TATSUJIN

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
TATSUJIN
ジャンル 縦スクロールシューティング
対応機種 アーケード
開発元 東亜プラン
発売元 タイトー
デザイナー 太田俊昭
音楽 弓削雅稔
人数 1 - 2人(交互プレイ)
メディア 業務用基板(1.28メガバイト
稼働時期
  • INT 1988年10月 (1988-10)
デバイス 8方向レバー
2ボタン
CPU MC68000 (@ 10 Mhz)
Z80 (@ 3.5 Mhz)
サウンド YM3812 (@ 3.5 Mhz)
ディスプレイ ラスタースキャン
縦モニター
320×240ピクセル
60.00Hz
パレット2048色
テンプレートを表示

TATSUJIN』(たつじん)は、1988年アーケードに登場した縦スクロール・シューティングゲーム。販売はタイトー、製作は東亜プラン。海外名は『TRUXTON』(トラクストン)。1992年には続編の『達人王』がリリースされている。

概要[編集]

長らくタイトーの下請けとして活動していた東亜プランは、本作のリリースを皮切りに自社ブランドを前面に押し出し、「東亜系シューティング」のスタイルを確立してゆく。日本国内でのセールスは非常に好調で、その理由として開発者の弓削雅稔は当時のテーブル筐体の画面を覆い尽くす5本のサンダーレーザーのインパクトを挙げている。一方で海外での評価は芳しくなかったという[1]

サンダーレーザーの他、本作で登場した特徴的なシステムとしては「ボンバー」(達人ボム)がある。『TATSUJIN』の名の通り、本作は達人シューター向けの高難易度でも知られるが、達人ボムの採用はその相殺という一面もある。ボンバーというシステム自体は東亜プランの『タイガーヘリ』が初出だが、ボタンを押してからボンバーが発動するまでにタイムラグがあった『タイガーヘリ』に対し、ボタンを押した瞬間に即発動する(本作では若干のラグがあり、デモで被弾後にボムが爆発するものがある)ボンバーが採用されたのは本作がゲーム史上初である[2]。攻撃よりも防御、戦略性よりも緊急回避性を重視したこのタイプのシンプルなボンバーは以後登場するほぼすべてのシューティングゲームで採用されている。

高難易度とそれを相殺するボム、ボタンを押しただけで敵を倒せるシンプルさ、武器のビジュアル的なインパクトという、以後のほぼすべてのシューティングゲームで踏襲される要素を確立した本作は、近代シューティングの基礎を築いた作品であるとゲームライターの箭本進一は評している[3]

一方で、本作以後の東亜シューティングを含めたシューティングというジャンルはますます高い難易度とビジュアルインパクトを追求し、結果的にマニア向けのジャンルと化すこととなる。

ゲーム内容[編集]

システム[編集]

8方向レバーで自機を操作し、メインショット(空中、地上どちらも攻撃可能)と達人ボム(いわゆるボンバー)を駆使し1面あたり40エリア(画面)全5面の全200エリアを攻略する[4]。道中の5体のボスを倒すごとに通常BGMが変わるため、メガドライブ版では5ステージ構成としている。ボスでミスすると一定の復活ポイントまで戻される。敵や地上物を倒すと様々な効果を持ったアイテムが出現し、それを取得することによって様々な効果が得られる。

パワーアップアイテム[編集]

