ヘレナ (モンタナ州)

ヘレナ(英: Helena)は、アメリカ合衆国モンタナ州の州都。州西部、ロッキー山脈山中にある。人口は3万2091人(2020年)[1]。ルイスアンドクラーク郡の郡庁が立地している。
概要
[編集]アメリカ西部の多くの都市同様、ヘレナもまた、19世紀後半のゴールドラッシュによって人が集まってできた町である。1864年にジョージア州などから西部へとやってきた4人組によって砂金が発見され、町が建設された。別名を Queen City という。
都市圏人口は8万3058人(2020年)である。
地理
[編集]
ヘレナは、北緯46度35分45秒 西経112度1分37秒 / 北緯46.59583度 西経112.02694度(46.595805, -112.027031)[2]に位置している。標高は1,218メートル。
アメリカ合衆国統計局によると、ヘレナ市は総面積36.3 km2 (14.0 mi2) である。市の全域が陸地であり、水地域はない。
気候
[編集]ケッペンの気候区分によると、ヘレナはステップ気候(BSk)に属する。
年平均気温は7.5℃である。平年値では最暖月である7月の日最高気温が30.1℃、日最低気温は12.8℃、最寒月である1月の日最高気温が0.2℃、日最低気温は-10.3℃となっている。また、12月から2月にかけて日平均気温が氷点下となっている。
年平均降水量は289.6mmである。また、年平均降雪量は94.5cmである。
年平均日照時間は2698.3時間である。
| ヘレナ(平年値:1991年 - 2020年、極値:1880年 - 現在)の気候 | |||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
| 最高気温記録 °C (°F) | 17 (63) |
21 (69) |
26 (78) |
30 (86) |
35 (95) |
40 (104) |
41 (105) |
41 (105) |
39 (102) |
32 (89) |
24 (76) |
21 (70) |
41 (105) |
| 平均最高気温 °C (°F) | 0.2 (32.4) |
2.9 (37.2) |
8.6 (47.5) |
13.7 (56.7) |
19.1 (66.4) |
23.7 (74.7) |
30.1 (86.1) |
29.2 (84.6) |
22.9 (73.3) |
14.2 (57.6) |
6 (42.8) |
0.3 (32.6) |
14.3 (57.7) |
| 日平均気温 °C (°F) | −5 (23.0) |
−2.7 (27.2) |
2.3 (36.1) |
6.9 (44.5) |
12.2 (53.9) |
16.5 (61.7) |
21.4 (70.6) |
20.4 (68.8) |
14.9 (58.9) |
7.5 (45.5) |
0.4 (32.8) |
−4.8 (23.4) |
7.5 (45.5) |
| 平均最低気温 °C (°F) | −10.3 (13.5) |
−8.2 (17.2) |
−4.1 (24.6) |
0.2 (32.4) |
5.3 (41.5) |
9.3 (48.7) |
12.8 (55.1) |
11.6 (52.9) |
7 (44.6) |
0.8 (33.5) |
−5.1 (22.8) |
−9.9 (14.2) |
0.8 (33.4) |
| 最低気温記録 °C (°F) | −41 (−42) |
−41 (−42) |
−34 (−30) |
−23 (−10) |
−8 (17) |
−1 (30) |
2 (36) |
−2 (28) |
−14 (6) |
−22 (−8) |
−39 (−39) |
−40 (−40) |
−41 (−42) |
| 降水量 mm (inch) | 9.9 (0.39) |
10.7 (0.42) |
13.2 (0.52) |
25.9 (1.02) |
49.5 (1.95) |
56.1 (2.21) |
26.9 (1.06) |
26.4 (1.04) |
24.4 (0.96) |
19.8 (0.78) |
15 (0.59) |
11.7 (0.46) |
289.6 (11.40) |
| 降雪量 cm (inch) | 16.8 (6.6) |
16.8 (6.6) |
11.7 (4.6) |
7.4 (2.9) |
0.3 (0.1) |
0 (0.0) |
0 (0.0) |
0.8 (0.3) |
0.5 (0.2) |
7.1 (2.8) |
13.7 (5.4) |
19.6 (7.7) |
94.5 (37.2) |
| 平均降水日数 (≥0.01 in) | 6.5 | 6.5 | 6.9 | 8.8 | 11.2 | 11.5 | 7.5 | 6.3 | 5.8 | 7.0 | 6.5 | 6.6 | 91.1 |
