ウシガエル

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ウシガエル
ウシガエル
ウシガエル Lithobates catesbeianus
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 LC.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 両生綱 Amphibia
: 無尾目 Anura
: アカガエル科 Ranidae
: アメリカアカガエル属 Lithobates
: ウシガエル L. catesbeiana
学名
Lithobates catesbeiana
(Shaw, 1802)[2]
和名
ウシガエル[3]
英名
American bullfrog[1][2][3]
Bull frog[2]
Common bullfrog[1][2]

ウシガエルLithobates catesbeiana)は、無尾目アカガエル科アメリカアカガエル属に分類されるカエル。


名前から勘違いしやすいが外来種であり雑食性の生態系を破壊し、元々いた在来種の生存を脅かす危険な存在でもある[4]

分布[編集]

アメリカ合衆国東部・中部、カナダ南東部、メキシコ北東部に自然分布する[5]

模式標本の産地はチャールストン周辺(サウスカロライナ州)[2]。日本(北海道本州四国九州南西諸島)、大韓民国台湾、アメリカ合衆国(プエルトリコ)、ヨーロッパ(イタリアオランダフランスなど)、キューバメキシコタイマレーシアに外来種として定着している[6]

ウシガエル

形態[編集]

体長11 - 18センチメートル[3]。体重500-600グラムほど。

頭部の幅は、頭長よりも長い[3]。後肢の水かきは非常に発達する[3]

オスの背面は暗緑色で、淡黒色の斑紋がまばらにある。メスの背面は褐色で、斑紋がオスよりも多い。雌雄ともに腹面は白いが、オスでは喉の部分が少々黄色みがかっている。鼓膜はオスで眼径の1.3 - 1.7倍、メスで0.9 - 1.2倍[3]。鼓膜は非常に大きく、メスでも眼の直径にほぼ等しく雄ではその倍近くある。

分類[編集]

以前はアカガエル属に分類されていたが、分子系統解析からアメリカ産の他種と共に単系統群を形成することからアメリカアカガエル属Lithobatesに分割する説もある[3]。一方でアメリカアカガエル属は形態の差異が大きく、鼓膜が眼の直径と同程度かより大きい・後肢外側にある隆起(外蹠隆起)がないといった他属とも共通する共有形態しかもたない[3]

生態[編集]

水草の繁茂する流れの緩やかな河川湿地などに生息する。

夜行性。強い警戒心により日中も暗所を好むため、しばしばアシの茂み、岸辺のオーバーハング、土管、暗渠などに潜み、水中から目鼻のみ出している。外敵が近づくと跳躍して逃げる。夜間は上陸したり継続的に鳴くなど、活動がより活発となる。

鳴き声は「ブオー、ブオー」というウシに似たもので、和名の由来にもなっている声は非常に大きく数キロメートル離れていても聞こえることもあり、時に騒音として問題になるほどである。なお、まれに「ニャー」と鳴く個体も見られることが、2016年9月2日に朝日放送で放送されたバラエティ番組『探偵!ナイトスクープ』で立証されている[7][8]

食性は肉食性。水中、水面、陸上、いずれでも捕食行動を行い、昆虫類甲殻類などの節足動物、さらに魚類、両生類、小型爬虫類鳥類、小型哺乳類、果ては自分より小さい同じウシガエルに至るまで、口に入るあらゆる動物が捕食対象となる。日本ではカマキリバッタトンボヤゴなどをよく食べている。15cm以上の成体になると、ウシガエルのオタマジャクシあるいは小型のカエルにとっては天敵となりうるアオゴミムシゲンゴロウタガメなどをも捕食する[要出典]。水面に落下して動けなくなった昆虫なども餌となるため、死骸であっても目の前に落ちてくると摂食する。

繁殖様式は卵生。5 - 9月上旬に4,000 - 60,000個の水面に浮かぶ卵を産む[3]。日本では5-9月に寒天質に包まれた6,000-40,000個の卵を産む[5]。幼生の状態で越冬し、翌年の夏に変態し幼体になる。幼体は水場をつたい、他の水場へ移動する。

冬期の成体は水底の泥土に半ば潜り込んで冬眠する。

人間との関係[編集]

