ヴィクター・フェルドマン

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ヴィクター・フェルドマン
Victor Feldman
Victor Feldman 1976.jpg
ヴィクター・フェルドマン(1976年)
基本情報
出生名 Victor Stanley Feldman
生誕 (1934-04-07) 1934年4月7日
出身地 イングランドの旗 イングランド ロンドンエッジウェア
死没 (1987-05-12) 1987年5月12日(53歳没)
ジャンル ジャズ、クロスオーバー、ロック
職業 ミュージシャン
担当楽器 ヴィブラフォン、ドラム、パーカッション、ピアノ
共同作業者 マイルス・デイヴィス、ライトハウス・オールスターズ、スティーリー・ダン

ヴィクター・フェルドマン (Victor Feldman1934年4月7日 - 1987年5月12日)は、イングランド出身のジャズ・ミュージシャン、スタジオ・ミュージシャン、ピアニストヴィブラフォン奏者、パーカッショニスト作曲家マイルス・デイヴィスとのセッションによる「Seven Steps To Heaven」の作曲でも知られている。

子供時代からプロとして演奏活動を始め、ヨーロッパ中をツアーして回った。フェルドマンは1955年10月に米国に移住し、ジャズ・ミュージシャンとして、またセッション・ミュージシャンとして数多くのポップ、ロック、クロスオーヴァーのジャンルで演奏を行った。

来歴[編集]

フェルドマンが音楽的天才児として見いだされ評判になったのは7歳のときであった。彼の家族は音楽一家で、彼の父が1942年にロンドンでフェルドマン・スウィング・クラブを立ち上げ、才能ある息子を披露した[1]。フェルドマンが初めてプロとして演奏したのが、No.1リズム・クラブにて、兄弟のロバートのクラリネット、ピアノとアコーディオンのモンティとのフェルドマン・トリオであった。彼は、映画『King Arthur Was a Gentleman (1942年)』と『Theatre Royal (1943年)』でフィーチャーされている。1944年にグレン・ミラーのAAAFバンドとのコンサートで、クルーパ坊や(伝説的ドラマー、ジーン・クルーパ[2]に由来する)の愛称とともにフィーチャーされた。彼のドラムの師であったカルロ・クラーマーは、フェルドマンにヴィブラフォンを弾く事を勧め、最初にラルフ・シャロン六重奏団や後にロイ・フォックス・バンドで演奏をした。彼は1952年から1953年までインドにて、ピアニストのエディ・キャロルがリーダーのバンドで仕事をした。

米国で仕事をするために1955年に英国を離れる前、フェルドマンは1954年から55年まで、ロニー・スコットのオーケストラと五重奏団とともに録音をし、フィル・シーメンやハンク・ショウ等の有力な英国ジャズ・ミュージシャンも紹介した。フェルドマンに米国への移住を勧めたのがスコットであった。米国で最初に決まった仕事はウディ・ハーマン[3]のバンド「ザ・ハード」だった。そこから始まり、バディ・デフランコのバンドに参加。1958年に彼は西海岸で、革新的なベース奏者であったスコット・ラファロと自身のバンドを持った。彼の1958年のアルバム『ジ・アライヴァル・オブ・ヴィクター・フェルドマン』にはラファロと、スタン・リーヴィーがドラムスで参加している。彼は多くのジャズ・アーティスト、ベニー・グッドマンジョージ・シアリング[4]キャノンボール・アダレイ[5]マイルス・デイヴィス等と共演・録音し、特筆すべきは、マイルスの1963年のアルバム『セヴン・ステップス・トゥ・ヘヴン』ではタイトル曲をフェルドマン自身が作曲した。マイルスは自分のバンドのレギュラー・メンバーとしてフェルドマンを誘ったが、彼はツアー・ミュージシャンとしてのキャリアより、スタジオ・ワークの安定を選び、マイルスの申し出を辞退した[6]。1957年にロサンゼルスに永続的に居を構え、利益の大きい映画音楽録音業界に特化して仕事を始めた。フェルドマンは60年代にはヴィージェイ・レコードで2枚ほどアルバムを制作した。この2枚は彼のアルバムの中でも、特にグルービーであると評されている。彼はジャズ以外の様々な音楽家たちとの仕事にも進出した。例えば1967年には前衛ロックのフランク・ザッパ、1970年代に入るとスティーリー・ダン[7]ジョニ・ミッチェルのクロスオーバー・アルバム、1980年代にはトム・ウェイツジョー・ウォルシュなどの作品にゲスト参加した。

1987年、フェルドマンは心筋梗塞のため自宅で亡くなった。53歳であった。[8]

ディスコグラフィ[編集]

リーダー・アルバム[編集]

