アルファロメオ・GTV

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アルファロメオ・GTV
20080830123940.jpg
販売期間 1996年 - 2006年(日本国内)
デザイン ピニンファリーナ
乗車定員 4人
ボディタイプ 2ドア クーペ
エンジン 2.0リッターV型6気筒ターボ
3.0リッターV型6気筒NA
3.2リッターV型6気筒NA
2.0リッター 直列4気筒
最高出力 200PS/6000rpm(2.0V6TB)
220PS/6,300rpm(3.0V6)
240PS/6200rpm(3.2V6)
150PS/6300rpm(2.0TS)
最大トルク 27.6kgm/2400rpm(2.0V6TB)
27.5kgm/5000rpm(3.0V6)
29.4kgm/4800rpm(3.2V6)
18.4kgm/3800rpm(2.0TS)
変速機 5MT(2.0V6TB,3.0V6,2.0TS)
6MT(3.0V6,3.2V6)
駆動方式 FF
サスペンション フロント:マクファーソン・ストラット
リア:マルチリンク
全長 4,290mm
全幅 1,780mm
全高 1,315mm
ホイールベース 2,540mm
車両重量 1,420kg(2.0V6TB,3.0V6,3.2V6)
1,350kg(2.0TS)
先代 アルフェッタGT/GTV GTV6
後継 アルファロメオ・ブレラ
-自動車のスペック表-

アルファロメオGTVAlfa Romeo GTV )は、イタリアの自動車会社アルファ・ロメオが製造したクーペ型の乗用車。
アルフェッタGTV以来、長い間途絶えていたアルファ伝統の車名を復活させたスポーツクーペである。

Alfa Romeo GTV 3.0 V6 24V
Alfa Romeo GTV 3.0 V6 24v Phase1
GTV 内装

特徴[編集]

外装デザインはイタリアの代表的カロッツェリアの一つ、ピニンファリーナに在籍していたエンリコ・フミアの手による。

ウェッジシェイプの低いフロントノーズとキックアップした高いテールを結ぶ、フロントフェンダー下部からリアトランクに至る大胆な斜めのキャラクターラインが大きな特徴。
プロジェクターランプを用いた丸目4灯のヘッドライトは、同じエンリコ・フミアによるアウディベースのショーモデルPininfarina Quartz(1981)を想起させる。

フィアット・ティーポ等と同じ「ティーポ2」のプラットフォームをベースとした横置きエンジンの前輪駆動車で、GTVのロードスターバージョンと言えるスパイダー(916)とプラットフォームを共用する。

ボディサイズは全長4,290mm、全幅1,780mm、全高1,315mmで、ホイールベースは2,540mm。
サスペンションはフロントが155サルーンベースのマクファーソン・ストラットであるが、リアはこのモデル用として新たに開発されたマルチリンクとなっている。
乗車定員は4名だがリヤシートは狭く、2+2のスポーツクーペの域を出るものではない。
トランク容量も外観から想像するよりかなり狭く、また開口部の前後長も短いため実用的とは言い難い。
(最終型はトランク床面下にパンク修理剤とエアーポンプを装備してスペアタイヤが廃止されたため、僅か実質的な容量が増えた)

GTVとは、Gran Tourismo Veloceの略で、速いGTカーを意味する。尚、現在は途切れてしまったがGTVはアルファロメオ伝統のネームである。

歴史[編集]

1994年のモンディアル・ド・ロトモビルで正式発表。日本国内には1996年から導入され、2006年まで販売された。
(以下は日本国内向けモデルを記載)

1996年モデル[編集]

(フェーズ1)

2.0リッターV6ターボ 12V (1,996cc、200PS/6,000rpm)、左ハンドル、5MTの単独グレードで日本国内発売。

1997年モデル[編集]

1997年6月にエンジンが自然吸気3.0リッターV6 24V(2,958cc、220PS/6,300rpm)となり、これに伴いフロントブレーキがブレンボ製4ポッドタイプにアップグレードされた。
また、アルミホイールのデザインも一新され、インテリアではステアリングが3本スポークタイプとなった。(これ以前は4本スポークタイプ)
なお、ハンドル位置は左のままでギヤボックスも5MTと変更は無い。

1998年モデル[編集]

(フェーズ2)

1998年10月に比較的大きな仕様変更が実施された。
センターコンソールがシルバー仕上げのフラットなパネルに変更され、ベンチレーションの吹き出し口やコントロールダイヤル類もデザインが変わった。
エアコンはそれまでのマニュアルタイプからオートエアコンとなり、ギヤボックスは6MTが搭載された。
これに伴い、日本国内モデルは右ハンドル仕様に変更された。

また基本的にエンジンは同じ3.0リッターV6ながら(実際エンジン型式もフェーズ1から変わっていない)、スロットルバルブがワイヤー式からモータ駆動となり燃料供給系統や冷却系統も見直されるなど、各部に細かい改良が施された。

2001年モデル[編集]

2001年9月よりEURO3の排気ガス対策に対応した仕様となり、最高出力=220PS→218PS/6,300rpm 最大トルク=27.5kgm→27.0|kgm/5,000 rpmと僅かにデチューンされた。

2003年モデル[編集]

(フェーズ3)

