游書体

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游書体(ゆうしょたい)は、字游工房が販売している、プロフェッショナル向け書体シリーズの総称である。

游明朝体[編集]

游明朝体(ゆうみんちょうたい)は、2002年に発売された字游工房初の独自書体である。ヒラギノ明朝体に比して「時代小説が組めるような明朝体」[1]をテーマとして鈴木勉がデザインを始め、鳥海修ら字游工房社員が完成させた。発売当初は1年間限定のライセンスで10万円であったが、のちに無期限ライセンスで3万円に変更された。

フォーマットは PostScript 形式の OpenType[2]、収録字数はPr6版 (Adobe-Japan1-6) で約23,000字である。ウェイトは、L ライト(Pr6N)、R レギュラー/M ミディアム/D デミボールド(それぞれPr6・Pr6N)、E エクストラボールド(StdN)。

Windows 8.1 以降の Windows および OS X Mavericks 以降の macOS に標準搭載されているが、リテール版と仕様が異なる点がある[3]macOS Sierra では Font Book からの追加ダウンロードでの導入となる[4]

  • Windows - 游明朝/Yu Mincho:Light / Regular / Demibold
    • アウトラインが TrueType 形式となり、ダイアクリティカルマーク付きのラテン文字の高さを低くする調整や、改行幅を縮める調整を行っているほか、U+005C の字形が通常は「\」であるところを「¥」へ変更されている。Windows 10 版は、リテール版の収録文字のほかに、Microsoft の互換文字が加えられている[3]
    • Windows 7Windows 8 でも、Microsoft Office 2010/2013 がインストールされていれば、Microsoft の公式サイトより追加インストールが可能で、Windows 10 同様のウェイトが揃う[5]
  • Mac - 游明朝体/YuMincho:ミディアム / デミボールド / エクストラボールド
    • エクストラボールドは macOS Sierra からの収録[6][3]OS X Yosemite まではフォント名を除けばフォント製品版(Pr6N)と内容は同一(エクストラボールドはStdN準拠で収録文字数は約10,000字)。OS X El Capitan からは改行幅がヒラギノに合わせられているほか、後述の游明朝体+36ポかなをまとめた OpenType Collection になっている[3]

游明朝体と組み合わせて使用する仮名フォントとして、游明朝体36ポかな游明朝体五号かなも販売されている[7][8]。ウェイトは游明朝体に準ずる(エクストラボールドは游明朝体36ポかなのみ)。なお、OS X El Capitan より、游明朝体36ポかなが追加されている[3]

  • Mac - 游明朝体+36ポかな/YuMincho +36p Kana:ミディアム / デミボールド / エクストラボールド
    • エクストラボールドは macOS Sierra からの収録[6][3]。フォント製品版は仮名フォントであるが、OS X 搭載版はあらかじめ游明朝体の各ウェイトの漢字部分が収録されており、フォントの名前どおり単体で游明朝体の漢字と36ポかなの仮名を併用できる。収録文字数は游明朝体の各ウェイトと同一。

その他、見出し向けの明朝体として游築見出し明朝体、これと組み合わせて使う游築初号かなが販売されている[2][9]。ウェイトはそれぞれ1種類。

游ゴシック体[編集]

游ゴシック体(ゆうゴシックたい)は2008年に発売された。游明朝体と一緒に使うことを想定してデザインされており、鳥海修をはじめとする字游工房の社員によってデザインされた。英数字はFranklin Gothicを手本にデザインしている[10]

フォーマットは PostScript 形式の OpenType で、収録字数は Pr6(Adobe-Japan1-6) 版で約23,000字となっている[11][12]。ウェイトは、Lライト/Rレギュラー/Mミディアム/Dデミボールド/Bボールド(それぞれPr6・Pr6N)、Eエクストラボールド/Hヘビー(StdN)。

Windows 8.1 以降の Windows 、Windows Phone 7 以降の Windows PhoneOS X Mavericks 以降の macOS に標準搭載されているが、リテール版と仕様が異なる点がある[3][13][14]macOS Sierraは Font Book からの追加ダウンロードで導入する[4]

  • Windows - 游ゴシック/Yu Gothic:Light / Regular / Medium / Bold
    • ミディアムは Windows 10 以降および、Microsoft の公式サイトよりダウンロードできるフォントパックに収録される。リテール版との相違点は游明朝と同様の点に加え、Windows 10 版はUI追加文字が追加されている点である[3]
  • Windows Phone - Yu Gothic/游ゴシック体[補足 1]:レギュラー / ボールド
    • バージョン 1.01 と 1.02 以降で仕様が異なる。バージョン 1.01 は字形がリテール版(StdN)と同様だが、バージョン 1.02 以降は従属欧文に Segoe UI が使われ、U+005C の字形が「\」ではなく「¥」へ変更されている。両者とも収録文字数は約9,800字で、アウトラインが TrueType で構成されている。
  • Mac - 游ゴシック体/YuGothic:ミディアム / ボールド
    • リテール版との相違点は、游明朝体と同様[3]

