ユナイテッドアローズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社ユナイテッドアローズ
UNITED ARROWS LTD.
種類 株式会社
機関設計 監査等委員会設置会社[1]
市場情報
東証プライム 7606
2003年3月3日上場
略称 U.A.
本社所在地 日本の旗 日本
150-0001[2]
東京都渋谷区神宮前3丁目28番1号
北緯35度40分19.3秒 東経139度42分34.1秒 / 北緯35.672028度 東経139.709472度 / 35.672028; 139.709472座標: 北緯35度40分19.3秒 東経139度42分34.1秒 / 北緯35.672028度 東経139.709472度 / 35.672028; 139.709472
設立 1989年平成元年)10月2日[2]
1975年(昭和50年)6月4日
(株式会社エスレフル)
業種 小売業
法人番号 1011001028441 ウィキデータを編集
事業内容 紳士服婦人服及び雑貨等の企画・販売
代表者 代表取締役社長執行役員 CEO 松崎善則
資本金 30億3000万円
(2020年3月31日現在)[3]
発行済株式総数 3021万3676株
(2020年3月31日現在)[3]
売上高 連結: 1574億1200万円
単独: 1294億0200万円
(2020年3月期)[3]
営業利益 連結: 87億5800万円
単独: 54億1000万円
(2020年3月期)[3]
経常利益 連結: 88億0300万円
単独: 66億2200万円
(2020年3月期)[3]
純利益 連結: 41億7900万円
単独: 33億2400万円
(2020年3月期)[3]
純資産 連結: 420億7200万円
単独: 382億5400万円
(2020年3月31日現在)[3]
総資産 連結: 700億0700万円
単独: 599億9300万円
(2020年3月31日現在)[3]
従業員数 連結: 4,848人
単独: 4,182人
(2020年3月31日現在)[3]
決算期 3月31日
会計監査人 有限責任監査法人トーマツ[3]
主要株主 重松理 8.76%
株式会社エー・ディー・エス 7.04%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 6.93%
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 6.21%
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口9) 3.93%
栗野宏文 2.51%
株式会社麟蔵 2.28%
NORTHERN TRUST CO.(AVFC)RE HCR00 1.88%
GOVERNMENT OF NORWAY 1.80%
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口7) 1.80%
(2020年3月31日現在)[3]
主要子会社 株式会社フィーゴ 100.0%
株式会社コーエン 100.0%[3]
関係する人物 重松理(名誉会長)
岩城哲哉(元社長)
栗野宏文 (元常務取締役)
外部リンク https://www.united-arrows.co.jp/index.html
特記事項:株式額面変更のため、1998年(平成10年)4月に株式会社エスレフルが(旧)株式会社ユナイテッドアローズを吸収合併し、旧会社は消滅した。旧会社の設立日は1989年(平成元年)10月2日である。
テンプレートを表示
大分路面店
BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS 渋谷公園通り店
渋谷スクランブルスクエア店(インショップ)
熊本鶴屋インショップ

株式会社ユナイテッドアローズ[4][2]: UNITED ARROWS LTD.[4])は、衣類小物などを独自のセンスで、国内外から調達したデザイナーズブランドとオリジナル企画の紳士服・婦人服および雑貨等の商品をミックスし販売するセレクト編集型SPA。「UNITED ARROWS」「BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS」「UNITED ARROWS green label relaxing」等を運営する企業である。BEAMS(ビームス)、SHIPS(シップス)とともにセレクトショップの御三家と呼ばれる。セレクトショップ業態の中では業界最大手となる。

概要[編集]

1989年10月2日[2]、元ビームス(BEAMS)社員の重松理らがアパレル大手のワールドからの資金援助とバックアップを受けて、ビームスからバイヤー30名を引き連れ離脱する形で立ち上げたのが始まりである(現在はワールドからは完全に独立している)。

