貝貨

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貝貨(ばいか)とは貝殻を用いた貨幣である。アジア、アフリカ、オセアニア、アメリカで使われており、特にタカラガイは豊産、繁栄、再生、富などを象徴し、キイロダカラC. moneta)とハナビラダカラ(C. annulus)が広範な地域で用いられた。

中国[編集]

古代中国の貝貨

古代中国のでは、東南アジアからの交易でタカラガイを入手し、国内で贈与の交易や埋葬品に用いたとされ、その単位として「朋」が定められた。貝は亀甲とともに貴重とされ、のちにはなどで貝貨を模した倣製品としての貨幣も作られた。はタカラガイを模した銅貨を作り、新の王莽は貝貨制度を復活させた[1]

インド[編集]

14世紀のマラバールやベンガル地方では、タカラガイは米を買うための少額貨幣として用いられていた。モルディブ諸島でとれたタカラガイが用いられた[2]

アフリカ[編集]

タカラガイは14世紀頃からインド洋からアフリカへ運ばれた。貝貨に用いたタカラガイには2種類あり、キイロダカラは上級とされ、ハナビラダカラは2級品とされた。14世紀にイブン・バットゥータがニジェール川流域で貝貨を見ており[3]、15世紀にはベニン王国コンゴ王国、アルドラでも用いられ、やがてダホメ王国に導入された。

17世紀から18世紀にかけてのダホメ王国では、金1オンスと貝貨3万2千個の交換比率が安定して維持された[4]。ダホメでは、市場の食料品の取引など、国内の支払い手段として貝貨が普及した。市場では砂金も使えたが、少額である貝貨のほうが適していた。また、貝貨は二重勘定が用いられ、卸売が小売に売る際には、10×8が100と数えられた。このため、小売商人は20%の代価を確保できるよう定められていた[5]。ダホメには、タカラガイが市場の貨幣となるきっかけが伝説としても伝えられていた。

オセアニア[編集]

パプアニューギニアの通貨であるキナは、貝貨に用いていたキナ貝を由来とする。貝貨は現在でも使われており、キナはタブという貝貨と交換可能となっている。

出典・脚注[編集]

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  1. ^ 山田『貨幣の中国古代史』p12
  2. ^ イブン・バットゥータ『大旅行記 6』 p207
  3. ^ イブン・バットゥータ『大旅行記』
  4. ^ ポランニー『経済と文明』p215
  5. ^ ポランニー『経済と文明』 p110

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]