小川町 (川崎市)
小川町 | |
---|---|
ラ チッタデッラの街並み | |
北緯35度31分38.34秒 東経139度41分53.28秒 / 北緯35.5273167度 東経139.6981333度 | |
国 | 日本 |
都道府県 | 神奈川県 |
市町村 | 川崎市 |
区 | 川崎区 |
町名制定 | 1924年(大正13年)6月 |
面積 | |
• 合計 | 0.106121392 km2 |
人口 | |
• 合計 | 2,358人 |
• 密度 | 22,000人/km2 |
等時帯 | UTC+9 (日本標準時) |
郵便番号 |
210-0023[3] |
市外局番 | 044(川崎MA)[4] |
ナンバープレート | 川崎 |
小川町(おがわちょう[5])は、神奈川県川崎市川崎区の町名である。住居表示に関する法律に基づく住居表示は実施されておらず、丁目は設けられていない[5]。面積は106121.39m2[1]。
地理
川崎区の北西部、川崎駅東口の駅前広場南方に位置し、南西-北西は県道川崎町田線(市電通り)および京浜急行の高架橋を挟んで日進町、北東は県道扇町川崎停車場線(新川通り)を挟んで砂子2丁目、南西は南町に隣接する[6]。南町との境の道は市電通りから新川通りへの一方通行で、道沿いにある銭湯から「政の湯通り」と呼ばれる[7]。政の湯通りに並行する小川町本通りはかつての東海道で、新川通りと交わる小土呂橋の交差点名は、かつての新川堀にかかっていた水路の橋の名残である。京急線沿いに東京ガスの料理教室[8]、その裏手には1553年(天文22年)創建の教安寺がある[9]。
駅前広場に面する角には百貨店「川崎さいか屋」があったが、2015年に閉店し、京急を挟んだ川崎日航ホテル内に小型のサテライト型店舗を開設した。旧川崎さいか屋跡地には2019年に川崎ZERO GATEが開業した。その後背部には、シネマコンプレックス「チネチッタ」を中心とする複合施設「ラ チッタデッラ」が広がる。
市立小・中学校に通う場合は、町内全域が川崎市立川崎小学校[10] および川崎市立川崎中学校[11] の学区となる。
川崎区内には大川町の町名があるが、埋立事業の功労者の一人の大川平三郎から採られた人名地名であり、成り立ちを異にする。
歴史
東海道の川崎宿には小土呂町、砂子町、新宿町、久根崎町の4町が複雑に入り組んでおり、現在の小川町の町域は小土呂町の元木耕地および古川通耕地の各一部であったと推測される[12][13]。現在のチネチッタ通りから銀柳街への通りは、1935年頃に埋め立てられるまで古多摩川の枝流の古川が流れていた。一帯は水はけの悪い土地であったが、排水路となる新川堀が1650年に開削された。小川町の地名ができたのは1924年(大正13年)6月で、当初は川崎町、同年7月には市制施行により川崎市の町名となる。1964年には区画整理が行われ、町域の一部を南町と砂子2丁目に編入するとともに、上並木・見染・南町・古川通・砂子2丁目の各一部を小川町に編入した[14]。1972年(昭和47年)4月1日には川崎市が政令指定都市に移行したことにより、川崎市川崎区小川町となる。
エンターテインメントの街として
この地がエンターテインメントの街となるはじまりは1936年(昭和11年)頃に開館した映画館「川崎銀星座」[15][注釈 1]で、1939年までに川崎銀星座を含め6館の映画館が誕生した。1945年の川崎大空襲で全館が焼失したが、神奈川新聞によると1945年11月に川崎銀星座が再開したとある。1947年までに、「実演花月劇場」、「川崎オデオン座」、「川崎第一東宝劇場」、「川崎大映劇場」、「川崎映画劇場」の6館が完成して、経営者の美須鐄の姓から、映画街「ミスタウン」と称するようになった[15]。京急川崎駅方面へと流れていた旧古川の川筋は「銀映会」「銀柳街」「銀座街」のアーケード商店街となり発展を遂げる。1956年には、横須賀市から進出した百貨店「さいか屋」が営業開始した[17]。
