境川 (境川水系・愛知県)
境川 | |
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水系 | 二級水系 境川 |
種別 | 二級河川 |
延長 | 25.0[1] km |
平均流量 | -- m³/s |
流域面積 | 264 km² |
水源 | 愛知県豊田市・愛知県みよし市 |
水源の標高 | 約150 m |
河口・合流先 | 衣浦湾(愛知県刈谷市・愛知県知多郡東浦町) |
流域 | 日本 愛知県 |
境川(さかいがわ)は、愛知県の中央部を流れ衣浦湾に注ぐ河川である。境川水系の本流を成し、二級河川となっている。
地理
三好カントリー倶楽部に囲まれた愛知県みよし市と同県豊田市の境界に位置する長田池を源とする。みよし市内を南北に縦断し、一旦東郷町内に入った後、東郷町とみよし市の境界、東郷町と刈谷市の境界、豊明市と刈谷市の境界、大府市と刈谷市の境界、東浦町と刈谷市の境界上を流れたのち、三角江を形成して衣浦湾に注ぐ。河口より約5km上流からは同水系の逢妻川および五ヶ村川と並行して流れ、河口付近でこれらの川と合流する。また南東には猿渡川水系がある。
境川流域は愛知県のほぼ中央に位置している。名古屋市中心部から15kmから30kmと比較的近い位置にあるため同市のベッドタウンとして発展しているほか、豊田市に近いこともあり自動車関連の工業が集中している。また、東郷町とみよし市の境界線上を流れ始めるあたりから河口付近までの川の両岸は稲作地となっており、田園風景が広がっている。また衣浦湾の最奥部には衣浦港が位置している。本河川の支流を含めた水源は多くが東部丘陵とも呼ばれる丘陵地帯であるが、河口は岡崎平野の西の端に位置する。 2000年9月11日の東海豪雨では刈谷市から大府市にかけて洪水の被害を出した。
流域の主な自治体
支流
- 小石川 - みよし市北西部の和田ヶ池に源を発し、唐沢川を合わせて南に流れ、みよし市福谷町落合で境川に注ぐ。
- 唐沢川 - みよし市福谷町西ノ洞付近に源を発し、南西に流れてみよし市黒笹町乙部で小石川に注ぐ。準用河川。
- その他の主な水源:唐沢池
- その他の主な水源:八幡池・大力池・大坂上池
- 唐沢川 - みよし市福谷町西ノ洞付近に源を発し、南西に流れてみよし市黒笹町乙部で小石川に注ぐ。準用河川。
- 井守川 - みよし市北東部の井守防災調整池に源を発し、南西に流れてみよし市福谷町堂ノ後で境川に注ぐ。延長0.3km[1]。
- 新寺田川 - みよし市北東部の新寺田川防災調整池に源を発し、西に流れてみよし市福谷町寺田で境川に注ぐ。延長0.5km[1]。
- 砂後川 - みよし市北東部の四ツ池に源を発し、寺田川を合わせて南西に流れ、みよし市三好町川畔で境川に注ぐ。準用河川。
- 寺田川 - みよし市福谷町仲田付近に源を発し、南に流れてみよし市福谷町寺田で新寺田川と直交、更に南下してみよし市莇生町水洗で砂後川に注ぐ。
- その他の主な水源:舟ヶ峪池
- 廻間川 - 東郷町北部の米ヶ廻間池に源を発し、南東に流れて東郷町大字諸輪東諸輪で境川に注ぐ。
- 前川 - 東郷町大字諸輪上鉾付近に源を発する。かつては愛知池となっている丘陵部に水源があった[3]が、現在は愛知池下流の愛知用水から取水している。その後篠木川や小口川を合わせて南に流れ、東郷町大字諸輪観音で境川に注ぐ。延長2.1km[1]。
- 篠木川 - 東郷町北西部の篠木池に源を発し、南西に流れて大字諸輪畑尻山で前川に注ぐ。
- 小口川 - 東郷町北西部の南木戸上池および下池に源を発し、東に流れて大字諸輪前田で前川に注ぐ。
- その他の主な水源:上鉢池、和泉下池
