性 (文法)
文法範疇 |
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典型的には形態統語的な範疇 |
典型的には形態意味的な範疇 |
形態意味的な範疇 |
文法における性(せい、gender)または文法〔的〕性 (grammatical gender) とは、関連する語のふるまいに文法的に反映する名詞の分類体系のこと[1][2]で、名詞の文法範疇の一つ[3]である。バントゥー語群やコーカサス諸語の記述では名詞類または名詞クラス (noun class) とも呼ばれるが、実質的な差はほとんどない[4]。この名詞の分類が実際の性と一致する場合もあるが、そうでないことも多い[2]。類別詞とは区別すべきだとされる[5][6]。
名詞の性によって、その名詞と文法的に関連する語のかたちが変わる現象を「性の一致」という。例えばロシア語では主語の名詞の種類によって、動詞の過去形が男性 (masculine; M)・女性 (feminine; F)・中性 (neuter; N) の3通りにかたちを変える。これは、動詞の過去形が主語の名詞と性の一致をしているのである。
ロシア語の例[7] | ||||
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a. | Журнал лежал на столе. | |||
žurnal | ležal | na | stole | |
雑誌 | あった.M | の上に | テーブル | |
「 | 雑誌はテーブルの上にあった」 | |||
b. | Книга лежала на столе. | |||
kniga | ležal-a | na | stole | |
本 | あった-F | の上に | テーブル | |
「 | 本はテーブルの上にあった」 | |||
c. | Письмо лежало на столе. | |||
pis′mo | ležal-o | na | stole | |
手紙 | あった-N | の上に | テーブル | |
「 | 手紙はテーブルの上にあった」 |
動詞のほかに、形容詞、限定詞、数詞、焦点標識などが性の一致をする言語がある[7]。
なおこのページでは文法的性とは別に、人間の性別に関する表現についても述べられている。
性の分け方
名詞をどのような性に分類するかは言語ごとに異なる。大きく分けると、名詞の意味によって分類する言語と、名詞のかたちに基づいて分類する言語がある。名詞をある性に分類することを、性を付与 (assign) するという。
意味による分類
性を持つ言語には、名詞の意味によって性を付与する言語がある。例えばタミル語では、男性と男神を指す名詞は男性名詞、女性と女神を意味する名詞は女性名詞、それ以外は中性名詞に分類される。
意味による性の付与の例(タミル語) | |||
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意味 | 性 | 例 | 和訳 |
男性と男神 | 男性名詞 | ஆண் (āṇ) | 「男」 |
சிவன் (civaṉ) | 「シヴァ」 | ||
女性と女神 | 女性名詞 | பெண் (peṇ) | 「女」 |
காளி (kāḷi) | 「カーリー」 | ||
その他 | 中性名詞 | வீடு (vīṭu) | 「家」 |
மரம் (maram) | 「木」 |
タミル語ではほぼ例外なく、意味と性が対応している。
一方、コンゴ民主共和国、スーダン、中央アフリカ共和国などで話されているザンデ語でも、名詞は意味によって性を付与されるが、例外が存在する。
意味による性の付与の例(ザンデ語) | |||
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意味 | 性 | 例 | 和訳 |
男性 | 男性名詞 | kumba | 「男」 |
女性 | 女性名詞 | dia | 「妻」 |
その他の有生物 | 動物名詞 | nya | 「獣」 |
その他 | 中性名詞 | bambu | 「家」 |
男性の人間と女性の人間は、それぞれ男性名詞・女性名詞に分類されるが、動物名詞には例外があり、およそ80の動物を意味しない名詞がこの性に分類される。
