焼額山スキー場

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志賀高原 > 志賀高原スキー場 > 焼額山スキー場
焼額山スキー場
Shiga Kogen Yakebitaiyama Ski Area
一の瀬ファミリースキー場からみた焼額山スキー場
所在地 長野県下高井郡山ノ内町大字夜間瀬
座標 北緯36度45分11秒 東経138度31分0秒 / 北緯36.75306度 東経138.51667度 / 36.75306; 138.51667座標: 北緯36度45分11秒 東経138度31分0秒 / 北緯36.75306度 東経138.51667度 / 36.75306; 138.51667
正式名称 志賀高原焼額山スキー場
運営者 株式会社プリンスホテル
開業日 1983年
造設地形 焼額山
標高 2,000 m - 1,550 m
標高差 450 m
最長滑走距離 2,500 m
最大傾斜 39
コース数 15本
コース面積 93 ha
索道数 5本
営業期間 12月5日 - 5月5日
(2020年-2021年シーズン)
公式サイト princehotels.co.jp/ski/shiga/winter
地図
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焼額山スキー場(やけびたいやまスキーじょう)は、長野県下高井郡山ノ内町にあるスキー場である。

概要

志賀高原スキー場北部に位置する焼額山(標高2011m)の南東麓斜面に広がる。

正式名称は「志賀高原焼額山スキー場(しがこうげんやけびたいやまスキーじょう)」。スキーヤーやスノーボーダーの間では単に「やけびたい」或いは「やけび」と略して呼称することが多い。

国土計画(後のコクド)により1963年に開発が始まり、1983年に開業した。本スキー場の開業により、一の瀬エリアのスキー場と、車でのみアクセスが可能であった奥志賀高原スキー場との間を、スキー滑走で往来できるようになった。

飲食施設、宿泊施設および駐車場が整備されたベース基地は3か所あり、各ベースにはそれぞれ志賀高原プリンスホテル東館、南館、西館と、ゴンドラリフト(西館は高速クワッドリフト)の乗車場がある。[1]

志賀高原一帯にある18のスキー場(本スキー場開業当時は22のスキー場)の中で最も後発のスキー場で、1970年に開業した寺小屋スキー場以来、13年振りの新設スキー場となった(一の瀬ダイヤモンドスキー場の拡大エリアとして1973年に開業した一の瀬山の神スキー場一の瀬ファミリースキー場の拡大エリアとして1981年に開業した一の瀬タンネの森スキー場(現:タンネの森オコジョスキー場)を除く)。

森林法に基づく林地開発の規制が強化[2]されたことにより、スキー場のコース幅は志賀高原内の他のスキー場に比べて全般的に狭く、日本で一般的にゲレンデと呼ばれるコース幅が十分に確保された広場状の滑走面はほとんど存在しない。

各コースは中斜面が主体で、効果的に配置された2つのゴンドラリフトを利用して、スキー場全体を効率よく滑ることができる。一方、ゴンドラリフトや高速クワッドリフトを使って繰り返し滑走できるコースは、リフト一つに対してコース一つに限られるため、滑走者が特定のリフト、コースに集中する傾向にある。また、スキー場の規模(開業当時450ha)やコースの多さ(開業当時18本)の割には、滑走感を満喫できるコースは限定的である。

一方、本スキー場は早くからスノーボーダーを受け入れるなど、常に流行の最先端を行く個性を発揮したスキー場として志賀高原内の他のスキー場との差別化に成功し、スキーヤーへ十分に認識と浸透がなされている。

リフト5路線(うちゴンドラリフト2路線)、コース15本、標高1550〜2000m(標高差450m)。コースは複雑に分岐、合流、交差していることから、各コースの脇や分岐点に異なる色や形(○や▽)の案内看板が設置されている。リフトの運営主体は、プリンスホテル

営業期間は12月下旬~5月の大型連休まで。

リフト券は、志賀高原スキー場共通券の他に、焼額山スキー場でのみ使える限定券がある。

コース・ゲレンデ

焼額山のなだらかな天然の斜面を生かしたコースを中心に針葉樹に囲まれた明るいコースが多い。急斜面は少なく中斜面主体となっている。主要なコースは中級者コースに指定されており、週末は人気コースが混雑する。
目の前の景観は岩菅山(標高2295.3m)や裏岩菅山(同2341m)、一の瀬ファミリースキー場を携えた東館山(同1994m)や寺小屋峰(同2125.2m)の峰々を望むことができる。
第1ゴンドラリフト山頂駅及び奥志賀連絡コースの2箇所にて奥志賀高原スキー場に接続している。また、第2高速連絡コースとブナコース、唐松コース最下部において一の瀬山の神スキー場に接続している。

