萬代橋ライン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
萬代橋ライン
快速便で使用される連接車両(2017年3月)
快速便で使用される連接車両(2017年3月)
基本情報
日本の旗 日本
所在地 新潟市
種類 路線バス
開業 2015年9月5日
運営者 新潟交通
公式サイト 新たな交通システム(新潟市)
詳細情報
総延長距離 約 7 km
路線数 1
停留所数 16
備考 B1 (路線番号)
路線図
路線図
テンプレートを表示

萬代橋ライン(ばんだいばしライン)は、新潟県新潟市中央区花園一丁目の新潟駅万代口から、同市西区青山一丁目を経て同区寺地に至る新潟交通のバス路線である。新潟市が同社と共同でバス・ラピッド・トランジット (BRT)として整備した路線で、2015年(平成27年)9月5日に運行を開始した。

概要[編集]

新潟駅万代口を起点に、万代シテイ本町古町新潟市役所白山公園白山駅などを経由して、西区のイオン新潟青山店付近に至る路線で、新潟市の都市機能が集積する中央区中心部のうち、新潟島の中部から南西部にかけての地域を縦貫する運行経路となっている[1]

路線名の「萬代橋ライン」は、中央区中心部の信濃川に架かる国指定重要文化財萬代橋にちなんだもので、当線は万代シテイ - 礎町・本町間で萬代橋を走行する。

新潟交通グループが方面別に設定しているラインカラーはレッド、路線番号はB1だが、停留所・車両等の案内上では単に「BRT」とのみ表示している。

新潟市では、少子高齢化や中心市街地の再生などに対応し、且つ将来にわたって持続可能な公共交通網を確保するため、都心部において自家用車を使わなくても移動しやすいサービスレベルの高い交通環境の整備を目指し、新たな交通システムとしてBRTの導入を方針付け、連接バスの新規導入や乗換拠点の整備を進め、運行区間が重複・冗長していた中心部のバス路線を再編・集約したうえで、生じた余力を郊外方面の路線の維持や拡充に充てるなど、市内全域にわたってバス路線の大規模な再編を図る「にいがた新バスシステム」を、当線開設と共に開業した。当線は新バスシステムの基幹を担う路線で、連接バスの購入やバス停の整備などの費用は新潟市が負担し、新潟交通が運行業務を行っている[2]

新潟駅前 - 市役所前間と白山駅前、青山の各停留所にバスロケーションシステムが設置されているのをはじめ、特に新潟駅前、市役所前、白山駅前、青山の4箇所は他のバス路線や鉄道などとの乗換拠点(交通結節点)として整備され、デジタルサイネージ等によるBRTおよび他路線の乗換案内などが行われている。このうち市役所前のBRTのりば南側には、各方面への路線が発車するバスロータリーが設けられており、6番線横の待合所には新潟交通のICカード「りゅーと」のチャージ機や、飲料類の自動販売機が配置されているほか、無料Wi-Fiのサービスも行われている。また青山バス停が所在するイオン新潟青山店1階のイートインスペースには「バスインフォメーション」が設けられ、市役所前と同様にデジタルサイネージやりゅーとのチャージ機等が配置されており、バス利用者の待合スペースとしても利用できる[3][4]

沿革[編集]

導入の経緯[編集]

従来の中央区の新潟交通グループの路線バスの運行区間は、新潟駅前 - 市役所前間をはじめとする中心部で重複・冗長が著しく、運行体系が複雑で非効率な状態となっていた。一例として、同じ方面のバスが冗長して発着する「団子運転」や、逆に運行間隔が過度に開く「間引き運転」が発生していたこと、重複する各路線のバス停の位置が複雑化し利用客に戸惑いを与えていたことなどが挙げられる[5] 。また、北区東区方面に至る東新潟方面の全路線と、江南区東部や秋葉区方面に至る南新潟方面の路線の一部は便によって発着地が大きく異なり、特に松浜線(現在の空港・松浜線)と河渡線は、新潟駅万代口からの最寄り停留所(万代町)が遠く且つ分かりづらい位置に所在するなど、鉄道とのアクセス性や利便性が著しく低かった。