メンズのビジネス衣料を取り扱う仕入中心のセレクトショップからスタートした「ユナイテッドアローズ」は、ドレス・カジュアルのメンズ・ウィメンズ衣料と生活雑貨を展開するセレクト編集型 SPAへと進化。「ユナイテッドアローズ」、同じくセレクト編集型SPAの「ユナイテッドアローズ グリーンレーベルリラクシング」を軸としながら、ブランドビジネス型の「クロムハーツ」、QR(クイック・レスポンス)/SPA型の「コーエン」など、異なるビジネスモデルを持つ複数の事業が存在。[5]

会社名は、起業時の発起会で重松がメンバーに持ち寄るように依頼。100近い候補の中で、重松が内心考えていたのは「ARROW」。目標に向かって真っすぐに突き進むイメージがやりたいことをするために興す新会社にふさわしいと思ったとのこと。しかし、目標ややりたいことが各自ばらばらでは会社は真っすぐに進むことはできない。そこで、みんなの気持ちを一つにし、力を合わせるという意味を込めて、上に「ユナイテッド」をつけることに。毛利元就の「三本の矢」のエピソードにつながることはその時点では頭になく、後日、商談相手の外国人に指摘され初めて気づいたとのこと。[6]

経営理念[編集]

真心と美意識をこめてお客様の明日を創り、生活文化のスタンダードを創造し続ける。 With sincerity and a sense of beauty, we continually create new tomorrows for our customers, setting the standard for lifestyle culture. 真心と美意識をこめた「ヒト・モノ・ウツワ」を通じてお客様一人ひとりが自分らしく装い、暮らし、心豊かな明日を過ごしていただく。 私たちは、それを積み重ねることで世界を豊かにし、輝かせることができると信じています。

そして、この信念に向かって、束ねた矢のように突き進んでいくことで 世の中になくてはならない、生活文化のスタンダードを創造し続けます。

ストアブランド[編集]

  • UNITED ARROWS | ユナイテッドアローズ[7]

「豊かさ・上質感」をキーワードに大人に向けたドレス軸のライフスタイルを提案

  • BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS | ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ[8]

質にこだわり清潔感と品位から裏付けられた「美しさ」。年齢にとらわれず自由な発想や知的好奇心から得る「若々しさ」。 時代 / 次代の本質的な「美しさ」と「若々しさ」を纏うこと、そしてその生活を豊かにすることを目的とした、エモーショナルな感覚で品揃えされたセレクトショップ

  • UNITED ARROWS green label relaxing | ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング[9]

BeHappy ~ココロにいいオシャレな毎日~ さまざまなライフスタイルにピッタリとフィットする、ほどよいトレンド感をそなえたショップ

  • District UNITED ARROWS | ディストリクト ユナイテッドアローズ[10]

クリエイティヴィティ&クラフトマンシップ

  • Odette e Odile | オデット エ オディール[11]

フレンチシックにシーズン毎のモダンなテイストをミックスした、洗練された女性のためのシュークローゼット

  • DRAWER | ドゥロワー[12]

最新のクリエイションでありながらも女性たちがいつまでも宝物のように愛し続けたいと思う、魅惑的な引き出しを作るために

  • UNITED ARROWS & SONS | ユナイテッドアローズ&サンズ[13]

ストリートから生まれるカルチャーを、時代を超えて受け継がれるにふさわしいクオリティとともに提案するコンセプトストア

  • monkey time BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS | モンキータイム ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ[14]

個性や独創性を表現したい男性に向け、トレンドのデザインやテイスト、 素材感とサイジングに こだわったアイテムを展開するブランド

  • STEVEN ALAN | スティーブン アラン[15]

N.Y発のスティーブン アラン。大人のファッションを楽しめるシンプルで着心地がよいアイテムとスタイルを提案

  • ASTRAET | アストラット[16]

自分の価値観でモノを選び 流行に流されるだけではない、自分の歩んできた道。クオリティーを追求し洗練された洋服を通じて豊かさを提案

  • 6(ROKU) | ロク[17]

上品な大人の女性のカジュアルスタイルを提案

  • H BEAUTY&YOUTH | エイチ ビューティ&ユース[18]

"東京大人のクールな服"をテーマに「City Man and Woman」のコンセプトのもと、ハイエンドなスポーツ・カジュアルを軸にアイテムを提案するビューティ&ユースの新コンセプトストア