食用とされることもあるため、食用ガエルという別名を持つ[5]。ただし食用蛙という語は、食用にされる様々なカエルの総称としても使われ得るので、注意が必要。皮をむいた後ろ足を食用とし、世界各地で養殖されている。

日本には1918年に、東京帝国大学の教授であった動物学者の渡瀬庄三郎が食用としてアメリカ合衆国(ルイジアナ州ニューオリンズ)から十数匹を導入した。その後、1950年から1970年にかけて輸出用として年間数百トンのウシガエルが生産されたといわれている[5]。これに関連してアメリカザリガニが本種の養殖用の餌として輸入された。

ウシガエルのおたまじゃくし

味は鶏肉、特にササミに似る。肉は脂がほとんど無いため、炒め物やフライとして食べることが多い。ただしフランス料理店や中華料理店を除くと、平成以降の日本ではいわゆる「下手物料理」を出す居酒屋くらいでしか見られない。また、おたまじゃくし寿司のタネとした「おたま寿司」も存在する。「食用蛙供養塔」が東京都江戸川区浄土宗法龍寺にある。

現在の日本では後述するように法律で流通が規制されたこともあり、本種が食用として利用されることはまずない。しかし、実験動物としての需要はなおも大きい[5]

食用として養殖された個体が逃げ出し、日本各地のみならず世界中に定着している。日本では水産試験場の主導のもと各地に放逐が繰り返されたが、食材としての価値が薄れると必要なくなった本種を処分するためさらなる放逐が横行した[9]。また、教育や実験目的で飼育されていた個体も遺棄された可能性がある。

大型かつ貪欲で、環境の変化に強い本種は在来種に対する殲滅的捕食が懸念されている。日本を始めアメリカや韓国では在来カエルの減少が問題視されており、本種が生息している水域では他のカエルが見られなくなってしまった場所もある[9]国際自然保護連合によって世界の侵略的外来種ワースト100に指定されているほか、日本でも日本生態学会によって日本の侵略的外来種ワースト100に選ばれている。こうした悪影響からヨーロッパや韓国では輸入が禁止されている[5]

日本では2005年12月に特定外来生物に指定(2006年2月施行)され、飼養・保管・運搬・放出・輸入などが規制された[10]。2015年に環境省の生態系被害防止外来種リストにおける総合対策外来種のうち、重点対策外来種に指定されている[10]

出典[編集]

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  1. ^ a b c IUCN SSC Amphibian Specialist Group. 2015. Lithobates catesbeianus. The IUCN Red List of Threatened Species 2015: e.T58565A53969770. http://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2015-4.RLTS.T58565A53969770.en. Downloaded on 07 November 2017.
  2. ^ a b c d e Lithobates catesbeiana. Frost, Darrel R. 2017. Amphibian Species of the World: an Online Reference. Version 6.0 (Date of access). Electronic Database accessible at http://research.amnh.org/herpetology/amphibia/index.html. American Museum of Natural History, New York, USA. (Accessed: 07/11/2017)
  3. ^ a b c d e f g h i 松井正文 「アメリカアカガエル属」「ウシガエル」『ネイチャーウォッチングガイドブック 日本のカエル 分類と生活史 全種の生態、卵、オタマジャクシ』、誠文堂新光社2016年、137-141頁。
  4. ^ 本命は雑食性の危険な存在 池の水を抜いてみたら…[リンク切れ]
  5. ^ a b c d e f 多紀保彦(監修) 財団法人自然環境研究センター(編著) 『決定版 日本の外来生物』 平凡社2008年4月21日ISBN 978-4-582-54241-7
  6. ^ ウシガエル 国立環境研究所 侵入生物DB
  7. ^ 『探偵!ナイトスクープ』2016年9月2日放送分 - 朝日放送
  8. ^ 『探偵!ナイトスクープ』 【パパは林家たい平さん?▽ニャーと鳴くカエル▽亡き父の滝】 の番組概要ページ - gooテレビ番組(関西版)
  9. ^ a b 村上興正・鷲谷いづみ(監修) 日本生態学会(編著) 『外来種ハンドブック』 地人書館2002年9月30日ISBN 4-8052-0706-X
  10. ^ a b ウシガエル特定外来生物等一覧特定外来生物等一覧(指定日別)生態系被害防止外来種リスト環境省 ・2017年11月7日に利用)

関連項目[編集]