香川県道10号高松長尾大内線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Super medalist (会話 | 投稿記録) による 2022年8月15日 (月) 03:17個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎旧道区間)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

主要地方道
香川県道10号標識
香川県道10号 高松長尾大内線
主要地方道 高松長尾大内線
総延長 33.137 km
開通年 1971年
起点 高松市春日町字片田1642番4地先【北緯34度20分21.5秒 東経134度5分23.5秒
主な
経由都市
さぬき市
終点 東かがわ市町田695番1地先【北緯34度15分11.1秒 東経134度18分9.2秒
接続する
主な道路
記法
国道11号
都道府県道12号標識
香川県道12号三木国分寺線
都道府県道13号標識
香川県道13号三木綾川線
都道府県道3号標識
香川県道3号志度山川線
都道府県道2号標識
香川県道2号津田川島線
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路
香川県道10号高松長尾大内線(さぬき東街道
さぬき市昭和

香川県道10号 高松長尾大内線(かがわけんどう10ごう たかまつながおおちせん)は、香川県高松市から東かがわ市に至る県道主要地方道)である。

概要

香川県道10号高松長尾大内線木太町別線(旧道 長尾街道区間内)
高松市木太町

高松市中心部から東かがわ市西部に至る県道である。当線は香川県内で完結する県道のうちで、最も若い路線番号が振られた県道である。当線より若い番号が振られた県道はすべて、県境を越える「越県県道」であり、この規則性に則って越境先の路線番号も香川県内と統一されている。

時に本県道の前身となった長尾街道を通称とするが、本路線の通じている区間の地域においては歴史的経緯から、この通称はバイパス改良前の旧道区間をさすことが多く、現在の本路線となるバイパス改良後の道路に対しては、もっぱらさぬき東街道もしくは長尾バイパスの通称を利用する事がほとんどである。

別線

ただ、旧道(長尾街道)の木太町区間[1]は県道指定が外れておらず別線となっており、同区間においては現在も旧来同様に本路線の路線番号案内標識が付与されている。だが、この別線は現時点において起終点はおろか区間内のどこにも、現行本線との接続が無い、一種の飛地別線となっている。この別線から本線(さぬき東街道)に乗るためには別線の終点である木太東口交差点から、旧道である長尾街道の続路でありながら県道指定を解除されて高松市道になっている区間(現・高松市道木太東山崎線)ないしは高松市道室町新田線香川県道272号高松志度線重複)を東進する必要がある。

同様に旧道(長尾街道)のさぬき市大川町田面の区間[2]も指定は外れておらず別線となっている。ただしこちらは前述の木太町別線とは異なり、起終点の両交差点において現行本線(さぬき東街道)に接続された支線となっている。

現在の木太町別線には本線であった2014年まで、終点の木太東口交差点から栗林公園方面に延伸する別線が存在した。それは現在における香川県道272号高松志度線の松縄町交差点から木太東口交差点までに該当する区間(木太高架橋区間)であり、2014年4月15日の県告示によって同区間は県道10号別線から県道272号本線に登録が変更された。

路線番号の変遷

1971年12月1日時点での県道番号は11号だったが、国道11号と近接して紛らわしかったため、1982年7月から欠番となっていた10号に変更している。

路線データ

全ての座標を示した地図 - OSM
全座標を出力 - KML
  • 本線
    • 起点:高松市春日町字片田1642番4地先(片田交差点 = 国道11号交点)
    • 終点:東かがわ市町田(丹生交差点 = 国道11号交点)

歴史

路線状況

四国の大動脈である国道11号(志度街道区間)と並行しており、起点・終点共に同国道に接続されている。沿岸部を経由する国道11号に対し、当線は内陸部を経由している。そのため、国道11号でもバイパスが無く混雑率が高い高松市牟礼地区、及びさぬき市の2車線区間を迂回することを可能とする道路とされており、古来より実質上における国道11号のバイパス道路として機能している。このために交通量は非常に多く、常時、その対応が求められている。

現行本線

本線は上記のとおり、現在バイパスとして建設され供与後に本線路線へと切り替えられた改良済み区間が多く、またさぬき市・東かがわ市市境付近を除いて全線が平野部をルートとしているため、比較的直線区間の多い4車線道路となっている。ルートは起点の片田交差点から南下した後、下田井交差点付近からは南東方向に変わり、高松市・三木町境付近から再びカーブを経ると、そのまま東進し終点の丹生交差点に達する。

ロードサイドには道路整備以前の田園風景が広がっているが、所々でフジグランハローズ大黒天物産などに代表される大規模郊外型ショッピングセンターや、ファッションセンターしまむらなどの郊外出店に強いチェーン店、また大規模展示を必要とする特殊な専門店(自動車販売店、石材店、業務用スーパーなど)が出店している。

