ローマ正教

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ローマ正教(ローマせいきょう)は、鎌池和馬ライトノベル作品及びそれを原作とする漫画テレビアニメとある魔術の禁書目録』に登場する架空の宗教組織。なお、所属する登場人物についても解説する。

概要[編集]

バチカンに拠点を置く十字教の一派。トップはローマ教皇のマタイ=リース。本拠は聖ピエトロ大聖堂。現実世界のローマ・カトリックに相当する。

世界113カ国に20億人以上の信徒を抱え、教皇と141人もの枢機卿が管理する十字教の最大勢力。しかし、魔術を使える者は限られるため、魔術サイドでの立場はイギリス清教と大差ない。むしろ物語の進展によって「グレゴリオの聖歌隊」「アニェーゼ部隊」といった実働部隊の壊滅や離反、また聖霊十式の消滅などで弱体化しており、イギリス清教に対して焦りがある。十字教諸派の中でも特に異教徒や科学サイドを嫌悪・差別する傾向があり、学園都市とも対立を深めている。加えて大きな勢力であるがゆえに3桁を超える派閥が存在するため、外側よりむしろ内側の方に多くの敵を抱えているとまで言われており、同胞の些細な問題を寄ってたかってつつき回るような状態である。ただ、多数の信徒を抱え、広域を支配しているため、自分の土地を破壊しかねない世界規模の戦争を起こすつもりはなかった。

法の書」を解読したとされたオルソラを暗殺しようとした作戦が、イギリス清教とそれに協力した学園都市によって妨害された事によって対立が表面化する。以降も学園都市への報復を上条によって次々と阻止されたことで、劣勢を感じてロシア成教と手を結び、暗部である「神の右席」まで表に出ることになるも、4名中3名が次々と敗北する。

そんな中、自分自身の目的のため十字教のルールを超えた行動をとったフィアンマにより、第三次世界大戦が引き起こされる。第三次世界大戦終結後、組織改編でマタイ=リースが教皇を退位し、枢機卿のペテロ=ヨグディスが新教皇に着任する。

神の右席(かみのうせき)
ローマ正教の影の上層部であり、教皇以上の権限を持つ組織。
本来、教皇の相談役として設置された役職だったが、時代が下るにつれ関係が逆転し、逆に教皇を従わせる立場となる。ローマ正教の最深部に位置する禁断の組織であるため、その存在を知る者は魔術サイドはおろか、ローマ正教内でもわずかである。アックアによると「世界を動かすために存在する」。
メンバーは四大天使(ミカエルガブリエルウリエルラファエル)に対応する4名からなる。それぞれイタリア語で四大属性(火・水・風・土)を意味する名を名乗り、自分が司る属性の色を基本とする服装をしている。「天使」という形を借りて真の「神」たる個体が地上へ顕現していると仮定して、唯一無二の神が十字教で「対等」を意味する「右側」に下位存在であるはずの「天使」を置いた事には特別の意味があるとする異端の思想を持ち、最終目的は神と対等の「右席」の地位に就き、さらに神を超えた存在である「神上(かみじょう/ 伊:La persona superiore a Dio)」に至ることらしい。現在は、神の右側に座る事を認められた唯一の個体である「光を掲げる者」を打ち破った「神の如き者」に狙いを定めて、その影を追っている。しかし、メンバーそれぞれが独自の目的で行動しているため、組織としては一枚岩とは言い難い。
それぞれ原罪を可能な限り薄めており、その肉体は人間より天使の存在に近い。そのため人間用の通常魔術は行使できないが、代わりに専用に調整された術式や霊装を用いることで各々の性質に合致した強力な魔術を行使する[注 1]
ローマ正教十三騎士団(ローマせいきょうじゅうさんきしだん)
ローマ正教内にある騎士団
背信者の討伐任務などを行う実行部隊。全員に加護が付加された施術鎧と天弓のレプリカが配備され、またグレゴリオの聖歌隊による聖呪爆撃の攻撃地点を指定するアンテナのような術式を有する。イギリスの騎士団を模倣して作られた物らしく、ステイルから「盗作」と酷評されている。
アウレオルスの討伐の為に学園都市へ派遣されるも、三沢塾へ突入した部隊は全滅し、残った部隊で聖呪爆撃を行使するも返り討ちに遭う。
スペイン星教派(スペインせいきょうは)
ローマ正教内にある大規模な十字教の一派。
かつて十字教を伝えた関係で、南米に強い影響力を持つ。無敵艦隊を倒されて以来、イギリスとは魔術勢力的な確執がある。10年ほど前にイギリスの第三王女を襲ったが、傭兵時代のアックアにより失敗に終わった。