| 平均降雪日数 (≥0.1 in) | 5.6 | 5.6 | 3.7 | 2.1 | 0.2 | 0.1 | 0.0 | 0.1 | 0.0 | 1.5 | 4.0 | 5.2 | 28.1 |
| % 湿度 | 66.0 | 64.1 | 60.1 | 53.9 | 53.5 | 52.1 | 46.4 | 47.5 | 54.5 | 58.3 | 64.8 | 68.1 | 57.4 |
| 平均月間日照時間 | 119.4 | 149.0 | 225.8 | 243.0 | 282.0 | 308.7 | 370.3 | 324.1 | 254.6 | 202.9 | 118.6 | 99.9 | 2,698.3 |
| 日照率 | 43 | 52 | 61 | 60 | 61 | 65 | 77 | 74 | 68 | 60 | 42 | 37 | 60 |
| 出典1:NOAA(相対湿度、露点温度、日照時間は1961–1990年)[3][4] | |||||||||||||
| 出典2:National Weather Service[5] | |||||||||||||
歴史
[編集]1864年10月30日に「4人のジョージア人」と呼ばれる4人組によって「ラスト・チャンス・クリーク」(Last Chance Creek)で砂金が発見され、ヘレナの町は創設された。ヘレナのメインストリートは「ラスト・チャンス・ガルク」(Last Chance Gulch) と呼ばれ、ダウンタウンの歴史地区を曲がりくねりながら、もとの川筋に沿って通っている。
町ははじめ「4人のジョージア人」のひとり、ジョン・クラブの名を取って「クラブタウン」と名付けられた。しかし、砂金目当てに次々と人がやってくると、町名変更の機運が高まった。そこでジョン・サマービルは生まれ故郷であるミネソタ州セント・ヘレナ (St. Helena) の名をつけることを提案した。しかし多くの砂金採掘夫たちには hel-E-na のアクセントが気に入らず、これを「地獄」を意味する hell にかけて HEL-e-naと発音していた。「地獄」の「ヘル」とは当然「聖」の「セント」とは相容れないため、「セント」が落ちて「ヘレナ」のみが残って町の名前となった。
1888年までには、およそ50人の億万長者がヘレナの町に住んでいた。この頃人口当たりの億万長者の数は世界一であった。ラスト・チャンス・ガルクからは現在の36億米ドル相当の砂金が20年以上にわたって採掘された。ラスト・チャンス砂金採掘場はアメリカ西部で最も有名な採掘場であった。
現在では、当時の採掘場跡の多くは地下に埋もれている。
4人のジョージア人
[編集]「4人のジョージア人」と呼ばれる、ジョン・コーワン、D.J. ミラー、ジョン・クラブ、ロバート・スタンレーの4人組は、実際はコーワンのみがジョージア州出身であり、ミラーはアラバマ州、クラブはアイオワ州、スタンレーはイギリスと皆出身地が異なる。しかし砂金採掘において「ジョージア・スタイル」を取っていたため、このように呼ばれていたものと考えられている。
「4人のジョージア人」には異説もある。ジョージア州のある系譜学者は、前述のジョン・コーワン、コーワンの甥フランク・コーワン、ヘンリー・ハスク、ビル・パーマーで、4人ともジョージア州出身で互いに知り合いである、という説を立てている。コーワンが両方の説に含まれていることから、7人でヘレナのラスト・チャンス砂金採掘場で採掘を行っていた可能性もある。
情報通信
[編集]マスメディア
[編集]新聞社
[編集]ヘレナの地元新聞紙は『インディペンデント・レコード』(Independent Record) という。日刊および日曜版、1日約14,000部を刊行している。また、『クイーン・シティ・ニュース』 (Queen City News) という、ヘレナ市の別名を冠した無料の週刊新聞もある。
交通
[編集]空港
[編集]市の玄関口となっている空港はダウンタウンの北東約3kmに位置するヘレナ地域空港である。ソルトレイクシティ国際空港やミネアポリス・セントポール国際空港からの便がある。
道路
[編集]市内を州間高速道路15号線が通っている。北はグレートフォールズを通り、カナダ国境を越えてカルガリー・エドモントンへと通ずる。南はソルトレイクシティ・ラスベガス・サンディエゴへと通じている。
鉄道
[編集]アムトラックはモンタナ州北部を通るため、ヘレナには駅はない。また、グレイハウンドの便もなく、同社と提携しているリムロック・トレイルウェイズのバスが州内各都市へと通じている。
観光
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観光スポット
[編集]ヘレナにはゴールド・ラッシュ時代の歴史的な建築物が多く、重要な観光資源となっている。また、周辺にはロッキー山脈の大自然や原野が広がっている。
- モンタナ州会議事堂
- タワー・ヒル (Tower Hill)
- シビック・センター (Civic Center)
