ストンプ442
『ストンプ442』 | ||||
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アンスラックス の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | ペンシルベニア州コンショホッケン スタジオ4[3] | |||
ジャンル | ヘヴィメタル、スラッシュメタル、グルーヴ・メタル | |||
時間 | ||||
レーベル | エレクトラ・レコード | |||
プロデュース | アンスラックス、ブッチャー・ブラザーズ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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アンスラックス アルバム 年表 | ||||
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『ストンプ442』(Stomp 442)は、アメリカ合衆国のヘヴィメタル・バンド、アンスラックスが1995年に発表した7作目のスタジオ・アルバム。ジョン・ブッシュ加入後としては2作目に当たる。
背景
[編集]長年リードギターを担当してきたダン・スピッツの解雇に伴い、本作ではポール・クルック(スレイヤーのローディーを務めていた)、パンテラのダイムバッグ・ダレル、それにドラマーのチャーリー・ベナンテがリードギターのパートを分担した[9]。ただし、スピッツは後年、クルックやダレルは自分が作ったフレーズをコピーしていたと主張しており「もし法廷に出ることがあったら、俺の持っているテープを証拠として出してもいい」と語っている[10]。本作のプロデューサーに起用されたブッチャー・ブラザーズは、アージ・オーヴァーキルやルシャス・ジャクソンといったオルタナティヴ・ロック系のバンドの作品を手がけてきた[9]。
アルバム・ジャケットはピーター・カーゾンと、ヒプノシスの一員として知られるストーム・ソーガソンがデザインしたが[9]、裸の男性の尻が写っていることからウォルマートでは販売を拒否された[11]。なお、本作のアートワークは、元々はブルース・ディッキンソンのアルバム『ボールズ・トゥ・ピカソ』のために作られた[9][11]。
ボーカリストのジョン・ブッシュによれば、当時エレクトラ・レコードでは大規模なリストラでバンドの担当A&Rなどスタッフの4分の1が解雇され、新体制の同社はバンドとの契約を継続する気はなかったため、本作がエレクトラ所属時としては最後のアルバムとなった[12]。
反響・評価
[編集]母国アメリカでは前スタジオ・アルバム『サウンド・オブ・ホワイト・ノイズ』ほどの成功を収められず、Billboard 200では最高47位にとどまった[6]。イギリスでは1995年11月4日付の全英アルバムチャートで77位を記録するが、翌週にはトップ100圏外に落ち、『アマング・ザ・リヴィング』(1987年)以降のスタジオ・アルバムとしては初めて、全英トップ20入りを逃す結果となった[8]。1996年にシングル・カットされた「ナッシング」は、全英シングルチャートで89位を記録した[8]。
Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中2点を付け「一握りの曲は底力を示しているとはいえ、バンドの信奉者を失望させた」と評している[1]。一方、『CDジャーナル』のミニ・レビューでは「ギタリストの脱退などいくつかトラブルがあったが、脳天をエグるようなザクザクと刻むギターは健在」と評されている[2]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲は作詞:ジョン・ブッシュ&スコット・イアン、作曲:チャーリー・ベナンテ。ただし、メロディ・ラインの作曲はフランク・ベロも含むメンバー4人による[3]。
- ランダム・アクツ・オブ・センスレス・ヴァイオレンス "Random Acts of Senseless Violence" – 4:03
- フュエルド "Fueled" – 4:02
- キング・サイズ "King Size" – 3:59
- 作詞:ジョン・ブッシュ、スコット・イアン、リッチ・ロス/作曲:チャーリー・ベナンテ
- ライディング・ショットガン "Riding Shotgun" – 4:26
- パーペチュアル・モーション "Perpetual Motion" – 4:20
- イン・ア・ゾーン "In a Zone" – 5:07
- ナッシング "Nothing" – 4:33
- アメリカン・ポンペイ "American Pompeii" – 5:30
- ドロップ・ザ・ボール "Drop the Ball" – 4:59
- テスター "Tester" – 4:21
