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江田島平八

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江田島平八(えだじま へいはち)は宮下あきら作の漫画魁!!男塾』(およびその派生作品である『天より高く』・『曉!!男塾 青年よ、大死を抱け』・『天下無双 江田島平八伝』)に登場する架空の人物。

概要

男塾塾長。元海軍少将という経歴を持つ、和服姿で大柄な体格、長い口ひげとハゲ頭が特徴の中年男性。作中では、中国拳法の達人など優れた人物の多い中でも、ほぼ別格の超人的な人物として描かれている。

決め台詞とも言える「ワシが男塾塾長、江田島平八である!」の一喝であらゆることを解決してしまう[1]。『ジャンプアルティメットスターズ』やPS2版ゲーム『魁!!男塾』では、そのまま彼の必殺技となっている。

『天下無双 江田島平八伝』では主人公を務め、彼の青年時代の活躍が描かれる。

経歴

軍神と謳われた海軍中将、江田島國義の一人息子として生まれる。幼くして結核により母を亡くし、その後東京帝大を最優秀の成績で卒業し(中曽根康弘元首相とは同期生で、“なかちゃん”と呼ぶ仲)、恩賜の金時計を終生のライバル、熊田金造と半分に切り分け合った。その後、海軍で将官として上り詰め(同時期、男塾の教官にも就任)、陰の部隊天下無双隊隊長として神出鬼没の戦いを繰り広げる。その活躍ぶりは太平洋戦争終結期のアメリカ大統領にも「EDAJIMAがあと10人いたらアメリカは敗北していただろう」と高く評価された。しかし、激戦区のサマン島で副指令の伊佐武光(伊佐財閥の嫡男、のちの藤堂兵衛)の裏切りにより、率いる部隊が全滅、自身も米軍機の機銃掃射を身に受けて瀕死の重傷を負う。同時に、当時共に学徒出陣で出征していた男塾での学友達も失ってしまった。

終戦後、江田島は来日したマッカーサー元帥と互角の殴り合いを演じ、友情を交わした。その後、中国大陸の様々な武術を体得するために武者修行の旅にでたとされる。普通の人間では数十年かかる修行をわずか数ヶ月で会得していったなどの逸話を持ち、その間に男塾最大名物・驚邏大四凶殺に勝ち残るなどしている。戦後は一時期政治家として活躍し、内閣総理大臣にまで上り詰めるが就任当日に辞職し在任期間一日という異例の速さで退陣した(そのため歴代総理大臣の肖像画のなかでひとりだけ白紙となっている)。そして伝統ある男塾の塾長の地位に就き、優秀な人材を育て上げ現在に至る。

人物像

武人としても超一流で、大豪院邪鬼の挑戦を受けた時、あっさりと返り討ちにした。その肉体は「わしを倒したいなら核ミサイルでも持ってくるがいい!!」と豪語するほど頑強であり、常識はずれの身体能力を持つ超人である。戦車戦闘機零戦からハリアーまで)の操縦もこなし、飛行中の戦闘機から戦闘機に乗り移るという荒業もやってのけ、また宇宙空間を一丁で泳ぎ渡り、生身で大気圏再突入に耐える。

しかし、普段は残った一本の髪の毛を大事にしたり、塾長室で弁当をかきこんでいたり、週刊少年ジャンプなどの漫画雑誌を読んでいたりとお茶目な一面も持ち合わせている。軍国教育をしているものの、本質的には戦争は嫌い。

かつて秀才だったこともあり、英語に堪能である。アメリカ人相手に「I AM THE PRINCIPAL OF OTOKOJUKU, EDAJIMA HEIHACHI!!!(ワシが男塾塾長、江田島平八である!)」と英語で言うこともある。

塾長として塾生たちを厳しく教育するが、その根底には塾生たちに対して深い愛情を抱いており、塾生が死亡したときには一蓮托生となる危険に身をさらしている。そのような愛情に塾生たちも応えており、江田島のためには命も惜しまない。天挑五輪大武会では、自ら「男塾第三の助っ人」として参戦し、冥凰島十六士のうち3人を撃破している。

その後

『天より高く』の世界では既に男塾塾長の座を退いており、かの一喝も「わしが・男塾塾長、江田島平八である!」へと変わっている。初期の頃は老衰しきっており、実際一度死亡するのだが、主人公のソラがオリンピックから金メダルを手に帰ってくるとあっさり蘇生、以降は徐々に元気になっていき、『魁!!男塾』時代同様の姿を見せるようになった。

『曉!!男塾』においては男塾塾長として現役であり、未だ衰えぬ闘志と漢気を見せつけている。主人公の剣獅子丸の台詞で「天下無双。年も時代も関係なく、この言葉はあの人のためにある」「あの人にとってそんなことは関係ない。すべての理屈や常識を超越しているんだ…」と、江田島平八の凄まじさを物語っている。本作で唯一の息子・江田島魁が登場し、男塾に入塾した。

『私立極道高校2011』では既に他界しており、彼の遺言により男塾は廃校、男塾のあった地に敢闘精神の隆盛を願うべく「江田島記念格闘技館」を設立し、毎年彼の命日には王大人をはじめとする男塾OBにより、江田島の魂と意志を後世に伝える武闘式法事『天下無双忌』を開催している。

演じた役者

その他

  • 名前は海軍兵学校があった広島県江田島と、東郷平八郎が由来。
  • 性格上のモデルは厳格な警察官であった作者の父親。外見は昔の悪役レスラーをイメージしたと語っている。
  • ゲーム『ジャンプアルティメットスターズ』では、HPが全キャラクター内で最高値となっている。
  • ナムコの3D格闘ゲーム『鉄拳シリーズ』のキャラクター三島平八のモデルである。声優は3以降アニメ版『魁!!男塾』と同じく郷里大輔が演じている(1〜2では銀河万丈)。
  • 中華民国総統李登輝が江田島に扮したことがあった。詳細については、李登輝を参照。
  • アニメ版の江田島の眼の色はやや紺に近い碧眼の様に描かれている。

脚注

  1. ^ 『魁!!男塾』本編を通して全52回使用されている。この台詞を発する時の怒鳴り声はすさまじく、周囲の窓ガラスが簡単に砕け散り、近くにいる人間は全員が気絶してひっくり返るほど。