塩尻和也

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塩尻 和也
しおじり かずや
Portal:陸上競技
選手情報
フルネーム 塩尻 和也
ラテン文字 SHIOJIRI Kazuya
愛称 お塩さま
国籍 日本の旗 日本
競技 陸上競技
種目 長距離種目3000mSC
所属 富士通
生年月日 (1996-11-08) 1996年11月8日(27歳)
出身地 群馬県の旗群馬県伊勢崎市
身長 170cm
体重 56kg
自己ベスト
1500m 3分47秒15(2016年)
5000m 13分16秒53(2021年)
10000m 27分09秒80(2023年)日本記録
3000mSC 8分27秒25(2019年)
20km 59分36秒(2016年)
ハーフマラソン 1時間01分22秒(2018年)
獲得メダル
陸上競技
アジア競技大会
2018 ジャカルタ 3000mSC
アジア陸上競技選手権大会
2019 ドーハ 3000mSC
ユニバーシアード
2017 台北 10000m
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塩尻 和也(しおじり かずや、1996年11月8日[1] - )は、群馬県伊勢崎市出身の陸上競技選手。専門は長距離走群馬県立伊勢崎清明高等学校順天堂大学スポーツ健康科学部卒業[1]富士通陸上競技部所属。

人物・来歴[編集]

高校時代まで[編集]

中学時代はソフトテニス部に所属していた[2]

高校2年時の2013年、インターハイの男子3000mSCで5位入賞[3]。1月の全国都道府県対抗駅伝では1区で12位という成績を残す[3]

高校3年時の2014年、5月の群馬県高校総体3000mSCで当時高校歴代6位の記録で優勝。6月の第98回日本選手権3000mSCで当時高校歴代4位の記録で7位入賞[3]。7月にアメリカのユージーンで開かれた第15回世界ジュニア陸上競技選手権大会の3000mSC代表となり、8分45秒66の記録(当時高校歴代2位)で9位となった[4]。8月のインターハイ3000mSCは8分53秒42で優勝。

大学時代[編集]

大学1年時[編集]

2015年に順天堂大学に進学。3000mSCでの記録向上を目指して順天堂大学(日本記録保持者の岩水嘉孝の出身校で監督の仲村明も元選手)を選択したという[5]。入学直後に自転車で転倒負傷したり、7月に熱中症に罹患するアクシデントもあったが、第99回日本選手権3000mSCで6位入賞。10月の第47回全日本大学駅伝では2区区間4位[2]。2016年1月の第92回箱根駅伝では1年生ながら2区に起用され、区間5位であった。

大学2年時[編集]

リオデジャネイロオリンピック代表選考会となった6月の第100回日本選手権3000mSCでは8分36秒45の記録で2位に入ったが[6]、オリンピック参加標準記録は突破できず[7]、6月27日の代表選手発表時点では選考に漏れた。7月7日の順天堂大学記録会3000mSCで8分31秒89の自己ベストをマークする[8]

オリンピック開幕直前の8月3日、他国の個人出場枠の選手が辞退したため、国際陸上競技連盟からのInvitationにより3000mSCの日本代表に選出された[7][9]。オリンピック本番では8月15日の予選に出場したが、8分40秒98の11位で敗退となった[10]

2017年1月の第93回箱根駅伝では2区で8人抜きの快走を見せた。

大学3年時[編集]

4月1日の金栗記念選抜では5000mで13分33秒14の自己ベストを記録。11月25日の八王子ロングディスタンス10000mでは日本人学生歴代4位となる27分47秒87を記録した[11]

大学4年時[編集]

2018年アジア競技大会

2018年6月の第102回日本選手権3000mSCでは当時日本歴代8位となる8分29秒14の自己ベストで優勝。8月のジャカルタ・アジア大会3000mSCでは銅メダルを獲得。終盤まで先頭でレースを引っ張る果敢な走りを見せたが「メダルを取れたことはうれしいけど、ラスト1周のところで順位を落としてしまったのは悔しい。」とコメントした。9月の第87回日本インカレ3000mSCでは4連覇を達成した[12]

10月13日の第95回箱根駅伝予選会では1時間01分22秒の自己ベストで個人2位・日本人トップでゴールし予選通過に貢献。11月の第50回全日本大学駅伝では13位でタスキを受けるとオープン参加の日本学連選抜を含めた10人をかわし4位に浮上する好走を見せた。箱根駅伝本戦では4年連続で2区を担当。19位でタスキを受けると10人抜きの快走で9位に浮上。2区日本人歴代最速タイムとなる1時間06分45秒を記録した。

