧善懲悪」の時代も終わり、[[ストーン・コールド・スティーブ・オースチン]]や[[ジ・アンダーテイカー]]、[[カート・アングル]]、また[[ニュー・ワールド・オーダー|nWo]]に代表されるような、かっこいいヒール=[[ダークヒーロー]]が人気を博している。日本では[[鈴木みのる]]、[[藤田和之]]、また[[プロレスリング・ノア]]の[[ノーフィアー]]が人気を得ている。

2009年3月19日 (木) 10:36時点における版

プロレスにおけるヒールHeel)とは、プロレス興行のギミック上(あるいはストーリー上)、悪役悪玉として振舞うプロレスラーのこと。あるいは悪役プロレスラーのチームのこと。

一般的には悪役レスラーとして認識される。対義語として善玉のベビーフェイスが存在する。転じて一般社会や創作でも悪役に位置付けられる人物をヒールと呼ぶ事がある。代表的な例が、角界北の湖朝青龍[要出典]エラー: タグの中に無用な文字が含まれていないか、{{要出典範囲}}と{{要出典}}を間違えていないかを確認してください。貼り付け年月は「date=yyyy年m月」、チップテキストに表示する文字列は「title=文字列」と指定してください。ウルトラマンシリーズにおけるバルタン星人仮面ライダーにおけるショッカー機動戦士ガンダムにおけるシャア・アズナブルなどがあげられる。

概要

ヒールは、元々はアメリカのプロレス業界で用いられていたスラングの一種である。日本では元々「悪玉」、「善玉」という日本語の表現が用いられていたが、日本のプロレス業界でも一般的な単語になっている。メキシコにおけるプロレスのルチャリブレでは、ヒールのことを「ルード」、ベビーフェイスを「リンピオ」という。

ヒールが発生した経緯は、「正義」対「悪」という、観客がわかりやすいアングルが興行に多くの客を呼ぶ上で必要と考えられたため、「ベビーフェイス」と「ヒール」が生まれたという風に考えられる。

試合の仕方としては反則を多用したラフファイトを展開する者が多い。金的・凶器攻撃といった反則はもちろん、レフェリーへの暴行、観客席での場外乱闘、果ては他者の試合への乱入なども行う。

昔のアメリカのプロレス界では「ザ・シーク」「グレート・東郷」が典型的なヒールとして有名。アメリカでは人種に基づく差別や偏見が根強く存在し、第二次世界大戦の敵国人だった日本人やドイツ人、あるいはアラブ系、異文化を象徴する覆面レスラーなどわかりやすいヒールが主流。ジャイアント馬場もアメリカ修行時代にはヒールとして活動している。日本でも力道山時代には、アメリカ人の「ヒール」を日本人である力道山(生まれは朝鮮半島だが、誕生時点では日本領だったことから日本国籍であり、また角界入りした際に長崎県出身とされた為、当時はほとんどその事実は知られていなかった)が倒すのが定番の流れだった。戦勝国であるアメリカの大柄なレスラーを、敗戦で意気消沈した日本の小柄な力道山が倒すという展開に、全国のファンが熱狂した。

基本的にはどの国でも自国レスラーがベビーフェイス、外国人レスラーがヒールというのが通例。ただし1970〜1980年代の日本のプロレス界では、アメリカ人のドリー・ファンク・ジュニアテリー・ファンクの兄弟がベビーフェイスとして人気を得るなど(対するヒールはザ・シークとアブドーラ・ザ・ブッチャー)、複雑なアングルも生み出されるようになった。スタン・ハンセンブルーザー・ブロディなどが、本来はヒール的な役回りでありながら、その爽快な強さで日本人ベビーフェイス以上の人気を得るという事例もあった。

日本では上田馬之助極悪同盟が純粋なヒールキャラとして有名。

現代プロレスでは「勧善懲悪」の時代も終わり、ストーン・コールド・スティーブ・オースチンジ・アンダーテイカーカート・アングル、またnWoに代表されるような、かっこいいヒール=ダークヒーローが人気を博している。日本では鈴木みのる藤田和之、またプロレスリング・ノアノーフィアーが人気を得ている。

ヒールはあくまでもギミックとして演じるものであるとされ、リング外においてはベビーフェイスよりもヒールの方が好人物である、ということもしばしば語られたりする。またヒールはそのキャラクターにプライドを持っている選手が多く、会場でブーイングが少なかったり、観客が怖がらずに馴れ馴れしい態度をとった場合、激怒して余計に暴れることもある(もちろん演技)。ヒールに対してはブーイングを送り、場外戦で近くに来た時には逃げるのが正しい観戦マナーであるとされる。

ヒールであっても、リング外では気さくにサインに応じたり、イベントに参加してファンとの触れ合いを行なうレスラーも多いが、アンドレ・ザ・ジャイアントはヒールとしてのイメージが損なわれるのを嫌い、敢えてファンを避ける行動を取っていた。

分類

ヒールの形態は大きく分けて7つの分類が存在する。

  1. 狂人ヒール
  2. モンスターヒール
  3. エゴイストヒール
  4. バカヒール(ヘタレヒール)
  5. 外国人ヒール
    • 外国人選手がこれに該当。ヒール=外国人というのはプロレスにおける最も根本的なアングル。ただし日本におけるスパンキーのように外国人ベビーフェイスも存在し、外国人選手のすべてがヒールというわけではない。全日本プロレスRO&Dスコット・ノートンが該当する。なお、メキシコではアメリカ人、アメリカ合衆国ではドイツ系、フランス系がヒールとなることが多い。
  6. 外敵ヒール
    • 団体抗争における、他団体の選手がこれに該当。単によそ者というだけで、反則攻撃の頻度はレスラーの属性に依存する。所属団体ではクリーンファイトを繰り広げているが他団体参戦時にはラフプレイに転じるレスラーもいる。団体所属選手のヒール色が薄いプロレスリング・ノアでは獣神サンダー・ライガーを始め他団体から参戦する選手にブーイングが送られる事が多い。(西村修など例外もいる)現在のアメリカンプロレスでは所属外選手の参戦が少ないため殆ど見られない。
  7. 反逆者ヒール
    • 団体のエースや首脳陣(フロント)と敵対する選手で、かつての新日本プロレスの反選手会同盟(のちの平成維震軍維新軍蝶野正洋nWoジャパン/TEAM 2000などがこれに該当。ギミックレスラーの少ない日本では、一般的なヒールである。上記のヒールに比べると、ファンが多い。

ヒールターン

かつてベビーフェイスだったレスラーが、ヒールに転向することをヒールターンと呼ぶ。興行自体がマンネリ化するのを避けるためだったり、レスラー自身のベビーフェイスでの人気がいまいちだったり、陰りが見えている場合に行われる。また新人レスラーがトップレスラーへ進む過程においてヒール修行は必須といわれる。観客の心をコントロールする術を身につけるためである。

ヒールにターンする場合、観客がわかりやすい様に、他のベビーフェイスレスラーを襲撃する、リング上で仲間割れを起こす、コスチュームや髪型を変えるなどの行動を取る。

ヒール軍団

ヒールによって構成されるチームはアングルの一種である団体抗争を演出する上で不可欠の存在である。プロレス史の中には絶大な人気を誇ったヒール軍団も少なくない。

主なヒール軍団