1962年には大小合わせて16館の映画館が揃い、1965年にはボウリング場やスケートリンクを備えたスポーツセンターも開業した[注釈 2]。1966年には、国電川崎駅との間を隔てていた京浜急行の線路が連続立体交差事業により高架化され、回遊性が増す[19]。1985年から再開発が行われ、1987年にシネマコンプレックス「チネチッタ」、1988年にライブハウス「CLUB CITTA'」がオープン[20]。2002年には複合商業施設「ラ チッタデッラ」が完成した[20]。2003年から2006年にかけては興行収入日本一を記録。2011年にチネチッタ別館のチネグランデが閉館するまでは、総座席数3808席で日本一を誇った[注釈 3][21]
「銀映会」は新川通り沿いの商店街として存続したが、2001年をもって商店街組合が解散した[20]。さいか屋は2009年に事業再生ADRの一環として不動産を売却し、リースバックで営業を続けたが、売却先の地権者の意向で閉店することとなり、2015年5月末で現在地での営業を終了した[22]。
1997年に第1回が開催されたハロウィンイベント「カワサキハロウィン」は回を追うごとに参加者が増え、川崎の秋の風物詩となった。例年10月最終週の土日に、ラ チッタデッラをメイン会場として川崎駅周辺をパレードする。2019年はパレード参加者1850人、沿道には12万人の観客が訪れた[23]。[注釈 4]
-
1954年頃の銀星座
-
チネチッタの夜景
-
川崎さいか屋、2008年撮影
-
カワサキハロウィン、2011年開催時の様子
治安・風紀の維持
2022年(令和4年)11月1日、神奈川県は小川町を神奈川県暴力団排除条例に基づき暴力団排除特別強化地域に指定した[24]。
世帯数と人口
2022年(令和4年)6月30日現在(川崎市発表)の世帯数と人口は以下の通りである[2]。
町丁 | 世帯数 | 人口 |
---|---|---|
小川町 | 1,792世帯 | 2,358人 |
人口の変遷
国勢調査による人口の推移。
1995年(平成7年) | 1,147人 | [25] | |
2000年(平成12年) | 1,209人 | [26] | |
2005年(平成17年) | 1,574人 | [27] | |
2010年(平成22年) | 1,944人 | [28] | |
2015年(平成27年) | 2,158人 | [29] | |
2020年(令和2年) | 2,400人 | [30] |
世帯数の変遷
国勢調査による世帯数の推移。
1995年(平成7年) | 647世帯 | [25] | |
2000年(平成12年) | 704世帯 | [26] | |
2005年(平成17年) | 1,042世帯 | [27] | |
2010年(平成22年) | 1,384世帯 | [28] | |
2015年(平成27年) | 1,468世帯 | [29] | |
2020年(令和2年) | 1,726世帯 | [30] |
学区
市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる(2021年12月時点)[31][32]。
番・番地等 | 小学校 | 中学校 |
---|---|---|
全域 | 川崎市立川崎小学校 | 川崎市立川崎中学校 |
事業所
2016年(平成28年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[33]。
町丁 | 事業所数 | 従業員数 |
---|---|---|
小川町 | 252事業所 | 3,216人 |
その他
日本郵便
警察
町内の警察の管轄区域は以下の通りである[35]。
番・番地等 | 警察署 | 交番・駐在所 |
---|---|---|
全域 | 川崎警察署 | 川崎駅前交番 |
関連項目
脚注
注釈
出典
- ^ a b “町丁別面積(総務省統計局「地図で見る統計(統計GIS)」の数値)”. 川崎市 (2018年5月22日). 2021年12月12日閲覧。
- ^ a b “令和4年町丁別世帯数・人口 6月30日現在” (XLS). 川崎市 (2022年7月25日). 2022年7月25日閲覧。 “令和4年町丁別世帯数・人口 6月末日現在”
- ^ a b “小川町の郵便番号”. 日本郵便. 2021年8月11日閲覧。
- ^ “市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
- ^ a b “区別町名一覧表(川崎区)”. 川崎市市民文化局市民生活部戸籍住民サービス課 (2013年12月9日). 2021年4月17日閲覧。
