単孔目

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
単孔目
カモノハシ
カモノハシ Ornithorhynchus anatinus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 単孔目 Monotremata
学名
Monotremata Bonaparte, 1837[1]
和名
単孔目[2]

単孔目(たんこうもく、Monotremata)は、哺乳綱に分類される目。別名カモノハシ目[3]

分布[編集]

オーストラリア東部、ニューギニア[4]

化石記録もほぼオーストラリアに限定されるが、1992年にアルゼンチンから本目の構成種と思われる歯の化石が報告された[5]

形態[編集]

現生種では頭骨と下顎が前方に突出する(カモノハシは嘴状、ハリモグラ類は円筒形)[4]。化石種では歯のある種もいるが、現生種の成獣には歯がない[4]。カモノハシは歯が幼獣では一度発生するものの成長に伴い退化し喉にある角質板で獲物をすりつぶし、ハリモグラ類は舌の奥にある棘と口蓋にある棘を擦り合わせて獲物を破砕する[4]。 後述するように子宮が尿道に繋がり、さらに消化器官と共に総排出腔に繋がる[4]。目名Monotremataは「1つの穴」の意で、糞・尿・生殖が総排出腔(1つの穴)を通して行われることに由来する[6]

メスの体内に子宮が2つあり、尿道に連結する[4]。柔らかい殻で覆われた、卵を産む[3][4]

現生種のオスは、後肢の踵に角質の蹴爪がある[4]。カモノハシは後肢に毒液を分泌する腺があり、この蹴爪から管を通して毒を排出することができる(ハリモグラ類も毒腺はあるが機能せず退化している)[4]

分類[編集]

本目のみで原獣亜綱(単孔亜綱)Prototheriaを構成する説もある[1]。1997年に本目を、カモノハシ目Platypodaとハリモグラ目Tachyglossaの2目に分割する説が提唱されたこともある[1]

以下の現生の分類群は、Groves(2005)に従う[1]。科和名は川田ら(2018)に従う[2]

生態[編集]

現生種ではカモノハシは主に水中の無脊椎動物、ハリモグラはアリ類やシロアリ類、ミユビハリモグラ類は昆虫やミミズなどを食べる[4][7]

繁殖様式は卵生。カモノハシは水辺の土手などに堀った巣穴の中で2個の卵を産み、少なくともハリモグラは1個の卵を産み腹部にある袋(孵卵嚢)の中に収納する[7]。カモノハシとハリモグラは抱卵期間は約10日[7]。カモノハシは巣穴の中で仰向けになり乳腺から滲み出た乳を与え、少なくともハリモグラは孵卵嚢内で乳腺から滲み出た乳を与える[7]

画像[編集]

出典[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d Colin P. Groves, "Order Monotremata," Mammal Species of the World, (3rd ed.), Don E. Wilson & DeeAnn M. Reeder (ed.), Johns Hopkins University Press, 2005, Pages 1 - 2.
  2. ^ a b 川田伸一郎他 「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1 - 53頁。
  3. ^ a b 小野勇一 「独自に進化したカモノハシとハリモグラ、多くの門歯を持つフクロネコとオポッサム。」『動物たちの地球 哺乳類I 1 カモノハシ・オポッサムほか』第8巻 37号、朝日新聞社、1992年、8 - 9頁。
  4. ^ a b c d e f g h i j M. L. Augee 「単孔類」白石哲訳『動物大百科 6 有袋類ほか』今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編、平凡社、1986年、92 - 94頁。
  5. ^ Rosendo Pascual et al., "First discovery of monotremes in South America," Nature, Volume 356, 1992, Pages 704 - 705.
  6. ^ Peggy D. Rismiller, Frank Grutzner, "Tachyglossus aculeatus (Monotremata: Tachyglossidae)," Mammalian Species, Volume 51, Issue 980, 2019, Pages 75 - 91
  7. ^ a b c d 白石哲 「卵を産む哺乳類 カモノハシとハリモグラ類」『動物たちの地球 哺乳類I 1 カモノハシ・オポッサムほか』第8巻 37号、朝日新聞社、1992年、10 - 13頁。

関連項目[編集]