天王

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天王(てんのう・てんおう)

神の呼称[編集]

仏教
  1. 天部仏教)の「〜天」(梵:deva)を特に「〜天王」(梵:deva-rāja)という場合がある。
    1. 牛頭天王祇園精舎の守護神。日本では須佐之男命習合。各地の神社名の「 - 天王」や「天王祭」の天王)
    2. 四天王(帝釈天に仕える)
    3. 毘沙門天王(四天王の中の一つとしては多聞天という)
    4. 梵天王(帝釈天とともに二大護法善神とされ一対の像で祀られることが多く「梵釈」とも並び称される)
    5. 帝釈天王(四天王を配下とする)
  2. 天輪聖王(てんりんじょうおう)
  3. 天王如来(『法華経』では釈迦の弟子であった提婆達多が未来に成仏すると説く。その時の提婆達多の号)
道教
神話

君主号[編集]

中国
  1. 春秋時代王朝の大王
  2. 五胡十六国時代の皇帝(君主)の称号の一つ。
    皇帝とほぼ同義であるが、皇帝・天子は単于を兼ねられないため、漢族出身では無い五胡十六国時代の政権の長が単于と併称で「天王」を称したと言われている[1]。ただし、時期によって意味合いが微妙に異なり、皇帝に代わる新たな称号として意図されたり、皇帝即位の前段階の称号として使われた事例もあるという指摘もある[2]
  3. 六朝時代からの頃にかけて、皇帝・天子の別称。「天主」とも。
  4. 太平天国指導者の称号。
日本
  1. 天皇の古称。
  2. 天皇の別表記。

地名[編集]

大字
小字
天王町
中国の地名

その他[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 南川高志編『歴史の転換期2 378年 失われた古代帝国の秩序』(山川出版社 2018年)p.200-202
  2. ^ 小野響『後趙史の研究』汲古書院、2020年、P248-268.

関連項目[編集]