初級者コース

(コース番号、滑走延長、平均斜度/最大斜度)

  • サウスコース(E1、973 m、9°/15.6°)
    • 第4ロマンスリフトの降車駅と乗車駅とを結んでいる。
    • コース下部にイーストコースにつながる連絡コースがある。
    • コース案内看板は「桃色の▽」。
    • コース全体にナイターナイター設備があるが、現在はナイター営業が休止されている。ナイター営業を行っていた時代は「サウスナイターコース」と呼ばれていた。
  • ミドル連絡コース(1192m、10°/17.5°)
    • 第3高速から途中、左に分岐し、その先でオリンピックコース(上級者コース)が左から合流後、第2高速リフト乗車駅或いは第1ゴンドラリフト乗車駅まで滑り込める。
    • イーストコースとの分岐点からオリンピックコースとの合流点までの区間は焼額山スキー場の中で最も新しく作られたコース。
    • コース案内看板はない。

中級者コース

(コース番号、滑走延長、平均斜度/最大斜度)

  • 唐松コース(C1、902 m、11°/18°)
    • 第2高速リフトの降車駅と乗車駅を結ぶ。
    • 概ねリフト沿いにコースがレイアウトされているが、コースとリフトとの間には林地帯があるためリフトを確認しながら滑走することは難しい。
    • コース案内看板は「緑の○」。
  • ゴンドラ連絡コース(A2、684m、6°/11°)
    • ジャイアントスラロームコース中盤から左に分岐して第1ゴンドラリフト乗車駅へと向かうコース
    • 旧ゴーゴーウェーブ
  • イーストコース(D2、857m、11°/ 21°)
    • ミドル連絡コースから分岐して第3高速リフトの山麓駅に向かうコース。
    • コース中間部にサウスコースへの連絡コースがある。
    • コース案内看板は「茶色の○」。
    • コース全体にナイター設備があり、過去にはイーストナイターコースと呼ばれていた。
  • パノラマインコース(B2、940m、11.6°/20.3°)
    • 山頂部から山麓部に滑るコース中、唯一初級者コースに設定されている。
    • スキーブームによってスキーヤーに埋め尽くされたパノラマコースの混雑緩和のために、1992年、パノラマコースのバイパスの役割を担い開設された。開設当時はパノラマコースを「パノラマアウトコース」、本コースを「パノラマインコース」と名づけていた。
    • 全体的に左下がりの片斜面が続き、コース幅も狭いため、初級者にとっては難易度の高いコースとなっている。
    • 2020-21シーズンまでは、ビギナーズコースと名付けられていたが、元の名前に戻った。
    • コース案内看板は「桃色の○」。
  • パノラマコース(B1、1,793 m、8°/25°)
    • 焼額山スキー場の全コース中、最も人気のあるコース。第2ゴンドラリフトを使って焼額山頂から山麓まで一気に滑ることが出来る。コース下部はサウスコースへ接続する。
    • コース前半、右側2か所にはポケットバークのようなの小さな広場があり、北アルプスを一望できる写真撮影スポットとなっている。晴れた日にはよませ温泉スキー場(旧北志賀よませスキー場)の他、遠くは黒姫高原スノーパーク(旧黒姫高原スキー場)や妙高の各スキー場が一望できる。
    • 休日は常に混雑するため、午後になるとコース途中の2箇所ある中斜面においてコブが形成されることが多い。
    • コース案内看板は「桃色の▽」。
  • ジャイアントスラロームコース(A1、2,062 m、12°/25°)
    • 第1ゴンドラリフトを使って焼額山頂からゴンドラリフト乗車駅までを一気に滑ることができる人気コースのひとつ。
    • 上部は針葉樹の林間コース。途中から広々としたゲレンデ風のコースとなり、スーパージャイアントスラロームコースやオリンピックコース等の上級コースの分岐がある。
    • 最初の急斜面に差し掛かる左側には非圧雪のコブ斜面が常時形成されている。
    • 最後の急斜面を下り切る直前で、奥志賀高原にアクセスできる奥志賀連絡コースが左に分岐する。
    • コース案内看板は「橙色の○」。
    • 開業当時は「焼額山ジャイアントスラロームコース」と呼ばれていた。
  • 白樺コース(C2、1,848 m、9°/17°)
    • パノラマコース中間部から右に分かれる尾根コース。
    • 焼額山スキー場の中で最もコース幅が広いにもかかわらず、滑走者は比較的少ないため、プルークボーゲンをしっかりできれば、初級者でも滑ることは可能。
    • 南西斜面のため、午後になると雪が緩みがちになる。また、3月以降は雪がなくなりコースが閉鎖される場合がある。
    • 最下部で左に曲がり、そのまま第2高速連絡コースとなる。
    • コース案内看板は「紺色の○」。
    • 現在廃止となった山の神第1トリプルリフトが架設されていた時代は、焼額山スキー場から一ノ瀬方面を目指すスキーヤーによって夕方を中心に大混雑した。
  • ブナコース(C3、653 m、11°/22°)
    • 白樺コース中間部から左に分かれるコース。第2高速リフトと第2ゴンドラリフトの乗車駅まで滑走できる。
    • 中級者以上のスキーヤーは、白樺コースと第2高速連絡コースを経由するルートに比べ、快適な中斜面を滑り切ることができる。
    • コース案内看板は「紫色の○」。
  • 奥志賀連絡コース(O1、553 m、12°/24°)
    • ジャイアントスラロームコース下部から左に分かれ、奥志賀高原スキー場の第4ゲレンデに接続する連絡コース。
    • コース上部は急斜面で、下部は高低差のほとんどない平坦地であることから、上部である程度スピードに乗らないと、奥志賀高原に辿り着く手前でスキーが止まってしまう場合がある。
    • コース案内看板は「橙色の○」。
    • 廃止された第3ロマンスリフトが運行していた時代は「第3ロマンスAコース」と呼ばれていた。コース下部で第3ロマンスBコース(閉鎖中)が左から合流していた。
  • ゴンドラ迂回(A3、364m、15.6°/16.3°)
    • ジャイアントスラロームコースの下部急斜面を迂回するルート、東館、第1ゴンドラ、第3高速へ迂回できる。

