東京厚生年金会館
東京厚生年金会館(とうきょうこうせいねんきんかいかん)は、東京都新宿区新宿5丁目にあった、厚生年金保険加入者の福祉増進を目的として社会保険庁が設置した厚生年金福祉施設。全国に所在する厚生年金会館の一つで、通称ウェルシティ東京。社会保険庁に関連する財団法人厚生年金事業振興団が運営していた。なお、所在地から、「新宿厚生年金会館」と呼ばれることもあった。
概要
1961年(昭和36年)4月15日にオープン。開場当時都内最大級を誇った多目的ホールと、91室あるホテル、宴会場、レストランがあった。 こけら落としの公演は、森繁久彌であった。 2005年に施設保有権が独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構に移管され、ほかの厚生年金会館とともに民間への売却対象となった。しかし新宿エリアでは数少ない大規模公共ホールでもあることから、新宿区議会が意見書[1]を所轄大臣である厚生労働大臣らに提出するなど、施設存続を求める動きも一部で見られた。
本館と別館についてそれぞれ2009年(平成21年)12月1日に入札公告が出され、2010年(平成22年)2月12日に入札が行われ、本館はヨドバシカメラが120億円で、別館は伸和技研が4億750万円で落札した。ヨドバシカメラはカメラ博物館・ギャラリー・オフィス他に、伸和技研はマンション建設予定地に活用する予定を表明している[2]。
なお、入札に先立ち、入札結果の如何に関わらず同年3月31日で厚生年金事業振興団による運営を終了し、2月10日〜2月26日にCHAGEandASKAのASKAがASKA10 DAYS SPECIALグッバイ&サンキュー東京厚生年金会館 -ここにあなたの足跡を-、3月27日に立川談春が、28日にさだまさし(同ホール最多公演となる174回目)が、29日に松山千春が公演を行って、ホールとしての歴史に幕を閉じた[3]。
閉鎖後、本館・別館とも解体され、別館跡地はマンションが建設された。本館については、建屋解体工事中に本館の内部に石綿(アスベスト)が使用されていたことがわかり、跡地に隣接する新宿区立新宿第二保育園に通う児童の保護者らがアスベスト問題への懸念を示していた。更地になった後は、暫定的に駐車場として活用されていたが、2016年2月から五洋建設により、ヨドバシ新宿ビルの工事が行われている(2017年3月竣工予定)[4]。
施設概要
- 所在地:東京都新宿区新宿五丁目3番1号
- 宿泊施設(宿泊室数 : 91室、宿泊定数 : 132名)
- 大ホール
- 収容席数 : 2,062席(1階 : 1,186席、2階 : 876席)
- ステージ : 間口20m×奥行16m×天井高11m
- 宴会場:6室
- その他にレストラン「アモーレ」、カルチャースクールもある。
東京厚生年金会館で行われていたイベント
- メガロポリス歌謡祭(1986年)
- 日清ちびっこのどじまん(第1回〜第3回日本一大会の会場として使用、1966年〜1968年)
- 新宿音楽祭
脚注
- ^ 東京厚生年金会館を公共性の高い施設として存続することを求める意見書(新宿区公式サイト内、PDF)
- ^ “平成21年度落札結果一覧”. 独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構. 2010年2月13日閲覧。
- ^ “松山千春、東京厚生年金会館49年の歴史に幕引き 「喜んでくれてるような気がする」”. ORICON STYLE. (2010年3月30日) 2015年11月21日閲覧。
- ^ (仮称)ヨドバシ新宿ビル新築工事 - 株式会社建設データバンク首都圏版。2016年3月22日閲覧。
関連項目
外部リンク
座標: 北緯35度41分31秒 東経139度42分41秒 / 北緯35.6920449度 東経139.7113538度