- 西の川 - 東郷町北西部の押草下池に源を発し、南東に流れて大字諸輪仁登で境川に注ぐ。
- その他の主な水源:広坪池
- 春木川 - 東郷町北西部の丘陵に源を発する濁池川・林清池川・千子川の三川が東郷町大字和合付近で合流して春木川となり、そのまま南東に流れて東郷町大字春木天白で境川に注ぐ。普通河川。
- 濁池川 - 東郷町北西部の濁池に源を発し、南東に流れて林清池川・千子川と合流し、春木川となる。
- 林清池川 - 東郷町和合ケ丘付近の丘陵に源を発し、南に流れて東郷町大字和合で濁池川・千子川と合流し、春木川となる。
- 千子川 - 東郷町北西部の千子池に源を発し、東に流れて東郷町大字和合で濁池川・林清池川と合流し、春木川となる。準用河川。
- 羽根穴川 - 東郷町白鳥付近の丘陵に源を発し、南に流れて東郷町大字春木東羽根で春木川に注ぐ。普通河川。
- その他の主な水源:蚊谷下池
- その他の主な水源:桝池、大坂池、蟹池
- 榜示本川 - 東郷町南部の榜示本付近に源を発し、南に流れて東郷町大字春木追分で境川に注ぐ。
- その他の主な水源今池:今池、茶苦煎池
- 上原川 - 東郷町南部の丘陵に源を発し、周辺の小水路を合わせて東に流れ、大字春木下川原で境川に注ぐ。
- 小川 - 東郷町南西部の長池に源を発し、南東に流れて東郷町大字春木四ツ塚で境川に注ぐ。
- 賛塔川 - 東郷町南西部の真菰池に源を発し、南に流れて長池に注ぐ。
- その他の主な水源:又池
- 若王子川 - 豊明市北部の若王子池に源を発し、南東に流れて豊明市沓掛町で境川に注ぐ。源流から沓掛町古池付近までは普通河川。延長1.8km[1]。
- 部田山川 - 東郷町西部の丘陵地に源を発し、南西に流れて若王子池に注ぐ。
- 茶屋川 - みよし市南部の多羅釜池に源を発し、一旦大池を経た後みよし市と刈谷市との境界を西に流れ、福田川を合わせて刈谷市井ケ谷町山伏で境川に注ぐ。下流の旧河道は大きく湾曲しており、現在はビオトープとして整備されている[4]。延長2.8km[1]。
- 福田川 - みよし市三好町庚申塚付近に源を発し、南に流れて刈谷市井ケ谷町細田で茶屋川に注ぐ。
- 草野川 - 刈谷市北部の洲原池に源を発し、南西に流れて刈谷市井ケ谷町稲葉崎で境川に注ぐ。
- その他の主な水源:草野池
- その他の主な水源:後田池
- 井堰川 - 豊明市北部の勅使池に源を発し、南東に流れて豊明市新田町森西で境川に注ぐ。上流から豊明市沓掛町広坪付近までは準用河川。延長1.9km[1]。
- その他の主な水源:金山池、皿池、荒巻上池および下池、長間地池、梶田池、蓮池、道池、住吉池、洞洼洞池
- 正戸川 - 豊明市間米町島川付近に源を発する。前後町鎌ケ須で黒部川を合わせるまでは準用河川。その後黒部川の名を借り坂部川、阿野川を集めたのち、豊明市阿野町登で二級河川正戸川となる。そのまま南に流れて大府市北崎町境川で境川に注ぐ。下流に小規模な遊水地を有する。延長2.9km[1]。
- 黒部川 - 豊明市南西部の濁池に源を発し、南東に流れて前後町鎌ケ須で正戸川に合流する。
- 坂部川 - 豊明市阿野町の椎池に源を発し、同町内で黒部川(正戸川)に合流する。
- 阿野川 - 豊明市阿野町稲葉付近に源を発し、南に流れて豊明市阿野町登で黒部川(正戸川)と合流する。延長0.3km[1]。
- その他の主な水源:稲葉池、琵琶ヶ池
- 皆瀬川 - 豊明市南西部の西池に源を発し、大蔵川・高根川を合わせて南へ流れ、大府市北崎町南蒲野で境川に注ぐ。下流には五ヶ村川との立体交差である水無瀬樋門がある。延長4.8km[1]。
- 大蔵川 - 豊明市南部の大蔵池に源を発し、東に流れて豊明市栄町姥子で皆瀬川に注ぐ。
