有蹄類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
有蹄類
Sable bull.jpg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
下綱 : 真獣下綱 Eutheria
階級なし : 有蹄類 Ungulata
学名
Ungulata Linnaeus1766
英名
Ungulate
(広義)

McKenna & Bell 1997 による有蹄大目の分類を現在広く使われている目に修正

有蹄類(ゆうているい、Ungulata)は、哺乳類のうち、(ひづめ)を持つグループ。狭義には鯨偶蹄類と奇蹄類のみからなる単系統群(真有蹄類鯨蹄類)を指すこともある。

長鼻類などを含む広義の分類体系は単系統ではなく、現在は正式な分類群でもないが、かつては有蹄目有蹄大目有蹄上目などの分類階級が与えられることもあった。派生形質でまとめられた分類ではあるが、平行進化によるものであり、多系統である。

含まれるグループ[編集]

伝統的な分類体系において、現生では

が含まれ、他に多くの絶滅目が属する。

また広義には、不完全な蹄を持つ

を含める。

さらに、蹄はないが偶蹄類に近縁な鯨類を含める(つまり、鯨偶蹄目全体を含める)ことがある。

特徴[編集]

ここでは、現生の蹄の発達した有蹄類である、偶蹄類・奇蹄目・長鼻目について述べる。

ひづめを持ち、蹄行性である。かかとは地面に付かない。ほとんどの場合、は5本より減っている。

大型の草食動物であり、セルロース消化できる。脊椎動物共通の性質として有蹄類も生化学的にはセルロースを分解できないため、分解は腸内細菌によるものである。腸内細菌の所在など細部の機構は目により異なる。

現生目の分類[編集]

有蹄類の分類は数多く提案されたが、現在の哺乳類の大分類では、2つの系統に大きく分かれる。

このうちローラシア獣類に属する偶蹄類と奇蹄目が近縁であると言う説は古くから根強く、その2目をのみを(近縁な化石目と共に)有蹄上目としてまとめるか、有蹄目を置き偶蹄亜目・奇蹄亜目等をその下に置くことも多かった。

偶蹄目の単系統性が否定された後は、鯨偶蹄目と奇蹄目を有蹄類と再定義する説が現れた。この意味での有蹄類を真有蹄類 (Euungulata) や鯨蹄類 (げいているい、Cetungulata) と呼ぶこともある[1][2]。一方で鯨偶蹄目と奇蹄目は姉妹群ではなく、やや離れていると考える説(例えばペガソフェラエ類)もあり[3]、2010年代においてローラシア獣類の内部系統については結論が得られていない[4]

アフリカ獣類に属する目のうち、長鼻目・イワダヌキ目・海牛目は近蹄類 (Paenungulata)、管歯目は原蹄類 (Protungulata) に(近縁な化石目と共に)分類され、共におそらく単系統である。

化石目の分類[編集]

McKenna & Bell (1997) による化石目も含めた分類は次のとおり[5]分子分岐学的に見ればすでに古い分類であるが、古生物に対しては分子分岐学の適用が難しいため、古生物学者の間ではあるていど受け入れられている。ただし、哺乳類全体について一貫した階級を与えているため、広く使われている階級と一致しないものがある(長鼻目が長鼻小目となっているなど)。

出典[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ Xuming Zhou, Shixia Xu, Junxiao Xu, Bingyao Chen, Kaiya Zhou, Guang Yang, Phylogenomic Analysis Resolves the Interordinal Relationships and Rapid Diversification of the Laurasiatherian Mammals, Systematic Biology, Volume 61, Issue 1, Society of Systematic Biologists, 2012, Page 150-164.
  2. ^ 栗原 望, 曽根 啓子, 子安 和弘「鯨蹄類(げいているい)の生物学」(第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会、2013年9月6-9日、MS-22)『霊長類研究』第29巻 Supplement、日本霊長類学会、2013年。
  3. ^ 毛利孝之, 金子たかね「見直される哺乳類の系統分類」『西日本畜産学会報』第51巻、日本暖地畜産学会、2008年、5-12頁。
  4. ^ 西岡佑一郎・楠橋直・高井正成「哺乳類の化石記録と白亜紀/古第三紀境界前後における初期進化」『哺乳類科学』第60巻 2号、日本哺乳類学会、2020年、251-267頁。
  5. ^ 日本哺乳類学会 種名・標本検討委員会 目名問題検討作業部会「哺乳類の高次分類群および分類階級の日本語名称の提案について」『哺乳類科学』第43巻 2号、日本哺乳類学会、2003年、127-134頁。