2003年7月、再び大きな変更を受けフロントグリルのデザインが一新された。
アルファロメオの盾、つまりグリルの部分が縦方向に大きく拡大され、フロントのナンバープレートは左側にオフセットしてマウントされた。(これもピニンファリーナによりデザインされたが、エンリコフミアではない)
エンジンは3.2リッターに拡大され(V6 24V 3,179cc、240PS/6,200rpm)、ハンドル位置は再び左となった。また後にGTVとしては初めて2リッターTSエンジンモデルが国内導入され、3.2リッターV6と2リッターTSの二本立てで2006年4月まで販売された。

なお、本国イタリアでは1.8リッターTSや3.0リッターV6 12V、最終モデルでは2.0リッターJTSエンジン等のモデルも存在したが、日本向けモデルには導入されていない。

エンジン[編集]

(日本仕様)

モデル エンジン 排気量 ボアxストローク 圧縮比 最高出力 最大トルク エンジン型式 日本国内発売時期
2.0 V6 TB V型6気筒+ターボチャージャー 1996 cc 80.0x66.2mm 8.0:1 200 PS (147 kW) / 6,000 rpm 27.6 kg·m (271 N·m) / 2,400 rpm
(28.5 kg·m (279 N·m) オーバーブースト時)
AR 16202 1997年6月
3.0 V6 24V V型6気筒 2959 cc 93.0x72.6mm 10.0:1 220 PS (162 kW) / 6,300 rpm 27.5 kg·m (270 N·m) / 5,000 rpm AR 16102 1997年6月
3.0 V6 24V V型6気筒 2959 cc 93.0x72.6mm 10.0:1 218 PS (160 kW) / 6,300 rpm 27.0 kg·m (265 N·m) / 5,000 rpm AR 16105 2001年9月
3.2 V6 24V V型6気筒 3179 cc 93.0x78.0mm 10.5:1 240 PS (176 kW) / 6,200 rpm 29.4 kg·m (288 N·m) / 4,800 rpm 936A6000 2003年7月
2.0 TS 直列4気筒 1970 cc 83.0x91.0mm 10.0:1 150 PS (110 kW) / 6,300 rpm 18.4 kg·m (180 N·m) / 3,800 rpm AR 32310 2004年7月

構造[編集]

後突(後方の車両から追突されること)時の燃料タンク保護のため、燃料タンク(容量は70L)はリアアクスル前方、リヤシート直後に設置され安全性を高めている。バッテリーはこの燃料タンク右上のトランク内奥に設置されている。
このタンク配置と嵩張るマルチリンクリアサスペンション、及び短いリアオーバーハングのためトランクの収納スペースはVDA基準で110Lと狭く、特に前後方向に非常に短い。ただし深さだけは確保されており、小型のスーツケースなら縦に入れることが出来る。

軽量化のため、ボンネット(エンジンフード)はKMCと呼ばれる複合材料(ポリエステルやグラスファイバー、エポキシ系接着剤等)で造られている。
ボディシェル主要部(サイドシル、ドア、リアクウォータパネル、ルーフ、フロント&リアサイドメンバー等)には亜鉛メッキ鋼板が用いられ、錆に対する耐久性が高められている。

ステアリングギアレシオは高く、ロック・トゥ・ロックは2.2回転程度である。

(当然のことではあるが)クローズドボディのGTVはスパイダーよりボディ剛性が約60%高い。(とはいえスパイダーも綿密な対策により、かつてのオープンロードスターにありがちであったスカットルシェイクは大幅に低減されている)
前後重量配分は4気筒モデルでフロント61%/リア39%、V6モデルでフロント63%/リア37%となっている。

日本国内モデルではフェーズ1、フェーズ2共に16インチホイールに205/50タイヤが標準装備であり、フェーズ3では17インチホイール&225/45タイヤの組み合わせとなった。

その特徴的なスタイルゆえドアは非常に大きく厚いため、幅の狭い駐車場での乗降性はかなり悪い。
また、ドアノブはフラッシュサーフェスの丸いプッシュボタンとなっておりデザイン性は高いが、爪を伸ばした人にはドアを開けにくいような形状でもある。 (空気抵抗係数は0.33)

サスペンション[編集]

フロントサスペンションは一般的なマクファーソンストラットで、オフセットコイルスプリングとアンチロールバーを備える。

リアサスペンションは複数のサスペンションアームで構成された新開発のマルチリンクタイプで、軽合金製のサブフレームにマウントされる。
このマルチリンクサスペンションはジオメトリーとゴムブッシュの適切な設計&チューニングにより、コーナリングの初期段階においては遠心力により前輪と逆位相の僅かな”後輪ステア”を発生する。そして、コーナリングが進み遠心力が高まると、後輪が前輪と同位相にステアする。
この結果、コーナリングの初期には俊敏なターンインを可能とし、コーナリングの後半においては安定性を増加させている。

ブレーキ[編集]

フロントブレーキは、初期の2.0 V6 ターボモデルでは284mm径のルーカス、又はATE製のベンチレーテッドディスクであり、3.0 V6 24Vモデルではブレンボ製の4ポッドキャリパー(白地の"alfaromeo"ロゴに赤いペイント)を備えた305mm径ベンチレーテッドディスクとなっている。リアは全てのモデルで240mm径のルーカス製ソリッドディスクとなる。

外部リンク[編集]