上級者コース

(コース番号、滑走延長、平均斜度/最大斜度)

  • スーパージャイアントスラロームコース(A6、1,208 m、10°/27°)
    • 前半の中斜面はジャイアントスラロームコースと重複。最初の急斜面序盤にて直進すれば、オリンピックコース、左に進めばジャイアントスラロームコース、右に進めば本コースとなる。
    • 基本的に圧雪されない逆S字にうねるコースは常にコブ斜面である。上空を横断する第2ゴンドラリフトのスキーヤーからの視線を感じながら滑るチャレンジングなコース。
    • 急斜面が終わる第3高速リフト降車駅付近にて、初級コースのイーストコースに連絡する。
    • コース案内看板は「茶色の○」。
  • オリンピックコース(A4、696 m、21°/31°)
    • その名のとおり、長野五輪アルペンスキー回転競技およびスノーボード大回転競技に使用された直線的な一枚バーン。
    • コース案内看板は「青の○」。
    • 長野五輪の開催以前は「スラロームバーン」と呼ばれ、コースに並行して焼額山第1ロマンスリフトB線を使って繰り返して滑ることが可能であった。現在はゴンドラリフトを利用しないとオリンピックコースに進入できない。
    • スラロームバーンと呼ばれていた時代はピステン (圧雪車) の入らないコブ斜面であったが、現在は整地されていて滑りやすくなっている。
  • ミドルコース(D3、329 m、19°/21.5°)
    • 第3高速リフト山頂駅右からオリンピックコース下部およびミドル連絡コースにつながる斜面
    • 非圧雪コースのため、コース全体が荒れていて滑りにくいテクニカルコースとなっている。
    • コース案内看板はない。
  • ヤケビウォール(A5、369m、32.5°/39.1°)
    • 2021-2022シーズンに新設されたコース
      • 2016年に閉鎖されたエキスパートコースを再整備
    • スーパージャイアントスラロームコース(A5)の中途から分岐したコース
    • ミドルコース下からみれば、ほぼ「壁」
    • 非圧接、降雪時はパウダーゾーンとなっている。

廃止・閉鎖コース

(滑走延長、平均斜度/最大斜度)

