ヴォルフ・エッテル
ヴォルフ=ウード・エッテル Wolf-Udo Ettel | |
---|---|
生誕 |
1921年2月26日 ヴァイマル共和国 ハンブルク |
死没 |
1943年7月17日(22歳没) イタリア王国 シチリア カターニア |
所属組織 | ドイツ空軍 |
軍歴 | 1939年 - 1943年 |
最終階級 | 中尉 |
ヴォルフ=ウード・エッテル(Wolf-Udo Ettel、1921年2月26日 - 1943年7月17日)はドイツ空軍の軍人。第二次世界大戦では約250回の出撃で124機を撃墜したエース・パイロットであり、その戦功から柏葉付騎士鉄十字章を追贈された。
経歴
[編集]1921年2月26日、ヴァイマル共和国ハンブルクで生まれた。エッテルは二人の弟と共にポツダムのナポラに入学[1] 。1939年11月15日、ドイツ空軍に入隊した。
1942年初頭、東部戦線に参戦中の第3戦闘航空団(JG 3)/第4飛行中隊に配属された。6月24日にイリューシン Il-2を2機撃墜し初戦果を記録した。7月10日にはロシアのA-20を撃墜したが、ヴォロネジ付近で撃墜された。搭乗していたメッサーシュミット Bf109 F-4からベイルアウトして、ドン川を泳いで渡り、4日後に部隊に戻った。 8月9日に20機撃墜、10月7日には30機撃墜を達成した。
1943年2月、第3戦闘航空団はクバーニ橋頭堡に転戦し数ヶ月の間に集中的な作戦行動を展開した。エッテルは赤色空軍の航空機を3月に28機、4月には36機を撃墜した。4月28日にドイツ空軍で38人目となる100機撃墜を達成した[2] 。5月11日には120機目を撃墜したが、搭乗していたメッサーシュミット Bf109 G-4が対空兵器に撃墜され不時着した。彼はソ連軍のライフル射撃を受けたが、ドイツの戦列に戻ることができた。6月1日に騎士鉄十字章を受章した[3]。
6月5日、ギリシャに拠点を置く第27戦闘航空団(JG 27)/第8飛行中隊の中隊長に就任した。7月14日にシチリア島上空でイギリス空軍のスピットファイアを撃墜し、7月16日にはアメリカ陸軍航空軍のB-24を2機とスピットファイアを1機撃墜した。7月17日、レンティーニの南東にあるイギリスの対空兵器を攻撃する近接航空支援を行ったが撃墜され戦死した[4]。満22歳没(享年23)。8月31日、柏葉付騎士鉄十字章が追贈され、289人目の受章者になった。
エッテルの出撃回数は250回を超え、総撃墜数は124機を記録した。その内の21機は、東部戦線で撃墜したイリューシン Il-2だった。
叙勲
[編集]- 鉄十字章1939年章
- 黄金空軍前線飛行章(1942年10月23日)[5]
- 空軍名誉杯(1943年6月25日):少尉のパイロットとして[6]
- ドイツ十字章金章(1942年12月23日):第3戦闘航空団/第4飛行中隊の少尉として[7]
- 柏葉付騎士鉄十字章
脚注
[編集]参考文献
[編集]- Obermaier, Ernst (1989) (German). Die Ritterkreuzträger der Luftwaffe Jagdflieger 1939 – 1945 [The Knight's Cross Bearers of the Luftwaffe Fighter Force 1939 – 1945]. Mainz, Germany: Verlag Dieter Hoffmann. ISBN 978-3-87341-065-7
- Patzwall, Klaus D.; Scherzer, Veit (2001) (German). Das Deutsche Kreuz 1941 – 1945 Geschichte und Inhaber Band II [The German Cross 1941 – 1945 History and Recipients Volume 2]. Norderstedt, Germany: Verlag Klaus D. Patzwall. ISBN 978-3-931533-45-8
- Patzwall, Klaus D. (2008) (German). Der Ehrenpokal für besondere Leistung im Luftkrieg [The Honor Goblet for Outstanding Achievement in the Air War]. Norderstedt, Germany: Verlag Klaus D. Patzwall. ISBN 978-3-931533-08-3
- Scherzer, Veit (2007) (German). Die Ritterkreuzträger 1939–1945 Die Inhaber des Ritterkreuzes des Eisernen Kreuzes 1939 von Heer, Luftwaffe, Kriegsmarine, Waffen-SS, Volkssturm sowie mit Deutschland verbündeter Streitkräfte nach den Unterlagen des Bundesarchives [The Knight's Cross Bearers 1939–1945 The Holders of the Knight's Cross of the Iron Cross 1939 by Army, Air Force, Navy, Waffen-SS, Volkssturm and Allied Forces with Germany According to the Documents of the Federal Archives]. Jena, Germany: Scherzers Militaer-Verlag. ISBN 978-3-938845-17-2
- Scutts, Jerry (1994). Bf 109 Aces of North Africa and the Mediterranean. London, UK: Osprey Publishing. ISBN 978-1-85532-448-0
- Spick, Mike (1996). Luftwaffe Fighter Aces. New York: Ivy Books. ISBN 978-0-8041-1696-1
- Stockert, Peter (1997) (German). Die Eichenlaubträger 1939–1945 Band 3 [The Oak Leaves Bearers 1939–1945 Volume 3]. Bad Friedrichshall, Germany: Friedrichshaller Rundblick. ISBN 978-3-932915-01-7
- Thomas, Franz (1997) (German). Die Eichenlaubträger 1939–1945 Band 1: A–K [The Oak Leaves Bearers 1939–1945 Volume 1: A–K]. Osnabrück, Germany: Biblio-Verlag. ISBN 978-3-7648-2299-6
- Weal, John (2001). Bf 109 Aces of the Russian Front. Oxford, UK: Osprey Publishing. ISBN 978-1-84176-084-1
- Weal, John (2003). Jagdgeschwader 27 'Afrika'. London: Osprey Publishing. ISBN 1-841765-38-4.