游ゴシック体と組み合わせて使う游ゴシック体初号かなも販売されている[15]。ウェイトは游ゴシック体に準ずる。

Windows 10 では Yu Gothic UI が搭載されており、システムフォントとなっている。なお、バンドル提供・追加フォントパックによる提供のみで、単体では発売されていない。

  • Windows - Yu Gothic UI:Light / Regular / Medium / Semibold / Bold
    • 游ゴシックとの相違点は、数字やラテン文字が Segoe UI になっている点のほか、仮名が MS UI GothicMeiryo UI に近い幅の独自の字体に変更されている点である。収録文字数やアウトラインの形式は、Windows 版の游ゴシックに準ずる。SemiboldとBoldの違いは、従属欧文 (Segoe UI) のウェイトが「Semibold」「Bold」となっている点である[3]

游教科書体[編集]

游教科書体(ゆうきょうかしょたい)は、ボールペンなどの硬筆で書かれた筆跡を取り入れた教科書体で、教科書制作大手の東京書籍と共同開発された[16]2004年游教科書体 Mが発売されたが、現在はリニューアルされた游教科書体 N M/Bが発売されている。フォーマットは PostScript 形式の OpenTypeで[17]、収録字数は約7,100字[18][19]で、独自文字セットとなっている。ウェイトは、Mミディアム / Bボールドの2種類である。

本文が横組みの教科書向けである游教科書体 N 横用も同様に販売されている。游教科書体との違いは仮名とルビ用文字のデザインの違いである[補足 2]

どちらも macOS Sierra 以降の macOS で利用できるが、Font Book から追加ダウンロードで導入する[6][3][4]

  • Mac - 游教科書体/YuKyokasho游教科書体 横用/YuKyokasho Yoko:ミディアム / ボールド
    • リテール版ではそれぞれ単体の OTF となっているが、macOS 版では横用もあわせた OpenType Collection となっている。

游勘亭流[編集]

游勘亭流(ゆうかんていりゅう)は、芝居文字とも呼ばれる江戸文字をベースに読みやすさを重視してアレンジした書体。2004年に発売され、フォーマットはPostScript形式のOpenTypeで[20]、収録字数は3,865字[21]、「游」以外の第二水準漢字は収録されていない。ウェイトは1種類。

歴史[編集]

下記の通りである[22]

  • 1997年(平成9年):游明朝体(当時はJK明朝体)制作に着手
  • 1998年(平成10年):鈴木勉が死去する。
  • 2002年(平成14年):游明朝体Rが発売される。
  • 2004年(平成16年):游教科書体M、游勘亭流が発売される。
  • 2005年(平成17年):游明朝体 Std シリーズが発売される。
  • 2008年(平成20年) :游ゴシック体が発売される。
  • 2012年(平成24年):游明朝体 Pr6 シリーズが発売される。
  • 2013年(平成25年):游教科書体Mの後続として游教科書体Nが発売される[23]

脚注[編集]

出典[編集]

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  1. ^ 游明朝体ファミリー - 字游工房
  2. ^ a b 明朝体3 - 和文フォント大図鑑
  3. ^ a b c d e f g h i j k 游書体互換(HP用20161003) - 字游工房
  4. ^ a b c macOS Sierra に組み込まれているフォント - アップル
  5. ^ 游ゴシック 游明朝フォントパック - Microsoft
  6. ^ a b c macOS Sierra Bundles New Japanese Fonts - Ata Distance – technology culture distance
  7. ^ 游明朝体36ポかなファミリー - 字游工房
  8. ^ 游明朝体五号かなファミリー - 字游工房
  9. ^ 游築初号かな - 字游工房
  10. ^ 大阪DTPの勉強部屋:第2回鳥海修の文字塾「ヒラギノ書体」「游明朝体」「游ゴシック体」「キャップス仮名」のコンセプト(後半) | レポート | Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)
  11. ^ ゴシック体(セリフ系)-2 - 和文フォント大図鑑
  12. ^ 游ゴシック体ファミリー - 字游工房
  13. ^ Windows Phone のフォントのサポート - Microsoft
  14. ^ Font and language configuration support for Windows Phone 8 - Microsoft
  15. ^ 游ゴシック体初号かなファミリー - 字游工房
  16. ^ 游教科書体 東京書籍と字游工房が共同開発したフォント - 東京書籍
  17. ^ 教科書体 - 和文フォント大図鑑
  18. ^ 游教科書体 N M書体見本PDF”. 字游工房. 2018年3月4日閲覧。
  19. ^ 字游工房『游教科書体 N M/B』の発売日を発表 - 字游工房
  20. ^ 勘亭流 - 和文フォント大図鑑
  21. ^ 游勘亭流 - 字游工房
  22. ^ これまでの歩み - 字游工房
  23. ^ プレスリリース - 字游工房

補足[編集]

  1. ^ 日本語版での表示は「Yu Gothic」だが、フォント名に「游ゴシック体」も登録されており、環境によっては游ゴシック体の名前で指定しても表示可能。
  2. ^ 横用のフォントは用途が横組みではあるが、フォントとしては他の日本語フォント同様に縦組みにも対応している。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]