- セントヘレナ大聖堂 (Cathedral of Saint Helena)
- モンタナ歴史社会博物館 (Montana Historical Society Museum)
- ラスト・チャンス・ツアートレイン (Last Chance Tour Train) - 上記博物館前から出発し、ダウンタウンの歴史地区をめぐるガイド付きのツアー
- アメリカ大陸分水嶺
- ヘレナ山市立公園 (Mt. Helena City Park) - 高さ5,460フィート(1,664m)
- スプリング・メドウ湖州立公園 (Spring Meadow Lake State Park)
- ヘレナ湖 (Lake Helena)
- ヘレナ国有林 (Helena National Forest)
- ビッグベルト山地 (The Big Belt Mountains)
- ゲート・オブ・マウンテンズ・ウィルダネス (The Gates of the Mountains Wilderness)
- ミズーリ川 (The Missouri River)
- キャニオン・フェリー湖 (Canyon Ferry Lake)
- エルクホーン山地(The Elkhorn Mountains)
- グレート・ディバイド・スキーエリア (Great Divide Ski Area) - ヘレナ北西郊のゴーストタウン、マリスビル (Marysville) の近くにある。乾燥しているため州の他地域と比べて雪が少ないので、しばしば「The Rock」と呼ばれる。
人口
[編集]2000年国勢調査で、ヘレナ市は人口25,780人、世帯数11,541、6,474家族が暮らしている。人口密度は710.5人/km2 (1,840.7人/mi2) である。334.4軒/km2 (866.3軒/mi2) の密度で12,133軒の住宅が建っている。
同市の人口構成を人種別に見ると白人94.78%、アフリカン・アメリカン0.23%、ネイティブ・アメリカン2.10%、アジア人0.78%、太平洋諸島系0.07%、その他の人種0.38%、及び混血1.66%である。人口の1.67%はヒスパニックまたはラテン系である。
同市の11,541世帯のうち、18歳未満の子供がいる世帯は27.1%、結婚・同居している世帯は42.5%、未婚・離婚女性が世帯主である世帯は10.4%、非家族世帯は43.9%である。単身世帯は37.5%、65歳以上の老人1人暮らしの世帯は11.3%である。世帯の平均構成人数は2.14人、家族の平均構成人数は2.83人である。
同市の人口構成を年齢別に見ると18歳未満22.4%、18-24歳11.1%、25-44歳26.6%、45-64歳26.0%、65歳以上13.9%となっている。年齢の中央値は39歳である。性比は女性100人あたり男性91.0人である。18歳以上では女性100人あたり男性は87.6人である。
同市の世帯の収入の中央値は34,416米ドルであり、家族の収入の中央値は50,018米ドルである。収入の中央値を性別で見ると男性34,357米ドルに対して女性は25,821米ドルである。同市の1人当たり収入 (per capita income) は20,020米ドルである。人口の14.5%及び家族の9.3%の収入は貧困線以下である。18歳未満の16.4%及び65歳以上の8.3%は貧困線以下の生活を送っている。
出身者
[編集]- ゲイリー・クーパー - 俳優
- ダーク・ベネディクト - 俳優
- マーナ・ロイ - 女優
- パトリシア・ベルチャー - 女優
- ニコレット・ラーソン - 歌手
- アイザック・ブロック - ロックバンド「モデスト・マウス」ボーカル・ギター
- ショーン・オマリー - 総合格闘家
脚注
[編集]- ↑ “Metropolitan and Micropolitan Statistical Areas”. 2021年11月5日閲覧。
- ↑ US Gazetteer files: 2010, 2000, and 1990, United States Census Bureau, (2011-02-12) 2011年4月23日閲覧。
- ↑ “U.S. Climate Normals Quick Access”. National Oceanic and Atmospheric Administration. 2022年8月22日閲覧。
- ↑ “WMO climate normals for HELENA/COUNTY-CITY, MT 1961–1990”. National Oceanic and Atmospheric Administration. 2020年10月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月2日閲覧。
- ↑ “NOAA Online Weather Data”. National Weather Service. 2022年8月22日閲覧。