- 高根川 - 大府市北崎町の星名池および北崎大池に源を発し、南東に流れて大府市北崎町6丁目で皆瀬川に注ぐ。
- 山手川 - 大府市北崎町名所ケ峯付近に源を発し、そのまま西に流れて北崎町4丁目で高値川に注ぐ。
- その他の主な水源:辰池、廻間池
- 明神川 - 大府市北東部の宝池に源を発し、南東に流れて大府市横根町家下で境川に注ぐ。下流には五ヶ村川および横根川との立体交差である明神樋門と境川の堤防の中に明神川を通す明神川逆水樋門があり、いずれも国の登録有形文化財に認定されている[5][6]。延長0.3km[1]。
- 砂川 - 大府市北部の平戸池および増田池に源を発し、南に流れて大府市横根町新江で境川に注ぐ。下流には五ヶ村川との立体交差である砂川樋門がある。延長1.5km[1]。
- その他の主な水源:午池
- 石ヶ瀬川 - 大府市南部の骨田池および藤治池に源を発し、北に流れたのち大府市宮内町に入ると半月川を合わせてに東へ流れ、さらに東浦町大字森岡田面で鞍流瀬川を合わせて、東浦町大字森岡外新切で境川に注ぐ。鞍流瀬川との合流地点付近には石ヶ瀬川の戦い古戦場がある[7]。また毎年4月には、石ヶ瀬川堤防一面に黄色いカラシナの花が咲き、見頃を迎える[8]。延長6.2km[1]。
- 半月川 - 大府市南部の口無池に源を発し、北に流れて大府市吉田町清水城で石ヶ瀬川に注ぐ。
- その他の主な水源:海陸庵池
- 尾坂田川 - 大府市森岡町あいち健康の森公園内の"いのちの池"に源を発し、大府高校付近で石ヶ瀬川に注ぐ。
- 源吾川 - 大府市森岡町あいち健康の森公園内の"生きもの達の谷"に源を発し、森岡町9丁目で尾坂田川に合流する。
- 鞍流瀬川 - 名古屋市緑区桶狭間の大池に源を発し、東ノ川、石根川、長草川、矢戸川を合わせて南に流れ、大府市に入るとJR東海道本線に並行して流れ、東浦町大字森岡田面で石ヶ瀬川に注ぐ。緑区内の1.9kmの区間については名古屋市が管理する準用河川。鞍流瀬川の源付近には桶狭間古戦場があり、川からは文化年間に建立された古戦場を示す石碑も発見されている[9]ほか、川の名称も桶狭間の戦いで敗れた今川軍が敗走の際、大雨で増水した川に落ち鞍が流されたことに由来している[10]。なお水源の桶狭間付近は、1986年(昭和61年)の区画整理に伴い暗渠化された[11]。延長5.1km[1]。
- 東ノ川 - 名古屋市緑区桶狭間にある東ノ池に源を発し、西へ流れて名古屋市緑区南陵で鞍流瀬川に注ぐ。
- 石根川 - 大府市北西部の長草大池に源を発し、南東に流れて大府市一屋町で鞍流瀬川に注ぐ。
- 長草川 - 大府市北西部の籠池に源を発し、東に流れて大府市一屋町で鞍流瀬川に注ぐ。
- 権兵衛川 - 大府市長草町の権兵衛池に源を発し、南東に流れて柊山町で鞍長瀬川に注ぐ。
- 矢戸川 - 大府市西部の源竹池に源を発し、東に流れて大府市江端町で鞍流瀬川に注ぐ。
- その他の主な水源 - 立合池、鴨池上池および下池
- その他の主な水源:奥池、藪ヶ池、神様池、神池、清水池
- 半月川 - 大府市南部の口無池に源を発し、北に流れて大府市吉田町清水城で石ヶ瀬川に注ぐ。
- 五箇村川 - 豊明市阿野町付近に源を発し、その後汐田川、延命寺川、新川、岡田川、明徳寺川、流域の水田からの排水等を集めながら、正戸川、ついで境川に沿って南に流れ、東浦町大字石浜付近で境川に合流する。江戸時代に周辺の灌漑用水を排水を目的として開削された人工河川であり流域の本流である境川は流砂によって周囲の土地よりも川底が高い天井川となっており排水が困難であった)、境川に直接流入する皆瀬川、明神川、砂川、石ヶ瀬川とは立体交差する。特に明神川との立体交差地点における明神樋門および明神川逆水樋門は、明治期の人造石工法を伝える貴重な遺構として国の登録有形文化財となっている。延長8.7km[1]。