旧道区間

旧道である「長尾街道」もまた、現在でも地元の生活道路を兼ねた幹線として使用されている。特に旧道の近辺には小学校中学校、さらには郵便局銀行支店や個人病院が多く存在し、登下校時刻になると子どもの通行が頻繁にみられる。また、木田郡三木町およびさぬき市長尾町は、本路を中心地として役場や市役所支所、高松東警察署高松市三木消防署、大川広域西消防署寒川分署などの行政機関が沿線上に設置されており、旧道(書類上は県道そのものではなく、県道の一部分と市道・町道の各部からなる非連結の道路)でありながら、現在でも実質上、地域の行政実務における中心幹線となっている。

また、そのために地域において重要な商業・公共施設も旧道を中心に施設されている事が多く、香川県道10号旧道(長尾街道)はバイパスが整備され県道としての登録が切り換えられた後も、実質上の主要広域幹線として機能している。特に、長らく地来のチェーンストアとして活動していたマルナカは、旧道ロードサイドへの出店が目立っている。

通称

本線の通称は、主には上記の通り旧道を指して「長尾街道」とし、バイパスを指して「さぬき東街道」(ないしは東街道)とされているが、前者を旧道と呼称する上で後者を新道(しんどうないしはしんみち)ないしは長尾バイパスと呼称して区別する者もいる。ただし「新道」とした場合は、さぬき東街道よりもさらに南を東西に走るさぬき新道を指す場合もある。

また、地元民の間では「(香川)県道10号」と呼称して旧道である「長尾街道」を指す者も多く(地元の町内会による路肩の道路地図が更新されていなかったり、上記の通り実質上の主要幹線の機能がバイパス側に移っていなかったりしているのが主な原因)通称の統一認識が非常に曖昧な場合があるため、地元民との会話や書類の中にこれら通称が出る場合は「その通称を使っている相手が、どの立ち位置によって会話を構成しているのか」をきちんと確認する必要がある。

名称・愛称

  • さぬき東街道・長尾バイパス(高松市、三木町、さぬき市、東かがわ市)
    • 現在において「香川県道10号高松長尾大内線」全体を指す愛称はこれのみである。
  • 長尾街道(高松市、三木町、さぬき市、東かがわ市)
    • 基本的には旧道の愛称である。ただし豊田交差点から丹生交差点まではさぬき東街道との重複区間であるため、この部分のみ本線の愛称として通用する。また木太町別線およびさぬき市別線もかつての旧道であるため、この別線登録区間においても、この愛称が適用される。

重複区間

道の駅

橋梁

本線

  • 福万大橋(新川・三木町大字氷上)
  • 新井戸橋(鴨部川・三木町大字井戸)
  • 新布勢橋(地蔵川・さぬき市寒川町石田西)
  • もりひろ橋(梅壇川・さぬき市寒川町石田東)
  • 平尾橋(さぬき市寒川町石田東)
  • 新松尾橋(津田川・さぬき市大川町田面)
  • 北川大橋(北川・東かがわ市土居)

旧道

  • 木太大橋(詰田川・高松市木太町)

都市計画道路指定

  • 高松市
    • 屋島東山崎線の一部 片田交差点 - 東山崎町交差点
  • さぬき市
    • 大通線の一部 三木町境 - 下通り交差点

交通量

この表は2010年調査時点の状況を反映しており、現在とは当線を取り巻く指定状況が大きく変更されているため異なる。この表にある本線のうち琴電松島踏切交差点から東山崎町北交差点まで及び別線3の全線が県道指定を取り消されて旧道に、別線1の全線が香川県道272号高松志度線となり、この表に無い市道屋島東山崎線のうち片田交差点から春日町交差点が県道10号に追加されている。また同時に、別線2(バイパス)の区間は全部が本線に編入されている。

交通量は全体的に起点に向かって多くなっているが、本線中の琴電松島踏切交差点から東山崎町北交差点までは2車線の非改良区間であるため、混雑度が最も高いにもかかわらず交通量が少ない。高松市内を離れると交通量が減り、平均旅行速度が速くなる。

最も交通量が多いのは別線1の区間であるが、この区間は当線と市道花ノ宮木太線及び市道室町新田線からなる都市計画道路室町新田線の一部であったため、本線とは異なって東西方向の道路であり、交通体系としては別系統である。