- ^ (角川 1984, p. 1075)
- ^ (昭文社 2020, p. 7)
- ^ かわさき区の宝物シート2-2 東京ガスキッチンランド川崎
- ^ かわさき区の宝物シート2-6 教安寺
- ^ “川崎市立小学校の通学区域”. 川崎市 (2016年4月19日). 2021年4月16日閲覧。
- ^ “川崎市立中学校の通学区域”. 川崎市 (2015年4月1日). 2021年4月16日閲覧。
- ^ (日本地名研究所 1991, pp. 28–29)
- ^ (日本地名研究所 2013, pp. 18, 20)
- ^ (角川 1984, p. 208)
- ^ a b (二宮 2009, p. 3)
- ^ かわさき区の宝物シート2-3 ラ チッタデッラ
- ^ “川崎「駅前」のにぎわいはなぜ続いてきたのか”. 東洋経済オンライン. p. 2 (2018年8月4日). 2021年4月25日閲覧。
- ^ ヒストリー(ラ チッタデッラ)
- ^ “京急川崎駅 駅の概要”. 京浜急行電鉄. 2021年4月25日閲覧。
- ^ a b c かわさき区の宝物シート2-5 銀映会 (川崎映画街)
- ^ “川崎「駅前」のにぎわいはなぜ続いてきたのか”. 東洋経済オンライン. p. 4 (2018年8月4日). 2021年4月25日閲覧。
- ^ “半世紀の歴史に幕 さいか屋川崎店が来年5月に閉店。その真相は?”. はまれぽ.com (2014年4月11日). 2021年4月25日閲覧。
- ^ “今年はどんな仮装が多い?「カワサキ ハロウィン2019」をレポート!”. はまれぽ.com (2019年10月30日). 2021年4月21日閲覧。
- ^ “神奈川県暴力団排除条例(平成22年神奈川県条例第75号) 令和4年改正 令和4年11月1日施行”. 神奈川県 (2022年). 2022年9月19日閲覧。
- ^ a b “平成7年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年3月28日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成12年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年5月30日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年8月16日閲覧。
- ^ a b “令和2年国勢調査の調査結果(e-Stat) -男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等”. 総務省統計局 (2022年2月10日). 2022年2月20日閲覧。
- ^ “川崎区の小学校(町丁名順)”. 川崎市 (2017年11月20日). 2021年12月18日閲覧。
- ^ “川崎区の中学校(町丁名順)”. 川崎市 (2017年11月20日). 2021年12月18日閲覧。
- ^ “平成28年経済センサス-活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果”. 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。
- ^ “郵便番号簿 2020年度版” (PDF). 日本郵便. 2021年8月7日閲覧。
- ^ “交番のご案内”. 川崎警察署. 2021年12月18日閲覧。
参考文献
- 『県別マップル14 神奈川県道路地図』昭文社、2020年。ISBN 978-4-398-62683-7。
- 『角川日本地名大辞典 14 神奈川県』角川書店、1984年6月8日。
- 日本地名研究所『川崎の町名』川崎市、1991年3月31日。
- 日本地名研究所: “川崎町と南河原村の字名” (PDF). 川崎市 (2013年3月). 2021年4月16日閲覧。
- 日本地名研究所: “川崎市 川崎区・幸区の町名の移り変わり” (PDF). 川崎市 (2020年1月). 2021年4月16日閲覧。
- 二宮公雄 (2009年11月13日). “娯楽エリアの成立と商店街の発展” (PDF). 川崎市. 2021年4月21日閲覧。