連作歌曲
表示
(連作歌曲集から転送)
連作歌曲(れんさくかきょく、ドイツ語: Liederzyklus, Liederkreis, 英語: song cycle)は、各曲の間で文学的・音楽的な関連性をもって構成された歌曲集のこと。
作品全体を通じて統一的な世界が作り出されているため、歌曲集全体を通して上演されることが想定されている。もちろん実際にはその中から1曲または数曲取り出して演奏されることもある。歌詞は同一の詩人によることが多いが、現代作品では、統一モットーのもとにさまざまな詩人の詩人を集め、曲付けすることも多く行われる。一般的にはクラシック音楽の用語だが、類例はポピュラー音楽にも見受けられる。
主要な例
[編集]- ベートーヴェン:《遥かなる恋人に寄す An die ferne Geliebte》(1816年)
- シューベルト:《美しき水車小屋の娘 Die schöne Müllerin》(1823年)、《冬の旅 Winterreise》(1827年)
- シューマン:《リーダークライス Liederkreis》(作品24、作品39)、《詩人の恋 Dichterliebe》、《女の愛と生涯 Frauenliebe und -leben》(すべて1840年)
- ワーグナー:《ヴェーゼンドンク歌曲集》
- ブラームス:《ティークのマゲローネによるロマンス Romanzen aus L. Tieck's Magelone》、《4つの厳粛な歌》
- ムソルグスキー:《陽の光もなく》、《子供部屋》、《死の歌と踊り》
- フォーレ:《優しい歌 La Bonne Chanson》
- マーラー:《さすらう若者の歌 Lieder eines fahrenden Gesellen》、《亡き子をしのぶ歌 Kindertotenlieder》、《大地の歌 Das Lied von der Erde》
- ツェムリンスキー:《メーテルリンク歌曲集》、《抒情交響曲》
- ヤナーチェク:《消えた男の日記》
- シェーンベルク:《架空庭園の書 Das Buch der hängenden Gärten》《月に憑かれたピエロ Pierrot Lunaire》
- ヴォーン・ウィリアムズ:《命の家》、《旅の歌》、《ウェンロック・エッジで》
- ラヴェル:《シェエラザード》《博物誌》《マラルメによる3つの詩 》《マダガスカル島民の歌 》《ドゥルシネア姫に心を寄せるドン・キホーテ》
- バターワース:《『シュロップシャーの若者』からの6つの歌 Six Songs from A Shropshire Lad》
- ヒンデミット:《マリアの生涯 Das Marienleben》
- ショスタコーヴィチ:交響曲第14番《死者の歌》
- ブリテン:《ノクテュルヌ Nocturne》
追記
[編集]ポピュラー音楽では、ザ・フーやビートルズ、ピンク・フロイド、シカゴ、エルヴィス・コステロらのように、組曲や連作歌曲を意識したコンセプト・アルバムを作るミュージシャンがいる。
関連項目
[編集]- ソング・サイクル - ヴァン・ダイク・パークスのアルバム