100ギガビット・イーサネット

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100ギガビット・イーサネット(100 gigabit Ethernet、100G Ethernet、100GbE、100 GigE)は、コンピュータ・システム同士を結ぶ通信規格。

2010年にIEEE 802.3baとして標準化された[1]イーサネットの通信方式であり、WANMANに用いられるネットワークプロトコルである。

40ギガビット・イーサネットは、2011年にIEEE 802.3bgとして標準化された[1]

概要[編集]

名称のとおり、物理層では最大100Gbpsの伝送速度を持つイーサネットの規格である。IEEE 802.3baへ規格原案として提案されたものには、銅ケーブルを使ったものが1つと光ファイバー・ケーブルを使ったものが2つある。

100ギガビット・イーサネットは次の通り、3種類の規格が想定されている。

3種類のケーブルと伝送方式
  • 銅ケーブル (並列伝送方式)
  • 光ファイバー MMF (並列伝送方式)
  • 光ファイバー SMF (WDM方式)

銅ケーブル[編集]

100ギガビット・イーサネットの銅ケーブル

銅ケーブルを使用した100ギガビット・イーサネットは、ごく短距離を接続する用途が想定されている。

ケーブル
ケーブルは10GBASE-CX向けの多対シールデッドのツイストペアケーブルを使用する。1対2本で25Gビット/秒の伝送を担当する。片方向で4対8本の銅心線を使い、双方向では8対16本となる。最大10mまでの距離を双方向、最大100Gbpsで接続する。
コネクタ
10GBASE-CX向けのものが使用できる。
変調方式

光ファイバー・ケーブル[編集]

使用する光ファイバー・ケーブルは2種類ある。

  • MMF マルチ・モード・ファイバー 伝送距離:100m(伝送距離は短いが安価である。)
  • SMF シングル・モード・ファイバー 伝送距離:10km~40km(伝送距離は長いが高価である。)

下にそれぞれの想定規格の目標仕様を示す。

100Gビット・イーサネットの光ファイバーの規格候補
規格名 未定 未定
光ファイバー形式 MMF
コア径:不明または未定
SMF
コア径:不明または未定
ケーブル内 MMF×12心
12心の内、10心を伝送に使う
SMF×1心1本
最大伝送距離 100m 10km または 40km
波長 840nm 1,310nm帯(10km)/1,550nm帯(40km)
符号化方式 不明または未定 不明または未定
100ギガビット・イーサネットの光ケーブル(MMF)
MMF

MMFでは、10チャンネルの接続部を持つ光コネクタを使用する。両側に10個ずつの光トランシーバが使用される。各々の光トランシーバは10Gビット/秒の性能で良い。

SMF

SMFを使用する場合は、2007年末現在の光送信・受信モジュールの性能の限界から、それぞれ4つの光送信モジュールと受信モジュールを使用して、4つの光信号を光マルチプレクサ・光デマルチプレクサであるROADM(Reconfigurable optical add-drop multiplexer)で多重化してやる必要がある。100ギガビット・イーサネットでは、25Gビット/秒の光送信・受信モジュールが必要となり、新たな高速対応部品の開発が必要になる。40kmの伝送では送信側か受信側で光アンプによって光信号の増幅が必要になるかもしれない。

40ギガビット・イーサネット[編集]

IEEE 802.3baで同時に検討されるものには、本項目で扱う主にネットワーク機器ベンダーが推進する100ギガビット・イーサネットとは別に、主にサーバー・ベンダーが推進する40ギガビット・イーサネットが存在する。40ギガビット・イーサネットの中でも銅ケーブルを使用したものは、多数のサーバーを備えるデータセンターなどのサーバー・ラック内のごく短距離の結線に、プリント基板状の配線(バックプレーン)を使用したものは、ブレード・サーバー内の数10cm程度の接続に使用することを主な用途に想定されている。

100ギガは技術的にハードルが高いため、まずは現実的に40ギガでの高速化を実現すべきである、というのが40ギガを推進するサーバー・ベンダー等の主張である。

IEEE 802.3baが両方を認め、10ギガの次の高速規格が、40ギガと100ギガの2つに分裂している。

40ギガビット・イーサネットの目標とする最長伝送距離
  • バックプレーン:1m
  • 銅線:10m
  • MMF光ファイバー:100m

出典と注記[編集]

[ヘルプ]
  • 加藤雅浩著 日経NETWORK 2008年1月号 「100Gイーサネット」 p.24-p.25

外部リンク[編集]