潤ますみ
じゅん ますみ 潤 ますみ | |
---|---|
本名 | 佐藤まり子 |
生年月日 | 1952年8月2日(72歳) |
出生地 | 日本・東京都墨田区 |
職業 | 俳優・歌手 |
ジャンル | テレビドラマ、映画 |
活動期間 | 1971年 - 1982年 |
潤 ますみ(じゅん ますみ、1952年8月2日 - )は日本の女優、歌手。本名・佐藤まり子[1]。東京都墨田区押上出身[1]。
身長162cm。B84cm、W57cm、H83cm(1973年12月)[2]。
経歴
[編集]施設で生まれ、3歳の時、養父となる父親が東京都庁に勤める子供のいない家庭に貰われる[2]。養父は可愛がってくれたが、養母と上手くいかず、家出を繰り返す[2]。東京家政学院中学校~東京家政学院高校に進み、高校2年時に中退[2]。銀座の喫茶店のウェイトレスをしながら、モデル事務所に所属[2]。自身「『ムゲン』『ビブロス』、モデル仲間と連れ立って遊び歩いた。酒、クスリ、ボンド、ラリって遊んだモデル時代」などと話している[2]。荒木一郎は「潤ますみは前の女房(榊ひろみ)の友達で、オッパイがでかくて、かわいい子がいるって言うから見て俺の事務所(現代企画)に拾ってきた。で日活に入れた」などと話しているが[3]、この荒木の事務所が潤の言うモデルクラブなのかは分からない。
荒木が東映ポルノに関わっていたから東映で女優デビューしたものと見られ、潤まり子の芸名で、1971年『女番長ブルース 牝蜂の逆襲』で映画デビューした後、続いて『ポルノの帝王』(1971年)、『女番長ブルース 牝蜂の挑戦』(1972年)、『現代やくざ 人斬り与太』(1972年)、『温泉スッポン芸者』(1972年)と5本の東映作品に出演。潤本人は「東映で6本出た」と話している[2]。1972年日活に移り[2]、日活ロマンポルノ『(秘)弁天御開帳』で主役を務めた[1]。以降、日活ロマンポルノ初期を彩るアイドル女優として人気を得た[1][4]。1973年潤ますみに改名[1]。1974年にテレビドラマ『傷だらけの天使』(日本テレビ)の第4話に美人局役で出演し、冒頭にチラッと出た後、中盤でチンドン屋の恰好で萩原健一と廃船の中でセックスシーンを演じている[1]。1975年フリーとなり[1]、古巣東映や松竹作品に出演後、同年、牧口雄二監督の東映ポルノ『玉割り人ゆき』と続編『玉割り人ゆき 西の廓夕月楼』(1976年)に主演[1]。
『日本映画俳優全集・女優編』では、北川れい子から『玉割り人ゆき』『玉割り人ゆき 西の廓夕月楼』に関しては「情念を抑えつつなお情念に揺れ動く女を抑制した演技で好演」と評価されている[1]。しかし、『玉割り人ゆき』の監督・牧口雄二は「潤の芝居が下手過ぎて、すごい上手い人が欲しいと中島葵を脇でキャスティングした。潤は雰囲気だけの女優」と酷評している[5]。もっとも、牧口の演出はこうした現場での苛立ちを全く引きずっておらず、潤はこのカルト映画の顔として北川のような高評価も引き出した。成人映画評論家・北川康春は「細い体とあどけない顔に似合わぬ大きな胸、これが彼女のポイントです。ただし、演技はできない。いってみれば、ロマンポルノの中の"お姫様女優"です」と評している[2]。1976年に芸名を潤まりと改め、日活『暴行切り裂きジャック』(長谷部安春監督)に助演した後、24歳でスクリーンから姿を消したと『日本映画俳優全集・女優編』には書かれているが[1]、テレビドラマは1980年の『真夜中のヒーロー』(日本テレビ)まで、出演歴が見られる。また荒木のプロデュースで歌も出し[3]、歌手としてRCAから「裏町巡礼歌」(1974年)と「新小岩から亀戸へ」(1976年)の2枚のレコードを出している[4]。他にテレビのナイトショーの司会も務めたとされる[1]。
出演作品
[編集]映画
[編集]- 女番長ブルース 牝蜂の逆襲(1971年、東映) - 篠原由紀
- ポルノの帝王(1971年、東映) - 須田久子
- 女番長ブルース 牝蜂の挑戦(1971年、東映) - 尻軽の軽子
- 現代やくざ 人斬り与太(1972年、東映) - ユカリ(ホステス)
- 温泉スッポン芸者(1971年、東映) - 花村鮎子
- (秘)弁天御開帳(1972年、日活) - ふーてんのお紺
- 性豪列伝 お揉みいたします(1973年、日活) - ミチ
- 実録白川和子 裸の履歴書(1973年、日活) - 日活女優
- 妻三人 肌くらべ(1973年、日活) - 洋子
- 女高生SEX暴力(1973年、日活) - カルメンユキ
- 団地妻 歓喜の夜(1973年、日活) - 村石マキ