これとは別に新潟市では、概要で前掲した事由から中央区中心部に「新たな交通システム」を整備することについて検討を進め、BRT、ライトレール (LRT)、小型モノレールの3種から検討を進めた結果、整備費が低廉で、現状の都市設備を活用できるBRTの採用に至った[6]。その後運行事業者の募集を実施した結果、新潟交通が選定され2013年(平成25年)4月8日に基本協定を締結した。これによりBRT事業は、前掲の問題解消を目的としたバス路線網の再編と合わせて一元的に実施されることが決定した[7]

新潟市では当初、新潟駅前 - 白山駅前間での整備を予定していたが、新潟交通が事業者募集時に新潟市へ提出した提案書の中で、当時改修が進められていた白山駅北口の駅前広場の面積が狭隘でバスの発着に支障が出る恐れがあることなどを理由としてイオン新潟青山店付近への延伸を提案し、その後の協議の結果、整備区間は現在の当線の運行区間である新潟駅前 - 青山間となった。この区間は西新潟方面の路線のうち、西区坂井輪・内野地区方面に至る寺尾線、大堀線、流通センター線(現在の小新線)と、国道8号などを経由して南区方面に至る8号方面線(現在の大野・白根線および味方線)の運行区間が重複し、前掲の問題が長区間にわたって慢性化していた。また、この区間のうち市役所前 - 青山間は、1999年(平成11年)4月5日に廃止された新潟交通電車線白山前駅 - 東青山駅間に、新潟駅前 - 市役所前間は、実現に至らなかった同線の市内中心部の延伸計画区間に、それぞれ該当する。

「にいがた新バスシステム」開業に際して実施された新潟交通グループのダイヤ改正は、新潟市内のほぼ全域にわたる運行体制の再編を伴う大規模なものとなり、既存路線の発着地や経由地が大幅に変更された。

萬代橋ラインに並行する前掲の5路線はほぼ全便を青山発着とした。前掲の問題が発生していた東新潟方面の路線については、ほぼ全便が新潟駅万代口および万代シテイバスセンター発着に統一され、鉄道との乗り継ぎの利便性が大幅に向上したほか、当路線との乗り継ぎにより古町・市役所方面への柔軟なアクセスが可能になった。また中央区の新潟島北東部の入舟地区へは本町もしくは古町、中央区南部の山潟・鳥屋野地区へは市役所前で、それぞれ萬代橋ラインおよび同線に並行する路線と乗り換える方式となった。なお、いずれの路線も一部を除いて平日には、中心部との間を乗り換えずに移動できるよう、朝の郊外発と夕方・夜間の中心部発の「ダイレクト便」が設定されている。

走行方式について[編集]

当初、中央区中心部では車線中央部に専用走行路と停留所(BRT駅)を設置する計画で、開業時にはまず新潟駅万代口 - 寄居町間(延長約2km)で導入する方針であった。そのため新潟市と新潟交通は道路管理者(国土交通省新潟国道事務所、新潟市中央・西両区の建設課)や新潟県警察(所轄署は新潟東新潟中央新潟西の3署)などと調整を進めたが、車線減少による自動車交通への影響や、乗降客の安全確保に関する問題に加え、信号処理や冬季間の除雪等などの諸問題を巡って調整が難航したことなどから、運行開始時点での専用走行路の設置は見送られ、暫定的に既存の道路設備をそのまま使用して運行することとなった[8]

開業以降、連接車両での運行便を中心とした大幅な遅延や、バス同士あるいは自家用車等との接触事故など、運行上のトラブルがしばしば発生しているが、利用客からは専用レーン設置を求める意見が上がっている。