  • 第3ロマンスBコース(1,100 m、15°/35°)
    • 奥志賀高原スキー場を含め、焼額山全域で最も急峻な斜度をもつテクニカルコース。
    • あまりの急斜面ゆえ、コースが廃止される以前からコース閉鎖となっている場合が多かった。
    • コース序盤は緩やかであるが、中盤からコブのある急斜面となる。終盤は緩斜面の林間コースとなり、右から第3ロマンスAコース(現:奥志賀連絡コース)が合流してくる。
    • コース名が示す通り、第3ロマンスリフトが運行していた時代は、このリフトを利用してAコース、Bコースを繰り返し滑走することができた。
  • 第2ロマンスAコース(760 m、19°/23°)
    • 第1ゴンドラ連絡コース上部から左に分かれ、現在は廃止された第2ロマンスリフトに沿って下り、かつて存在した四つ目のベース基地(東館ベース基地よりも更に奥志賀寄り)に向かうコース。
    • 3つあるコースのうち上部から見て右側の一番緩やかなコース。レベルは中級者コースであった。
    • 旧ベース基地周辺の広場は、現在、多目的エリアとしてスノーモービルツアーやスノーラフティングの拠点となっている。
  • ポールバーン(595 m、9°/29°)
    • 旧第2ロマンスリフト沿いにレイアウトされた非圧雪コース。
    • 平均斜度9°が示すとおりコース序盤は緩やかであるが、徐々に斜度が増し、終盤は深いコブ斜面となる。廃止される以前からこのコースを滑るスキーヤーは少なくコブ自体も不整形で滑りにくかった。上級者コースに指定されていた。
  • 第2ロマンスBコース(310 m、11°/30°)
    • 中級者コースでありながら、非圧雪のハードなコースで、コブも多く上級者向けに近かった。
    • Aコースとともに、焼額山スキー場の中では最も空いているコースの一つであった。
  • 第2高速連絡コース(700 m、4°/8°)
    • 焼額山スキー場の中で最も西側(一の瀬地区側)にある針葉樹に囲まれた林間コース。
    • 2021-2022シーズンにおいて、白樺コース(中級者コース)に統合された。
    • 第1高速から第2高速への連絡の名残
    • コース下部にて、一の瀬山の神スキー場の一の瀬山の神第2ペアリフトに接続し、一の瀬地区の各スキー場にアクセスできる。
    • コース案内看板は「紺色の○」。
    • かつては一の瀬山の神ゲレンデ(現在閉鎖中)からもアクセス可能であった。

ツアースキー

リフト

(距離、高低差、時間)

営業中リフト

  • 第1ゴンドラリフト(1,935 m、450 m、8分04秒)
    • 焼額山スキー場開業時からある8人乗りゴンドラリフト。
    • 降車駅、乗車駅はジャイアントスラロームコースの起点、終点となるので、本ゴンドラリフトを利用して繰り返し滑れる。
    • 山頂部から奥志賀高原スキー場にアクセスする際には、第2ゴンドラリフトを利用するよりも便利である。
    • 開設当初は卵型の4人乗りであったため、常にリフト待ちの長い行列ができていたが、2005年頃に8人乗りにリニューアルしてからは、行列ができることは少なくなった。
  • 第2ゴンドラリフト(2,121 m、419 m、7分04秒)
    • 焼額山スキー場開業から遅れること4年後、プリンスホテル南館の開業とともに設営された6人乗りリフト。
    • 山頂の降車駅から麓の乗車駅まで、ロングコースのパノラマコースで繰り返し滑ることが可能なため、週末は常に行列ができる。
    • リフトからはパノラマコースの尾根線、一の瀬エリアのスキー場、岩菅山系を望めるほか、中盤ではスーパージャイアントスラロームコースの雪質やコブ斜面の状況などを眼科に見下ろし確認することができる。
  • 第2高速リフト(992 m、206 m、4分08秒)
    • 高速4人乗り自動循環式チェアリフトデタッチャブルチェアリフト・・・乗降駅にてリフトがロープから外れ、客の乗降位置にてリフトが徐行して進むので乗車や降車がしやすい。乗降した後はリフトが再びロープに噛むことで加速し高速で移動する。)。
    • 一の瀬エリアから焼額山エリアにアクセスした際に最初に利用するリフトになる。それゆえ、休日の午前中は特に混雑する。
  • 第3高速リフト(1,031 m、219 m、4分02秒)
    • 志賀高原プリンスホテル東館に隣接して、焼額山スキー場開業の5年後に開設されたデチャッチャブル・クワッドリフト。
    • 焼額山スキー場で唯一フード付きとなっている。志賀高原スキー場においてフード付きのリフトは、本リフトと西館山スキー場の西館山第1フーディクワッドリフトの2路線のみである。
    • スキーブームが絶頂期を迎えた1990年に新設された比較的新しいリフト。
    • イーストコースのナイター用にも使われる。
  • 第4ロマンスリフト(956 m、136 m、6分56秒)
    • 第3高速リフトと同じく1990年に新設されたリフト。
    • 志賀高原プリンスホテル南館から直接アクセスできる。
    • かつて、ナイター運営時には本リフトも使用されていた。
    • 焼額山スキー場に限らずプリンス系のスキー場では2人乗りリフトのことを「ペアリフト」とは呼ばずに「ロマンスリフト」と名付けている。