- ベア "Bare" – 5:32
日本盤ボーナス・トラック
[編集]下記トラック・リストは1998年再発CD (VICP-60321)に準拠。日本初回盤CD (WPCR-521)には「リメンバー・トゥモロー」のみ収録され[2]、13.以下の曲はEP『フュエルドEP』(1996年)に収録されていた[13]。
- リメンバー・トゥモロー "Remember Tomorrow" – 5:05
- グラント・アンド・クリック "Grunt and Click" – 5:28
- ウォッチン・ユー "Watching You" – 3:37
- デスローンド・エンペラー "Dethroned Emperor" – 4:32
- 作詞・作曲:トム・G・ウォリアー
- セルティック・フロストのカヴァー。
- ノー・タイム・ディス・タイム "No Time This Time" – 3:21
- セレブレイテッド・サマー "Celebrated Summer" – 4:25
2001年リマスターCD (BEY 78210)ボーナス・トラック
[編集]- "Grunt & Click" – 5:29
- "Dethroned Emperor" – 4:33
- 作詞・作曲:トム・G・ウォリアー
- "Celebrated Summer" – 4:30
- 作詞・作曲:ボブ・モールド
- "Watchin' You" – 3:39
- 作詞・作曲:ジーン・シモンズ
参加ミュージシャン
[編集]- ジョン・ブッシュ - ボーカル
- スコット・イアン - リズムギター(all songs)、リードギター(on #10)、アコースティック・ギター(on #11)、フロアタム(on #9)、バッキング・ボーカル
- フランク・ベロ - ベース、12弦ベース、バッキング・ボーカル
- チャーリー・ベナンテ - ドラムス(all songs)、モーズコード・ギター(on #1)、リードギター(on #7, #8, #10, #11)、ボンゴ(on #8)、フロアタム(on #9)、チャイム(on #9)、パーカッション(on #11)
アディショナル・ミュージシャン
- ポール・クルック - ギター・ソロ(on #1, #5, #6, #9)
- ダイムバッグ・ダレル - ギター・ソロ(on #3, #4)
- マイク・テンペスタ - ギター(on #8)
- ジョー・ニコロ - ノイズ(on #4)
脚注
[編集]- ^ a b Erlewine, Stephen Thomas. “Anthrax - Stomp 442 Album Reviews, Songs & More”. AllMusic. 2023年11月16日閲覧。
- ^ a b c “アンスラックス/ストンプ442 (廃盤)”. CDJournal. 音楽出版社. 2023年11月16日閲覧。
- ^ a b CD英文ブックレット内クレジット
- ^ finnishcharts.com - Anthrax - Stomp 442
- ^ “ストンプ442 - アンスラックス”. オリコン. 2023年11月16日閲覧。
- ^ a b “Anthrax - Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2023年11月16日閲覧。
- ^ australian-charts.com - Anthrax - Stomp 442
- ^ a b c ANTHRAX songs and albums | full Official Chart History
- ^ a b c d Rivadavia, Eduardo (2015年10月24日). “How Anthrax Moved With the Times of ' Stomp 442'”. Ultimate Classic Rock. Townsquare Media. 2023年11月16日閲覧。
- ^ “ANTHRAX Guitarist DAN SPITZ Says DIMEBAG Copied His Solos On 'Stomp 442'”. Blabbermouth.net (2006年5月4日). 2023年11月16日閲覧。
- ^ a b Chantler, Chris (2016年7月11日). “Anthrax: the story behind every album cover”. loudersound.com. Future plc. 2023年11月16日閲覧。
- ^ “JOHN BUSH: 'I Treasure My Years In ANTHRAX'”. Blabbermouth.net (2018年7月28日). 2023年11月16日閲覧。
- ^ “アンスラックス/フュエルドEP (廃盤)”. CDJournal. 音楽出版社. 2023年11月16日閲覧。