トロツコ

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トロツコ』は、芥川龍之介短編小説1922年大正11年)に発表された。新仮名では「トロッコ」と表記する。幼い少年が大人の世界を垣間見る体験を綴った物語で、一部の中学校教科書などにも採用されている。

2009年、本作をモチーフにした映画『トロッコ』が公開された。

あらすじ[編集]

小田原熱海間に、軽便鉄道敷設の工事が始まった。8歳の良平が、その工事現場で使う土砂運搬用のトロッコに非常に興味をもっていた。ある日、トロッコを運搬している土工と一緒に、トロッコを押すことになった。良平は最初は有頂天だが、だんだん帰りが不安になった。途中で土工に、遅くなったから帰るようにいわれて、良平は一人暗い坂道を「命さえ助かれば」と思いながら駆け抜けた。家に着いたとたん、良平は泣き出してしまう。

という良平の体験を、大人になり東京に出てきた良平が回想している。塵労に疲れた良平の前には、全然何の理由も無いのに、そのときの薄暗い坂の路が一筋断続しているのであった。

舞台は小田原・熱海間であるが、行きに右に海があり、帰りは左に海があるという描写があるため、熱海方面から小田原方面へ向かっていたと推測できる

特記事項[編集]

本作は、湯河原出身のジャーナリスト力石平三が、幼年時代に熱海軽便鉄道人車鉄道から軽便鉄道への切り替えを行っている工事を見物したときの回想を記した手記を、芥川が潤色したものである。

外部リンク[編集]