星降る王国のニナ

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星降る王国のニナ
ジャンル 恋愛漫画
ファンタジー漫画[1]
漫画
作者 リカチ
出版社 講談社
掲載誌 BE・LOVE
レーベル BE・LOVE KC
発表号 2019年11月号 -
発表期間 2019年10月1日[1] -
巻数 既刊9巻(2022年11月11日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

星降る王国のニナ』(ほしふるおうこくのニナ、英語: NINA the starry bride)は、リカチによる日本漫画作品。『BE・LOVE』(講談社)にて、2019年11月号から連載中[1]。『BE・LOVE』の編集長の米村昌幸によると、戦いと恋が描かれる王道ファンタジー作品[2]

2021年6月11日に単行本第5巻が発売された記念として、ボイスコミックが公開されている[3]

ストーリー

フォルトナ国城下ダヤに住む孤児の少女ニナは、たった一人でも良いから居場所が欲しいと願っていた。

珍しい瑠璃色の瞳から第二王子アズールに見いだされたニナは、大国ガルガダへ嫁ぐはずだったが事故死した王女アリシャ・セス・フォルトナに成り代わるため、美しく着飾り姫としての作法を身に付けることを求められるが、次第にアズールに心惹かれていく。

登場人物

声の項はボイスコミックの声優。

フォルトナ国

ニナ / アリシャ・セス・フォルトナ
フォルトナ国城下ダヤに暮らしていた孤児の少女。珍しい瑠璃色の瞳を持つため、前髪で顔を隠し、少年のふりをしていた。五年前の流行り病で両親を亡くし、同じく孤児になったサジ、コリンの兄弟と暮らしていたが、コリンの病死後サジに騙されアズールに買われ、事故死した王女アリシャ姫に成り代わることを求められる。アリシャ姫としては15歳。
天真爛漫でおてんばな性格。孤児ゆえに教養は何もなかったが、三か月足らずで巫女の知識をすべて覚え、王女としての振る舞い方を身に付けていくが、まだまだ猛勉強中。アリシャ姫とは瞳の色以外一切似ていないが、顔がほとんど知られていないため入れ替わりの事実は気づかれていない。本来の髪は短いので、長い髪の付け毛で隠している。
アリシャに成り代わって約3か月、巫女としての知識や王女としての作法、教養を猛勉強するうちに、アズールに心惹かれていく。アズールのいるフォルトナを守るために、太上皇の協力のもと一人ガルガダに旅立つ。
アズール・セス・フォルトナ
声 - 梅原裕一郎[3]
フォルトナ国第二王子[4]。灰金色の瞳が特徴。ガルガダに嫁ぐことになったアリシャを星離宮から王宮に連れてくる途中、アリシャ姫の乗った馬車が崖下に転落し、身代わりとしてニナを連れてくる。三か月間アリシャ姫の教育係を務める。
実は4歳で事故死した本物のアズールに成り代わった別人。王子の死を隠すために連れてこられ、十年間太上皇のもとで「この国のために生き、尽くす。決して何かを望んだり欲したりしてはならない」と厳しく教育され、13歳の頃には臣下から大きく期待され、17歳で連隊を率いるほどにまでの聡明さを持つ。しかし現王妃にムフルムが生まれたことで自身の存在意義を見失い、自分も他者も人形(コマ)だと思うようになる。当初ニナのことはいずれ死なせるだけの人形ととらえていたが、ニナのことは初めて欲しいと思い、アリシャ姫の婚姻を白紙にできないか奔走する。
太上皇(たいじょうこう)
現王の祖父、アズール、アリシャ、ムフルムの曽祖父にあたる。徒歩で半日ほどの距離にある赤い屋根の離宮で暮らしている。十年前は普通に歩けていたが、現在は腐毒のために両足が不自由になり、寝所との往復ができる程度。
本物のアズールの死後に連れてこられた現在のアズールを十年間離宮で育て、この国のために生きるように教育する。アズールを救いたいと嘆願に来たニナの振る舞いから、アリシャ姫ではないと見抜き、地下牢に入れるが、元々劣悪な環境で生きてきたニナにはまったく効果がなく、また自身の命よりもアズールなど入れ替わりの事実を知る者の命を優先する姿を見て、「”アリシャ”であればフォルトナを救える」とニナを導く。ニナのことを「紛い物で特異だからこそアズールを動かす風になる」と評し、ニナの力になる。
その後、ニナが一人でガルガダに向かう際に、配下のヒカミを侍女につける。
ムフルム
フォルトナ国第一王子。表向きはアズール、アリシャの異母弟にあたる。身長はニナの腰の辺りまでだが、体系はニナに言わせると「金持ちのちっさいおっさん」のようなむっちり体形。アズールのことを兄として慕い、憧れているが、自分の凡庸さを強く自覚しているため「アズールが王になればよい」と素直になれず、尊大に振る舞っていた。王女教育の疲れから部屋を抜け出したニナと出会い、共に過ごすうちに、素直にアズールを兄と慕えるようになる。ニナのことは王女として変わっていると言うが、姉として慕う。
フォルトナ王
現在のフォルトナ王。太上皇の孫にあたる。もとの正室との間にアズールを、亡き第三王妃との間にアリシャを、現王妃との間にムフルムをもうける。シャタルに夢中で、それゆえに4歳だった本物のアズールを死なせたが、自身の誕生祝が近かったことから「王子の死は不吉」だと身代わりを連れてこさせる。その身代わりであるアズールの優秀さが気に食わず、アズールが国の力になっていることは承知だが排除しようと動いている。側近のボーグ卿の進言からニナのことを「本物のアリシャではない」と疑い、問い詰めたが、ニナの機転により本物のアリシャだと認める。
フォルトナ王妃
ムフルムの母親。ムフルムを王にしようと動き、あからさまにアズールを嫌っているが、アズールの優秀さは認めており、ムフルムが即位した暁には国の力になると考えている。アズールが入れ替わっていることは知らない。アズールからすると、裏表がなく真っ正直で、正面からしか来ないので、むしろ好感を持っている。