廃止・休止中リフト

  • 第1高速リフト(968 m、219 m、4分02秒)
    • 廃止
    • 一の瀬エリアに最も近い位置に架設されたリフト。白樺コースを繰り返し滑るのに便利であった。
    • 高速4人乗り自動循環式チェアリフト(デタッチャブルリフト)なのでVTM(Vertical Trancportation Meter(垂直輸送能力):人をどれだけ早く標高の高い位置に運べるかを数値化したリフトやエレベーター等の運搬能力を示す指数のひとつ)は高いが、休日の午前中は常に行列ができていた。
  • 第1ロマンスリフトA線(595 m、84 m、4分19秒)
    • 廃止
    • 志賀高原プリンスホテル東館の目の前に乗車駅があり、ミドル連絡コースとオリンピックコースが合流する地点が降車駅であった。
    • リフトに並行して第1ロマンスコース(現:ミドル連絡コース下部)があり、初級者がスキーを楽しむのに適していた。
  • 第1ロマンスリフトB線(650 m、230 m、4分43秒)
    • 廃止
    • A線の降車駅の目の前に乗車駅があり、スラロームバーン(現:オリンピックコース)の起点が降車駅となっていた。
    • スラロームバーンを繰り返し滑るスキーヤーに便利なリフトであった。
    • 1983年の開業当時はA線とB線は一つのリフトであったが、2年後にA線、B線に分割された。
  • 第2ロマンスリフト(569 m、127 m、4分07秒)
    • 休止
    • 焼額山スキー場の中で最も奥志賀高原スキー場に近い第4のベース基地(現在廃止)を起点とするリフト。中級コースと上級コースで構成されるエリアのため、スキーブームの1990年前後でも比較的空いていた。
    • 現在は3本のコースとともに閉鎖され、多目的エリアとなっている。
  • 第3ロマンスリフト(1,040 m、299 m、7分32秒)
    • 廃止
    • 主に奥志賀高原スキー場から焼額山スキー場にアクセスするリフトとして利用され、焼額山頂部を利用するよりも楽に奥志賀高原スキー場との間を移動できた。
    • コースの変化に乏しく、このリフトを繰り返し使って滑るスキーヤーは少なかった。
  • 第5ロマンスリフト(622 m、118 m、4分03秒)
    • 廃止
    • 焼額山スキー場の中で最も新しいリフト。1991-1992年シーズンから運用が開始された。
    • 4月~5月の大型連休までスキーを楽しめることを目的に山頂部に設置された。
    • ゴンドラリフト降車駅~第5ロマンスリフト乗車駅までのコースに集中して人工雪を降らせることにより、最小限のコストで春スキーを可能にする狙いがあった。
    • 雪どけが早い焼額山スキー場において5月の大型連休まで安定して営業を続けることが可能となった。
    • 本リフトへアクセスするには2つのゴンドラリフトを利用するしか方法はなく、春スキーシーズンのみ営業している場合が多かった。

料金

2020~2021シーズンの焼額山スキー場限定リフト料金(消費税及び地方消費税込み)は以下の通りである。志賀高原全スキー場共通券は志賀高原スキー場を参照のこと。
[3]

