Wedge

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Wedge
ジャンル 総合情報誌
読者対象 ビジネスマン
刊行頻度 月刊
発売国 日本の旗 日本
言語 日本語
定価 500円
出版社 ウェッジ
雑誌名コード 009
発行部数 136,204[1]部(2012/10 - 2013/9)
ウェブサイト 月刊WEDGE
特記事項 基本的に読者直販誌である。

月刊誌『Wedge』(ウェッジ)とは、JR東海グループの株式会社ウェッジから出版されている総合情報誌である。1989年創刊。毎月20日発売。東海道・山陽新幹線グリーン車では無料配布される。タイトルは、英語で「くさび」を意味する。WEBマガジン「WEDGE Infinity」で、一部の記事を無料で読むことができる。

グリーン車の主要顧客である「アッパーミドルクラスビジネスパーソン」を想定読者としている[2]。企業情報だけでなく医療などの情報も掲載する[3]。ほかの新幹線に置かれるような観光雑誌ではなく、政治・思想的主張が濃く、同紙の政治的側面についての指摘がある[4]

来歴[編集]

国鉄民営化後の1989年創刊[4]。1993年よりグリーン車に置くようになり、その7割を占めるビジネス客が想定読者である[3]

2008年7月号より「総合情報誌」として編集方針が打ち出され[4]、ロゴマークや誌面を一新し、従来の「ビジネス情報誌」から変更した。企業情報だけでなく医療などの情報も掲載するようになった[3]2014年7月号より、ロゴマークを再び変更し、誌名も WEDGE から Wedge に変更した。2009年2月20日には「WEDGE Infinity」を創刊、「日本を もっと、考える」がコンセプトで、『Wedge』だけでなく『ひととき』の記事も掲載されている。月間の記事更新本数は約90本で、最新記事をメールマガジンで配信している。

2013年10月より、雑誌の好評だった記事を電子書籍化した「Wedgeセレクション」を発売。Kindleストア(Amazon)、楽天koboiBooks(アップル)、kinoppy(紀伊國屋書店)、BookLive!などの電子書籍ストアにて購入できる。

位置づけ[編集]

新幹線のグリーン車内配布で持ち帰りも自由だが、ほかの新幹線のような観光案内ではなく、政治的・思想的な主張が濃い[4]鉄道旅行といった本業にかかわる記事はむしろ稀である。アパホテルも同様の方式を採用し、両社とも報道機関ではないが、言論活動に励んでいる。

新幹線車内では、別に『ひととき』を旅行雑誌として用意しているが、無料配布しているのは、やはりグリーン車のみである[注 1]

評価[編集]

1990年代には会員制雑誌『選択』の飯塚昭男がコーディネーターとして参加し、『選択』に似ているが柔らかくビジュアル化されていると紹介された[5]。当時、発行部数の約半分をJR東海が買い取るとされる[5]。1996年には、社員8名中6名が一斉に退社したということもあった[5]

2010年には以下のような意見もあった。安倍晋三の参謀のような、葛西敬之の意思が付託されて記事の企画が決まり、記事は国家主義的なタカ派の主義主張と重なる点もあるが、多数の人が利用する新幹線にて、無料だとして一種の洗脳のようなものを置くのは問題だという声もある[4]

2011年より、大江紀洋が編集長となった期間には以下のような評価があった[3]

安倍政権は各国に新幹線を売り込み、リニア中央新幹線の事業を前倒ししており、JR東海の会長である葛西敬之は政権に影響力があると共に、政策を支持するとされる[6]佐高信によれば、産経新聞の雑誌版という向きで、福島原発事故後も早々に「原発再稼働に舵を切れ」とした[7]。Wedgeは、産経デジタルが運営するiRONNAの参加媒体のひとつであり、ここに集うのはその名に反していろんな感じがせず嫌韓嫌中、朝日嫌い系だという[8]。産経新聞と連携しているように見える[6]

公共性の高い新幹線の中で、個人的な政治思想を押し付ける雑誌という見解もあり、2014年には『ニューズウィーク』が気候が海洋生物に対する影響の特集を組んでいるときに、Wedgeは「魚を獲り尽くす日本人」という記事を書き、嘘を書くなと抗議したほどだという[9]

