ゲーリー・E・ジョンソン

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ゲーリー・ジョンソン
Gary Johnson
Gary Johnson campaign portrait.jpg
生年月日 1953年1月1日(63歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ノースダコタ州マイノット
出身校 ニューメキシコ大学英語版
所属政党 共和党( - 2011年)
リバタリアン党(2011年 - )
配偶者 Dee Simms(1977年 – 2005年)
Kate Prusack(2009年[1] - )
公式サイト Gary Johnson 2016

当選回数 2回
在任期間 1995年1月1日 - 2003年1月1日
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ゲーリー・アール・ジョンソンGary Earl Johnson, 1953年1月1日 - )は、アメリカ合衆国政治家実業家。所属政党は共和党だったが、2011年からはリバタリアン党に所属する。2016年大統領選挙におけるリバタリアン党指名候補[2]

第29代ニューメキシコ州知事1995年 - 2003年)、2012年大統領選挙におけるリバタリアン党指名候補[3]などを歴任した。

経歴[編集]

生い立ち[編集]

ノースダコタ州マイノットデンマークノルウェーロシアの家系を持つ公立学校の教師の父アール・W・ジョンソンとインディアン事務局の職員の母ロレーヌ・B・ジョンソンとの間に生まれた。1971年ニューメキシコ州アルバカーキサンディア高等学校英語版を卒業し、1975年ニューメキシコ大学英語版を卒業する。

実業家[編集]

大学在籍中に訪問便利屋のアルバイトで稼ぎ、卒業後の1976年に建設会社ビッグ・J・エンタープライズを設立し、20年後に1000人以上の従業員を持つ、ニューメキシコ州最大の建設会社として育て上げ成功を収めた。

ニューメキシコ州知事[編集]

1994年、自分の会社ビッグ・J・エンタープライズを売却する事を決め、共和党の有力者の助言による支持の下でニューメキシコ州知事選挙への出馬の意向を示した。自分自身の500,000ドルの選挙資金を使い、共和党の指名争いではビジネスで成功したことを宣伝しながら、減税と雇用創出、財政支出抑制を強調し、法と秩序を主張した。リチャード・P・チェイニー、ジョン・デンダール英語版や、デイビット・F・カーゴ英語版らを抑え共和党指名を勝ち取ったジョンソンは、民主党の現職知事ブルース・キング英語版に勝利し、知事として政界に入る。

就任後半年の間に、424件の両院通過法案のうち200件に対して拒否権を行使し、拒否権行使率の全米記録を作る。推進した政策は、支出削減および減税、教育バウチャーの導入などである。1998年に再選した後、マリファナ解禁を主張するが実現はしなかった。以後、2003年まで知事を務めた。

2012年大統領選[編集]

2008年大統領選挙共和党予備選ではロン・ポールを支持する。

2009年の時点で2012年大統領選挙への自身の出馬に興味を示し、政治運動団体「Our America Initiative」を立ち上げる。2011年4月21日に大統領選挙への出馬を宣言し、共和党の指名争いに参加した。だが、ジョンソンのリバタリアン寄りな立場は共和党の有力支持グループである保守層から忌避され、支持率の低迷などによりテレビ討論会に呼ばれないこともあった。ロン・ポールとのリバタリアン寄り候補の一本化を模索するも失敗する。そのため共和党からの指名を得るのが難しいと判断し、同年12月28日リバタリアン党からの指名を求めることを宣言する。

2012年5月5日に開かれたリバタリアン党大会にて、初回投票で70%の代議員票を集め、指名を獲得した[3]。ジョンソンは選挙の目標として、二大政党と同等の取り扱いを受けることのできる基準とされる、一般投票での得票率5%を狙うが、結果は1%弱の得票率に終わった。しかし、同党候補として初めて100万票以上を獲得している。得票率は同党歴代2位である。

2016年大統領選[編集]

2014年7月からネバダ州にある医療大麻会社「Cannabis Sativa」のCEOを務めていたが、2016年1月に辞任し、2016年大統領選挙に再びリバタリアン党から出馬することを表明する。2016年5月29日に開かれたリバタリアン党大会にて、2回目の投票で55.8%の代議員票を集め、指名を獲得した[4]。党大会では、もし自身が当時の大統領だったならば「1964年制定公民権法に署名しただろう」と発言し、差別的言動の規制を認めない同党の代議員からブーイングを浴びた[5]

政策[編集]

内政[編集]

財政政策[編集]

リバタリアニズムを基調としており、小さな政府、すなわち政府支出削減による均衡財政や減税による財政保守を主張している。

社会政策[編集]

同性結婚の権利擁護や、麻薬戦争の弊害解消のための大麻の合法化といった市民的自由を主張する。

妊娠中絶については女性に選択する権利があると主張している(プロチョイス)。ニューメキシコ州知事時代には、遅い学期に妊娠中絶を禁止する請求に署名しており、女性の権利と胎児の生命の両方の権利を支持した。

個人の自由と自己防衛の立場から銃規制に反対している。

福祉政策[編集]

オバマ政権による医療保険制度改革については「経済が崩壊する」との理由から反対し、公的医療保険制度の廃止を主張している。

外交[編集]

アメリカ同時多発テロ事件の際にアメリカが攻撃を受けたことから、アフガニスタンでのテロとの戦いについてはアルカーイダ一掃のため支持した。ただし、アフガニスタンに米軍を長く駐留させることには反対した。

イラク戦争リビア内戦シリア騒乱などへの介入などには反対の立場である。日本韓国ヨーロッパについては同盟国としながらも、在日米軍在韓米軍、ヨーロッパの米軍など海外のアメリカ軍基地の撤退あるいは大幅な削減を主張し、少なくとも日本、韓国、ヨーロッパに駐留するアメリカ軍の軍事支出の43%の削減を主張している。

イランは核兵器を持っておらず、もはや軍事的脅威ではないという理由からイランへの制裁に反対し、イランはイスラエルなど他の同盟国の脅威ではないと主張する。ただし、警戒する必要があるとも述べている。イスラエルは重要な軍事同盟国であるとしてイスラエルの主権を支持しているが、イスラエルへの財政援助には反対しており、イスラエルと他国との戦争にアメリカは参加もしなければ従いもしないとしている。

人物[編集]

フィットネス愛好家としても知られ、アイアンマン・トライアスロンエベレスト山の登山に挑戦している。

2005年パラグライダーの事故で複数個所を骨折した後、治癒までの3年間ほど鎮痛剤代わりにマリファナを喫煙した。以前、鎮痛剤を服用した際の副作用に懲りていたとのことである[6]。一方で、普段はアルコールのみならずカフェイン飲料や砂糖も節制している。

脚注[編集]

  1. ^ ドメスティックパートナーであり、法律上の婚姻関係にはない。
  2. ^ 米リバタリアン党、元共和党知事を大統領候補に ウォール・ストリート・ジャーナル 2016年5月30日
  3. ^ a b Libertarian Party Nominates Gary Johnson for President リバタリアン党公式サイト 2012年5月5日
  4. ^ Gary Johnson Wins Libertarian Nomination for President ABC News 2016年5月29日
  5. ^ 【社説】リバタリアン党という選択肢-米大統領選 ウォール・ストリート・ジャーナル 2016年5月31日
  6. ^ Gov. Gary Johnson: I Smoked Marijuana from 2005 to 2008 The Weekly Standard 2010年12月6日

外部リンク[編集]

公職
先代:
ブルース・キング英語版
ニューメキシコ州知事
1995年2003年
次代:
ビル・リチャードソン