- 天体:diwi「月」、wangu「虹」
- 金属の物体(丸いものが多い):bande「ハンマー」、tongo「指輪」
- 食用植物(丸いものが含まれる):abangbe「さつまいも」、baundu「豆」
- 金属でない丸い物体:mbasa「呼び子」、badupo「ボール」
- その他:ze「傷痕」
この例外にはザンデの神話によって説明できるものが少しだけあるが、ほとんどのものは例外としか言えない。しかし、ザンデ語の性の付与はほとんど意味に基づいているといえる。
形式による分類
形式的な特徴によって性を付与する言語も存在する。しかし、そのような言語でも性の分類の中核には意味的な基準があり、形式的な基準は意味の基準が適用できない場合に用いられる。形式的基準には、形態論的なものと、音韻論的なものがある。
形態論による分類
意味的な基準が適用できない場合に、その名詞の屈折のしかたによって性を付与する言語がある。
例えばロシア語では、男性・女性・中性の三つの性があるが、男性と女性の付与には意味的な基準がある。男性や高等動物の雄を指す名詞は男性名詞に、女性や高等動物の雌を意味する名詞は女性名詞に分類される。
- 男性や雄→男性名詞:отец (otec)「父」、дядя (djadja)「おじ」、лев (lev)「雄ライオン」
- 女性や雌→女性名詞:мать (mat′)「母」、тётя (tjotja)「おば」、львица (l′vica)「雌ライオン」
しかし、性別を持っていないものを表す名詞は、男性のこともあれば女性や中性のこともある。
性別を持たないものを指すロシア語の名詞の性 | ||
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男性 | 女性 | 中性 |
журнал (žurnal)「雑誌」 | газета (gazeta)「新聞」 | письмо (pis′mo)「手紙」 |
дом (dom)「家」 | школа (škola)「学校」 | здание (zdanie)「建物」 |
чай (čaj)「紅茶」 | вода (voda)「水」 | вино (vino)「ワイン」 |
автомобиль (avtomobil′)「車」 | машина (mašina)「車」 | такси (taksi)「タクシー」 |
вечер (bečer)「夕方」 | ночь (noč′)「夜」 | утро (utro)「朝」 |
флаг (flag)「旗」 | эмблема (èmblema)「紋章」 | знамя (znamja)「旗じるし」 |
закон (zakon)「法律」 | гласность (glasnost′)「開放」 | доверие (doverie)「信頼」 |
このように、性別を持たないものを指すロシア語の名詞は意味的には似ていても違う性が付与される。性別を持たないものを意味する名詞を分類する基準は曲用のタイプという形態論的なものである。
ロシア語の単数名詞の曲用 | ||||
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I | II | III | IV | |
主格 | zakon | škol-a | kost′ | vin-o |
対格 | zakon | škol-u | kost′ | vin-o |
生格 | zakon-a | škol-y | kost-i | vin-a |
与格 | zakon-u | škol-e | kost-i | vin-u |
造格 | zakon-om | škol-oj | kost′-ju | vin-a |
前置格 | zakon-e | škol-e | kost-i | vin-e |
закон「法律」 | школе「学校」 | кость「骨」 | вино「ワイン」 |
ロシア語には大きく分けて四つの曲用のタイプがあり、タイプ I は男性名詞、タイプ IIとIIIは女性名詞、それ以外は中性名詞である。ただし、曲用のタイプよりも意味的な基準が優先するため、タイプIIにも男性名詞が存在する。このような、曲用のタイプと性との強い相関はインド・ヨーロッパ語族にはめずらしくない。
音韻論による分類