所属メンバー[編集]

マタイ=リース
声 - 木村雅史
ローマ教皇。名前は第21巻で判明。
選挙によって教皇の座に就く。20億人の信徒を抱えるローマ正教のトップに相応しい能力と人格を持ち、魔術にも秀でているが、アックア以外の「神の右席」からは軽んじられている。教皇という地位のために自身と信徒の間に壁があると感じており、信徒と隔たりなく交流しているローラのことを羨んでいる。
「神の右席」に事実上従われる立場で、不本意ながらも上条の抹殺指令にサインする。フィアンマが本格的に動き出した時に、彼の狙いを知ってこれを止めようとするも、逆に彼の攻撃からバチカンを守るために重傷を負って昏睡状態に陥る。その後、第三次世界大戦の最中に目を覚ますと、フィアンマの策謀によって暴徒化していた市民達を言葉で鎮静化させ、フィアンマを止めるためイギリス清教やロシア成教と協力し「ベツレヘムの星」の解体に尽力する。
終戦後、教皇の地位を辞し、枢機卿のペテロ=ヨグディスに教皇の座を譲る。
外見のモデルは『ハリー・ポッターシリーズ』のダンブルドア、または『ロード・オブ・ザ・リング』のガンダルフ[1]
リドヴィア=ロレンツェッティ(Ridovia=Lorenzetti)
声 - 佐久間レイ
ローマ正教所属のシスター
バチカン市国の生まれで、布教のためには何でもやると称されるほど、良くも悪くも熱心すぎる女性。地位を求めず、社会不適合者も救うため、一部上層部にとっては目の上のたんこぶである。語尾に「ので」と付けるのが特徴。目の前の困難、及びそれを踏破することに快感を見出す。そのため、自分からあらゆる困難を引き受けることから、告解の火曜マルディグラ)の二つ名を持つ。特に社会的に受け入れられない者たちを専門に布教活動を行っており、さらなる布教のために彼らを使うことを得意とする。そのためのスカウト能力の高さ、さらに統率・管理能力がずば抜けている。
大覇星祭を利用し、オリアナと「使徒十字(クローチェディピエトロ)」を用いた学園都市攻略を画策するが失敗し、その逃亡中にローラの策略で上空8000mの飛行機から海へ落とされ、「必要悪の教会」に捕まり、ロンドンの処刑塔に幽閉される。
なお、本来は「使徒十字」よりもさらに強硬な攻略作戦を考えていたが、かつて、イタリアで出会った息子の不幸体質を心配する上条刀夜に感激し、日本人への考え方を改め、「使徒十字」を用いた比較的穏便な攻略作戦に変更する。
ビアージオ=ブゾーニ(Biagio=Busoni)
声 - 若本規夫
ローマ正教の司教
年齢は40代で、豪奢な法衣に身を包み、首にはそれぞれ数十の十字架を取り付けた4本のネックレス「メノラー」をしている。主の威光の下にいない者は全て人でないと認識しており、世界の全てはローマ正教で埋め尽くされるべきだと考える原理主義者。狡猾さにかけては枢機卿を越えるとされ、複数を動かすことに特化しているが、教皇には「破綻に対処する能力はない」と評されている。いつもは慇懃無礼な口調だが、キレると途端に粗雑になる。
