老衰
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老衰(ろうすい)とは、年をとって心身が衰えること意味する。医学が未発達の時代には高齢者の死因は老衰が原因としていた。生物学的・医学的には老化に伴って個体を形成する細胞や組織の機能の低下、恒常性の維持が困難になることが原因。
老衰によって生命活動が終わること(死ぬこと)を、老衰死(ろうすい し)とも言う。 老衰による死を表すのに、平素の日本語では「寿命が来た」「寿命が尽きた」などとも表現する。
[編集] 老衰死(生物学)
生物学的には、老衰による死は、現生人類のような極めて安定した頂点捕食者と、そのような現生人類の保護下にある状態の動物、および、天敵のいない(またはいなかった)特殊な環境下にあるような動物(例:ガラパゴスゾウガメ)にしか、厳密には起こり得ない。 ベニクラゲのようなごく一部の生物を除いて、ほとんど全ての生物個体は老衰から逃れ得ず、最終的に寿命が尽きて死を迎える。 頂点捕食者のニッチ(生態的地位)になかった頃の人類(アウストラロピテクスなど)、および、他の大多数の動物は、加齢から来る何らかの障害によって通常の行動を執りづらくなる時点で生命の危機に晒される。たとえ群れの仲間による保護が試みられようとも護りきれるものではなく、老衰が死因になるよりはるか以前の段階で捕食対象として殺されるか、もしくは、飢餓などがもたらす衰弱によって死に至る。
[編集] 老衰死(医学)
従来、多数の高齢者の死因は老衰と表現されることが多かったが、近代における医療技術の環境下では医学的原因には不適格であるとして死因を老衰と表現することが少なくなっている。これは、老齢による代謝・免疫・回復能力の不全による死因を、従来は老衰と表現されていたが、診断上、心不全・肺炎・多臓器不全・脳卒中などの病死扱いとなることが多くなっている。
しかし、実際は、何らかの慢性疾患に対して治療が行われていた場合も含み、高齢者の死亡原因は多岐に渡り、真実の病名が明らかでないにもかかわらず、それらしい病名がつけられる場合も多く、特に生来健康であった場合、死亡に至った原因の究明は監察医制度のある地域を除き、体表所見の観察以外の検査はほとんどの場合行われることはない。従って、解剖などによる確定診断ではなく、上記のような単に状況から推定されただけの病名がつけられている場合が多い。老衰というきわめて漠然とした死因ではなく、正しく診断され病名がつけられているという事では無いのが現状である。この事は、死者の死亡原因を究明するための検査を行うための高額の費用を負担する者が定められていない事が原因である。
具体的には、死亡後の検査は健康保険が適用されないため血液検査だけで数千円、これで死亡原因が確定することは少ない。次に、レントゲンなどの画像診断が数万円かかる。しかも死体のレントゲンや、CTを撮影する機械は、多くの場合、患者用とは別の部屋に別の機械を設置しないと、医療機関ではなく患者が嫌がるため、撮影を行えるケースはまれである。それでも死亡原因が確定しない場合、解剖が必要になるが、数十万円の費用がかかり、これらの費用は、犯罪が関わると警察が考えた場合警察の負担、医療機関が解剖を望んだ場合医療機関の負担、患者家族が望んだ場合、患者家族の負担となる。このように、「老衰」ではないなんらかの病名がつけられた場合、高額な費用を掛け得られた正確な病名か、一人の医師の(検査は一切無しの)診察のみによる推定による病名のどちらがつけられたのかでは、全くその意味が異なると考えられる。