亀和田武
亀和田 武(かめわだ たけし、1949年1月30日 - )は、日本の雑誌編集者、作家、コラムニスト、キャスターである。栃木県生まれ。成蹊大学文学部文化学科卒。通称:カメチャン。
経歴・人物
少年時代はアメリカン・ポップスのファンで、著書『1963年のルイジアナ・ママ』の中で「甘ったるいアメリカン・ポップスを滅亡に追いやったビートルズは、同時代のヒーローではなく、不倶戴天の敵」と書いている(なお、同世代の鏡明、橋本治も似た発言をしている)。
SFファンでもあり、高校時代から横田順彌、鏡明、川又千秋らがメンバーだった有名なSFファンの集まり「一の日会」に出入りしていた。また、浪人時代に同じ予備校の先輩の山口文憲と知り合う。
大学時代は学生運動にかかわるが学生運動終焉後、全共闘の残党が各雑誌の編集部に集まった「三流エロ劇画ブーム」の際に1977年創刊の雑誌『劇画アリス』の編集長を務め、その沢田研二に似た容姿から「三流エロ劇画界のジュリー」と呼ばれた。また、メジャーな少年誌出身の吾妻ひでおの作品「不条理日記」を掲載、話題を集めた。
1980年の『劇画アリス』廃刊後、フリーのコラムニストに。『本の雑誌』、『噂の真相』などでコラムを発表。その辛らつぶりで評判となる。
当時は「昭和軽薄体」ブームの渦中であったが、その中で南伸坊の文章を「素人ぶっていて、カマトト的だ」と批判した。また当時、「初期のいかがわしさ」を失っていたタモリを「竹村健一、さだまさしといった、誰がみてもイモである連中を、笑いのターゲットにしても、予定調和にすぎず面白くない」と痛烈に批判した。
また、雑誌『漫画アクション』の名物匿名コラム「アクション・ジャーナル」を阿奈井文彦、呉智英、関川夏央、堀井憲一郎、村上知彦、山口文憲らと執筆。
SFの世界では『SFマガジン』誌のレビュー欄の担当を皮切りに1980年『SF宝石』誌に「ザ・ビッグ・ウェーブ」を発表し、SF作家としてデビュー。1982年に、初のSF短篇集『まだ地上的な天使』を刊行した。
1984年、テレビ朝日の『ミッドナイトin六本木』で司会をつとめ、以降テレビの仕事も増えてくる。1992年10月から1996年5月まではTBS『スーパーワイド』、1998年10月から2000年9月まではテレビ朝日『スーパーモーニング』とワイドショーの司会を務めた。
現在は雑誌連載、コメンテーター、競馬評論家と多方面で活躍中である。また、プロレス好きでも知られる。
読書家であり、本の目利きとして本好きの間に知られている。朝日新聞書評欄に「マガジンウオッチ」として連載していたものをまとめた『この雑誌を盗め!』は連載時から常に旬の雑誌企画をヴィヴィッドに取り上げて評判であった。
2009年1月、著書『どうして僕はきょうも競馬場に』が2008年度のJRA賞馬事文化賞を受賞した。著書の題名どおり週末は普通に競馬場に通っているところが見かけられる。
近年は坪内祐三と親密で、対談などをすることが多い。
著書
小説
エッセイ集・コラム集
- マンガは世界三段跳び(有川優、飯田耕一郎との共著) 本の雑誌社、1980年8月
- 1963年のルイジアナ・ママ 北宋社、1983年1月 のち徳間文庫
- 懶者読書日記 駸々堂出版、1985年1月
- 愛を叫んだ獣 白夜書房、1986年6月(甲斐バンドについての評論集)
- ホンコンフラワーの博物誌 本の雑誌社、1987年8月
- 反則がいっぱい 紙上最強のプロレス・コラム'82〜'91 芸文社、1991年9月
- 寄り道の多い散歩 光文社、1993年2月
- 活字だけでは生きてゆけない なまけもの読書日記'89〜'92 芸文社、1993年7月
- この雑誌を盗め! 二見書房、2006年10月
- 人ったらし 文藝春秋、2007年10月
- どうして僕はきょうも競馬場に 本の雑誌社、2008年5月
- 倶楽部亀坪(坪内祐三との共著) 扶桑社 2009年7月
- 夢でまた逢えたら 光文社 2013年4月