十字架に関する複数の術式群を用いる。作中では、聖マルガリタが悪竜の腹を破って退治した伝承に基づく十字架を巨大化させる術式、聖ルキア聖クリストフォロスの十字架の重みで驕りをただす伝承に由来する投擲した十字架の重力加速度を数千倍にする術式、「神の子」の処刑で聖シモンが十字架を代わりに背負った逸話による、「女王艦隊」で働く全人員の「装備品の重量を肩代わりさせる」事で敵を押し潰す術式を使用した。
ヴェントから女王艦隊及び旗艦「アドリア海の女王」、さらにこれを制御するための「刻限のロザリオ」を託された司令官で、「アドリア海の女王」の力を使って、学園都市(及び科学サイド)の壊滅を目論む。
イタリア旅行中に事件に巻き込まれて船内に侵入してきた上条と戦い、十字架の術式を駆使して惑わせながら追い詰めるも、最終的には敗北。「アドリア海の女王」が破壊された後、「必要悪の教会」に捕まり、リドヴィアと共に処刑塔に幽閉される。
ペテロ=ヨグディス
声 - 拝真之介
ローマ正教の枢機卿
幹部クラスである枢機卿の中でも特に実質的な権力を持つ人物。権力や財に貪欲な姿勢を見せ、部下へは高圧的な態度を取っている。ローマ教皇・マタイ=リースが右方のフィアンマによって危篤状態に陥ったことに乗じ、教皇選挙を断行し、教皇の地位を手に入れるべく行動を起こす。マタイが復帰したことで計画は頓挫したが、マタイから教皇の危篤時にローマ正教の舵取りを行ったことを挙げ、マタイ自身も教皇選挙でペテロに投票することを約束し、ペテロが次期ローマ教皇に相応しいと称されると、自分との器の違いを痛感し、その場で泣き崩れた。終戦後はマタイの言葉通り、ローマ教皇の位に就く。
対グレムリンとの戦いの際は、ローマ教皇として各宗派のトップやロベルト=カッツェと共に対処にあたった。
バルビナ
ローマ正教所属のシスター。
金髪碧眼でそばかすが特徴の少女。リドヴィアと同じ教会に所属しているも、反抗期真っ最中のため、たびたび教会から抜け出しては観光客相手に怪しい土産物を売って、小遣い稼ぎをしている。
イタリアで上条当麻と出会った際、リドヴィアと共に人助けとして、怪しい効果を持つ土産物を幾つか提供する。レイヴィニアの発言から、「明け色の陽射し」にも霊装を売っているらしい。
パルツィバル
ローマ正教十三騎士団の一人。「パーツィバル」の名を持つ騎士。本名は不明。
三沢塾に籠城するアウレオルス討伐のために学園都市に派遣され、三沢塾に侵入するもアウレオルスに敗北し圧殺される。今際の際にステイルと会い、ステイルの敵を取る旨の言葉を聞いて安堵し、息絶える。
ビットリオ=カゼラ
声 - 川原慶久
ローマ正教十三騎士団の一人。「ランスロット」の名を持つ騎士。
アウレオルスの籠もる三沢塾を囲みグレゴリオの聖歌隊を行使するも、「黄金錬金」の前に無力化、壊滅する。

