游書体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

游書体(ゆうしょたい)とは、字游工房によってデザインされ、販売されているプロフェッショナル向け書体シリーズの総称である。

概要[編集]

游明朝体[編集]

游明朝体(ゆうみんちょうたい)は2002年に発売された字游工房初の独自書体である。ヒラギノ明朝体と違って、「時代小説が組めるような明朝体」[1]をテーマにデザインされたこの書体は当初、鈴木勉がデザインしたが、途中で病に倒れたため、残りの字は鳥海修をはじめとする字游工房の社員によってデザインされた。発売当初は1年間限定ライセンスで価格が10万円であったが、のちに無期限ライセンスで3万円に変更された。フォーマットは PostScript 形式の OpenType[2]、収録字数は23000字(Pr6の場合)となっている。ウェイトは、ライト(Pr6N)、レギュラー/ミディアム/デミボールド(それぞれPr6・Pr6N)、エクストラボールド(StdN)。

OS のバンドル・インストールは、Windows 8.1 以降の Windows および、OS X Mavericks 以降の Mac が対応している。[3]macOS SierraではFont Book からの追加ダウンロードでの導入となる[4]

  • Windows - 游明朝/Yu Mincho、ライト/レギュラー/デミボールド
    • アウトラインが TrueType で構成されている。ダイアクリティカルマーク付きのラテン文字の高さを低くする調整や、改行幅を縮める調整を行っているほか、U+005C の字形が通常は「\」であるところを「¥」へ変更されている。フォント製品版(Pr6N)の収録文字以外に、Microsoft の互換文字が加えられている(Windows 10 に収録されているバージョンの場合)[3]
    • Microsoft Office 2010/2013 がインストールされていれば、Microsoft の公式サイトより追加インストールが可能で、Windows 10 同様のウェイトが揃う[5]
  • Mac - 游明朝体/YuMincho、ミディアム/デミボールド/エクストラボールド
    • エクストラボールドは macOS Sierra からの収録[6][3]OS X Yosemite まではフォント名を除けばフォント製品版(Pr6N)と内容は同一(エクストラボールドの収録文字数は約10000字)。OS X El Capitanからは改行幅がヒラギノに合わせられている[3]

游明朝体と組み合わせて使用する仮名フォントとして、游明朝体36ポかな游明朝体五号かなも販売されている[7][8]。ウェイトは游明朝体に準ずる(エクストラボールドは游明朝体36ポかなのみ)。

OS のバンドルは、游明朝体36ポかなが OS X Yosemite 以降の Mac に対応[3]

  • Mac - 游明朝体+36ポかな/YuMincho +36p Kana、ミディアム/デミボールド/エクストラボールド
    • エクストラボールドは macOS Sierra からの収録[6][3]。フォント製品版(仮名のみ)とは異なり、漢字部分も収録されており、フォントの名前どおり単体で游明朝体の漢字と36ポかなの仮名を併用できる。収録文字数は游明朝体の各ウェイトと同一。

また、見出し向けの明朝体としては游築見出し明朝体、これと組み合わせて使う游築初号かなが販売されている[2][9]。ウェイトはそれぞれ1種類。

游ゴシック体[編集]

游ゴシック体(ゆうゴシックたい)は2008年に発売された。游明朝体と一緒に使うことを想定してデザインされたこの書体は鳥海修をはじめとする字游工房の社員によってデザインされた。また、英数字はFranklin Gothicを手本に[10]デザインしている。フォーマットはPostScript形式のOpenTypeで[11]、収録字数は23000字(Pr6の場合)[12]となっている。ウェイトは、ライト/レギュラー/ミディアム/デミボールド/ボールド(それぞれPr6・Pr6N)、エクストラボールド/ヘビー(StdN)。

OS のバンドル・インストールは、Windows 8.1 以降の Windows および、Windows Phone 7 以降の Windows PhoneOS X Mavericks 以降の Mac が対応[3][13][14]macOS SierraではFont Book からの追加ダウンロードでの導入となる[4]

