サンナ・マリン

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サンナ・マリン
Sanna Marin
Pääministeri Sanna Marin ja komissaari Jutta Urpilainen tapasivat Kesärannassa 12.4.2022 (51999556354) (cropped).jpg
2022年撮影
フィンランドの旗 フィンランド共和国
Logo of the Prime Minister of Finland.svg 第46代首相
就任
2019年12月10日
大統領サウリ・ニーニスト
代理官カトリ・クルムニ
前任者アンティ・リンネ
フィンランドの旗 運輸通信大臣英語版
任期
2019年6月6日 – 2019年12月10日
首相アンティ・リンネ
前任者アヌ・ヴェフヴィライネン英語版
後任者ティモ・ハラッカ
個人情報
生誕Sanna Mirella Marin
(1985-11-16) 1985年11月16日(36歳)
ヘルシンキ[1]フィンランド首都)
政党フィンランド社会民主党
配偶者マルクス・ライッコネン
子供1
教育タンペレ大学英語版

サンナ・ミレッラ・マリンマリーン[2]: Sanna Mirella Marin、1985年11月16日 - )は、フィンランド政治家。第46代フィンランド首相フィンランド社会民主党(SDP)党首。

SDPのメンバーの1人として、2015年からエドゥスクンタ(フィンランド議会)に参加しており、2019年6月から2019年10月までは運輸通信大臣英語版を務めた[3]

2019年12月8日、SDPは辞任を表明したアンティ・リンネの後任の党首としてマリンを選出した[4][5][6][7]。議会で選出され、マリンは34歳で世界で最も若い在職中の国家指導者となり[注 1]、フィンランドで史上最年少の首相となった[2]。また、フィンランドでアンネリ・ヤーテンマキマリ・キビニエミ[注 2]に続く3人目の女性首相となった[8]

経歴[編集]

マリンは首都ヘルシンキで生まれ[1][9]タンペレに引っ越すまではエスポーピルッカラ英語版で育った[10]。両親はマリンがまだ幼い頃に、父親のアルコール依存症が原因で離婚[1]。父は経済的な問題に直面したことが原因で酒を帯びるようになっていたという。両親の離婚後、マリンは母親とその同性パートナーに育てられた[1][11][12]。経済的に困窮していたため、学生時代はアルバイトスーパーマーケットのレジ係などを行って生計を立てていた[13]。彼女が首相に就任した2019年12月、フィンランド湾を挟んだエストニアのヘルメ内務大臣(en:Mart Helme)は「レジ係が首相になった」と発言して批判を受けた[1]

2004年にピルッカラ高校[14]を19歳で卒業した[15]。2007年にタンペレ大学英語版へ入学し、2017年に行政科学(Administrative Sciences行政に関する科学。)の修士号を取得して卒業。

キャリア

2012年フィンランド地方選挙英語版で、マリンは27歳でタンペレ市議会の議員に選ばれた[4]。2013年から2017年までは市議会の議長を務めた。2017年フィンランド地方選挙英語版では、市議会議員に再び選ばれた[16]。マリンはタンペレ県の評議会の議員のメンバーも務めている。

2014年、社会民主党の副議長に就任。2015年フィンランド議会選挙英語版では、30歳のときに、ピルカンマーの選挙区英語版から議員としてフィンランド議会に選ばれた[17]。4年後、2019年フィンランド議会選挙英語版でマリンは再び議員に選ばれた[18]

2019年6月6日、運輸通信大臣に就任。同年12月3日、アンティ・リンネ首相がサウリ・ニーニスト大統領に辞表を提出[19]。12月8日、社会民主党の党内の投票が実施され、ライバルのアンティ・リンドマン英語版を僅差で破り、リンネの後任の党首に選ばれた[20]。10日、首相に就任。

マリンは、5つの党の連合からなる政府を率いている。この党連合では、内閣の18人の大臣のうち12人が女性である[21][22]。マリンは「自分の年齢や性別についてなど考えたこともない」と、性別にとらわれない閣僚起用を進めた[1]

リンネは郵便ストライキへの対処方法について広い批判を受けていたが、2020年8月の大会までは党首に留まった。その後、マリンが正式に党首に就任した[23][24]

