圧縮率

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

圧縮率(あっしゅくりつ、Compressibility)とは、系にかかる圧力に対して、系の体積がどの程度変化するかを表す状態量である。

定義[編集]

圧力は一様(等方的)として圧縮率 κ は以下の式で定義される。

\kappa = -\frac{1}{V} \frac{\partial V}{\partial p}

V は系の体積、p は圧力である。

等温圧縮率[編集]

温度が一定の条件下での圧縮率を等温圧縮率といい、以下で定義される。

\kappa_T = -\frac{1}{V} \left(
 \frac{\partial V(T,p)}{\partial p}
 \right)_T

断熱圧縮率[編集]

断熱条件下での圧縮率を断熱圧縮率といい、以下で定義される。

\kappa_S = -\frac{1}{V} \left(
 \frac{\partial V(S,p)}{\partial p}
 \right)_S

体積弾性率[編集]

圧縮率の逆数を体積弾性率Bulk modulus、または体積弾性係数)といい、

K =\frac{1}{\kappa} = -V \frac{\partial p}{\partial V}

で定義される。 体積弾性率の記号は、K や B で表されることが多い。

等温体積弾性率は、ヘルムホルツエネルギー F(T,V) を用いると、

K_T = V \left( \frac{\partial^2F(T,V)}{\partial V^2} \right)_T

と表すことができる。 断熱体積弾性率は、内部エネルギー U(S,V) を用いると、

K_S = V \left( \frac{\partial^2U(S,V)}{\partial V^2} \right)_S

と表すことができる。

体積弾性率と硬さには相関があり、体積弾性率が大きい場合、その物質は硬い場合が多い。窒化炭素(立方晶窒化炭素やβ-C3N4など)は、ダイヤモンドより大きな体積弾性率を持つことが理論計算から予測されており、ダイヤモンドより硬い可能性が指摘されている(2004年現在、まだ実験で検証されていない)。単層カーボンナノチューブを常温加圧した物質(超硬度ナノチューブ相、SP-SWCNT)がダイヤモンドより大きい体積弾性率を持つことが確認されている。[1]

弾性率の相関関係[編集]

等方均質弾性体では、ヤング率Eポアソン比ν、体積弾性率Kの間に次の関係がある。

K=\dfrac{E}{3(1-2\nu)}

同様にヤング率、ポアソン比、体積弾性率、剛性率ラメの第一定数の五つの弾性率はそれぞれ、二つを用いて残りの三つを表すことができる。

脚注[編集]

関連記事[編集]