- 職業別SEX攻略法(1973年、日活) - 朱実
- 色道講座 のぞき専科(1973年、日活) - 薫
- 女高生 肉体暴力(1973年、日活) - 山岡亜矢
- 新色暦大奥秘話 愛戯お仕込処(1973年、日活) - おうた
- 怨歌情死考 傷だらけの花弁(1973年、日活) - 高見純子
- 団地妻 火遊び(1973年、日活) - 友美
- 真夜中の妖精(1973年、日活) - 石本冴子
- 女子大生 SEX夏期ゼミナール(1973年、日活) - 土田高子
- 肉体犯罪海岸 -ピラニアの群れ-(1973年、日活) - 今日子
- 性豪列伝 夜の牝馬ならし(1973年、日活) - 味方ユキ
- 女子大生 偽処女 (1973年、日活) - 真弓
- 性教育ママ(1973年、日活) - スミエ
- バンカク 関東SEX軍団(1973年、日活) - ジャックのおけい
- (秘)女子大生 SEXアルバイト(1974年、日活) - 三田映子
- 日本モーテルエロチカ 回転ベッドの女(1974年、日活) - 真弓
- 現代娼婦考 制服の下のうずき(1974年、日活) - 夏川真理
- トルコ風呂(秘)昇天(1974年、日活)
- 下苅り半次郎 (秘)観音を探せ(1975年、東映) - 薫太夫(吉原の花魁)
- 喜劇 女の泣きどころ(1975年、松竹)
- まむしと青大将(1975年、東映) - ローズ
- トルコ(秘)悶絶(1975年、日活)
- 玉割り人ゆき(1975年、東映) - ゆき
- 玉割り人ゆき 西の廓夕月楼(1976年、東映) - ゆき
- 暴行切り裂きジャック(1976年、日活) - 髪の長い女
テレビドラマ
[編集]- 狼・無頼控 第15話「異聞女人の館」(1974年、MBS)
- 傷だらけの天使 第4話「港町に男涙のブルースを」(1974年、NTV) - 美人局[1][6]
- 新宿警察(1975年、CX / 東映)[1]
- くれない心中(1978年、THK)※レギュラー出演
- 七人の刑事 第3シリーズ 第28話「悲しきチェイサー」(1978年、TBS)
- バトルフィーバーJ 第12話「呪い殺法バラ吹雪」(1979年、ANB / 東映) - 野方純子教諭/怪人バラリンガ/バラロボ ※潤真理子名義
- 真夜中のヒーロー(1980年、NTV) - 死神の女
- 大捜査線→大捜査線シリーズ 追跡(1980年、CX)
- 第28話「贋札遊戯」
- 第42話「君は人のために死ねるか」
- 太陽にほえろ!(NTV / 東宝)
- 第433話「金髪のジェニー」(1980年) - 石井ユミの同居人
- 第455話「死ぬなスニーカー」(1981年) - 池永の恋人
- ザ・ハングマン 燃える事件簿 第7話「亡者を呼ぶ金相場」(1980年、ABC) - 三谷明美(ファッションカメラマン)
- 西部警察 第69話「マシンX爆破命令」(1981年、ANB / 石原プロ) - 中島喜美子
- 走れ!熱血刑事 第15話「三日だけの拳銃」(1981年、ANB)
- 時代劇スペシャル(CX)
- 岡っ引どぶ 第1作「逆さ吊り殺人事件の影にひそむ奇怪な陰謀の謎!!」(1981年)
- 姫四郎流れ旅(1982年)
レコード
[編集]- シングル
- 裏町巡礼歌 / 泥棒ねこ(1974年8月、RCA)
- 新小岩から亀戸へ / 大人の子守歌(1975年9月、RCA)
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m 俳優全集 1980, pp. 359–360.
- ^ a b c d e f g h i 「ポルノ女優の"おんなの開眼"告白記 潤 ますみ=21歳 同棲が好きなのに
""恍惚" も知らない未熟な女なの 18歳で人口流産、同棲二回半、あまりに受動的な男性願望"SEX放浪記"」『週刊ポスト』1973年12月21日号、小学館、84–88頁。 - ^ a b 荒木一郎『まわり舞台の上で』文遊社、2016年、144-145頁。ISBN 978-4-89257-120-6 。
- ^ a b c 歌謡曲番外地 2007, pp. 162–163.
- ^ 筒井武文・多田功「ロングインタビュー牧口雄二」『女獄門帖 引き裂かれた尼僧』ワイズ出版〈日本カルト映画全集8〉、1996年、35-64頁。
- ^ 蘇る神代辰巳 – シネマヴェーラ渋谷
参考文献
[編集]- 『日本映画俳優全集・女優編』キネマ旬報社、1980年。
- 『歌謡曲番外地 Vol.1』シンコーミュージック・エンタテイメント、2007年。ISBN 978-4-401-75112-9。