実業団時代[編集]

2019年4月に富士通に入社。ドーハでの第23回アジア陸上3000mSCでは8分32秒25で銅メダルを獲得。同大会での日本選手メダル獲得第1号となった[13]

2021年4月10日の第29回金栗記念選抜5000mでは13分22秒80の自己ベストを記録。同年12月10日のエディオンディスタンスチャレンジin京都5000mでは、日本歴代7位となる13分16秒53を記録した。

2023年6月1日、8月に開幕する世界陸上ブダペストの代表選考会を兼ねた第107回日本陸上競技選手権大会男子5000m決勝で13分19秒85を記録し優勝[14]。世界陸上の参加標準記録(13分07秒00)の突破はできず、代表内定はならなかった[14]がターゲットナンバーに入り出場。予選1組13分51秒00で18位敗退[15]

12月10日、2024年パリ五輪の選考を兼ねて行われた第107回日本陸上競技選手権大会10000m決勝で相澤晃旭化成)の持っていた27分18秒75の記録を破る27分09秒80の日本新記録で初優勝[16][17]。6月の5000m優勝と合わせ2冠制覇となる。2位の太田智樹トヨタ自動車)が27分12秒53、3位の相澤が27分13秒04で、メダル獲得の3人がいずれも従来の日本記録を上回る快挙となった[16][17]。しかし2024年パリ五輪の参加標準記録27分00秒00は突破できず[16]

趣味[編集]

趣味としてアニメ・ゲームをたびたび挙げており、特に『ラブライブ!』のファン「ラブライバー」である。大学の3年先輩である稲田翔威(コトブキヤ)によると、高校の時の遠征で触れた『スクールアイドルフェスティバル』がきっかけとのこと[18]。大学4年時は『ポケモンカード』に熱中していた。

自己記録[編集]

  • 1500m - 3分47秒15(2016年)
  • 3000m - 7分46秒37(2023年)※日本歴代5位
  • 5000m - 13分16秒53(2021年)※日本歴代7位
  • 10000m - 27分09秒80(2023年)※日本記録
  • ハーフマラソン - 1時間01分22秒(2018年)
  • 3000mSC - 8分27秒25(2019年)

主な戦績[編集]

  • 天皇盃全国都道府県対抗男子駅伝競走大会(2014年)1区 区間12位 20分23秒
  • 世界ジュニア陸上競技選手権大会(2014年)3000m障害物距離走 8分45秒66
  • 日本インカレ(2015年)3000m障害物距離走 1位 8分42秒
  • 関東インカレ1部(2016年)10000m 3位(日本人トップ)28分42秒
  • 関東インカレ1部(2016年)3000m障害物距離走 1位 8分37秒
  • 日本陸上競技選手権(2016年)3000m障害物距離走 2位 8分36秒
  • リオデジャネイロオリンピック(2016年)3000m障害物距離走予選 8分40秒98(予選敗退)
  • 日本インカレ(2016年)3000m障害物距離走 1位 8分38秒
  • 関東インカレ1部(2017年)10000m 3位(日本人トップ)28分35秒
  • 関東インカレ1部(2017年)5000m 4位 13分47秒
  • 全日本大学駅伝関東予選(2017年)第4組 28分35秒
  • ユニバーシアード台北(2017年)10000m 3位 29分20秒
  • 日本インカレ(2017年)10000m 4位 28分47秒
  • 日本インカレ(2017年)3000m障害物距離走 1位 8分34秒
  • 天皇盃全国都道府県対抗男子駅伝競走大会(2018年)3区 区間2位 23分49秒
  • 関東インカレ1部(2018年)10000m 3位(日本人トップ)28分26秒
  • 関東インカレ1部(2018年)5000m 2位(日本人トップ)13分52秒
  • 日本陸上競技選手権(2018年)3000m障害物距離走 1位 8分29秒
  • アジア大会(2018年)3000m障害物距離走 3位 8分29秒
  • 日本インカレ(2018年)3000m障害物距離走 1位 8分31秒
  • 第107回日本陸上競技選手権大会(2023年)5000m 1位 13分19秒85
  • 第107回日本陸上競技選手権大会(2023年)10000m 1位 27分09秒80(日本新記録)

大学駅伝戦績[編集]

