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ミシェル・シャール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ミシェル・シャール
Michel Chasles
生誕 (1793-11-15) 1793年11月15日
フランスエペルノン英語版
死没 1880年12月18日(1880-12-18)(87歳没)
パリ
国籍 フランス
研究分野 数学
出身校 エコール・ポリテクニーク
博士課程
指導教員
シメオン・ドニ・ポアソン[1]
博士課程
指導学生
ジャン・ガストン・ダルブ―
ヒューバート・ニュートン
主な業績 シャールの定理
主な受賞歴 コプリ・メダル (1865)
プロジェクト:人物伝
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ミシェル・フロレアル・シャール: Michel Floréal ChaslesIPA:[miʃɛl flɔʁeal ʃal] (1793-11-15) 1793年11月15日 - 1880年12月18日(1880-12-18) )はフランス数学者

経歴

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エペルノン英語版に生まれ、パリエコール・ポリテクニークシメオン・ドニ・ポアソンの下に学んだ。第六次対仏大同盟時、シャールは1814年のパリの攻防戦の為に徴兵された。戦争終結後、数学の研究のために、技術者あるいは株式仲介人としての道を諦めた。

1837年、射影幾何学における極線の相反の方法の研究に関する書籍「Aperçu historique sur l'origine et le développement des méthodes en géométrie」(幾何学における方法の起源と発展の歴史的観点の意味)を出版した。 第二版は1865年に出版された。この作品は著しい名声と称賛を獲得し、シャールは、1841年にエコール・ポリテクニークの教授に任命されることとなった。その後1846年、ソルボンヌ大学の教授に任命された。1839年、ルートヴィヒ・アドルフ・ソンケ( Ludwig Adolph Sohncke、レオンハルト・ソンケ英語版の父)により、ドイツ語版翻訳「Geschichte der geometrie, hauptsachlich mit bezug auf die neueren methoden」が出版された[2][3][4]。1841年にチャールズ・グレイヴス英語版は独自の要素を追加しつつ、英語版翻訳「Two Geometrical Memoirs on the General Properties of Cones of the Second Degree and on the Spherical Conics」を出版した。

ヤコブ・シュタイナーは5つの円錐曲線に接する円錐曲線の数を数える問題(シュタイナーの円錐曲線問題英語版)を提案したが、自身では解決に至らなかった。シャールは、円錐曲線の正しい数え上げを可能にする理論を発展させ、シュタイナーの問題の解は3264であることを示した(詳しくは数え上げ幾何学を参照)。彼は他にも重要な定理を発見しており、現在それらは総じてシャールの定理英語版と呼ばれている。運動学の分野において、ユークリッドの運動をスクリュー変位としたシャールの記述は、剛体動力学の理論の発展に大きな影響を与えた。

1864年、シャールはアメリカ芸術科学アカデミーの外国人名誉会員に選出された[5]。1865年には、コプリ・メダルを授与された。

Michael Farquharによる「A Treasury of Deception」((Peguin Books, 2005年)の記述によれば、1861年から1869年の間、シャールはドニ・ヴレイン=リュカ英語版からの27000通の偽造の手紙の一部を購入した。中にはアレクサンドロス3世からアリストテレスに送られたもの、クレオパトラ7世からユリウス・カエサルに送られたもの、マグダラのマリアから(蘇生した)ラザロへ送られたものなど、偽の中世フランス語で書かれた手紙があった。2004年、雑誌Critical Inquiry英語版 は、リュカが獄中からシャールに宛てて書いた、最近"発見された"1871年の手紙を発表した。手紙にはこれらの出来事のリュカの視点を伝える記述があったが[6]それ自体、創作物である[7]

貢献の現代的評価

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1986年、アレクサンダー・ジョーンズ(Alexander Jones)は、パップスの「Collection」のVIIの解説書籍を出版した。VIIについて、シャールはパップスの幾何学的方法の歴史を言及している。ジョーンズはシャール、パップス、そしてエウクレイデスについて、次のような意見を書いている[8]

Chasles's contribution to our comprehension of the Porisms tends to be obscured by the inherent unreasonableness of his claim to have restored substantially the contents of Euclid's book on the basis of the meagre data of Pappus and Proclus...one still turns to Chasles for the first appreciation of the interest in the Porisms from the point of view of modern geometry. Above all, he was the first to notice the recurrence of cross-ratios and harmonic ratios in the lemmas, and because these concepts suffuse most of his restoration, it is probable that many of his inventions coincide with some of Euclid's, even if we cannot now tell which they are.

シャールはエッフェル塔に名前を刻まれた72の人物の1人である。

出版物

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関連項目

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脚注

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  1. ^ ミシェル・シャール - Mathematics Genealogy Project
  2. ^ The American Cyclopaedia: "Sohncke" chasles translation
  3. ^ ADB: Sohncke, Leonhard Wikisource, the free source collection [in German]
  4. ^ Geschichte der geometrie, hauptsachlich mit bezug auf die neueren methoden 1839 by L. A. Sohncke, ASIN: B07R33B9TZ
  5. ^ Book of Members, 1780–2010: Chapter C”. American Academy of Arts and Sciences. 15 September 2016閲覧。
  6. ^ Ken Alder, "History's Greatest Forger: Science, Fiction, and Fraud Along the Seine," Critical Inquiry 30 (Summer 2004): 704–716.
  7. ^ Anne H. Stevens, Forging Literary History: Historical Fiction and Literary Forgery in Eighteenth-Century Britain, Studies in Eighteenth-Century Culture: Volume 37, Johns Hopkins University Press, Mar 18, 2008.
  8. ^ Alexander Jones (1986) Book 7 of the Collection, part 1: introduction, text, translation ISBN 0-387-96257-3, part 2: commentary, index, figures ISBN 3-540-96257-3, Springer-Verlag

出典

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