ガルガダ

大陸北部の大国。フォルトナとは険しい山脈で隣接し、陸路でも海路でも遠回りしなければならず、数週間の道のり。元は小国であったが、この数十年で急激に力をつける。

セト
声 - 内山昂輝[3]
ガルガダの第一王子[4]。弟にヨル、トート、ビドーがおり、四人で王位を争っている。冷酷な物言いと振る舞いから恐れられ、心を許しているのはニナという名の鳥のみ。他国から人質として多くの姫を花嫁候補に迎え、自分を殺させようと仕向け、実行した場合は報復としてその国を滅ぼしていたが、ニナにそれを見抜かれる。ニナも他の姫と同じだととらえていたが、次第に何かが違うと考えるようになる。
ノア・ハレ
ガルガダの女王。銃の暴発で事故死した先王の妹で、セトたち四王子の叔母にあたる。四王子については、敬愛する兄の子ではあるので情はあるが、それぞれに足りないものがあると評している。
アン
ニナ付の侍女。元々はセトの居城の使用人だったが、ニナに気に入られ、侍女になる。

作風・評価

本作は王道な展開で描かれるファンタジーである[2]。ライターの黒田順子によると、本作ではアジアンテイストの宮殿の装飾や衣装が美しく描かれており、それにより世界観が表されている[5]

2021年12月にReal Soundで紹介された、ライターの白石弓夏が選ぶ「2021年コミックBEST10」にて、本作は第6位を獲得している[6]

2022年5月、第46回講談社漫画賞少女漫画部門を受賞[7]

書誌情報

  • リカチ『星降る王国のニナ』講談社〈BE・LOVE KC〉、既刊9巻(2022年11月11日現在)
    1. 2020年3月13日発売[8][講 1]ISBN 978-4-06-518717-3
    2. 2020年7月13日発売[講 2]ISBN 978-4-06-520217-3
    3. 2020年10月13日発売[講 3]ISBN 978-4-06-520983-7
    4. 2021年2月12日発売[講 4]ISBN 978-4-06-522365-9
    5. 2021年6月11日発売[3][講 5]ISBN 978-4-06-523658-1
    6. 2021年10月13日発売[講 6]ISBN 978-4-06-525681-7
    7. 2022年2月10日発売[講 7]ISBN 978-4-06-526769-1
    8. 2022年7月13日発売[講 8]ISBN 978-4-06-528572-5
    9. 2022年11月11日発売[講 9]ISBN 978-4-06-529878-7

脚注

出典

  1. ^ a b c “宿命を背負った少女を描くファンタジー、リカチの新連載「星降る王国のニナ」”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年10月1日). https://natalie.mu/comic/news/349749 2022年2月13日閲覧。 
  2. ^ a b “「これはレアだ!!」「ヤバいから…」編集者が太鼓判を押す25作品”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年2月2日). https://natalie.mu/comic/column/462685 2022年2月13日閲覧。 
  3. ^ a b c d “「星降る王国のニナ」5巻発売記念、梅原裕一郎&内山昂輝出演のボイスコミック公開”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年6月11日). https://natalie.mu/comic/news/432100 2022年2月13日閲覧。 
  4. ^ a b 【2021年6月】今読んで欲しい少女コミックあつめました『私の彼氏棚』”. TSUTAYA NEWS. カルチュア・コンビニエンス・クラブ (2021年6月4日). 2022年2月13日閲覧。
  5. ^ 運命に翻弄されながら、一生に一度の恋に出会う偽りの王女。王宮恋愛ファンタジー”. 講談社コミックプラス. 講談社 (2020年3月28日). 2022年2月13日閲覧。
  6. ^ 「2021年コミックBEST10」白石弓夏編 ヒロインをどれだけ愛せるかが推し作品のキーポイント”. Real Sound. blueprint (2021年12月22日). 2022年2月13日閲覧。
  7. ^ “第46回講談社漫画賞は「転スラ」「星降る王国のニナ」「ハコヅメ」に決定”. コミックナタリー (ナターシャ). (2022年5月11日). https://natalie.mu/comic/news/477252 2022年5月11日閲覧。 
  8. ^ “偽りの花嫁を描く王宮ファンタジー、リカチ「星降る王国のニナ」1巻”. コミックナタリー (ナターシャ). (2020年3月13日). https://natalie.mu/comic/news/371055 2022年2月13日閲覧。 

講談社コミックプラス

以下の出典は講談社コミックプラス(講談社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。

  1. ^ 『星降る王国のニナ(1)』(リカチ)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2022年2月13日閲覧。
  2. ^ 『星降る王国のニナ(2)』(リカチ)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2022年2月13日閲覧。
  3. ^ 『星降る王国のニナ(3)』(リカチ)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2022年2月13日閲覧。
  4. ^ 『星降る王国のニナ(4)』(リカチ)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2022年2月13日閲覧。
  5. ^ 『星降る王国のニナ(5)』(リカチ)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2022年2月13日閲覧。
  6. ^ 『星降る王国のニナ(6)』(リカチ)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2022年2月13日閲覧。
  7. ^ 『星降る王国のニナ(7)』(リカチ)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2022年2月13日閲覧。
  8. ^ 『星降る王国のニナ(8)』(リカチ)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2022年7月13日閲覧。
  9. ^ 『星降る王国のニナ(9)』(リカチ)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2022年11月11日閲覧。

外部リンク