学年 出雲駅伝 全日本大学駅伝 箱根駅伝
1年生
(2015年度)
第27回
― - ―
出走なし
第47回
2区-区間4位
38分05秒
第92回
2区-区間5位
1時間08分30秒
2年生
(2016年度)
第28回
3区-区間2位
24分51秒
第48回
― - ―
出走なし
第93回
2区-区間5位
1時間08分06秒
3年生
(2017年度)
第29回
3区-区間賞
24分17秒
第49回
2区-区間3位
38分31秒
第94回
2区-区間10位
1時間09分26秒
4年生
(2018年度)
第30回
― - ―
出走なし
第50回
4区-区間賞
33分48秒
第95回
2区-区間2位
1時間06分45秒

脚注[編集]

  1. ^ a b 塩尻 和也(しおじり・かずや) スポーツ健康科学部・1年 報知新聞(箱根駅伝)
  2. ^ a b “【箱根への道】順大・塩尻 スーパールーキーが3年ぶりシード導く”. スポーツ報知. (2015年12月27日). https://web.archive.org/web/20160101132320/http://www.hochi.co.jp/sports/feature/hakone/20151226-OHT1T50136.html 2016年8月4日閲覧。 
  3. ^ a b c 第15回世界ジュニア陸上競技選手権大会選手紹介 - 日本陸上競技連盟 (PDF)
  4. ^ IAAF世界ジュニア陸上競技選手権大会 - 日本陸上競技連盟 (PDF)
  5. ^ “塩尻和也(順大) 走るたび速く、リオも射程”. 読売新聞. (2015年12月21日). https://web.archive.org/web/20160105032016/http://www.yomiuri.co.jp/sports/ekiden/2016/feature/20151221-OYT8T50083.html 2016年8月4日閲覧。 
  6. ^ 第100回日本陸上競技選手権大会決勝一覧 - 日本陸上競技連盟 (PDF)
  7. ^ a b “陸上3000メートル障害の塩尻和也を代表追加”. 日刊スポーツ. (2016年8月3日). https://www.nikkansports.com/olympic/rio2016/athletics/news/1688724.html 2016年8月4日閲覧。 
  8. ^ 塩尻和也選手 リオ五輪代表決定! 順天堂大学 (2016-08-03). 2016年8月4日閲覧
  9. ^ 第31回オリンピック競技大会(2016/リオデジャネイロ)日本代表選手追加決定について 日本陸上競技連盟 (2016-08-03). 2016年8月4日閲覧
  10. ^ “箱根ランナー塩尻和也は予選落ち 3000m障害”. 日刊スポーツ. (2016年8月15日). https://www.nikkansports.com/olympic/rio2016/athletics/news/1695458.html 2016年8月16日閲覧。 
  11. ^ 2017 八王子ロングディスタンスの競技結果 男子 10000mタイムレース6組 (2017年11月25日) 2017年11月25日閲覧。
  12. ^ “塩尻和也 順大マルチランナーの挑戦”. 4years.. (2018年10月27日). https://4years.asahi.com/article/11889844 
  13. ^ 【アジア選手権】第1日ハイライト&コメント 日本陸上競技連盟公式サイト (2019-04-22). 2019年5月30日閲覧
  14. ^ a b 男子5000m決勝は塩尻和也が13分19秒85で初優勝 2連覇中の遠藤日向は2位、大迫傑は途中棄権【陸上・日本選手権】 | TBS NEWS DIG (1ページ)”. TBS NEWS DIG (2023年6月1日). 2023年12月10日閲覧。
  15. ^ TBS. “世界陸上2023 ブダペスト|TBSテレビ”. TBSテレビ. 2023年12月10日閲覧。
  16. ^ a b c 快挙!1万M日本記録を一度に3人が上回る 初Vの塩尻和也、太田智樹、相沢晃が突破 日本選手権/デイリースポーツ online”. デイリースポーツ online (2023年12月11日). 2023年12月10日閲覧。
  17. ^ a b 第107回日本陸上競技選手権大会・10000m”. 日本陸上競技連盟公式サイト. 2023年12月10日閲覧。
  18. ^ “【嫁は二次元】走るガルパンおじさんが語る #箱根駅伝 の注目「オタクランナー」”. Buzzfeed. (2017年1月1日). https://www.buzzfeed.com/tatsunoritokushige/hakoneota 2017年1月3日閲覧。 

外部リンク[編集]

先代
相澤晃
10000m日本記録
27分09秒80
次代
-