  • AEWEN MATOPH | イウエン マトフ[19]

個性を輝かせ、彩りを与える服

  • LOEFF | ロエフ[20]

『年齢を重ねても大切にしたい日常着』

  • BLAMINK | ブラミンク[21]

2016年秋冬コレクションよりスタートした東京発のブランド

  • CITEN | シテン[22]

~FUTURE ESSENTIALS. ~

  • California General Store | カリフォルニア ジェネラルストア[23]

WELLNESS / SUSTAINBALE / FREEDOM / CULTURE

アウトレット[編集]

  • UNITED ARROWS LTD. OUTLET | ユナイテッドアローズ アウトレット[24]

ユナイテッドアローズグループのストアブランドが一堂に並ぶ品揃えが魅力。メンズ・ウィメンズのトータルコーディネートも可能。

法人サービス[編集]

  • PRODUCED by UNITED ARROWS[25]

「PRODUCE」「UNIFORM」「NOVELTY」の3つのプロジェクトを軸に、ユナイテッドアローズの接客のホスピタリティをそのままに課題解決のお手伝いをしながら、企業様の新しい価値創造に貢献

ユナイテッドアローズ グループ会社[編集]

  • coen | コーエン[26]

easy&chic style ~普通に見えて一味違う、個性豊かな服

  • CHROME HEARTS | クロムハーツ[27]

レザーアイテムからアパレル、シルバーアイテム、ジュエリーまで展開するライフスタイルブランド

仕入れ商品とPB商品[編集]

ビームスシップスなど他の大手セレクトショップと同様、取扱商品は大別して仕入れ商品(セレクト品)とプライベートブランドである自社開発商品(セレクトショップオリジナル)の2通りで構成されている。セレクトショップは複数の仕入先から商品を仕入れるため、仕入れ商品の割合が多いと思われがちだが、ユナイテッドアローズの場合は自社開発商品とのミックス戦略である。仕入れ商品で素早い流行を追いながら、利益率の高い自社開発商品を組み合わせ経営を安定させる戦略をとっている。

またユナイテッドアローズは多岐にわたるブランド(レーベル)を展開しており、ブランドによって仕入れ商品と自社開発商品の比率は異なる。

  • ユナイテッドアローズ全体 仕入れ商品:約50% 自社開発商品:約50%
    • ユナイテッドアローズ 仕入れ商品:約55% 自社開発商品:約45%
    • クロムハーツ 仕入れ商品:約100% 自社開発商品:約0%
    • ジュエルチェンジズ 仕入れ商品:約45% 自社開発商品:約55%
    • オディト エ オディオール 仕入れ商品:約15% 自社開発商品:約85%

OEMは仕入に含めて算出(ユナイテッドアローズのホームページより)

不祥事[編集]

輸入ズボンの原産国虚偽表示[編集]

公正取引委員会は、2004年11月24日に、ユナイテッドアローズを含む輸入衣料品販売業者6社に対して、ユナイテッドアローズにおいては2000年8月頃から2004年7月頃まで、原産国(ズボンの縫製地)がルーマニアである輸入ズボンを、「イタリア製」と表記して販売したことは、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)第4条違反(原産国の不当表示)にあたるとして排除命令[28]を出した。この排除命令に対して、ユナイテッドアローズは異議申し立てを行ったが、2006年5月15日に排除措置は不当ではないと審判審決[29]を出した。

カシミア製ストール虚偽表示[編集]

経済産業省関東経済産業局2007年10月10日に発表したところによると、ユナイテッドアローズの女性向けブランド「ジュエルチェンジズ」各店舗(新宿店、六本木ヒルズ店、福岡ソラリアプラザ店、ゾゾタウン店〈インターネット通販〉)で「カシミヤ70%」などの表示で販売した女性用ストール約1000枚に、カシミヤが使用されておらず、羊毛などが使われていた事が同社内での調査によって判明した。この虚偽表示は、家庭用品品質表示法に違反する。関東経済産業局は「今後、必要な指導をする」としている[30]。また、公正取引委員会は2007年12月26日に、前述の女性用ストールについて、景品表示法第4条第1項第1号(優良誤認)違反にあたるとして、排除命令を出した。