2013年には、二階俊博が取り上げられた「公共事業増で蘇った自民党建設族」という記事が載った3月号を回収し記事を削除し刷り直したということもあった[10]

大江は、2016年7月に退任[11]。2016年8月には、7月号でのHPVワクチン関連の報道において、『Wedge』紙面で実験の捏造だと表現されたことが、事実と異なるとして、Wedgeと記事を書いたジャーナリストに対して訴訟が起こされた[12]

主な記事内容[編集]

オピニオンや、ビジネスに関する業界を扱った記事を毎月5、6本のペースで掲載。

著名な連載執筆者[編集]

※五十音順

著名な執筆者[編集]

販売[編集]

もともと「東海道・山陽新幹線の車内誌の位置付け」という性格が濃い同誌であるが、一般書店や東海旅客鉄道系の小売店舗(キヨスクベルマート)などで購入ができるほか、多くの公立図書館(市町村立図書館)に置かれており、そこで読むことも可能である。

取り扱い書店は限られている。出版取次を通さない読者直販と独自の流通形態を採っているため。

注釈[編集]

  1. ^ JR東日本エリア内の各新幹線では、旅行雑誌『トランヴェール』(Train Vert)と、通販雑誌『Train Shop』を配布。これらは普通車在来線特急でも配布しており、ウェッジの発行誌と想定客層を異にしている。また、互いに乗り入れているJR西日本JR九州では、在来線特急以外に駅構内等でも広く頒布する雑誌等を、2冊セットで新幹線グリーン車乗客向けに用意しており、JR西日本からは『旅こよみ』(雑誌、2005年9月-2013年3月)「西Navi」(フリーペーパー、2013年4月〜、共に京阪神エルマガジン社編集)が、JR九州からは「Please」が提供されている。なお、JR九州エリア内のみを走る新幹線では「Please」が普通車を含む全席で配布されている。

出典[編集]

  1. ^ JMPAマガジンデータ : 男性 総合
  2. ^ ジェイアール東海エージェンシー WEDGE 今月号のご紹介
  3. ^ a b c d 戸谷真美 (2014年4月20日). “【聞きたい。】物事の本質を示せる雑誌に 『WEDGE』編集長・大江紀洋さん”. 産経新聞・東京朝刊: p. 13. https://www.sankei.com/life/news/140420/lif1404200016-n1.html 2018年4月20日閲覧。 
  4. ^ a b c d e 丸山昇「無料だから危ない!JR東海の月刊誌『WEDGE』のワナ」、『金曜日』第18巻第10号、2010年3月19日、 56-57頁。
  5. ^ a b c 「JR東海系の月刊誌「WEDGE」で大量退社」、『財界展望』第40巻10(9月号)、1996年9月1日、 27頁。
  6. ^ a b 「『Wedge』とはいかなる雑誌か」、『月刊日本』第2016巻9月号増刊、2016年8月30日、 64-65頁。
  7. ^ 佐高信 『安倍晋三と翼賛文化人20人斬り: 新・佐高信の政経外科』 河出書房新社、2015年ISBN 978-4-309-24693-2
  8. ^ 蛭芸子「ヤジウマネットウォッチング」、『月刊ウィル』第120巻、2014年12月、 132-133頁。
  9. ^ “ウェッジに楔を”. 日刊山水経済新聞. (2014年9月4日). http://www.suikei.co.jp/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B8%E3%81%AB%E6%A5%94%E3%82%92/ 2018年4月20日閲覧。 
  10. ^ 「月刊誌『WEDGE』回収に走ったJR東海」、『リベラルタイム』第13巻第6号、2013年、 13頁。
  11. ^ 大江紀洋編集長”. iRONNA. 2018年4月20日閲覧。
  12. ^ “ウェッジを信州大教授提訴 子宮頸がんワクチン記事巡り”. 朝日新聞. (2016年8月17日). http://www.asahi.com/articles/ASJ8K536TJ8KUTIL01Y.html 2016年8月17日閲覧。 

関連項目[編集]

  • 交通新聞社 (国鉄時代の1982年から、新幹線グリーン車車内誌「グッティ」を刊行)

外部リンク[編集]