なお運行区間の片側車線数は下記のとおりである。

  • 新潟駅前交差点 - 流作場五差路交差点間(東大通):4車線
  • 流作場五差路交差点 - 東港線十字路交差点間(萬代橋通り):3車線
  • 東港線十字路交差点 - 萬代橋西詰交差点間(萬代橋):2車線
  • 萬代橋西詰交差点 - 寄居町交差点間(柾谷小路):3車線
  • 寄居町交差点 - 市役所前交差点間(東中通):2車線
  • 市役所前交差点 - 白山浦一丁目交差点間:2車線
  • 白山浦一丁目交差点 - 関新ガード下交差点間(はくさん通り・旧電車通り):1車線(歩行者道無し)
  • 関新ガード下交差点 - 千歳大橋西詰交差点間:2車線(青山方面・市役所方面とも1車線のみ)
  • 千歳大橋西詰交差点 - 関屋大川前一丁目交差点間:1 - 2車線(青山方面1車線、市役所方面2車線)
  • 関屋大川前一丁目交差点 - 青山道下交差点間:2車線(リバーシブルレーン区間:平日朝のみ青山方面1車線、市役所方面3車線)

運行形態[編集]

基本的な運行区間である新潟駅前 - 青山間においては、平日の朝・夕方は3 - 5分間隔、昼間は10分間隔、土曜・休日は終日10分間隔、早朝・深夜は平日、土曜・休日とも15 - 30分間隔で運行している。

大半の便は新潟駅前 - 青山間での運行だが、青山バス停周辺を循環運行する青山本村および青山一丁目発着便、車両の出入庫等を兼ねた西部営業所発着便も設けられている。

運行種別は各停のほか、快速が1時間あたり1 - 2本程度設定されている。ただし快速の運行間隔は一定ではなく、平日の朝・夕方は15 - 30分間隔、その他は30 - 95分間隔となっている。なお快速は全て青山発着で、青山本村・青山一丁目および西部営業所発着の便は設けられていない。

2017年3月25日のダイヤ改正からは、当路線と並行するもののそれまで別個のダイヤとして存在していた寺尾線(W3)・大堀線(W4)ダイレクト便を、「萬代橋ライン直通」という形に設定することで統合し、運行間隔をさらに充実させた。

運行系統[編集]

萬代橋ラインには下記4つの運行系統が設けられている。なお運行車両の行先表示上は、路線・系統番号の表記を単に「BRT」としており、下記番号の表示は省略されている。

  • B10 新潟駅前 - 青山 (一部便は寺尾線・大堀線直通)
  • B10快 新潟駅前 - 青山
    2015年9月5日の開業時の運行種別は各停のみであったが、連節車両「ツインくる」での運行便を中心に遅延が慢性化したことなどから定時運行確保のため、同年9月26日に快速便が設定された。停車停留所は下表の7箇所のみで、白山駅北口駅前広場も経由せずに直通する。原則として「ツインくる」で運行されるが、運用等の都合上、一般車両で運行する場合がある。なお、この場合もダイヤ通りに快速として運行される。
    なお萬代橋ラインに並行して、平日の朝および夕方・夜間には大野・白根線の快速ダイレクト便が設定されている。停車停留所は萬代橋ラインとは異なり、新潟駅前 - 第一高校前間は各停留所に停車する。
  • B11 新潟駅前 - 青山 - 青山本村 - 青山一丁目
    青山周辺を循環する経路で運行。青山地内は下り・上りとも青山 → 青山本村 → 青山稲荷前 → 水道遊園前 → 青山一丁目 → 青山の一方向循環。
    新潟駅発は青山から青山本村を経由し、青山一丁目終着。青山発は青山本村始発で青山一丁目を経由し、青山から新潟駅方面に至る。
  • B13 新潟駅前 - 青山 - 青山本村 - 新潟医療センター前 - 済生会第二病院前 - 西部営業所

停車停留所[編集]

萬代橋ラインの停留所のうち、基本運行区間の新潟駅前 - 青山間の16箇所には停留所番号が付与されている。

また新潟交通グループの停留所用表示板は地色にグリーンを使用しているが、萬代橋ライン用の表示板は地色にラインカラーのレッドを使用しており、他路線と判別しやすいよう配慮されている。ただし青山以西の停留所には番号は付与されておらず、他路線と同様にグリーンの表示板を使用している。