  • Suite Sixteen (1955年、Contemporary)
  • Victor Feldman in London (1956年) ※with ピート・ブランニン、ディジー・リース、フィル・シーメン、テリー・シャノン
  • With Mallets a Fore Thought (1957年)
  • 『ヴィクター・フェルドマン・オン・ヴァイブス』 - Victor Feldman on Vibes (1957年、Mode)
  • 『ジ・アライヴァル・オブ・ヴィクター・フェルドマン』 - The Arrival of Victor Feldman (1958年、Contemporary)
  • The Music of Victor Feldman (1958年)
  • Latinsville (1959年) ※with ウォルター・ベントン、ウィリー・ボボ、コンテ・キャンドリ、ヴィンス・ガラルディ、スコット・ラファロ、スタン・リーヴィー、アルマンド・ペラーサ、フランク・ロザリーノ、モンゴ・サンタマリア
  • Merry Olde Soul (1960年) ※with ルイス・ヘインズ、ハンク・ジョーンズサム・ジョーンズアンディ・シンプキンス
  • Vibes to the Power of Three (1960年) ※with ラリー・バンカー、テリー・ギブス
  • Stop the World, I Want to Get Off (1963年) ※with ローレンス・マラブル、ボビー・ウィットロック
  • Soviet Jazz Themes (1963年)
  • 『イッツ・ア・ワンダフル・ワールド』 - It's a Wonderful World (1964年)
  • Love Me with All Your Heart (1964年)
  • 『ヒズ・オウン・スウィート・ウェイ』 - His Own Sweet Way (1965年)
  • Venezuelan Joropo (1967年)
  • Victor Feldman Plays Everything In Sight (1967年)
  • 『ユア・スマイル』 - Your Smile (1973年) ※with トム・スコット
  • The Artful Dodger (1977年) ※with コリン・ベイリー、モンティ・バドウィグ、チャック・ドマニコ、ジャック・シェルドン
  • Rio Nights (1977年) ※with チャック・ドマニコ、トレヴァー・フェルドマン、エディ・カラム、ヒューバート・ロウズハーヴィー・メイソンジョン・パティトゥッチ、フレッド・タッケット
  • In My Pocket (1977年)
  • Together Again (1978年) ※with モンティ・バドウィグ、シェリー・マン
  • To Chopin with Love (1983年) ※ヴィクター・フェルドマン・トリオ名義。with ジョン・パティトゥッチ、トレヴァー・フェルドマン
  • Secrets of the Andes (1982年) ※with ヒューバート・ロウズ、ハーヴィー・メイソン、リー・リトナーエイブラハム・ラボリエルアレックス・アクーニャ、ミルト・ホランド、トレヴァー・フェルドマン
  • 『ヤング・ヴィック』 - The Young Vic (1987年)
  • Seven Steps To Heaven (2009年、Candid Productions) ※with トム・スコット

L.A.スーパー・リズム (Generation Band)[編集]

  • 『フィーチャリング・アーニー・ワッツ&トム・スコット』 - Soft Shoulder (1982年) ※with アーニー・ワッツ、トム・スコット、ロベン・フォード、ダン・ソーヤー、リチャード・ギブス、ネイザン・イースト、ジェイク・フェルドマン、トレヴァー・フェルドマン
  • 『チェイシン・サンボーン』 - Call of the Wild (1984年)
  • 『フィエスタ』 - Fiesta (1984年) ※with ケヴィン・ベイシンソン、ヴィニー・カリウタ、ジョセフ・コンラン、チック・コリア、ネイザン・イースト、マニー・フェルナンデス、マイケル・G・フィッシャー、チャック・マンジョーネダイアン・リーヴス、リー・リトナー
  • 『ザ・ラスト』 - High Visibility (1985年) ※with マックス・ベネット、ジョセフ・コンラン、エイブラハム・ラボリエル、ディーン・パークス、トム・スコット
  • 『スムース』 - Smooth (1986年)

サイドマン/ゲスト参加[編集]

With The Youngbloods

  • Elephant Mountain (RCA Victor, 1969)

With ボズ・スキャッグス

  • Down Two Then Left (Columbia Records, 1977)

With スティーリー・ダン

  • Can't Buy a Thrill (ABC Records, 1972)
  • Countdown to Ecstasy (ABC Records, 1973)
  • Pretzel Logic (ABC Records, 1974)
  • Katy Lied (ABC Records, 1975)
  • The Royal Scam (ABC Records, 1976)
  • Aja (ABC Records, 1977)
  • Gaucho (album)|Gaucho (MCA Records, 1980)[9]

With Joni Mitchell

  • The Hissing of Summer Lawns (Asylum Records, 1975)
  • Hejira (A&M Records, 1976)
  • Wild Things Run Fast (Geffen, 1982)

With Albert Hammond

  • アルバート・ハモンド (1974)

With エルトン・ジョン

  • 21at33 (1980)

脚注[編集]

  1. ^ Barbara Feldman (1995年9月16日). “100 Oxford Street - Arts & Entertainment”. The Independent. 2012年11月24日閲覧。
  2. ^ ベニー・グッドマン「シング・シング・シング」のドラマーとして、あまりにも有名である
  3. ^ 大ベテランだが、70年代にはブラス・ロック的でモダンな楽曲も発表している
  4. ^ 「バードランドの子守歌」の作曲者
  5. ^ 「ソウル・ジャズの曲「マーシー・マーシー・マーシー」で知られている
  6. ^ See Bob Belden's liner notes to the 2005 reissue of Seven Steps to Heaven. Columbia/Legacy CK 93592
  7. ^ 72年から80年までスティーリー・ダンの、ほとんどのアルバムに参加している
  8. ^ “British-Born Jazz Prodigy Victor Feldman Dies”. Los Angeles Times. (1987年5月14日). http://articles.latimes.com/1987-05-14/news/mn-8746_1_heart-attack 
  9. ^ Steely Dan info スティーリー・ダン・インフォ 2021年9月2日閲覧

外部リンク[編集]