それぞれの文字が書かれたアイテムを取得することにより様々なパワーアップを行う。

P
このアイテムを5個取得するとショットボタンで発射する武器が1段階パワーアップする。最高2段階まで。自機がやられても4個まではストックが効く。ただし最高段階までパワーアップしてしまうとそれ以上ストックができない。
通常は本アイテムの色はシルバーだが、4個ストックした状態(あと1つ取ればパワーアップする状態)のときはピンクになる。
S
取得するごとに移動速度が上がる。4個で最高速になり、5個目からは5000点のボーナス得点となる。
B
達人ボムを1発補給する。基本的にボタンを押したその場で効果を発動させるタイプなので緊急回避や弾消しに重宝するが、ダメージを与える場合、近距離で使用する必要がある(アーケード版は自機を中心にボムが作用する、メガドライブ版は画面を中心にボムが作用し、画面全体に均等にダメージを与える)。ごく僅かなタイムラグがあるため、自機がやられた直後に爆発することもある。自機を中心に巨大なドクロ状の爆炎を起こす。10発までストック可能。残り使用可能数は画面右下にドクロマークを並べて表示する(メガドライブ版はスコアやボム数などの情報を右側の帯状のエリアに表示される)。10個ストックされた状態で取ると5000点のボーナス得点となる。
1UP
自機を1機追加。特定の武器でしか壊せない地上物に入っている。全3箇所。1回取ると次以降の周ではショットアイテムに変化する。
2UP
自機を2機追加。一定エリア連続ノーミス時にゲーム中1回に限り出現する。最初からノーミスの場合、3面の最初のアイテムキャリアが2UPになる[5]。なお、1UPと2UPは他のアイテムと違い、その場に留まらずに空中を浮遊する。

武器チェンジアイテム[編集]

メインショットは取得する武器チェンジアイテムの色によって3種類に変更することが可能[6]。装備している色と同じ色のアイテムを取るとボーナス得点が入る。武器チェンジするタイミングによって敵の硬さを変えることができる。

赤アイテム(パワーショット)
扇状に3WAYのバルカンを撃つ。パワーアップにより3方向の弾がそれぞれ3発×3WAY→5発×3WAY(MD版では9WAY→9WAY+バリア)になる。敵を貫通しない性質で、近距離で撃つと複数のショットが集中して当たるため、敵に効率的にダメージを与えられる。ショット一発の威力が弱いため、遠距離で耐久力ある敵には苦戦する。
緑アイテム(達人ビーム)
短いビームを真正面に発射する。耐久力の小さい敵は貫通して破壊する。パワーアップにより3連装→5連装になる。直線的な武器であるため、横からの攻撃には苦戦を強いられる。
青アイテム(サンダーレーザー)
稲妻状の途切れの無い長いレーザーを発射する。ショットボタンを押しっぱなしにすることにより継続で発射される。耐久力の小さい敵を貫通し、耐久力の大きい敵に対しては破壊するまでロックオンし続ける。パワーアップにより3連装→5連装になる。ロックオンすると自機めがけて突っ込んでくる敵もいる。

他機種版[編集]

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数
1 TATSUJIN
  • 日本 1989年12月9日 (1989-12-09)
  • アメリカ合衆国 1989年
  • ヨーロッパ 1990年11月
メガドライブ 東亜プラン セガ 4メガビットロムカセット[7]
  • 日本 G-4020
-
2 TATSUJIN
  • 日本 1992年7月24日 (1992-07-24)
PCエンジン 東亜プラン タイトー 4メガビットHuCARD[8] TP-04022 -
メガドライブ版
  • セガから発売された。上述の通り、パワーアップに多少のアレンジがなされている。東亜プランのメガドライブ初参入作品であり、メガドライブ用ソフトとしては初期の作品である。以後、東亜プランが開発したコンシューマ作品がメガドライブのみでの供給なのは、当時の東亜プランがコンシューマを重視していなかったことと、メガドライブのCPUがアーケード版と同じMC68000を使用していたからである。サウンドのテンポが異様に早いのは、弓削がメガドライブのサウンドの仕様を知ったのがマスターアップ直前で、調整不足だったためである[9]。実際はPALのフレームレートで作られており、NTSC出力では1.2倍のスピードで動作してしまっている結果である。
PCエンジン版
  • タイトーからHuCARDで発売された。

スタッフ[編集]

アーケード版
  • スタッフ:太田俊昭
  • 作曲:弓削雅稔
メガドライブ版
  • スタッフ:太田俊昭、弓削雅稔、K.IWABUCHI、中岡慎太郎、N.SAWADA、たかたゆうこ
PCエンジン版
  • プロデュース:高橋章二
  • プログラム:國廣豊史
  • グラフィック:高瀬努、牛久宏治
  • サウンド:SHOTARO
  • スーパーバイザー:やまざきこうじ
  • バグ・チェッカー:SUIT

評価[編集]

