藤倉大

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藤倉 大(ふじくら だい、Dai Fujikura、1977年 - )は、日本現代音楽作曲家

略歴[編集]

1993年、15歳で単身イギリスに渡りドーヴァー高校を出たあと、トリニティ・カレッジ・オブ・ミュージックでダリル・ランズウィックに師事。1998年にはポーランドカジミェシュ・セロツキ国際作曲コンクールを最年少で日本人として初優勝。同年、イギリスハダースフィールド国際音楽祭作曲コンクールでこれも日本人として初優勝し、同音楽祭でオランダオルケスト・デル・ヴォルハーディングによって初演、のちロンドン・シンフォニエッタによりロンドン初演される。2000年に修士課程をロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージックエドウィン・ロックスバラに師事(PRS奨学生)。2003年1月から博士課程をキングス・カレッジ・ロンドンジョージ・ベンジャミンに師事。同年、武満徹作曲賞で「ティンブクトゥを夢見て」が第2位を受賞し、東京フィルハーモニー交響楽団によって東京オペラシティで初演、NHKで放送された。

2004年ロイヤル・フィルハーモニック作曲賞2005年ウィーン国際作曲賞(クラウディオ・アバド作曲賞)を受賞。2006年BBCプロムスBBC委嘱の「クラッシング・ツィスター」がBBCコンサート・オーケストラチャールズ・ヘイズルウッド指揮によって初演される。2009年には「シークレット・フォレスト」で、第57回尾高賞を初受賞と受賞歴が重なった。2010年、2月21日 毎日放送のドキュメンタリー番組「情熱大陸」で特集[1]された。同年、東燃ゼネラル音楽賞洋楽部門奨励賞受賞。2012年NMCレーベルより作品集CD《Secret Forest》リリース。2014年に初のオペラソラリス」を脱稿。2015年、「レア・グラヴィティ」で、第63回尾高賞を受賞[2]

近況[編集]

現在は全作品が「リコルディ・ベルリン」から出版および貸与されている。2009年3月以降は妻子とともにロンドン在住で、母校で教鞭をとっている[3]

演奏家または演奏団体[編集]

作曲家であり指揮者でもあるペーター・エトヴェシュは、彼のメンターとも言うべき存在であり、エトヴェシュは 2005年10月ドナウエッシンゲン現代音楽祭ヒルヴァーサム放送管弦楽団およびハインリヒ・シュトローベル記念財団実験スタジオを指揮して、トロンボーンオーケストラおよびライヴ・エレクトロニクスのための「ヴァスト・オーシャン」を初演した。

ピエール・ブーレーズもまた彼の作品を評価し、2005年9月にはルツェルン音楽祭で新作「ストリーム・スティト」の世界初演を指揮した。アンサンブル・アンテルコンタンポランからはブーレーズの80歳を祝う「code 80」の作曲を委嘱され、パリシテ・ド・ラ・ミュジックでブーレーズの出席のもと初演された。

作曲を委嘱する現代音楽アンサンブルオーケストラも、アンサンブル・アンテルコンタンポランフランス放送フィルハーモニー管弦楽団アンサンブル・モデルンクラングフォールム・ウィーンBBC交響楽団マレーシア・フィルハーモニックソフィア・フィルハーモニックI.C.E.東京フィルハーモニー管弦楽団アール・レスピランなど数多い。このほかに個人からの委嘱もあり、2010年代はソロ作品の作曲が多い。

受賞歴[編集]

注意[編集]

主要作品[編集]

オペラ[編集]

  • SOLARIS (2013-14) Opera

管弦楽作品[編集]

  • Rare Gravity (2013) for orchestra
  • Mina (2011/2012) for five soloists and orchestra
  • Tocar y Luchar (2010) for orchestra
  • Atom (2009) for orchestra
  • Ampere (2008) for piano and orchestra
  • Vast Ocean (2005) for orchestra and live electronics
  • Stream State (2008) for orchestra

アンサンブル作品[編集]

  • Grasping (2011) for string orchestra
  • ice (2009/2010) for chamber ensemble
  • Double Bass Concerto (2009/2010) for double bass and chamber orchestra
  • Phantom Splinter (2009) for oboe, clarinet, bassoon and live-electronic
  • Frozen Heat (2008) for 13 musicians

室内楽作品[編集]

  • Minina (2013) for five instruments
  • wind skein (2013) for oboe, clarinet, alto saxophone, bass clarinet and bassoon
  • being as one (2013) for soprano, bass clarinet and violoncello. Text: Harry Ross
  • Phantom Splinter Lite (2009) for oboe, clarinet, bassoon and electronic feed
  • String quartett no. 2 flare (2009/2010)

ディスコグラフィー[編集]

  • Avex Japan/Minabel; Dai Fujikura: Mirrors
  • NMC; Dai Fujikura: Secret Forest
  • Kairos; Dai Fujikura: Ice
  • Stradivarius; Dai Fujikura: Pascal Gallois Conducts Prague Modern
  • SONY/Minabel; Dai Fujikura: My Letter to the World
  • SONY/Minabel; Dai Fujikura&Shin Sasakubo: MANAYACHANA
  • Minabel; Dai Fujikura: Mina
  • Minabel; Dai Fujikura: Flare
  • Minabel; Dai Fujikura: Ampere

作風[編集]

BMICのインタビューでは次のように自ら述べている。「音楽を聴くということ・書くということは、とにかく楽しいことじゃなきゃダメ!休日に映画に行くようなものです。メッセージとかスローガンとかそんなんじゃないんです[10]」。

現在の彼の作風はこの時期から確実に変化したが、基本路線は変わっていない。ISSUUでは自ら楽譜を無料で提供しており、閲覧の難しいフルスコアまでが対象である。2010年代の彼の作品はスコアで見る限りレギュラービートも多く、協和音程や反復語法も否定されていないことがわかる。

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. ^ jounetsu
  2. ^ 尾高賞
  3. ^ www.rcm.ac.uk
  4. ^ 2016年現在も史上最年少優勝
  5. ^ mitpressjournals
  6. ^ のちに彼はこの賞の審査員へ就任
  7. ^ 別名はクラウディオ・アバド国際作曲賞
  8. ^ 最後の受賞者
  9. ^ state.gift
  10. ^ interview

外部リンク[編集]