神の右席[編集]

前方のヴェント
声 - 平松晶子
ローマ正教「神の右席」所属の女性魔術師。「神の火(ウリエル)」の性質を持つ。
全身黄色の服装で、顔の左右の対称が崩れるほど大量のピアスを着け、舌に長い鎖をつけた十字架を留め、目元を強調するような濃い化粧を施した女性。普段は深く被ったフードで見えないが、髪は亜麻色のショート[1]。「アドリア海の女王」や上条への抹殺指令を周りの反対を押し切って早急に行うなど、非常に気が早い性格。そのあたりは教皇からも悪い癖だと言われている。また、自分の意見を否定することは決して認めようとしない。
かつて、弟と遊園地に行った際、科学的に安全とされていたジェットコースターの事故にあい、2人とも珍しいB型Rh-の血液だったため輸血が間に合わず、自分だけが助かり弟を失う。その過去のせいで科学を強く憎み、科学サイドを壊滅させることを目的に行動している。表舞台に出る前にも、ビアージオに「アドリア海の女王」と「刻限のロザリオ」を与えるなど暗躍していた。
「神の右席」の能力として「天罰術式」を持ち、世界のどこに居ようが自分に敵意や悪意を抱いた者を自動的かつ無差別に昏倒させる。科学的な分析によれば、酸欠により人工的に仮死を誘発し、その状態を正体不明の「力」によって維持している。少しでも彼女に敵意を持てば(警戒程度であっても)瞬く間に昏倒し、1度でも認識していれば直接見ずとも発動する(殺意は含まない)。その認識も、写真や映像など間接的に知っただけで条件を満たす[注 2]。「幻想殺し」を持つ上条と、敵意のない殺意を彼女に向けた木原数多には効かなかったが、数十分で「警備員」の7割を戦闘不能にし、単独で学園都市を麻痺させるなど凶悪な能力。魔術の適性は「神の火」が司る風属性[注 3]に特化しており、戦闘では舌から伸びる鎖と有刺鉄線を巻いた長さ1m以上の巨大なハンマーの動きを組み合わせた「空気」による打撃や、ミサイルをも防ぐ風の障壁といった術式を用いる。さらに、「風」と「水」の複合属性である「海の嵐」を鎮めて船の安全を守るエピソードを介する事で、部分的に水属性の魔術も使用可能で、氷でできている「女王艦隊」の一部を現出させ行使するなど、「天罰術式」が使用不能な状態でも一般の魔術師を上回る実力を持つ。
「アドリア海の女王」を使った作戦が失敗に終わると、計画を阻止した上条をローマ正教の危険因子とみなし、教皇に抹殺指令へのサインを書かせ、上条を狙って単身で学園都市に侵攻する。「天罰術式」により、都市戦力の大半を麻痺させ、統括理事を3人殺害するが、アレイスターの切り札「ヒューズ=カザキリ」の発動で魔術の循環不全を起こし、最後は上条に敗れ、アックアに回収される。復帰(「天罰術式」は破壊されたまま)後はフィアンマの企みを阻止するため、フィアンマが狙うサーシャの逃亡を手引きし、エリザリーナ独立国同盟では上条らに加勢しフィアンマと交戦するも圧倒的な力の前に敗れる。
なお、彼女による学園都市への侵攻は「0930」事件と呼ばれ、ローマ正教と学園都市の関係を悪化させ、後の学園都市の暗部組織間抗争の遠因となる。
後方のアックア / ウィリアム=オルウェル
声 - 東地宏樹
ローマ正教「神の右席」所属の魔術師。「神の力(ガブリエル)」の性質を持つ。魔法名Flere210(その涙の理由を変える者)。聖人
青系のゴルフウェアのような服を着た体躯の良い男。「神の右席」で唯一、教皇を蔑ろにせず、正々堂々とした振る舞いをする。言葉も必要最小限に留め、後は行動で示す。「 - である」という語尾が特徴。自分の所属に関係無く騒乱を最小限の被害で解決することを行動原理としている。
元はイングランド地方出身の魔術的な傭兵。傭兵として英国・騎士派に協力し、「占星施術旅団援護」「オルレアン騎士団殲滅戦」など、多くの激戦を潜り抜ける。時には幅広い知識を活用して戦い以外でも人々を救い、一部では「賢者」とも呼ばれている。10年前、正式に騎士に任命される直前の「英国第三王女救出作戦」の後に英国を離れ、ローマ正教に改宗し「神の右席」の一人となる。そのような過去や性格から騎士と揶揄されると、「傭兵崩れのごろつき」と嘯く。