意味的な基準が適用できない場合に、音韻的な基準によって性を付与する言語もある。
例えばアファル語では、人間の男性と動物の雄を表す名詞は男性名詞、人間の女性と動物の雌を表すのは女性名詞に分類される。
- 男性や雄→男性名詞:bàxa「息子」、toobokòyta「兄弟」、barisèyna「男の先生」、kùta「雄犬」、abbà「父」
- 女性や雌→女性名詞:baxà「娘」、toobokoytà「姉妹」、bariseynà「女の先生」、kutà「雌犬」、gabbixeèra「腰の細い女性」
それ以外の名詞は音韻的に性が決まる。強勢のある母音で終わる名詞は女性名詞であり、その他は男性名詞である。
- 強勢のある母音で終わる→女性名詞:catò「助け」、karmà「秋」
- そのほか→男性名詞:cedèr「夕食時」、gilàl「冬」、tàmu「味」、baànta「トランペット」
性の数
グレヴィル・コーベット (Corbett 2011) は世界257の言語について、性がいくつあるか調査した。それによると、性のない言語が約半数で145、性が二つある言語が50、三つあるのが26言語、四つが12言語、五つ以上持つ言語は24あった(地図)。
地理的にみると、アフリカ南部・中西部に広がるニジェール・コンゴ語族のほぼ全ての言語が性を持っているほか、コイサン語族やアフロ・アジア語族など、アフリカ・中東の言語には性があるものが多い。またヨーロッパの印欧語族、コーカサスのナフ・ダゲスタン語族、南アジアの印欧語族やドラヴィダ語族も性のある言語の多い語族である。
一方、太平洋に分布するオーストロネシア語族、アジアのシナ・チベット語族、シベリアのウラル語族・アルタイ語族には性がほとんど見られない。
性がある言語では、二つあるものがもっとも多く、広い地域に分布している。アフロ・アジア語族は普通二つの性を持つ。印欧語族は三つあるものが多いが、二つになっているものも多い。四つある言語はナフ・ダゲスタン語族によく見られる。五つ以上の性を持つ言語はニジェール・コンゴ語族に多い。ナイジェリアのフラ語は例外的に多く、20の性を持っている。他には、パプア・ニューギニアの山岳アラペシュ語が13、北オーストラリアのガンギテメリ語 (Ngan’gityemerri) は15の性がある。
印欧語族の性
印欧祖語の名詞には元来は男性・女性・中性の区別があり、形容詞の変化もそれに呼応していたとされる。実際の印欧語族においては、これら三つの性を全て残している言語もあれば、性をほぼ完全に失った言語もあり、性の様相は多彩である。
男性・女性・中性の区別を全て残している言語としては、ラテン語、ドイツ語、スラヴ語等がある。これらのうちスラヴ語(ロシア語、チェコ語など)は、男性をさらに活動体と不活動体に分ける。
ラテン語から派生したフランス語、スペイン語などは、中性が男性に吸収され、性は男性と女性の二種類となっている(フランス語の代名詞cela、スペイン語の代名詞loなどは中性扱いである)。また、デンマーク語、スウェーデン語、オランダ語においては、女性と男性が融合して「通性」(両性、共性とも言う)になり、性は通性と中性の二種類となる。
英語では性はほぼ失われており、生物学的性に対応したもの及び擬人法を除けば、船や国名など一部の名詞(但し必須ではない)、3人称単数代名詞(he/she/it)においてのみ現れる。また、ペルシア語においては、性は代名詞も含めてほぼ完全に失われている(英語におけるhe/she/itの区別も存在しない)。
名詞の文法的性は、生物においては原則として生物学的性と一致するが、非生物においてはその対象の「男性性」や「女性性」とはほとんど無関係である。また、同じ対象を表す名詞でも、言語によって性は異なり、ラテン語では日は男性名詞、月は女性名詞(フランス語なども同じ)だが、ゲルマン語派では逆、スラヴ語派では太陽が中性となる。また、文法的性が生物学的性と一致しない場合も稀にある。たとえばドイツ語では、-lein と -chen(指小辞)で終わる単語は中性で、したがってMädchen(少女)は中性となる。また、語形と性が一致しない場合もわずかにあり、例えばポーランド語の pianista (男性ピアニスト)は代名詞や接続する形容詞が男性形となる歴とした男性名詞だが、女性語尾 -a を持ち女性名詞と同じ曲用をする(なお、女性ピアニストは指小辞の付いた pianistka)。いくつかの言語では人間の集合が女性(単数形)となる場合がある。