券種 大人※1 シニア※2

中高生※3

小人※4 備考
4時間券 4,300 3,900 0 期間:2020年12月21日(月)~2021年3月31日(水)。
1日券 5,000 3,350 0
2日券 9,200 3,700 0
3日券 13,400 1,150 0
会員4時間券 3,800 3,400 0 SEIBU PRINCE CLUB会員価格。期間:2020年12月21日(月)~2021年3月31日(水)。
会員1日券 4,500 3,800 0
会員2日券 8,700 7,500 0
会員3日券 12,900 11,000 0
ホテル宿泊者4時間券 3,500 3,300 0 プリンスホテル宿泊者価格。期間:2020年12月21日(月)~2021年3月31日(水)。
ホテル宿泊者1日券 4,500 3,900 0
ホテル宿泊者2日券 8,300 7,500 0
ホテル宿泊者3日券 12,100 10,500 0
ホテル宿泊会員4時間券 3,200 3,000 0 プリンスホテル宿泊のSEIBU PRINCE CLUB会員価格。期間:2020年12月21日(月)~2021年3月31日(水)。
ホテル宿泊会員1日券 4,200 3,600 0
ホテル宿泊会員2日券 8,000 7,200 0
ホテル宿泊会員3日券 11,800 10,200 0
初滑り・春スキー1日券 4,300 3,900 0 初滑り:営業開始~2020年12月20日(日)、春スキー [期間:2020年4月1日(木)~営業終了]。
初滑り・春スキー2日券 8,100 7,300 0
初滑り・春スキー会員1日券 3,800 3,400 0 SEIBU PRINCE CLUB会員価格。初滑り:営業開始~2020年12月20日(日)、春スキー [期間:2020年4月1日(木)~営業終了]。
初滑り・春スキー宿泊者2日券 7,600 6,800 0
初滑り・春スキー宿泊者1日券 3,900 3,500 0 プリンスホテル宿泊者価格。初滑り:営業開始~2020年12月20日(日)、春スキー [期間:2020年4月1日(木)~営業終了]。
初滑り・春スキー宿泊者2日券 7,300 6,800 0
初滑り・春スキー宿泊会員1日券 3,600 3,300 0 プリンスホテル宿泊者価格。初滑り:営業開始~2020年12月20日(日)、春スキー [期間:2020年4月1日(木)~営業終了]。
初滑り・春スキー宿泊会員2日券 7,000 6,500 0
1日券+場内利用券 6,000 5,300 0 1,000円の利用券付。クーポン利用で左記の500円引き。期間:2020年12月21日(月)~2021年3月31日(水)。
初滑り・春スキー1日券+場内利用券 5,300 4,900 0 1,000円の利用券付。クーポン利用で左記の500円引き。期間:営業開始~2020年12月20日(日)、2020年4月1日(木)~営業終了。
焼額山第1・第2ゴンドラ片道1回券 1100 1100 0
焼額山第1・第2ゴンドラ往復1回券 1700 1700 0
焼額山第2・第3高速リフト1回券 460 460 0
焼額山第4ロマンスリフト1回券 350 350 0

※1 18歳乃至59歳 ※2 60歳以上 ※3 中学生・高校生 ※4 小学生以下 ※5 障がい者は障がい者手手帳または療育手帳提示

施設・サービス

レストラン

3つのホテルとゴンドラリフト乗車駅内にレストランが営業している。

  • プリンスホテル東館ベース周辺
    • メインダイニングルーム:東館2階にあり、焼額山スキー場内で最も高級かつ落ち着きのあるレストラン。昼は入口で食券を購入するセルフサービス方式。夜は各テーブルを予約の上、スタッフがオーダーを取りに来る。
    • ゴーゴーカレー志賀高原焼額山スキー場第1ゴンドラリフト乗車駅スタジアム1550:第1ゴンドラリフト乗車駅の下階にある。
  • プリンスホテル南館ベース周辺
    • レストラン水芭蕉:南館建家4階にあり、ホテルのメインダイニングとしての役割も担う。カフェテリア方式。
    • 居酒屋アフター:第2ゴンドラリフト乗車駅の下階にある。
  • プリンスホテル西館ベース周辺
    • 中華料理獅子:西館と第2高速リフト乗車駅との間にある二階建ての建物の2階。
    • ラーメンコーナー:獅子のある建物の一階。
    • レストランウエストサイド:西館のメインダイニングとしての役割も担い、夜も営業している。カフェテリア方式。
  • 廃止されたベース周辺
    • 第2ロマンスリフト(廃止)の乗車駅があった第4のベース基地には、かつて2つのレストランが営業していた。一つは和食堂「ななかまど」。もう一つは中華料理「獅子」 (現在「獅子」は西館ベース周辺に移転して営業中)。

