計量テンソル
リーマン幾何学において計量テンソル(けいりょうテンソル、英: metric tensor)とは、空間内の距離と角度を定義する階数(rank)が2のテンソルを言う。多様体が与えられたとき、多様体の接空間で、滑らかに変化する非負の2次関数を選ぶことができる場合、その多様体をリーマン多様体と呼ぶ。そのため、計量テンソルは、リーマン計量(Riemannian metric)と呼ばれることもある。
ひとたび、ある座標系 xi が選ばれると、計量テンソルは行列形式で定義される。通常、G として表記され、各成分は gij と表される。以下では、添え字の和に関してアインシュタインの縮約記法を用いる。
点a から b までの曲線の長さは、t をパラメータとして、
と定義される。2つの接ベクトル(tangent vector) と のなす角度 θ は、
で与えられる。
例[編集]
ユークリッド空間[編集]
2次元のユークリッド計量(平らな空間)では、計量テンソルはクロネッカーのデルタ、または単位行列で与えられる。すなわち
で与えられ、曲線の長さは良く知られた公式
で与えられる。逆に計量テンソルが単位行列になるのは直交直線座標系のときに限る[1]。
座標系を替えたユークリッド計量の例をいくつか示す。
- 極座標(Polar coordinates)
[要説明]
時空・ローレンツ多様体[編集]
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- 平らな ミンコフスキー空間(Minkowski space)
非ユークリッド空間[編集]
脚注[編集]
- ^ 高橋康; 柏太郎 『量子場を学ぶための場の解析力学入門 増補版』(2版)講談社サイエンティフィク、2005年、10頁。ISBN 4-06-153252-9。
参考文献[編集]
- 石原繁 『テンソル -科学技術のために-』裳華房、1991年。