名詞の曲用が保存されている言語では、性は大体名詞の形態と語形変化に対応する。たとえばラテン語、ギリシア語、スラヴ語派などがそうである。ただし、若干の名詞は語形変化と性が一致していない場合がある(例えば人間の男性を表す名詞の場合、語形変化が女性名詞と同じでも男性名詞とされる言語が多い)。一方、フランス語などのように名詞の曲用を失った言語では、名詞だけでは性が判別できず、冠詞や形容詞があって初めてわかることもある。ドイツ語も(格変化は残っているが)これに近い。
非常に変わった例としてウェールズ語がある。全体としては性の指標(名詞、また形容詞の多く)は失われているが、ある場所で最初の子音が他の子音に変わるという特徴がある。たとえば merch という単語は girl を意味するが、定冠詞を付けた 'the girl' は y ferch である。これは女性名詞にのみ起こる現象で、男性名詞は定冠詞の後でも変化しない(例:mab - 'son'、y mab - 'the son')。性は名詞の後に続く形容詞にも同様に影響する。たとえば、'the large girl' は y ferch fawr だが、 'the large son' は y mab mawrである。
動詞の変化(分詞を除く)は通常は性によらないが、スラヴ語においては、過去時制のみ性によって変化する(分詞に由来するため)。
セム諸語
多くの場合男性・女性の2種がある。以下代表的なアラビア語で説明する。名詞は語尾で男性か女性か判別できるものが多い。大抵の女性名詞はة(ター・マルブータ)で終わり、男性名詞にةをつけて女性名詞にしたものも多い。双数や複数、動詞の人称変化でも男女の区別がある。形容詞は叙述用法、限定用法にかかわらず修飾する名詞によって形を変え、ほとんどの場合にはةをつけることで女性形となる。但し定冠詞は性によらずالを用いる。また名詞や形容詞の格変化も性によらない。
アラビア語では体の対を成す部分(目や耳など)や地名は女性名詞である。また、集合名詞を女性名詞化することで個別の名詞を作ることが出来る。شجر(shajar: 樹木)に対するشجرة(shajara: 木)などである。
コーカサス諸語
コーカサス諸語には、名詞クラスがない言語、2クラスだけある言語もあるが、バツ語には8クラスある。しかし一番多いのは4クラス(男性、女性、活動体やある種の物体、その他)のものである。アンディ語には虫のクラスというものがある。コーカサス諸語ではクラスは名詞そのものには明示されないが、動詞、形容詞、代名詞によって示される。
アルゴンキン語族
北米のアルゴンキン語族では活動体・不活動体の2クラスを区別するが、この区別はむしろ力のある・なしの区別だとする人もいる。すべての生物、また神聖なものや大地につながりのあるものは力のあるものと考えられ「活動体」に分類される。しかし分類はかなり恣意的で、たとえば「キイチゴ」が活動体、「イチゴ」が不活動体となる。
バントゥー諸語
バントゥー諸語にはのべ22種の名詞クラスがある。1言語でそのすべてを持っているものはないが、少なくとも10種は持っている。たとえばスワヒリ語には15種、ソト語には18種ある。人間に関して数種ある場合が多い。
人の性別に関する表現
文法性のある言語では、3人称はもちろん、1人称・2人称に関しても形容詞の形の違いなどで対象の性別がわかる。しかし文法的な性のない言語でも、語彙の指示対象や話者などの現実の性別を表す決まりがある。
人称代名詞
日本語(共通語)では、1人称単数の代名詞(ぼく・おれ・あたしなど)が話者の性別によって異なる(ただし日本語の方言にもこのような区別がほとんどないものもあり、たとえば「おれ」などを男女問わず用いる方言も多い)。同様の例は他の言語にもあり、東南アジア諸言語(文法的性はない)などが代表的である。インド・ヨーロッパ語ではトカラ語(死語)で1人称男女の区別があった。
