エイリアン・ビッグ・キャット

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エイリアン・ビッグ・キャット
別名: ファントムキャット
概要
種別 未確認動物
詳細
イギリスの旗 イギリス
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エイリアン・ビッグ・キャット: Alien Big CatABC)は、イギリスに現れる未確認動物 (UMA) の一種。ファントムキャット: Phantom cat)、ブリティッシュビッグキャット: Biritish big caten:British big catsモギィービーストとも呼ばれる。

1960年代頃から目撃例がたびたび報告されており、写真映像の記録にも成功している。また、エイリアン・ビッグ・キャットと思われる個体の捕獲に成功した記録もあり、UMA としては実在する可能性が非常に高い稀有な存在である。

概要[編集]

エイリアン・ビッグ・キャットはヒョウピューマなどのやや大型なネコ科動物に似た外見を持ち、家畜を襲うなど獰猛な気性の生物とされている。目撃談によれば、一般的なイエネコと比べて脚が長く、全体的にがっしりした体格だという(これはヤマネコに属する各種に共通する特徴でもある)。なお、イギリスでは、近代以降これらの特徴に該当する野生動物の生息は確認されていない。

また、空気に溶け込むように姿を消す、テレポートを行うなど、超能力らしき能力を持つとする説もある。

 アビゲイル・タッカーによれば、それは「トロ―ブリッジの獣(Beast of Trowbridge)やハーリングベリーの豹(Hallingbury panther)などの」「ネコ科UFO」であり、「旧大英帝国(英国 オーストラリアニュージーランド)の一部」大型ネコ科動物が自然界に居ない、あるいはかつて一度もいたことのない場所でとりわけよく出現するもの[1]である。

 ナカイサヤカによれば、それは「英国をはじめとするヨーロッパ諸国やカナダ、アメリカ西部」などで目撃されているという大型のネコ科動物で、「Bigcat」は「トラライオンヒョウジャガーなどの「ガオー」と鳴く」野生の大型猫を指し「ピューマなど」も含めることもあるという[2]

  イギリスサリー州で、1825年から目撃され、1964年の目撃情報では「肩の高さ3フィート 全長5フィート」と言われるが、1968年にこれを「射殺した」とする農民が現れているもののそれの死体は確認されていない「サリーのピューマ」(en:Surrey Puma)や、ロンドンで、1963年警官が遭遇した「シューターズヒルのチーター」、コーンウォールのボドミンムーアで、1980年代から「巨大なネコ科動物を見た」「家畜が襲われた」という報告が相次ぎ、1995年に調査が行われた(調査は空振りに終わった)「ボドミンムーアの獣」(en:Beast of Bodmin Moor)、やはりコーンウォールで、1970年代から家畜を襲い1983年、地元農家が3か月で羊を100頭以上噛み殺されたと被害を訴えたこともある「エクスムーアの獣(英語版)」などがいる。

 その生物について、並木伸一郎は『ヴィジュアル版UMA生態図鑑』で、「1962年から」目撃が急激に増えた[3]また、『UMA目撃ファイル』で、「1995年から」目撃事件が増加し始めた[4]と言っている。

 いずれも、「写真をとった」「死体を発見した」と言われるものの、後述するピューマを除けば大型猫のものと識別できるものはなく、大抵は、被写体はイエネコかイヌ、死体はペットとして飼われていた中型のヤマネコで、いわゆる大型猫の捕獲例はほぼない。

考察[編集]

