ラジオショッピング
ラジオショッピング(Radio Shopping)は、ラジオ放送を媒体として放送されるショッピング番組。通信販売の一形態。
概要[編集]
アメリカでは1922年にシアーズ・ローバック・アグリカルチュラル・ファウンデーション社がラジオ局WLS(ワールズ・ラージェスト・ストア)の放送を開始して同社提供の番組を流した[1]。
日本では民放ラジオ局のワイド番組の中に挿入されるか、独立した番組として放送されるショッピング番組をいい、このようなラジオショッピングは文化放送の関連会社・文化放送開発センターが1973年(昭和48年)に開始したことが始まり。
当初は下記にも述べるラジオ局やそのグループ企業が行うラジオショッピングが一般的であったが、2006年頃以降のラジオ業界の広告収入の減少(2009年のリーマンショックや、2020年のコロナショックでその傾向が顕著)に伴い、いわゆる『スポンサー通販』が増えてきている。
主なラジオショッピング[編集]
ラジオショッピングは、ラジオ局自体あるいはそのグループ企業が行うものと、広告(コマーシャル)として放送枠を買い、外部の通販会社などが自社商品を販売するスポンサー通販に分かれる。
- 周波数無関係(中波・短波・FM全て)
- ジャパネットたかたラジオショッピング(ジャパネットたかた)
- 快適生活ラジオショッピング(快適生活)
- はぴねすくらぶラジオショッピング(はぴねすくらぶ)
- 日本直販ラジオショッピング(トランスコスモス)
- サトケンの買って!?ちょ〜だい!(九州朝日放送) - 一部局では『ときめきショッピング』に改題
- サッチの太鼓判!健康ショッピング
- まいどあり〜。・Buy Now・旬! SHUN! ピックアップ・わくわくお届け便・good day・いいものテン(もしくはファイブ)ミニッツ!
- 得!とく!プレミアム
- 上記の60分拡大版。
- 今旬! いいもの百貨店・通販ラジオ生活便・イマドキショッピング・納得!お得!ラジオショッピング
- これらの番組はほぼ竹矢宣子が出演しており、MCが竹矢1人の時もあるが、2人の時もある。
- ぴよぴよラジオ・Piyo Piyo Radio・ひよこで踊るラジオ(ファーマフーズ)
- 小倉・IMALUの○○玉手箱(スタイル・エッジ) - 土・日曜の週末を中心に複数のAM・FM局にて放送
- AM
- TBSラジオショッピング(TBSグロウディア)
- ラジオリビング(ニッポン放送プロジェクト)
- フジサンケイグループが1970年代に展開した、ディノスを中核とした通販事業戦略「リビング作戦」の1つ[2]。売上高はラジオショッピング業界で首位[3]。
- STVラジオホームショップ(STV開発センター)
- CBCラジオショッピング(CBCテレビ)
- RKBラジオショッピング(RKBミューズ)
- ラジオ日本ショップ(アール・エフ・ラジオ日本)
- SBCラジオショッピング(信越放送)
- 南かおりのお得でイチバン!!(朝日放送ラジオ・ABCファンライフ)
- 川上政行と葉山さつきのこんな二人でごめんなさい!(ディアウーマン)
- 通販!なりゆき番組 隊長@谷隼人の風雲ラジオショッピングぅ
- FM
- FMヨコハマラジオショッピング(横浜エフエム放送)
- 通称、ラジショピ。
- ベイエフエムラジオプロショッパー(トランスコスモス日本直販事業部)
- NACK5ラジオショッピング(NACK5プロジェクト)
- ディアウーマン presents BUTCHと山田優子のDear キラキラ♡ラジオ(ディアウーマン)
- メディエイターラジオショッピング(メディエイター)
- 過去
- テレマートラジオショッピング(テレマート)
- かつては全国規模でラジオショッピングを放送していた。
- FM Radio Shopping(総通)
- ジャパンエフエムネットワーク制作の番組で全国FM放送協議会(JFN)系列で放送していた。
- プライムショッピング(CJプライムショッピング)
- 文化放送ラジオショッピング(文化放送開発センター) - 2020年3月31日をもって終了。
- TOKYO PREMIERE(J-WAVE) - 2010年9月末をもって終了。
- TFM RADIO SHOPPING SHOPPING TOWER(TOKYO FM) - 2008年1月を以て終了
特徴[編集]
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ラジオ局自身(あるいはグループ企業)が行うラジオショッピングは、商品構成にその局ならではの色が出るが、商品のラインナップは手堅いものが多い。
事例としてはパソコン・掃除機・加湿器・エアコン(標準取り付け工事を含む)・携帯ラジオなどの家電製品から、高級腕時計・宝飾品・寝具・防災用品などの雑貨、高機能下着などの衣類、ブランド牛肉・高級な魚介類・漬物などの食品、仏壇・墓石や、畳の張替え・シロアリ駆除・エアコンのクリーニング・トイレのリフォームの斡旋も取り扱われる。
完全な自社手配(あるいはグループ企業)でラジオショッピングを提供している局は、TBSラジオ・ニッポン放送・FMヨコハマ・STVラジオ・ABCラジオ・RKBラジオなど数局であり、多くはスポンサー通販が占めている。
スポンサー通販でも、ジャパネットたかたのように家電・精密専門店的傾向のある場合と、総通などのように美容用品・健康食品・生活雑貨などが主体の通販会社ならではの品揃えものがある。これらのアイテムは出稿料を賄うために高利益商品という側面を持つ。
番組によっては健康福祉番組の体をとるものもある。フォーマットは糖尿病や認知症や薄毛などの症状やメカニズムを紹介し、予防や治療のために必要な物質の説明を医学博士などが解説し、その後「物質」を摂取し健康が改善されたという手紙が読まれて終了する。この後にACジャパンの短尺のCMが挟まり、さっき紹介した物質の入った商品の宣伝で番組が完成する代物。一見して違う番組にたまたまついたスポンサーのCMに見せかけることで薬事法や特商法の規制をかいくぐる内容である。途中にACジャパンが挟まる理由は不明。
利点[編集]
- 番組のアナウンサー・出演者が商品を紹介する場合は、その人の信用力を利用して商品を販売することができる。
- ラジオ局の考査を経ているため、商品の質・企業の信用力はある程度は担保はされている。
- 映像がないので、実演が難しい商品も販売をすることができる。
- リスナーも「商品を見て注文していないため、自分のイメージと異なることがありうる」と納得しており、商品が届いた時に「頼んだものと違った」というトラブルが少なく、返品も少ない。
- テレビショッピングと比べて、比較的少ない予算で始めることができる。そのため、有名企業から地方の中小企業まで、スポンサー通販に参入する企業業態は様々である。
欠点[編集]
- 実物を見ることができないため、販売元・商品の信用力・知名度が大きな要素となる。
- 実物が見えないこともあり、商品紹介は大げさになりがちで、その口調が嫌われることがある。
- 口頭だけの説明ではわかりづらい商品は扱われない。
- まともな商品であっても、ラジオ局の規定で取り扱いを自粛している種類の商品は販売することができない。なお考査基準はスポンサー通販よりも、ラジオ局直営の通販のほうが厳しくなっている。
- CM料金・コールセンターの経費・送料などが掛かるため、一般の店舗で販売されているものよりも割高になることが多い。
各ショップではホームページで写真つきで商品を紹介し、注文できるようになっているところが多い。また、ラジオ局のグループ企業によるものでは、平行してラジオ局のウェブサイト上でも放送された商品のページを公開したり、注文を受けることが多い。