脳 (食用)

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下拵えをしたブタの脳

動物の(のう)は世界各地で食用とされている。ウシブタヤギウマサルなどのものが食べられている。

各国の料理[編集]

アメリカ合衆国南部では、グレイビーソースで味付けされたブタの脳の缶詰が売られている。これはスクランブルエッグと混ぜて炒めたエッグ・アンド・ブレイン (Eggs n' Brainsとして食べることが多い[1]。町の料理店で出されることも多い。

フランス語では人間の脳はセルヴォーcerveauと男性形で呼ぶが、食材としての動物の脳はセルヴェルcervelleと女性形で呼称する。肉屋やスーパーマーケットでは、牛、子牛、羊、豚の脳がプラスチック容器に入って売られており、簡単に手に入る。フランス料理テット・ド・ヴォー (fr:Tête de veau(子牛veauの頭Tête)は、子牛のほほ肉を中心に舌(タン、ラングlangue)および脳を野菜と一緒に煮込んだ料理であり、家庭やレストランによっては肉だけでなく脳もそのままの形で皿に供する。[2]元フランス大統領ジャック・シラクの好物としても知られる。[3]同じく頭部肉のゼリー寄せにも細かく砕いた脳が含まれる。

北アフリカのマグリブ地域圏、特にアルジェリアでは、子牛の脳をトマトソースで煮込んだ「シチタ・モク」と呼ばれるシチューがある。同様の脳のトマトソース煮は、フランス料理やイタリア料理にも見られる。

メキシコ料理でも、タコス・デ・セソス(牛の脳のタコス)が食べられる[4]

カメルーンのアニャン族(Anyang)は、ゴリラの脳は族長が食べる御馳走である[5]

インドネシア料理、特にミナンカバウ人は牛の脳を肉汁とココナッツミルクを使ったカレー風味料理グライ (id:Gulaiに牛の脳(otak)を入れたグライ・オタック(gulai otak)が食べられる。

キューバ料理では、脳にパン粉をまぶして揚げたフリッターが食べられる。

健康上の問題[編集]

脂肪とコレステロール[編集]

脳はその働きを支えるために60%が脂肪であり、それは主要部分である髄鞘の70%が脂肪のためである[6]。また、「ブタの脳のミルク肉汁漬け」(pork brains in milk gravy)140グラム缶の中には、コレステロール3.5グラムが含まれており、これは米国推奨食物摂取量 (USRDAの11.7倍である[7]

プリオン[編集]

牛海綿状脳症クロイツフェルト・ヤコブ病など、伝達性海綿状脳症に感染している動物の脳を食べると、感染してひどい場合には死ぬこともある[8]。また、かつてパプアニューギニアで流行していたクールー病は、長寿の儀式として死者の脳を食べる習慣が原因であった[9]

栄養価[編集]

牛の脳(Beef, variety meats and by-products, brain, raw)
100 gあたりの栄養価
エネルギー 600 kJ (140 kcal)
1.05 g
糖分 0 g
食物繊維 0 g
10.3 g
飽和脂肪酸 2.3 g
トランス脂肪酸 0.61 g
一価不飽和脂肪酸 1.89 g
多価不飽和脂肪酸 1.586 g
1.225 g
10.86 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(1%)
7 μg
(1%)
88 μg
0 μg
チアミン (B1)
(8%)
0.092 mg
リボフラビン (B2)
(17%)
0.199 mg
ナイアシン (B3)
(24%)
3.55 mg
(40%)
2.01 mg
ビタミンB6
(17%)
0.226 mg
葉酸 (B9)
(1%)
3 μg
ビタミンB12
(396%)
9.51 μg
ビタミンC
(13%)
10.7 mg
ビタミンE
(7%)
0.99 mg
ビタミンK
(0%)
0 μg
ミネラル
ナトリウム
(8%)
126 mg
カリウム
(6%)
274 mg
カルシウム
(4%)
43 mg
マグネシウム
(4%)
13 mg
リン
(52%)
362 mg
鉄分
(20%)
2.55 mg
亜鉛
(11%)
1.02 mg
マンガン
(1%)
0.026 mg
セレン
(30%)
21.3 μg
他の成分
水分 76.29 g
コレステロール 3010 mg
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)
牛の脳(100g中)の主な脂肪酸等の種類[10]
項目 分量(g)
脂肪 10.3
飽和脂肪酸 2.3
16:0(パルミチン酸 0.919
18:0(ステアリン酸 1.273
一価不飽和脂肪酸 1.89
18:1(オレイン酸 1.646
20:1 0.222
多価不飽和脂肪酸 1.586
20:4(未同定) 0.319
22:5 n-3(ドコサペンタエン酸(DPA)) 0.374
22:6 n-3(ドコサヘキサエン酸(DHA)) 0.851
コレステロール 3.01
豚の脳(100g中)の主な脂肪酸等の種類[10]
項目 分量(g)
脂肪 9.21
飽和脂肪酸 2.079
14:0(ミリスチン酸 0.04
16:0(パルミチン酸 1.029
18:0(ステアリン酸 0.999
一価不飽和脂肪酸 1.659
16:1(パルミトレイン酸 0.12
18:1(オレイン酸 1.069
多価不飽和脂肪酸 1.429
18:2(リノール酸 0.09
18:3(α-リノレン酸 0.12
20:4(未同定) 0.47
22:5 n-3(ドコサペンタエン酸(DPA)) 0.22
22:6 n-3(ドコサヘキサエン酸(DHA)) 0.45
コレステロール 2.195

出典[編集]

  1. ^ Lukas, Paul. “Inconspicuous Consumption: Mulling Brains”. New York magazine. 2005年10月14日閲覧。
  2. ^ Tête de veau, sauce ravigote [1] 2013年12月23日閲覧
  3. ^ Jacques Chirac aime la tête de veau ... pas la gastronomie anglaise [2] 2013年12月23日閲覧
  4. ^ Weird Foods: Mammal”. Weird-Food.com. 2005年10月14日閲覧。
  5. ^ Meder, Angela. “Gorillas in African Culture and Medicine”. Gorilla Journal. 2005年10月14日閲覧。
  6. ^ Dorfman, Kelly. “Nutritional Summary: Notes Taken From a Recent Autism Society Meeting”. Diet and Autism. 2005年10月14日閲覧。
  7. ^ Pork Brains in Milk Gravy”. 2005年10月14日閲覧。
  8. ^ Collinge, John (2001). “Prion diseases of humans and animals: their causes and molecular basis”. Annual Review of Neuroscience 24: 519–50. doi:10.1146/annurev.neuro.24.1.519. PMID 11283320. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=11283320. 
  9. ^ Collins, S; McLean CA, Masters CL (2001). “Gerstmann-Straussler-Scheinker syndrome,fatal familial insomnia, and kuru: a review of these less common human transmissible spongiform encephalopathies”. Journal of Clinical Neuroscience 8 (5). PMID 11535002. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=11535002. 
  10. ^ a b USDA National Nutrient Database

関連項目[編集]