正体については、次のような仮説が立てられている。

野生化したペット説
イギリスでは違法な生物の飼育による事件がたびたび発生しており、猛獣を山中に生きたまま放置した例も実際に報告されている。特にピューマは環境に対する適応能力が高く、イギリス国内で野生化し生存し続ける可能性は充分考えられる。1970年代からファントムキャットの被害があったスコットランドハイランド地方1980年、雌のピューマが捕獲され、動物園に引き取られ、「フェリシティ(fericity)」と命名され、死後は剥製になっている。[5]
 さらに、ブリストル市立博物館・美術館に保管されていた「ヨーロッパヤマネコの剥製」が、2013年の調査で、「恐らくペットと思われるカナダオオヤマネコ」であったことが判明、「19世紀以前に外来ネコ科動物がペットとして飼われていた可能性」の根拠となっている。
 また、「国内に持ち込まれたヤマネコ」と、イエネコとの交雑種とする説も多い(実際に該当する交雑種の個体が捕獲されている)。目撃者は1比較する対象のない野外で発見することが多く、2「家畜を襲う、大きなネコ」というバイアスがかかった状態で、それを見ることが大半であるため、実際捕獲された個体の大半は報告より小さい。2012年エセックス州田園地方で目撃された「エセックスのライオン」は、「の2倍くらいの大きさ」と言われていたが、実際は「大柄で生姜色の飼い猫」であった[6]ナカイサヤカは「フェリシティ」事件以降でABCの認識が「謎の生物」から「無責任な飼主が捨てたペット」へと変わった点を指摘している。ナカイはさらに、「ライオンなどの大型獣をペットにしている」人がいる割に「逃げ出したネコ科動物のほとんどが中型の動物」で、ABCの大半が「ピューマかクロヒョウ」のようであるという点を上げてこの説に疑問を投げかけている。
新種のヤマネコ説
「従来の区別に当てはまらない、イギリス土着のヤマネコが存在する」というもの。約1万年前までイギリス本土に生息していた、オオヤマネコの生き残りとされる[7]
人工生物説
バイオテクノロジークローン技術など)によって生みだされた生物が脱走した」、という説[8]。同種の説は、チュパカブラなどにも唱えられている。
ぬいぐるみなど
ナカイによれば、2011年ハンプシャー2013年ロンドン2017年イングランドケンブリッジシャー2018年スコットランドで、「ABCを発見した」と言われ、中には警察も出動したものの、実は大型のぬいぐるみであった、という事件が発生している。これらは野外へ捨てられあるいはいたずら目的で置かれたものを誤認したもので、ABCの存在を信じている人が多いゆえの事件といえる[9]。また、1989年に撮影された エクスムーアの獣の写真とされる「黒っぽいヒョウかピューマのようなもの」は「ボール紙を切り抜いたもの」であったという[10]
目撃者が作る可能性
 ナカイは、ABCの目撃事件を精査し、それらはa目撃写真の判定を見る限り映っているのはイヌイエネコで、b家畜を殺したものは、ネコ科の生き物ですらなくイヌキツネの可能性が高いという説がある 点をあげ、「逃げ出したペット」「大型で黒い動物を見た」「家畜が殺されている」という別々の事象がABCのイメージに沿って融合し造られた可能性を示唆している。オーストラリアの事例であるが、藤川隆男によれば、1884年タンタヌーラ(tantanoola)で、家畜が襲われる被害が相次ぎ、それを行う害獣について、それは「サーカス場から逃げ出したトラ」であるという噂が立ち、1895年、トラではなくオオカミが捕獲はされた(該当記事英語版)ものの、さらにその後も「トラを見た」という目撃情報は続いた[11]

脚注[編集]

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  1. ^ アビゲイル・タッカー著 西田美緒子翻訳『猫はこうして地球を征服した』インターシフト2018年 7頁
  2. ^ ASIOS『UMA事件クロニクル』彩図社2018年 93頁。
  3. ^ 並木伸一郎『ヴィジュアル版UMA生態図鑑』学習研究社2014年 140頁。
  4. ^ 並木伸一郎『UMA目撃ファイル』竹書房2012年 200頁。
  5. ^ ASIOS『UMA事件クロニクル』彩図社2018年 96頁 なおナカイサヤカによれば、フェリシティが人に慣れている点からこの個体が家畜を襲撃し得たかは疑問が持たれているという
  6. ^ アビゲイル・タッカー著 西田美緒子翻訳『猫はこうして地球を征服した』インターシフト2018年 8頁
  7. ^ 並木伸一郎『未確認動物UMAの謎』学研2002年 170頁
  8. ^ 山口敏太郎『未確認生物UMA 衝撃の新事実』宝島社2016年 227頁。なおここにおいては厳密には「宇宙人が遺伝子工学で作り出した」ものの可能性。
  9. ^ ASIOS『UMA事件クロニクル』彩図社2018年 98頁。
  10. ^ ASIOS『UMA事件クロニクル』彩図社2018年 95頁。
  11. ^ 藤川隆男著 『妖獣バニヤップの歴史』 刀水書房2016年 234頁また藤川は、同書において「旧来の怪物が恐怖の力を無くす」と対照的に、豪州の人々が19世紀末から「家畜や人間を襲う」「大型のネコ科動物」を恐れるようになったと指摘している(同著233~234頁)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]