「神の右席」の能力として「聖母の慈悲」を持つ。聖母崇拝の秘儀を利用したあらゆる約束・束縛・魔術的な条件などを緩める能力で、呪詛の無効化や虚像から本物の術式を引き出すことができる。また、これによって聖人としての力を100%発揮することができ、さらに神の子と聖母という二重の聖人であることから、並みの聖人では不可能な「高速安定ライン」を維持して天使に匹敵する力を行使する。加えて本来、「神の右席」の特質上行使できない「人払い」のようなポピュラーな通常魔術も使用できる。中でも水の魔術を得意とし、それらも桁外れな威力を誇る。一方で、二重聖人であるがゆえに聖人の弱点に極端に弱く、「聖人崩し」のような本来聖人を数十秒抑える程度の攻撃が、そのまま致命的な攻撃になる。
ヴェントとテッラが上条に敗れたことで、ローマ正教と学園都市の争いを早期収束させるべく、自身の理念に従い上条の「幻想殺し」を狙い学園都市に侵入する。一度は上条に瀕死の重傷を与え、再戦の際も天草式と神裂を追い詰めたが、天草式の「聖人崩し」を受け体内の力が大爆発を起こして敗れる。そのことで死亡したと思われていたが、魔力の一部を犠牲にすることで何とか生き延び、クーデターが発生した古巣の英国に向かうと旧友の騎士団長を撃破し、上条らと共闘してクーデターを終息させる。その後、一連の出来事の元凶をフィアンマと見定めた上で、第三次世界大戦が勃発したロシアへ向かい、フィアンマが召喚した大天使「神の力」を、自らの身体や「神の右席」の力を犠牲にして食い止める。その結果、瀕死となり自分の命を諦めようとしたが、浜面の説得で生き延びることを選択する。
新約ではキャーリサ同様、自らの意志でイギリス清教の処刑塔に幽閉されている。グレムリン包囲網の際には、キャーリサ、騎士団長とともに「船の墓場(サルガッソー)」と思われる場所に乗り込んだが、ロキの策によって欺かれる。上条がオティヌスとともに行動した際にはキャーリサ、騎士団長、神裂と共にロシア成教と戦った直後の上条を気絶させ、ホテルエアリアルに抑え込みオティヌス抹殺を図るが、上条の捨て身の作戦で神裂との戦いに持ち込まれ足止めを受ける。そしてエリザードをはじめとする各組織のトップたちによるオティヌスの贖罪を認める演説を聞き、矛を収める。
戦闘では二重聖人としての力と傭兵時代の戦闘技術(曰く「傭兵の流儀(ハンドイズダーティ)」)で巨大な武器を扱う肉弾戦を基本としている。さらに、足裏に作った水膜で地面を「滑る」事による高速移動術式を身体能力と組み合わせる。英国に向かうにあたり、武器を5mの大型メイスから、「全長50フィートの悪竜が実在するものとして、その悪竜を斬り殺すために必要な剣の理論値とは何か」を本物の魔術師が徹底的に計算し尽くして作り上げた、多彩な攻撃手段を持つ全長3.5m、総重量200kgの大剣の霊装「聖剣アスカロン」に変える。また、製作した占星施術旅団によって、剣の根元には4地方と3派閥で構成される英国の調和と彼の友である騎士団長の名を示す盾の紋章(エスカッシャン)が付けられている。
左方のテッラ
声 - 大塚芳忠
ローマ正教「神の右席」所属の魔術師。「神の薬(ラファエル)」の性質を持つ。
緑色の礼服を着た、白人にしては背の低い痩せた男。年齢は上条の2倍ほど。金属を擦るような耳に障る声と「 - ですねー」という語尾が特徴。儀式のために「神の血」に対応する葡萄酒を大量に飲む。
最後の審判後の「神聖の国」において、人々が争いを起こさないようにするための探求を行動原理とし、人々を平等に救うことを目的とする。しかし、自らにとっての「人間」とはあくまでローマ正教徒だけであり、正教徒であれば死刑囚にも慈悲を見せる一方で異教徒は人とすら思っていない。