24時間交通量(2010年度交通センサス)[4]
区間 観測地点 交通量 混雑度 昼間平均旅行速度
2010年 前回比 上り 下り
琴電松島踏切交差点-多賀橋南 - 1万3814台 -465台 1.02 15.3 km/h 14.1 km/h
多賀橋南交差点-上福岡町交差点[5] 1万6364台 -3961台 1.18 10.8 km/h 19.9 km/h
上福岡町交差点-西札場交差点 高松市元山町字下大熊1192番地3 1万1224台 -165台 1.44 22.3 km/h 23.7 km/h
西札場交差点-札場東交差点 12.1 km/h 13.6 km/h
札場東交差点-木太東口交差点 24.7 km/h 17.2 km/h
木太東口交差点-川添橋西詰交差点 31.3 km/h 36.9 km/h
川添橋西詰交差点-東山崎町北 27.7 km/h 24.5 km/h
東山崎町北交差点-東山崎町交差点 高松市東山崎町字中所716番地 2万2755台 +4974台 0.66 22.7 km/h 13.8 km/h
東山崎町交差点-下田井交差点 さぬき市昭和字下屋3117番地 1万9764台 -2940台 0.70 30.8 km/h 32.7 km/h
下田井交差点-十川西町交差点 46.8 km/h 41.4 km/h
十川西町交差点-十川東町交差点 34.0 km/h 32.1 km/h
十川東町交差点-高松市・三木町境 -532台 43.5 km/h 46.3 km/h
高松市・三木町境-福万交差点 0.56
福万交差点-氷上交差点 35.8 km/h 32.7 km/h
氷上交差点-八戸交差点 38.1 km/h 37.2 km/h
八戸交差点-中井戸交差点 43.7 km/h 49.6 km/h
中井戸交差点-三木町・さぬき市境 51.5 km/h 41.6 km/h
三木町・さぬき市境-長尾中央交差点 0.61
長尾中央交差点-石田西交差点 - 1万6053台 -681台 0.53 49.2 km/h 54.5 km/h
石田西交差点-本村西交差点 40.2 km/h 35.1 km/h
本村西交差点-石田高校南交差点 0.48 41.4 km/h 36.5 km/h
石田高校南交差点-田辺池南交差点 55.1 km/h 60.2 km/h
田辺池南交差点-みろく自然公園東 43.3 km/h 46.1 km/h
みろく自然公園東-富田東交差点 55.3 km/h 39.4 km/h
富田東交差点-豊田東 東かがわ市中山618番地 1万2234台 -4500台 0.52 47.9 km/h 50.8 km/h
豊田東-新池交差点 - 1万0314台 -1318台 0.87 32.4 km/h 41.4 km/h
新池交差点-大東交差点 38.6 km/h 35.1 km/h
大東交差点-丹生交差点 東かがわ市中山618番地 1万2234台 +602台 1.10 45.6 km/h 37.1 km/h
別線1
市道花ノ宮木太線-木太南小学校北 高松市木太町字中川東3844番地1 2万9062台 -255台 1.28 30.6 km/h 22.5 km/h
木太南小学校北交差点-木太東口 19.3 km/h 19.3 km/h
別線2(バイパス)
春日町交差点-宮の原交差点 - 2万3329台 -990台 0.72 24.8 km/h 28.8 km/h
宮の原交差点-東山崎町北交差点 高松市東山崎町字中所716番地 2万2755台 +4974台 0.62 30.4 km/h 31.7 km/h
別線3
豊田東-大東交差点 東かがわ市中山618番地 1万2234台 - 1.10 41.4 km/h 42.5 km/h
本線平均 1万6004台 -837台 0.81 37.0 km/h 35.8 km/h

東山崎町の暫定2車線区間問題

2008年3月まで、高松市東山崎町(東山崎町北交差点 - 東山崎町交差点)のみ暫定2車線区間が残り、渋滞が多発していた。とりわけ2005年以降、この区間の北方に商業施設が多く建設されたため、渋滞はさらに深刻化していた。これは、この区間内に高松琴平電気鉄道長尾線の踏切があるためであった。同線は1998年より高架化事業が行われており、高架自体はほとんど完成していたが、この踏切のすぐ瓦町方にある取付部分では地権者の強固な抵抗にあい、また2001年12月の高松琴平電気鉄道の経営破綻もあって、この付近に関しては2003年ごろからは全く動きがなかった[6]

2006年に入って土地収用手続きが開始され、事業が動き出した。高架線は2007年10月7日に供用が開始され、道路は2008年3月24日に4車線化が完成し、暫定2車線区間問題は解消した。ただ、2022年8月現在でも、東山崎町交差点の北行き車線は直進が1車線のみ(一番左側の車線は左折専用で、左折矢印信号がある)で、この問題は未だに尾を引いている。

地理

通過する自治体

交差する道路

本線

旧道1(木太町別線)

  • 香川県道43号中徳三谷高松線(香川県高松市・札場東交差点)
  • 香川県道272号高松志度線(香川県高松市・木太東口交差点)

旧道2(さぬき市別線)

  • 香川県道10号高松長尾大内線(本線)(香川県さぬき市大川町田面)
  • 香川県道132号田面入野山線(香川県さぬき市大川町田面)
  • 香川県道10号高松長尾大内線(本線)(香川県さぬき市大川町田面・大東交差点)

脚注等

  1. ^ 札場東交差点から木太東口交差点までの区間
  2. ^ 豊田東交差点から大東交差点までの区間
  3. ^ s:道路法第五十六条の規定に基づく主要な都道府県道及び市道 - 平成五年五月十一日建設省告示第千二百七十号、建設省
  4. ^ 平成22年度 全国道路・街路交通情勢調査(道路交通センサス)
  5. ^ この区間は香川県道155号牟礼中新線と重複。
  6. ^ 香川県サイト県民の声データベース”. 2006年10月20日閲覧。[リンク切れ]

関連項目