大野龍二

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大野 龍二(おおの りゅうじ、1985年1月27日 - )は日本の元陸上競技選手、専門は長距離種目鹿児島県出身。鹿児島実業高等学校卒業、愛知製鋼所属。アテネオリンピック男子10000m日本代表。男子10000mジュニア日本記録保持者。

人物・来歴[編集]

鹿児島市立谷山小学校鹿児島市立桜島中学校卒業[1]。中学校で陸上部に入り本格的に陸上競技を始める。2000年、中学3年時には第5回全国都道府県対抗駅伝の2区を走り、鹿児島県代表として優勝を飾る[2]

同2000年鹿児島実業高校に進学、同校卒業の後2003年旭化成に入社。2004年には記録を伸ばし6月5日には第88回日本選手権に出場。初出場ながら男子10000mにおいて優勝、ジュニア日本新記録となる27分59秒32をマークした[3](従来の記録は藤原正和が保持していた28分17秒38)。またこの時自己ベストを30秒以上短縮しアテネオリンピック10000m参加B標準記録を突破した。6月26日にはホクレン・ディスタンスチャレンジ士別大会において7分57秒58をマーク、男子3000mのジュニア日本新記録を樹立した[3](従来の記録は佐藤悠基が僅か19日前に樹立した8分05秒82)。この結果、アテネオリンピック男子長距離トラック代表に選出された。

同2004年、7月14日イタリアで行なわれた世界ジュニア10000mに出場、3位の成績を残した[4]8月20日には、ギリシャアテネで行なわれたオリンピック男子10000m決勝に出場。ケネニサ・ベケレが27分05秒10のオリンピック新記録で優勝する中、29分06秒50で走り19位の成績を残した[5]

2008年北京オリンピックの出場選考会を兼ねた第92回日本選手権10000mに出場。松宮隆行コニカミノルタ)から3秒89差の2位となった。大野は北京オリンピック10000mの参加B標準記録を突破していたが[6][7]、同選手権5000m10000m2冠の松宮および同選手権5000mで2位に入った竹澤健介が同参加A標準記録を突破していたため、大野の北京オリンピック出場は叶わなかった[8]2009年元旦、第53回全国実業団駅伝では1区を担当、スローペースで進むレースのラスト勝負で松宮・北村聡日清食品グループ)らを競り落とし区間賞を獲得[9]。旭化成の3位に貢献した。

2014年4月より、愛知製鋼に移籍。2016年3月に開催された鹿児島マラソン出場を最後に現役を退いた[10]

主な戦績[編集]

大会 区間 距離 順位 記録 備考
2000 第5回天皇盃全国都道府県対抗男子駅伝競走大会 2区 3.0 km 区間15位 8分51秒 鹿児島県代表
2004 第88回日本陸上競技選手権大会 10000m 優勝 27分59秒32
2004 第10回世界ジュニア陸上競技選手権大会 10000m 3位 28分30秒45
2004 アテネオリンピック 10000m 19位 29分06秒50
2004 スーパー陸上 5000m 10位 13分44秒97
2005 全日本実業団対抗駅伝競走大会 1区 12.3 km 区間14位 34分59秒
2005 第10回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会 7区 13.0 km 区間15位 38分32秒 鹿児島県代表
2005 第89回日本陸上競技選手権大会 10000m 3位 28分13秒95
2006 第50回全日本実業団対抗駅伝競走大会 1区 12.3 km 区間14位 35分03秒
2006 第11回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会 3区 8.5 km 区間16位 25分11秒 鹿児島県代表
2006 第90回日本陸上競技選手権大会 10000m 6位 29分05秒79
2007 第51回全日本実業団対抗駅伝競走大会 1区 12.3 km 区間12位 35分10秒
2008 第52回全日本実業団対抗駅伝競走大会 1区 12.3 km 区間4位 34分44秒
2008 第92回日本陸上競技選手権大会 10000m 2位 27分55秒16
2009 第53回全日本実業団対抗駅伝競走大会 1区 12.3 km 区間賞 35分39秒
2009 第93回日本陸上競技選手権大会 10000m 4位 28分41秒09
2016 鹿児島マラソン2016 マラソン 120位 2時間55分52秒 初マラソン・引退レース

記録[編集]

  • 3000m - 7分54秒21(2008年)
  • 5000m - 13分32秒67(2008年)
  • 10000m - 27分53秒19(2008年)

脚注[編集]

  1. ^ 南日本新聞 2015, p. 1023.
  2. ^ <8>>陸上男子一万メートル 大野龍二 “小学生”鮮烈デビュー 「楽しく走る」原点に 西日本新聞(04-07-06). 2009-11-12閲覧。
  3. ^ a b ジュニア日本記録 財団法人日本陸上競技連盟 2009-11-12閲覧。
  4. ^ 大野が世界Jr男子1万で3位 サンスポ.com(04-07-16). 2009-11-12閲覧。
  5. ^ 大野1万M19位、ベケレ優勝/陸上 nikkansports.com(04-08-21). 2009-11-12閲覧。
  6. ^ 財団法人日本陸上競技連盟 大野の持つ記録は、2008年6月に新潟選抜競技会でマークした27分53秒19。参加標準記録Aには6秒19届かず。 2009-11-12閲覧。
  7. ^ 財団法人日本陸上競技連盟 2009-11-12閲覧。
  8. ^ 第59回日本陸上競技選手権大会 旭化成株式会社 2009-11-12閲覧。
  9. ^ 第53回全日本実業団駅伝 ニューイヤー駅伝2009 sportsnavi(09-01-01) 2009-11-12閲覧。
  10. ^ 愛知製鋼陸上競技部:選手の1日 2016-04-09閲覧。

参考資料・外部リンク[編集]