「神の右席」の能力として用いる術式「光の処刑」は、「神の子」が「原罪」を背負うために「ただの人間」に殺された神話を再現することで、あらゆる物の「優先順位」を変えることができるというもの(例えば、自身を相手の攻撃より優先することで攻撃を完全に無効化する、遮蔽物を透過して移動や奇襲を行うなど)。また、その応用で「神の肉」を模した小麦粉ギロチンに変形させて攻撃に用い、対象より小麦粉を優先することであらゆる物を切断する武器となる。攻守共に優秀な術式で、単一の攻撃に対してはほぼ無敵と言える防御を誇る。ただし、まだ調整中だったために精度が悪く、一度に複数を攻撃することはできず、優先を切り替えるには再設定する必要があることが弱点で、ギロチン単体には内臓を潰すほどの威力はない。
アビニョンC文書を使い、科学サイドへの抗議デモを煽っていたが、C文書を巡る戦いで上条及び五和と戦い、五和の奮闘もあって上条に「光の処刑」の弱点を看破され敗北する。「幻想殺し」の正体を知るために一番「近かった」人材とされ、「幻想殺し」について何か知っていたようであり、そこから上条の記憶喪失を見破り、彼に「幻想殺し」の秘密を語ろうとしていたが、その直後に学園都市の超音速爆撃機からの爆撃を受ける。これを「光の処刑」で難無く防ぎ、混乱に乗じてバチカンへ帰還するが、ローマ近郊の子供や観光客達を術式の調整に使っていたことをアックアに悪びれもなく明かしたため粛清対象となり、「光の処刑」を発動する隙を与えられず体の大半を聖ピエトロ大聖堂の柱で粉砕される。死の間際まで自分が「神聖の国」に迎え入れられると疑っていなかったが、アックアに神に選ばれることは絶対にないと断言されながら死亡した。なお、その遺体の一部はアックアが上条への襲撃予告のため、イギリス清教に送られている。
右方のフィアンマ
声 - 森川智之
ローマ正教「神の右席」所属の魔術師。「神の如き者(ミカエル)」の性質を持つ。
赤を基調とした服装で、セミロングの赤髪にあまり鍛えている様には見えない体つきだが、その印象以上に不自然で異様な威圧感を与えてくる青年。「神の右席」のリーダー格で、教皇の見立てでは他のメンバーへの最終決定権を持っていたようで、実質上ローマ正教の頂点に立つ人物であり、ローマ正教と学園都市の争いを画策した張本人。一見爽やかな雰囲気だが、目は常に笑っておらず、瞳には「歪んでいる」と称する世界に対する強い憎悪が宿っている。また一人称は「俺様」であるなど、傲岸不遜な態度が目立ち、他人の命にも全く省みない冷酷無慈悲な一面がある。さらに他のメンバーがあくまでローマ正教徒として行動しているのに対し、彼だけは自らの目的のためだけに行動し、自分の行動が絶対的な善の到来を意味するものであると確信しているなど、かなり独善的な行動や理念が垣間見える。そのためヴェントや教皇などからその常軌を逸した人間性をたびたび指摘されているが、本人は気にも留めていない。
「神の右席」の能力として奇跡の象徴たる「聖なる右」を持ち、様々な十字教的超常現象を行使できる。主な攻撃手段として右肩から不格好な巨人の腕のような歪で禍々しい光の塊(「第三の腕」)を発現させ、自在に操る。その威力は、本人が大天使に正面から勝てると豪語するほど圧倒的な物であり、倒すべき敵の強さに応じて必要な出力を自動的に発揮し、この腕を振るうだけで距離などのあらゆる条件を無視して一瞬で敵を倒せる極めて万能な能力。だが、能力を完全に引き出すことができておらず、一振りするだけで空中分解しかけるなど非常に不安定で長時間維持することはできない。また、出力は相手の強さに比例するため、相手の強さが下がれば、同じように出力が低下してしまう。ただし、「神の如き者」の象徴である四大属性の「火」を司るため、火属性に限っては通常魔術も行使でき、他にもkm単位での瞬間移動や30~40kmもある巨大な剣を行使するなど不完全ではあるが多種多様な能力を扱うことが可能。さらに上条との戦いでは、インデックス以上の速度で1冊でも扱いが難しい禁書目録の魔道書から大規模術式を立て続けに行使するなど、魔術師としての実力も極めて高い。