2人称単数の代名詞に関しては、セム語派(アラビア語など)で性による区別がある。また東南アジア諸言語などで3人称に由来する単語を用いる場合には性別を区別することが多く、ヨーロッパ言語でもVIPに敬意を払う場合にはこのような言い方が現れる(英語では2人称で用いる場合にはYour highness[殿下]と性別が現れなくても、3人称ではHer highnessというふうに区別される)。日本語でも3人称を2人称的に用いる「おじさん」「ねえさん」などの言い方、また書き言葉のみではあるが「貴女」などと性別が現れることがある。
文法性がある言語では3人称単数の人称代名詞にも性別があるのが普通である(現実の性だけでなく、非人間に対しても名詞の性に対応して使い分けることが多い)。複数形でも性別がある言語が多いが、男女が混じっている(または特定しない)場合には男性複数形で代表させることが多い。一方文法上の性がない言語では3人称代名詞にも性別がないものが多い。日本語の「彼」はもともと男女を限定しない代名詞であり(「彼女」はsheの訳語として明治時代に作られた)、人間以外にも「あれ」の意味で用いた。ヨーロッパの言語でも、インド・ヨーロッパ語でないハンガリー語やフィンランド語では「彼」と「彼女」を区別しない(人間と非人間は区別する)。英語は、文法的性はほとんど失ったが、依然として3人称単数の人称代名詞heとsheを区別する。また人間以外の生物や無生物を表すitも区別し、itに当たるものをheまたはsheと呼ぶのは(例外的に国や船をsheと呼ぶのを別として)擬人法である。ただし複数にはtheyを使い、性別も、人間かどうかも区別されない。ペルシャ語では人称代名詞においても性は消失し、「彼」も「彼女」も「それ」もاو(ū)で受ける。
人名
人名のうち名は男女の区別があるのが普通である。日本やヨーロッパでは語尾などで性別がわかる例が多い。しかし日本では「かおる」など男女とも用いる名もいくつかある。キリスト教を奉じる国々では聖人暦に書かれている、誕生日と同じ月日に記された名前の中から決める(あるいは、決めさせられる)場合が多い。ヨーロッパでは男女で区別のない名は非常に少ないが、フランス語のカミーユCamille(これは語尾が退化したため。綴りは違うものの発音が同じ例としては、ミシェルMichel(男) / Michelle(女)も)などの例がある。また男性名に強さ、女性名に美しさなどを表現する傾向は世界的に見られるが、例外も多い(男性名に「美」を使う(『美』という字が元々『大きな羊』をあらわしていた事に由来するから)など)。ロシアの人名では父称と姓(形容詞に由来する)の語尾が男女で変化する。そのほか姓がなく父称に当る名称を用いる文化でも男女を区別する場合がある(アイスランドなど)。
敬称・職業名など
ヨーロッパ言語では敬称が男女別になっている。特に女性は未婚と既婚で区別があることが多く(既婚者は夫に属するという古い考えによる)、ポリティカル・コレクトネスやジェンダーフリーの観点から問題にされている。そのため英語では未婚・既婚を問わない敬称Ms.(ミズ)が作られ、現在ではかなり普通に用いられている。日本語においても、通常は男女とも「さん」を使用するが、児童生徒や目下に対しては女子の「さん」と並行して男子に「君」を使用することも、ジェンダーフリーの観点から問題視されている。また例えばchairman(議長)などの単語が暗黙に男性に限定されていることを問題とされ、これもchairpersonの語が普及している。日本語でも近年「看護婦」の名が廃止され「看護師」に統一された、また「スチュワーデス」の名が使われなくなったなどの例がある。
脚注
参考文献
- Corbett, Greville G. 1991. Gender. Cambridge: Cambridge University Press.
- Corbett, Greville G. 2011. “Number of Genders”. Dryer, Matthew S. & Haspelmath, Martin (eds.) The World Atlas of Language Structures Online. Munich: Max Planck Digital Library, chapter 30. 2011-09-04閲覧
- Dixon, R. M. W. 1982. ‘Where Have All the Adjectives Gone?’ and Other Essays in Semantics and Syntax. Berlin: Mouton de Gruyter