アマング・ザ・リヴィング

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アマング・ザ・リヴィング
アンスラックススタジオ・アルバム
リリース
録音 フロリダ州マイアミ Quadradial Studios
ジャンル ヘヴィメタルスラッシュメタル
時間
レーベル アイランド・レコード/メガフォース・レコード
プロデュース アンスラックス、エディ・クレイマー
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 18位(イギリス[2]
  • 35位(日本[3]
  • 43位(スウェーデン[4]
  • 46位(オランダ[5]、ドイツ[6]
  • 62位(アメリカ[7]
  • ゴールドディスク
  • ゴールド(RIAA[8]
  • アンスラックス アルバム 年表
    狂気のスラッシュ感染
    (1985年)
    アマング・ザ・リヴィング
    (1987年)
    ステート・オブ・ユーフォーリア
    (1988年)
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    アマング・ザ・リヴィング』(Among the Living)は、アメリカ合衆国ヘヴィメタルバンドアンスラックス1987年に発表した3作目のスタジオ・アルバム

    背景[編集]

    収録曲のうち2曲はスティーヴン・キングの小説にインスパイアされており、タイトル曲は『ザ・スタンド』、「スケルトン・イン・ザ・クローゼット」は『ゴールデンボーイ』に影響を受けた[1]。「アイ・アム・ザ・ロウ」と「イミテーション・オブ・ライフ」は、元メンバーのダン・リルカがソングライティングに貢献しており、後者のイントロではストームトゥルーパーズ・オブ・デス名義で作られた未発表曲「Aren't You Hungry?」(最終的には1999年のアルバム『ビガー・ザン・ザ・デヴィル』で発表された)のリフが流用されている[9]

    「エフィルニクフェシン (N.F.L.)」はジョン・ベルーシに捧げられた曲で[10]、「A.D.I./ホラー・オブ・イット・オール」の歌詞は、メタリカのベーシスト、クリフ・バートン(1986年9月27日にツアー・バスの事故で死去)に捧げられた[11]。「インディアン」は、アメリカ・インディアンリザヴェーションへ強制移住させられた問題に言及しており、「ワン・ワールド」は核戦争の脅威を題材としている[1]

    本作ではエディ・クレイマーが共同プロデューサーを務めたが、バンドはミキシングの方向性をめぐってクレイマーと対立し、スコット・イアンは後年「彼は俺達の音楽と全く違う、デフ・レパードの『炎のターゲット』みたいにモダンなメタルに仕上げようとした」「俺達は1977年のレコードのような音にしたかった」と語っている[1]。そして、バンドはクレイマー抜きでバハマコンパス・ポイント・スタジオにおいて最終ミックスを行い、スタジオのオーナーであるクリス・ブラックウェルも、バンドの意図を理解したという[1]

    反響・評価[編集]

    アメリカではバンドにとって2作目の全米トップ200アルバムとなり、1987年5月37日付のBillboard 200で最高62位を記録し[7]、リリースから約3年後の1990年7月には、RIAAによりゴールドディスクの認定を受けた[8]。また、バンドは本作で初の全英アルバムチャート入りを果たして最高18位を記録し、先行シングル「アイ・アム・ザ・ロウ」は全英32位、続く「インディアン」は全英44位に達した[2]。日本でも初のオリコンLPチャート入りを果たし、4週トップ100入りして最高35位を記録した[3]

    スティーヴ・ヒューイはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「恐らくアンスラックスの最高傑作」と評している[12]

    収録曲[編集]

    特記なき楽曲はアンスラックス作。

    1. アマング・ザ・リヴィング "Among the Living" – 5:16
    2. コート・イン・ア・モッシュ "Caught in a Mosh" – 5:00
    3. アイ・アム・ザ・ロウ "I Am the Law" (Anthrax, Dan Lilker) – 5:53
    4. エフィルニクフェシン (N.F.L.) "Efilnikufesin (N.F.L.)" – 4:54
    5. スケルトン・イン・ザ・クローゼット "A Skeleton in the Closet" – 5:29
    6. インディアン "Indians" – 5:41
    7. ワン・ワールド "One World" – 5:55
    8. A.D.I./ホラー・オブ・イット・オール "A.D.I./The Horror of It All" – 7:49
    9. イミテーション・オブ・ライフ "Imitation of Life" (Anthrax, D. Lilker) – 4:21

    2009年デラックス・エディション盤ボーナス・トラック[編集]

    1. "Indians (Alternate Lead)" – 5:40
    2. "One World (Alternate Take)" – 5:55
    3. "Imitation of Life (Alternate Take)" (Anthrax, D. Lilker) – 4:27
    4. "Bud E Luv Bomb and Satan's Lounge Band" – 2:45
    5. "I Am the Law (Live in Dallas)" (Anthrax, D. Lilker) – 6:04
    6. "I'm the Man (Instrumental)" (Anthrax, John Rooney) – 3:05

    2009年デラックス・エディション盤ボーナスDVD[編集]

    1987年のロンドン公演を収録[13]

    1. "Intro"
    2. "Among the Living"
    3. "Caught in a Mosh"
    4. "Metal Thrashing Mad"
    5. "I Am the Law"
    6. "Madhouse"
    7. "Indians"
    8. "Medusa"
    9. "Efilnikufesin (N.F.L.)"
    10. "Armed and Dangerous"
    11. "A.I.R./I'm the Man/A.I.R."
    12. "Gung Ho"

    参加ミュージシャン[編集]

    脚注[編集]

    1. ^ a b c d e Wiederhorn, Jon (2023年3月22日). “36 Years Ago: Anthrax Make Thrash History on 'Among the Living'”. loudwire.com. Townsquare Media. 2023年8月15日閲覧。
    2. ^ a b ANTHRAX | Official Charts
    3. ^ a b 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』オリジナルコンフィデンス、1990年、70頁。ISBN 4-87131-025-6 
    4. ^ swedishcharts.com - Anthrax - Among The Living
    5. ^ Anthrax - Among The Living - dutchcharts.nl
    6. ^ Offizielle Deutsche Charts
    7. ^ a b Anthrax - Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2023年8月15日閲覧。
    8. ^ a b Gold & Platinum”. RIAA. 2023年8月15日閲覧。
    9. ^ Grow, Kory (2012年1月1日). “Anthrax's 'Among the Living': The Story Behind Thrash OG's Mosh Masterpiece”. Revolver. Project M Group. 2023年8月15日閲覧。
    10. ^ Prato, Greg (2013年2月26日). “Charlie Benante of Anthrax: Songwriter Interviews”. Songfacts. 2023年8月15日閲覧。
    11. ^ Prato, Greg (2017年5月9日). “Charlie Benante (Anthrax): Songwriter Interviews”. Songfacts. 2023年8月15日閲覧。
    12. ^ Huey, Steve. “Anthrax - Among the Living Album Reviews, Songs & More”. AllMusic. 2023年8月15日閲覧。
    13. ^ アンスラックスの名作『アマング・ザ・リヴィング』がデラックス・エディション化”. CDJournal. 音楽出版社 (2009年11月5日). 2023年8月15日閲覧。

    外部リンク[編集]