シュモクドリ

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シュモクドリ
シュモクドリ
シュモクドリ Scopus umbretta
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
階級なし : Neoaves
: ペリカン目 Pelecaniformes
: シュモクドリ科 Scopidae
Bonaparte, 1849
: シュモクドリ属 Scopus
Brisson, 1760
: シュモクドリ S. umbretta
学名
Scopus umbretta Gmelin, 1789
和名
シュモクドリ
英名
Hammerhead
Hammerkop

シュモクドリ(撞木鳥、Scopus umbretta)は、ペリカン目シュモクドリ科シュモクドリ属に分類される鳥類。本種のみでシュモクドリ科シュモクドリ属を形成する。

分布[編集]

アンゴライエメンウガンダエチオピアガンビアエリトリアガーナガボンカメルーンギニアギニアビサウケニアコートジボワールコンゴ共和国コンゴ民主共和国サウジアラビアザンビアシエラレオネジブチジンバブエスーダンスワジランドセネガルソマリアタンザニアチャド中央アフリカ共和国トーゴナイジェリアナミビアニジェールブルキナファソブルンジベナンボツワナマダガスカルマラウイマリ共和国南アフリカ共和国モザンビークルワンダレソト

サハラ砂漠以南のアフリカ全土、マダガスカル、アラビア半島西南部に分布する。

形態[編集]

全長58cm。全身は褐色の羽毛で覆われる。後頭部の羽毛は伸長しており、真っすぐに伸びた嘴と合わせて頭部がハンマー(撞木)のように見えることが和名や英名の由来。

嘴と後肢の色彩は黒い。趾には部分的に水掻きがある。

生態[編集]

草原や水辺などに生息する。雨季にできた水溜りに飛来することもある。

食性は動物食で、魚類両生類昆虫類などを食べる。採食は主に明け方と夕方に行う。

繁殖形態は卵生。繁殖期は地方によって異なり、ナイジェリアでは1-4月、南アフリカでは7-1月である。樹上(木がない場合は地表にも作る)に木の枝などを泥で固めて布や骨などで装飾したドーム状の大型の巣を雌雄共同で作る。巣を作るのに30-40日かかる。通常2-3個の巣を作りその内の一つを繁殖やねぐらに使用する。また、一度使った巣は数年間使用する。1回に3-7個の卵を産む。雌雄交代で抱卵を行い、抱卵期間は約30日。雌雄で育雛を行う。雛は孵化してから約1か月で巣立つ。

亜種[編集]

以下の2亜種に分類される。

  • Scopus umbretta umbretta シュモクドリ
  • Scopus umbretta minor ギニアシュモクドリ
亜種シュモクドリよりもやや小型で、体色が濃い。

人間との関係[編集]

民家の近くでゴミを漁ることもある。人をあまり恐れない。

生息地では本種を殺すと不幸が訪れると信じられている。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社1984年、129、200頁。
  • 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科7 鳥I』、平凡社1986年、88、92-93頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館2002年、130頁。
  • 『世界の動物|分類と飼育 コウノトリ目+フラミンゴ目』、財団法人東京動物園協会、1985年、46-47頁

外部リンク[編集]