宿泊

焼額山スキー場に直接アクセスできる唯一のホテルは西武グループが運営する志賀高原プリンスホテルである。東館、南館、西館の3棟からなり、それぞれがグレードを異にして客層を差別化している。どの棟も、スキーシーズン限定の営業となる。

隣接する奥志賀高原スキー場に立地するホテルグランフェニックス奥志賀や奥志賀高原ホテル、あるいは一ノ瀬地区に点在するホテル・旅館からも、リフトを乗り継いでのアクセスは容易である。一ノ瀬地区のスキー場や宿泊施設の土地を所有と管理する財団法人和合会との取り決めにより団体客は宿泊することができかった。

  • 志賀高原プリンスホテル東館
    • 1983年12月24日、焼額山スキー場の開業とともにオープンした。客室数は100室。
    • 東館と付記されるようになったのは、4年後に南館が開業してからである。
    • 東・南・西の3つの棟の中で最もグレードが高く、宿泊料金も高い。客室の構成はツインルームが中心で、カップルや夫婦の宿泊を意識している。
    • レストランは「メインダイニングルーム」で、西洋料理と日本料理を楽しめる。夜はナイタースキーを借景にして優雅な雰囲気に浸れる。
    • ホテルからは第1ゴンドラリフト、第3高速リフトに徒歩でアクセスできる。
  • 志賀高原プリンスホテル南館
    • 東館の開業から遅れること4年後の1987年12月28日にオープン。客室数は240室。
    • 東館よりもグレードは落ちるが、エキストラベッドを利用して3名での宿泊が可能である。
    • 場所、グレードともに西館と東館の中間に位置する。
    • レストランは「ダイニングルーム」で、ビュッフェスタイルとなる。以前はこのレストランからもナイタースキーを楽しむスキーヤーを眺めることができた。
    • 第2ゴンドラリフトと第4ロマンスリフトに徒歩でアクセスできる。
  • 志賀高原プリンスホテル西館
    • スキーブームに陰りが見え始めた中、長野五輪の開催を1年後に控えた1996年12月20日に開業。客室数は350室。
    • 計画時はスキーブームによる宿泊ニーズを取り込むため、大型の施設となった。4名のグループで宿泊する部屋を設定するなど、南館からさらに大衆的なコンセプトとなっている。
    • レストランは「ウエストサイド」。ビュッフェスタイルは南館と変わらないが、テーブルや椅子等の調度品はかなり見劣りする。
    • 近年では、学生のグループを対象とするよりも、むしろ1990年前後のスキーブーム時代に青春を謳歌したスキーヤー達が、その後家族連れで訪れた際の受け皿となっている。
    • 第2高速リフトと一の瀬山の神第2リフトに徒歩でアクセスできる。

その他

  • 多目的エリア
    • 廃止された第四のベース基地を利用して、スノーモービルツアーやスノーラフティング等を楽しむことができる。
  • レンタル
    • スキーやスノーボード、ソリ等のレンタルを行っている。
  • スクール
    • SIA杉山スキー&スノースポーツスクール(受付は志賀高原プリンスホテル東館)
    • SAJ公認 志鷹慎吾 焼額山スノースクール

トレッキング

(全長、標高差、所要時間) 夏季は、焼額山スキー場にてトレッキングを楽しむことができる。志賀高原全体でトレッキングコースが整備されているが、ここでは焼額山とその向かいにある岩菅山のハイキング・登山コースを以下に紹介する。