四大属性をはじめとするあらゆる歪みにより、世界が崩壊の危機に陥っていることを危惧。同時に特別な力を持ちながら、世界の危機に対し何もしないことに罪悪感を覚える。そして戦争を起こすことで人々の悪意を増幅させ、「第三の腕」の特性によって世界中を覆う悪意を攻撃対象とし、それを打ち払うことにより世界を浄化する計画「プロジェクト=ベツレヘム」を企て、実行する。手始めにロシア成教をローマ正教側に引き込むと、能力を完全にするため禁書目録の10万3000冊の魔道書(正確にはそれを制御するための「自動書記」の遠隔制御霊装)、上条の「幻想殺し」、そしてその身に天使を降ろしたサーシャを狙い動き出す。まず、自分を止めようとした教皇を行動不能にした後、フランス政府に圧力をかけ英国を孤立させることでキャーリサのクーデターを誘発し、英国の混乱に乗じてバッキンガム宮殿から遠隔制御霊装を奪う。さらにサーシャを狙ってロシアへと向かい、ロシア成教の司教ニコライを煽動し学園都市に対して第三次世界大戦を引き起こす。
禁書目録の知識を使って「第三の腕」の空中分解寸前での固定化に成功した後、エリザリーナ独立国同盟へ単身で出向き、上条や自分と同じ「神の右席」でもあるヴェントをも軽くあしらい、サーシャを誘拐する。その後、巨大空中浮遊要塞「ベツレヘムの星」を起動し、サーシャを媒介に「御使落し」を参考にした術式で大天使「神の力」を召還すると、学園都市軍を一掃させ、「神の力」と「ベツレヘムの星」を用いた大規模術式により、四大属性の歪みを修正する。さらに上条との再戦では「第三の腕」と遠隔制御霊装を併用した波状攻撃で追い詰め、上条の右腕を切断し、自身の右腕に取り込むことで自身の能力を完成させる。だが、戦争という状況下でも人々の善意が悪意に勝ったことで、「第三の腕」の出力低下により弱体化し、謎の力で右腕が再生した上条に「第三の腕」を打ち消され敗北する。その後、上条に地上へ逃がされ、今までの自分の考えを改め、上条の指摘に従い新たな一歩を踏み出した瞬間、突如現れたアレイスターに「幻想殺し」とアレイスターの計画の真実に近づいたとして襲撃され、右腕を切断されてしまう。右腕を失った状態ながらも、上条が救った世界を守る為にアレイスターと対峙するが、敗北する。それでも、何とか一命を取り留め、居合わせたオッレルスシルビアに救出される。
後にバケージシティで上条を救うためオッレルスと共に「魔神」オティヌスの前に現れ、これを退ける。フロイライン=クロイトゥーネの争奪戦に紛れ込む形で学園都市に潜入し、グレムリンに対する備えとして潜伏。そこで“有意義な実験”を受け、自らの強大な戦闘力を隠し通す技能を身につける。グレムリンの東京襲撃時には「船の墓場」に潜入し、オティヌスがオッレルスを倒した際の一瞬の隙を突き「妖精化」を打ち込むことに成功するが、結果的にオティヌスは負の100%を手にしてしまう。その後は行方をくらましていたが、僧正の学園都市襲撃時に上条と接触、「妖精化」を207万回打ち込むという「変異型妖精化」を携えて僧正を待ち受けたが、弱体化しているとはいえ本物の「魔神」である僧正には敵わず一撃で敗北する。
なお、上条が記憶喪失であること、なおかつ上条がそれをインデックスに隠しているということまで知っているようだが、どのように知ったのかは不明である。

元所属メンバー[編集]

アウレオルス=イザード
元ローマ正教所属の錬金術師。
オルソラ=アクィナス
元ローマ正教所属のシスター。「法の書」の一件でイギリス清教に改宗する。
アニェーゼ部隊
アニェーゼ=サンクティス率いる実行部隊。「アドリア海の女王」の事件後、イギリス清教の傘下に入る。
メンバーにはアニェーゼの他ルチア、アンジェレネ、アガター、カテリナがいる。

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 例外的に通常魔術が使えるメンバーもいる。
  2. ^ 例えばテレビ報道によって彼女の存在を認識し、その破壊活動を知って敵意を抱いただけで条件を満たす。
  3. ^ 本当なら「神の火」は土属性の天使だが、四大属性の歪みのために風属性に変化している。

出典[編集]

  1. ^ a b 『とある魔術の禁書目録9』第一章「炎天下の中での開始合図 commence_hostilities. - 2」(49頁 1行目)