2022年2月24日にロシア連邦ウクライナへの全面侵攻を開始すると[25]ソビエト連邦/ロシアと西側諸国の間で武装中立政策(ノルディックバランス)をとってきたフィンランドとスウェーデンで、北大西洋条約機構(NATO)加盟を支持する世論が急速に高まった。同年3月5日、マリンとスウェーデンのマグダレナ・アンデション首相はヘルシンキで共同記者会見を開き、それぞれ見解を述べた[26]。5月10日、日本を訪問。翌11日に岸田文雄首相と会談し、NATOへの加盟に関し「おそらく申請するだろう」と伝えた[27]。5月18日、フィンランドとスウェーデンはNATOへの加盟を正式に申請した[28]

同年5月26日、ウクライナの首都キエフを訪問。ウクライナの大統領ウォロディミル・ゼレンスキーと会談したほか、ウクライナの首相デニス・シュミハリとの記者会見で「ロシアの信用失墜は何世代にも及ぶ」と語った。また、キエフ近郊のブチャイルピンを視察した[29][30]

不祥事[編集]

公費の私的利用[編集]

2021年5月25日、マリンとその家族が公費で毎月約300ユーロ(約4万円)の朝食費用を支払っていたことが、Iltalehtiによって報じられた[31][32]。その後、2020年1月から2021年5月までの間にかかった費用は14,000ユーロ(約180万円)[33]、朝食は月平均270ユーロ(約3万円)、その他の食事(前菜、主菜、サラダ、おやつ)は月平均575ユーロ(約7万円)だと判明した。家族の朝食などの食事に月850ユーロ(約11万円)を使用していた[34]。マリンの公費による食事代は、首相官邸が個人情報保護のためと説明し、秘匿されていた。住宅手当には食料品の支給が明示されていないため、その取り決めの合法性が疑問視された。マリンは、公費で食事代を支払うことの違法性を知らなかったと主張し、この問題に関する責任は関係者にあるとして自身の責任を否定していた 。首相官邸にはこの問題の詳細を提示するために2ヶ月の猶予を与えられたが、報告書は遅れて提出された[35]

パーティーでの問題[編集]

2021年12月初旬、マリンはヘルシンキのナイトクラブで、COVID-19の陽性反応を示したフィンランドの外務大臣であるペッカ・ハーヴィストと濃厚接触した数時間後にパーティーを開いた。マリンの携帯電話には、隔離を促すメールが2通送られてきたが、マリンは携帯電話を持っていなかったため、そのメッセージを見逃してしまった。政府の規定では、首相は常に政府携帯を所持し、連絡が取れる状態でなければならない[36][37]。マリンは後日、Facebookに「土曜日の夜、もっと適切な判断を下すべきでした」と投稿した[38] [39]。その後、マリンの行動に関する2つの苦情が法務大臣に提出された[40]。この問題により、マリンは「パリピ」と広く批判され、多くの人が首相の辞任を求めた[41]。連立政権のパートナーであるフィンランド中央党の有力者は、マリンが説明を変えて彼らに嘘をついたと述べた[42]

私生活[編集]

マリンは同性の両親英語版(2人の女性)の子供で、レインボー・ファミリー英語版の出身である[43][44]。2018年1月には、長年のパートナーでサッカー選手のマルクス・ライッコネンとの間に娘のエマを出産した[45][46]。2020年8月、マリンとライッコネンは首相公邸ケサランタで結婚式を挙げた[47]