  • 焼額山登山コース(約7 km、約400 m、約2時間10分)
    • 志賀高原プリンスホテル西館前(標高差約400 m)およびホテルグランフェニックス奥志賀前(標高差約500 m)から焼額山頂を目指すコース。
    • 山頂の稚児池高山植物が見所。また、コース中盤はスキーコースを歩く場所が多いため、開放感があって展望も抜群。
    • 体育の日を絡めた土日祝日には奥志賀ゴンドラリフトが運行され、これを利用すれば健脚でなくても手軽に焼額山頂にアクセスできる。
  • 岩菅山登山コース(約18.5 km、約700 m、約7時間30分)
    • 焼額山の正面に対峙する岩菅山と、その先にある志賀高原最高峰の裏岩菅山頂を往復するコース。
    • 幾つかの拠点があるが、最も体力的に楽なコースは、東館山スキー場の東館山ゴンドラリフトを利用して東館山頂から尾根線沿いに歩くコース(標高差約380 m)。健脚であれば「一の瀬スキー場バス停留所」からも登山道が整備されている(標高差約700 m)。
    • 裏岩菅山で引き返さずに更に北上するコースがあり、下水内郡栄村切明温泉秋山郷に辿り着くことができる。
  • シナノキコース(約2 km、約60 m、約30分)
    • 志賀高原プリンスホテル西館前から第2高速連絡コースを登り、白樺コースと合流するあたりで一の瀬山の神スキー場側の林間に整備されたトレッキングコースを進み、一の瀬山の神スキー場の一の瀬山の神第2リフトを横断してモンキーコースを下り、一の瀬ダイヤモンドスキー場下部に至る。その先は湿原地帯を散策して、再びプリンスホテル西館に戻る。
    • 途中には長野県の天然記念物に指定されている樹齢800年のシナノキの大木がある。樹高は23m、根回り10mの巨木で一見の価値有り。

西武グループの構想

  • 湯田中地区からの直接アクセス
    • 志賀高原の玄関口である湯田中温泉からロープウェイ、ゴンドラリフトを連結して、焼額山山頂に至るアクセス構想である。
    • 地元の主要な地権者(入会権者)で、志賀高原における土地利用に強い影響力のある一般財団法人和合会の意向に左右されたくないという思惑から、同法人の権利が及ばない焼額山麓だけを経由して志賀高原に到達するルートの開拓を目的として計画された。
    • その第一ステップとして、焼額山西側の五輪山(1620m)北西麓において湯田中温泉街よりも400m高い標高1000mをベースとするごりん高原スキー場を開業させ、湯田中温泉とスキー場との間を湯田中ロープウェイ(全長3,156m、101人乗り。現在廃止。)にて結んだ(1987年)。
    • ロープウェイ山頂駅からは、更に6人乗りの「ごりんゴンドラリフト」と「ごりん第1リフト」(共に現在廃止)にて標高1,500mまで開発が進んだ。
    • ごりん高原スキー場の最高地点から焼額山頂に至る4km弱のルートには貴重な湿原地帯が存在したことから、自然保護団体による反対活動もあり構想は頓挫。ごりん高原スキー場の果たすべき役割は絶たれ2007年に廃業した。
  • 苗場地区からのアクセス
    • 「焼額山スキー場」と新潟県南魚沼郡湯沢町に国土計画が開発した「苗場スキー場」「かぐらスキー場」をロープウェイなどで結び一大スキーエリアとする構想である。
    • 長野オリンピックのアルペンスキー滑降コースとして構想された岩菅山山系の西斜面にスキー場を建設することにより、焼額山スキー場と岩菅山麓とを一体的に開発し、更には岩菅山系の稜線から魚沼地区の三国スキー場を経由して苗場スキー場とを結ぶ野心的な計画であった。
    • ごりん高原スキー場の開発と同様、自然保護への意識の高まりにより、1990年に長野県は国土計画とともに岩菅山系のスキー構想を断念した。岩菅山にて開催が想定されていた長野オリンピックスキー滑降競技は、八方尾根にて開催されることとなった。
    • この構想で実現した計画は、苗場スキー場とかぐら・みつまたスキー場(現かぐらスキー場)を結ぶドラゴンドラロープウェイ(延長5481m、標高差425m)ならびに、志賀高原から苗場方面への結節点となる三国スキー場(2004年閉鎖)。
    • 岩菅山の稜線と三国スキー場頂部との間は直線距離にして約18km離れている。このため、現在最高速のロープウェイ(秒速12m)を以てしても所要に25分を要し利便性が悪いこと[4]、途中に中津川渓谷(標高1100m)、佐武流山(同2191m)系、清津川渓谷(同1200m)、上ノ倉山(同2107m)系を横断する高低差の激しいルートであり相当の工事費と工事期間、技術力が必要であること、ケーブルの支柱や非常時における乗客の救出のための管理用道路があらたに必要なこと、ならびに、上信越国立公園の特別保護地区を通過すること、などの理由から実現には困難が多かった。

脚注

外部リンク