行政処分[編集]

2007年に新たに4,600点の産地の偽装が発覚し、排除命令があったにも関わらず、改善がなされなかったため、消費者庁2011年3月、景品表示法に基づいて業務改善命令の行政処分を出す方針である[31]

POSシステム[編集]

脚注[編集]

  1. ^ コーポレート・ガバナンス - 株式会社ユナイテッドアローズ
  2. ^ a b c d 流通会社年鑑 2003年版, 日本経済新聞社, (2002-12-20), pp. 874 
  3. ^ a b c d e f g h i j k l 株式会社ユナイテッドアローズ『第31期(2019年4月1日 - 2020年3月31日)有価証券報告書』(レポート)、2020年6月22日。
  4. ^ a b 株式会社ユナイテッドアローズ 定款 第1章第1条
  5. ^ https://www.united-arrows.co.jp/ir/pdf/ar13_13.pdf
  6. ^ https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I025833395-00
  7. ^ https://store.united-arrows.co.jp/brand/ua/
  8. ^ https://store.united-arrows.co.jp/brand/by/
  9. ^ https://store.united-arrows.co.jp/brand/glr/
  10. ^ https://www.district.jp/
  11. ^ https://store.united-arrows.co.jp/brand/oeo/
  12. ^ https://store.united-arrows.co.jp/brand/drw/
  13. ^ https://store.united-arrows.co.jp/brand/uasons/
  14. ^ https://store.united-arrows.co.jp/brand/mt/
  15. ^ https://store.united-arrows.co.jp/brand/sa/
  16. ^ https://store.united-arrows.co.jp/brand/ast/
  17. ^ https://store.united-arrows.co.jp/brand/roku/
  18. ^ https://store.united-arrows.co.jp/brand/hby/
  19. ^ https://store.united-arrows.co.jp/brand/am/
  20. ^ https://store.united-arrows.co.jp/brand/lf/
  21. ^ https://store.united-arrows.co.jp/brand/bl/
  22. ^ https://store.united-arrows.co.jp/brand/citen/
  23. ^ https://store.united-arrows.co.jp/brand/cgs/
  24. ^ https://store.united-arrows.co.jp/s/olt/
  25. ^ https://www.united-arrows.co.jp/service/produce/
  26. ^ https://store.united-arrows.co.jp/storebrand/coen.html
  27. ^ https://store.united-arrows.co.jp/storebrand/ch.html
  28. ^ 輸入衣料品の販売業者ら6社に対する排除命令等について 公正取引委員会 2004年11月24日
  29. ^ 株式会社ユナイテッドアローズに対する審判審決について(輸入ズボンの原産国不当表示に係る景品表示法違反事件) 公正取引委員会 2006年5月17日
  30. ^ 「カシミヤ70%」実はゼロ ユナイテッドアローズ販売の女性用ストール 中日新聞 2007年10月11日報道[リンク切れ]
  31. ^ アローズ、4600点を誤表示 中国製を日・伊製などに[リンク切れ]

関連項目[編集]

  • セレクトショップ
  • 製造小売業
  • D2C
  • 重松理 - ユナイテッドアローズの創業者であり名誉会長。
  • 横浜FC - 2006年からクラブのオフィシャルパートナーとして選手が着る公式スーツの製作やユニフォームのデザインをユナイテッドアローズが担当。
  • ガンバ大阪 - Tシャツ、パーカー、スウェット、トートバッグ、ソックス、サンダルなどユナイテッドアローズとの様々なコラボレーションアイテムを販売したJリーグチーム。
  • テーラーメイド - UAとの様々なコラボアイテムを販売。
  • クロムハーツ - 1990年代にユナイテッドアローズがアメリカから輸入し、日本国内で販売開始したことによって日本で一大ブームを巻き起こした高級ジュエリーブランド、元黒夢清春などがファッション雑誌などで身に着けたことによって主にロック系のアーティスト達やロックファン達から人気を博した。

外部リンク[編集]