番号 停留所名 快速 路線バスの乗換ポイント
(乗継割引「まち割60」対象の乗換路線のみ)
備考
その他の交通機関の接続路線
01 新潟駅前 S6 長潟線(東跨線橋経由)
S8 京王団地線
S9 亀田・横越線
E4 大形線
E5 牡丹山線
E6 竹尾線
E8 石山線
 ※指定乗換ポイント:新潟駅前・駅前通・明石一丁目 もしくは 万代シテイ
 ※適用区間:新潟駅前 - 市役所前間
 ※新潟駅周辺と万代シテイ周辺に跨っての乗換は不可
E1 臨港線
 ※指定乗換ポイント:新潟駅前・駅前通
 ※適用区間:新潟駅前 - 市役所前間
JR logo (east).svg東日本旅客鉄道
 ■上越新幹線
 信越本線磐越西線
 白新線
 越後線
02 駅前通
03 万代シテイ E2 空港・松浜線
E3 河渡線
 ※指定乗換ポイント:万代シテイ・新潟日報メディアシップ もしくは 新潟駅前・駅前通
 ※適用区間:新潟駅前 - 市役所前間
 ※新潟駅周辺と万代シテイ周辺に跨っての乗換は不可
04 礎町 各停・快速ともに上り(新潟駅方面行)のみ停車
05 本町 [9] C4 東堀通線
 ※指定乗換ポイント:本町・古町・東堀通六番町・東堀通七番町
 ※適用区間:新潟駅前 - 本町・古町間
06 古町 C5 西堀通線
C6 八千代橋線
 ※適用区間:新潟駅前 - 古町間
07 東中通
08 市役所前 C1 県庁線
S1 市民病院線
S5 女池線
S6 長潟線(西跨線橋経由)
W7 大野・白根線(急行)
 ※適用区間:新潟駅前 - 市役所前間
09 白山浦
10 白山駅前 JR logo (east).svg東日本旅客鉄道
 越後線
11 高校通
12 宮前通
13 第一高校前 [9]
14 東関屋
15 関屋大川前
16 青山 W3 寺尾線
W4 大堀線
W5 小新線
W7 大野・白根線
W8 味方線
 ※適用区間:新潟駅前 - 青山・東青山間

乗換路線・乗継割引について[編集]

萬代橋ラインと接続する各路線バスには「乗換ポイント」が指定されている。萬代橋ラインおよび同線に並行する路線の適用区間内の停留所(路線により異なる)と乗換先の路線との間を、新潟交通のICカード「りゅーと」を使用して、相互間を指定乗換ポイントで60分以内に乗り換えた場合は乗り継ぎ割引サービス「まち割60」が適用され、直通運賃で精算できる(現金およびSuica等の交通ICカードの場合は新潟市発行の「のりかえ現金カード」が別途必要)。基本的には同一名称の停留所間のみが対象だが、近隣の複数の停留所が乗換ポイントに指定されている路線もある。

なお上表には、萬代橋ライン(および並行路線)に関連する指定乗換ポイントのみを記載した。

車両[編集]

ヘッドマークを掲出して運行する一般バス(2016年6月)
萬代橋ラインに使用されている連節バス“ツインくる”
青山停留所にて撮影(後方の建物はイオン新潟青山ショッピングセンター

連接バス「ツインくる」4台と、一般バス6台を運用して運行を実施している。

一般車両は、先頭部にラインカラーのレッドを地色に「BRT (NIIGATA CITY BUS RAPID TRANSIT)」のシンボルマークが記されたヘッドマークが掲出されるほか、車内に情報案内用モニターが設置されている。BRTとして使用されない時は、新潟交通のロゴマークが記されたヘッドマークに差し替えられる。

なお「ツインくる」は原則として当路線の快速のみで用いられるが、鳥屋野潟南部でのイベント時には大量輸送を図るため南新潟方面を走行することもある[10]

また、連接車両の定員は116名、一般車両の定員は75名となっている[11]

脚注[編集]

[ヘルプ]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]