評価
レビュー結果
媒体 結果
ファミ通 27/40点(MD)[10]
21/40点(PCE)
メガドライブFAN 18.09/30点(MD)[7]
MegaTech 82%(MD)[11]
Mean Machines 82%(MD)[12]
月刊PCエンジン 80/100点(PCE)
マル勝PCエンジン 30/40点(PCE)
PC Engine FAN 20.82/30点(PCE)[8]
(総合278位)
受賞
媒体 受賞
第3回ゲーメスト大賞 ベストシューティング賞4位(AC)[13]
年間ヒットゲーム16位(AC)[13]
ゲーメスト ザ・ベストゲーム 第43位(AC)[14]
(1991年)
アーケード版

ゲーム雑誌『ゲーメスト』の企画「第3回ゲーメスト大賞」(1989年)で、読者投票によりベストシューティング賞で4位、年間ヒットゲームで16位を獲得している[13]。また、1991年にそれまで稼働されていたアーケードゲーム全てを対象に行われた『ゲーメスト』読者の人気投票によるゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』では43位を獲得した[14]

メガドライブ版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計で27点(満40点)[10]、『メガドライブFAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、18.09点(満30点)となっている[7]。同雑誌1993年7月号特別付録の「メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」では、「その達人級の難易度で話題となった業務用からの移植。メガドライブ版でもその高い難易度は健在で、5周目まで用意されているエンディングをすべて見るのは至難の業。また派手なパワーアップにも注目」と紹介されている[7]

項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 2.84 2.94 3.31 3.24 2.94 2.82 18.09
PCエンジン版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では7・5・4・5の合計21点(満40点)、『月刊PCエンジン』では80・85・80・75・80の平均80点、『マル勝PCエンジン』では6・9・8・7の合計30点(満40点)、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、20.82点(満30点)となっている[8]。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で278位(485本中、1993年時点)となっている[8]。同雑誌1993年10月号特別付録の「PCエンジンオールカタログ'93」では、「業務用からの移植作。難易度の高さと、自機と敵の攻撃の派手さは、まさにシューティングの達人向け」と紹介されている[8]

項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.45 3.64 3.68 3.77 3.27 3.00 20.82

その他[編集]

  • 本作の特徴の一つである達人レーザーのデザインは、開発者の弓削雅稔によれば、当時寝ぼけて頭をぶつけた衝撃で目が覚めた時に、頭の中で光ったイメージが画面を覆い尽くすサンダーレーザーであったとコメントしている。当時の弓削は寝る時にはそばにメモを置いておき、夢で見た物で使えそうなものは忘れないようにメモしており、サンダーレーザーの案も後でデザイナーにメモを見せて採用した[15]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ シューティングゲームサイド vol.4』マイクロマガジン社、p.42
  2. ^ 『シューティングゲームサイド vol.4』p.22
  3. ^ 『シューティングゲームサイド vol.4』p.10
  4. ^ 『メガドライブのすべて』p.20
  5. ^ 『メガドライブのすべて』p.21
  6. ^ 各武器の基本的な性質は『メガドライブのすべて』p.21参照
  7. ^ a b c d 「7月号特別付録 メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」、『メガドライブFAN』第5巻第7号、徳間書店1993年7月15日、 61頁。
  8. ^ a b c d e 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」、『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店1993年10月1日、 83頁。
  9. ^ 『シューティングゲームサイド vol.4』p.48
  10. ^ a b TATSUJIN まとめ [メガドライブ]/ ファミ通.com” (日本語). KADOKAWA CORPORATION. 2015年11月21日閲覧。
  11. ^ MegaTech rating, EMAP, issue 5, page 79, May 1992
  12. ^ http://www.outofprintarchive.com/articles/reviews/MegaDrive/Truxton-MeanMachines1-2.html
  13. ^ a b c 「ゲーメスト大賞11年史」、『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、 20 - 21頁、 ISBN 9784881994290
  14. ^ a b 「最も愛されたゲームたち!! 読者が選んだベスト30」、『ザ・ベストゲーム 月刊ゲーメスト7月号増刊』第6巻第7号、新声社1991年7月1日、 63頁、 ISBN 雑誌03660-7
  15. ^ OBS(おにたま放送局)「FM音源ドライバーズサミット 東亜プラン」より。

参考文献[編集]