- 汐田川 - 大府市北崎町大清水に源を発し、初め東に200メートルほど直線状に流れ(一部大府市と豊明市との境界をなす)たのち流路を南に変え、水田からの排水等を集めながら直線状に流れ、大府市北崎町東新田で五箇村川に合流する。
- 延命寺川 - 大府市中心部の新池に源を発し、横根川を合わせて南東に流れ、東浦町大字森岡蓮池で五ヶ村川に注ぐ。
- その他の主な水源 - 川池
- 横根川 - 大府市横根町山ノ井付近に源を発し、北崎町内に入ると東に流れ、さらに五ヶ村川に出合う手前で向きを南に変え、大府市大東町で延命寺川に注ぐ。
- 新川 - 大府市江端町の江端調整池に源を発し、石ヶ瀬川に沿って東に流れ、東浦町森岡で五ヶ村川に注ぐ。
- 大府新川 - 大府市大東町付近に源を発し、東浦町緒川で五ヶ村川に注ぐ。
- 村木江川 - 東浦町緒川付近に源を発し、五ヶ村川に注ぐ。
- 岡田川 - 東浦町大字緒川字葭池付近に源を発し、東に流れて東浦町緒川で五ヶ村川に注ぐ。二級河川の延長3.9km[1]。
- 明徳寺川 - 東浦町大字緒川庄九付近に源を発し、東に流れて東浦町石浜で五ヶ村川に注ぐ。
- その他の主な水源 - 辰池、源吾池、御城池
- 逢妻川(延長10.7km)- 支流に関しては逢妻川のページを参照。
橋梁
- 境橋 - 愛知県道36号諸輪名古屋線
- 福田橋 - 愛知県道54号豊田知立線
- 諸輪橋 - 国道153号(豊田西バイパス)
- 境川橋 - 愛知県道218号和合豊田線
- 山伏橋 - 愛知県道234号みよし沓掛線
- 境川橋 - 愛知県道239号岡崎豊明線
- 新境橋 - 国道1号
- 境大橋 - 国道155号
- 境橋 - 愛知県道246号刈谷大府線(廃橋)
- 刈谷境橋 - 愛知県道246号刈谷大府線
- 境川橋 - 愛知県道50号名古屋碧南線
- 平成大橋 - 愛知県道51号知立東浦線
脚注
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p [1] (PDF) 愛知県河川整備計画流域委員会 境川水系河川整備計画 (平成26年3月25日、平成30年10月5日一部変更)p.8「表-1 河川諸元一覧表」、2021年10月1日閲覧)
- ^ 国土地理院地図によればトヨタ自動車日進研修センター近くの山中にある池を水源とする支流が存在し、加えて愛知池などの日進市と東郷町にまたがる池を源流とする支流が存在するため。境川・猿渡川流域水害対策計画ができました(日進市)
- ^ “前川の水質実態とその浄化についての提言”. 東郷町. 2019年8月15日閲覧。
- ^ “1. 流域及び河川の概要”. 2019年8月16日閲覧。
- ^ “<わが街探偵団> 明神川の樋門、国の有形文化財へ”. 中日新聞社 (2020年11月21日). 2021年3月2日閲覧。
- ^ “明神樋門、明神川逆水樋門が国登録有形文化財に登録されました”. 大府市. 2021年3月2日閲覧。
- ^ “大府の歴史(中世)”. 大府市. 2021年10月2日閲覧。
- ^ “石ケ瀬川堤防のカラシナ”. 大府市観光協会. 2013年7月6日閲覧。
- ^ “第8号 かわまち通信” (PDF). 清須かわまちづくり協議会 (2011年5月10日). 2012年9月1日閲覧。
- ^ “大府の地名の由来(川や池)”. 大府市歴史民俗資料館. 2012年9月1日閲覧。
- ^ “「桶狭間の戦い」から450年~合戦の地を行く(名古屋市緑区編)”. LET'S GO! あいち アーカイブ 愛知の観光情報保存版!. 2013年7月7日閲覧。