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

  1. ^ この記録は2020年1月7日オーストリア首相セバスティアン・クルツに一時更新されたが、2021年10月11日にクルツは辞任に追い込まれたため、現在は再び世界最年少となっている。
  2. ^ どちらもフィンランド中央党所属だった。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f 「世界最年少首相 フィンランド転換/政治経験の浅さ 柔軟な発想生む/強い対露姿勢 国民支持」産経新聞』朝刊2022年4月27日(国際面)2022年6月22日閲覧
  2. ^ a b 「これがフィンランドの新内閣 34歳サンナ・マリン首相ら若手中心の連立発足」ニューズウィーク日本版(2019年12月11日)2022年6月22日閲覧
  3. ^ Sanna Marin Parliament of Finland (in Finnish). Retrieved 17 December 2019.
  4. ^ a b “Finland anoints Sanna Marin, 34, as world's youngest-serving prime minister”. The Guardian. (2019年12月9日). https://www.theguardian.com/world/2019/dec/09/finland-anoints-sanna-martin-34-as-worlds-youngest-serving-prime-minister 2019年12月9日閲覧。 
  5. ^ Finland: Sanna Marin to become world's youngest PM at 34”. www.aljazeera.com. 2019年12月9日閲覧。
  6. ^ フィンランドで34歳の女性首相、サンナ・マリン氏が就任へ。女性は歴代3人目”. ハフポスト日本版. 2019年12月10日閲覧。
  7. ^ フィンランド首相にサンナ・マリン氏、34歳 同国史上最年少”. フランス通信社(AFP). 2019年12月10日閲覧。
  8. ^ 首相は34歳女性、閣僚も女性12人…フィンランド「ガラスの天井」ない理由”. 毎日新聞社. 2019年12月17日閲覧。
  9. ^ Sanna Marin: Minister of Transport and Communications”. European Parliament. 2019年12月17日閲覧。
  10. ^ Kuka Sanna?”. Sanna Marin. 2019年12月17日閲覧。
  11. ^ Greenall, Robert (2019年12月9日). “Sanna Marin: The rising star set to lead Finland's 5.5 million”. BBC News. https://www.bbc.com/news/world-europe-50712230 2019年12月17日閲覧。 
  12. ^ Comrades, meet Finland's new PM”. Politico (2019年12月17日). 2019年12月13日閲覧。
  13. ^ 板東和正 (2022年4月26日). “「レジ係」と揶揄された世界最年少首相 柔軟思想でフィンランド改革”. 産経新聞. 2022年5月6日閲覧。
  14. ^ : Pirkkalan yhteislukio
  15. ^ Esfandiari. “The rapid rise of Sanna Marin, the 34-year-old Finnish woman set to become the youngest serving world leader”. Business Insider. 2019年12月9日閲覧。
  16. ^ Elected”. vaalit.fi. 2017年7月3日閲覧。
  17. ^ Sanna Marin” (フィンランド語). www.eduskunta.fi. 2019年12月9日閲覧。
  18. ^ Valitut”. tulospalvelu.vaalit.fi. 2019年12月3日閲覧。
  19. ^ Kauranen, Anne; Virki, Tarmo (2019年12月3日). “Finland's PM resigns after losing trust of coalition partner”. Reuters. https://www.reuters.com/article/us-finland-government/finlands-pm-rinne-in-crisis-talks-with-centre-allies-over-his-future-idUSKBN1Y70PG 2019年12月3日閲覧。 
  20. ^ 下司佳代子 (2019年12月10日). “フィンランド新首相に34歳女性 現職で世界最年少か”. 朝日新聞. 2022年5月11日閲覧。
  21. ^ December 9 (2019年12月9日). “‘I’ve proven my abilities’: Finland’s Sanna Marin becomes the world’s youngest prime minister | Ottawa Citizen” (英語). 2019年12月9日閲覧。
  22. ^ Manzanaro (2019年12月9日). “Finland's Sanna Marin becomes the world's youngest Prime Minister” (英語). euronews. 2019年12月9日閲覧。
  23. ^ Social Democrats selects Marin as its candidate to succeed Rinne” (英語). www.helsinkitimes.fi. 2019年12月9日閲覧。
  24. ^ Lemola, Johanna; Specia, Megan (2019年12月9日). “Sanna Marin of Finland to Become World’s Youngest Prime Minister”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2019/12/09/world/europe/finland-prime-minister-sanna-marin.html 
  25. ^ ロシアが全面侵攻開始、ウクライナは自国を防衛=クレバ外相”. ロイター (2022年2月24日). 2022年2月28日閲覧。
  26. ^ フィンランドとスウェーデン NATO加盟「賛成」の世論が初の過半数に”. 東京新聞 (2022年3月7日). 2022年3月9日閲覧。