  • Windows - 游ゴシック/Yu Gothic、ライト/レギュラー/ミディアム/ボールド
    • ミディアムは Windows 10 以降および、Microsoft の公式サイトよりダウンロードできるフォントパックに収録。フォント製品版(Pr6N)との相違点は、游明朝と同様の特徴に加え、さらにUI追加文字を収録している(Windows 10 に収録されているバージョンの場合)[3]
  • Windows Phone - Yu Gothic/游ゴシック体[補足 1]、レギュラー/ボールド
    • バージョン 1.01 と 1.02 以降で特徴が異なる。バージョン 1.01 では字形がフォント製品版(StdN)と同様だが、バージョン 1.02 以降はラテン文字数字など一部の文字に Segoe UI が使われているほか、U+005C の字形が「\」ではなく「¥」へ変更されている。また、両者とも収録文字数は約9800字で、アウトラインが TrueType で構成されている。
  • Mac - 游ゴシック体/YuGothic、ミディアム/ボールド
    • フォント製品版(Pr6N)との相違点は、游明朝体と同様[3]

游ゴシック体と組み合わせて使う游ゴシック体初号かなも販売されている[15]。ウェイトは游ゴシック体に準ずる。

Windows 10 のシステムフォントとして、Yu Gothic UI が収録されている。このフォントはバンドル提供・フォントパックの提供のみで、フォント製品版としては発売されていない。

  • Windows - Yu Gothic UI、ライト/レギュラー/ミディアム/セミボールド/ボールド
    • 数字やラテン文字が Segoe になっているほか、仮名が幅の狭いプロポーショナルになっている。収録文字数やアウトラインの形式は、Windowsの游ゴシックに準ずる。セミボールドとボールドの違いは、Segoeのウェイトが「Segoe Semibold」「Segoe Bold」のどちらになっているかである[3]

游教科書体[編集]

游教科書体(ゆうきょうかしょたい)は、ボールペンなどの硬筆で書かれた筆跡を取り入れた教科書体。これは教科書制作大手の東京書籍と共同開発された[16]2004年に游教科書体Mが発売されたが、現在ではリニューアルされた游教科書体 Nが発売されている。フォーマットはPostScript形式のOpenTypeで[17]、収録字数は6800字[18]となっている。ウェイトは、ミディアム/ボールド。

また、本文が横組みの教科書向けである遊教科書体 N 横用も同様に販売されている。游教科書体との違いは仮名とルビ用文字のデザインの違いである[補足 2]

OS のバンドルは、どちらも macOS Sierra 以降の Mac が対応[6][3]。Font Book からの追加ダウンロードでの導入となる[4]

  • Mac - 游教科書体/YuKyokasho遊教科書体 横用/YuKyokasho Yoko、ミディアム/ボールド

游勘亭流[編集]

游勘亭流(ゆうかんていりゅう)は、芝居文字とも呼ばれる江戸文字をベースに読みやすさを重視してアレンジした書体。2004年に発売され、フォーマットはPostScript形式のOpenTypeで[19]、収録字数は3865字[20]、「游」以外の第二水準漢字は収録されていない。ウェイトは1種類。

歴史[編集]

下記の通りである[21]

  • 1997年(平成9年):游明朝体(当時はJK明朝体)制作に着手
  • 1998年(平成10年):鈴木勉が死去する。
  • 2002年(平成14年):游明朝体Rが発売される。
  • 2004年(平成16年):游教科書体M、游勘亭流が発売される。
  • 2005年(平成17年):游明朝体 Std シリーズが発売される。
  • 2008年(平成20年) :游ゴシック体が発売される。
  • 2012年(平成24年):游明朝体 Pr6 シリーズが発売される。
  • 2013年(平成25年):游教科書体Mの後続として游教科書体Nが発売される[22]

脚注[編集]

[ヘルプ]

補足[編集]

  1. ^ Windows日本語版での表示は「Yu Gothic」だが、フォント名に「游ゴシック体」も登録されており、環境によっては游ゴシック体の名前で指定しても表示可能。
  2. ^ 横用のフォントは用途が横組みではあるが、フォントとしては他の日本語フォント同様に縦組みにも対応している。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]