  27. ^ フィンランドのNATO加盟 マリン首相、申請の意向 首脳会談で表明”. 日本経済新聞 (2022年5月12日). 2022年5月12日閲覧。
  28. ^ スウェーデンとフィンランド、正式にNATO加盟申請 「歴史的瞬間」と事務総長”. BBC (2022年5月19日). 2022年6月1日閲覧。
  29. ^ 金成隆一 (2022年5月27日). “マリン首相、キーウでゼレンスキー氏と会談「英雄的精神は称賛に値」”. 朝日新聞. 2022年6月1日閲覧。
  30. ^ a b ロシアの信用失墜「何世代にも」 フィンランド首相、キーウ訪問”. AFP通信 (2022年5月27日). 2022年6月1日閲覧。
  31. ^ Iltalehti: Sanna Marin pays for her family's breakfast with taxpayers' money”. www.helsinkitimes.fi. 2021年5月27日閲覧。
  32. ^ Thursday's papers: PM's breakfast, Viking Sally drama, bring your own pen ”. Yle Uutiset. 2021年5月27日閲覧。
  33. ^ Valtioneuvoston kanslia selittää pääministerin ateriapalveluiden kallista hintaa – Marinin kulut paljon isommat kuin aiemmilla pääministereillä” (フィンランド語). Yle Uutiset (2021年12月9日). 2022年1月15日閲覧。
  34. ^ Marinin ateriaetu onkin ollut noin 850 euroa kuussa” (フィンランド語). Yle Uutiset. 2021年6月1日閲覧。
  35. ^ Valtioneuvoston kanslia selittää pääministerin ateriapalveluiden kallista hintaa – Marinin kulut paljon isommat kuin aiemmilla pääministereillä” (フィンランド語). Yle Uutiset (2021年12月9日). 2022年1月15日閲覧。
  36. ^ Juhlimassa ollutta pääministeri Marinia ei tavoitettu virkapuhelimesta yrityksistä huolimatta” (フィンランド語). Yle Uutiset (2021年12月5日). 2022年1月14日閲覧。
  37. ^ Finland's prime minister criticised for clubbing till 4am despite Covid exposure” (英語). The Independent (2021年12月8日). 2021年12月8日閲覧。
  38. ^ “Sanna Marin: Finland's PM sorry for clubbing after Covid contact” (英語). BBC News. (2021年12月8日). https://www.bbc.com/news/world-europe-59577371 2021年12月8日閲覧。 
  39. ^ Pääministeri Marin avautui baarikohusta Facebookissa: ”Minun olisi pitänyt lauantai-iltana käyttää parempaa harkintaa””. Ilta-Sanomat. 2022年5月15日閲覧。
  40. ^ Marinin yökerhoillasta tehty kaksi kantelua oikeuskanslerille” (フィンランド語). Yle Uutiset (2021年12月7日). 2022年1月14日閲覧。
  41. ^ Kommentti: Pääministeri Sanna ”bilettäjä” Marinin uskottavuus sai korjaamattoman koronalommon – juuri ennen hallituksen kaksivuotissynttäreitä”. Ilta-Sanomat. 2022年5月15日閲覧。
  42. ^ Keskustasta kova väite: "Marin valehteli meille – tarinat vaihtuvat koko ajan"” (フィンランド語). Iltalehti (2021年12月7日). 2022年1月14日閲覧。
  43. ^ “Finnish minister, 34, to be world's youngest PM” (英語). BBC News. (2019年12月9日). https://www.bbc.com/news/world-europe-50709422 2019年12月9日閲覧。 
  44. ^ Uusi valtuuston puheenjohtaja jakoi nuorena Tamperelaista” (Finnish). Tamperelainen (2013年9月26日). 2019年12月10日閲覧。
  45. ^ Matson-Mäkelä (2019年1月31日). “Kansanedustaja Sanna Marinille syntyi vauva” (フィンランド語). Yle Uutiset. 2019年12月3日閲覧。
  46. ^ “Finnish prime minister will be world’s youngest”. The Mercury News. CNN.com Wire Service. (2019年12月9日). https://www.mercurynews.com/2019/12/09/finnish-prime-minister-will-be-worlds-youngest/ 2019年12月9日閲覧。 
  47. ^ フィンランドの首相、インスタで結婚報告 16年来の交際相手と”. 時事通信 (2020年8月3日). 2020年9月25日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

党職
先代
アンティ・リンネ
フィンランド社会民主党代表
2020年 -
現職
公職
先代
アヌ・ヴェフヴィライネン
フィンランドの運輸通信大臣
2019年
次代
ティモ・ハラッカ
先代
アンティ・リンネ
フィンランドの首相
2019年 -
現職